肛門周囲膿瘍とは?症状や原因、治療方法を紹介!

肛門の病気の苦しみは2つあります。激しい痛みと恥ずかしさです。恥ずかしさのあまり医者にかかる時期が遅れ、痛みが増えます。命にかかわらない病気の中で、生活の質を著しく落とす病気のひとつに数えられています。

その肛門の病気の中でも「肛門周囲膿瘍(こうもん・しゅうい・のうよう)」は、最も苦しい病気です。この病気が悪化すると、あの「痔瘻(じろう)」になるからです。

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肛門周囲膿瘍と痔瘻の症状

穴が開く

肛門周囲膿瘍は痔瘻の前段階ですので、この2つの症状について解説します。

痛みと腫れ

肛門の周囲に「膿瘍」という「膿」ができると、痛みと腫れがほぼ同時に発生します。人によっては発熱することがあります。発症した人は肛門科に文字通り「駆け込む」ことになるそうです。肛門科医師が「患者さんの様子で問診をしなくても肛門周囲膿瘍と分かる」というほどです。

無症状?

まれに、肛門周囲膿瘍の段階では症状があまり出ないことがあります。肛門に異変があっても、激痛というほどではなく「気のせいかな?」と思ってしまいます。無症状に近い肛門周囲膿瘍は放置されやすいので、痔瘻に進みやすいのです。

数カ月悩む

肛門周囲膿瘍という「膿」が形成されているにもかかわらず無症状の人は、痔瘻になっても我慢できる程度の症状のことがあります。

腫れ、しこり、膿が出る、出血、痛み、重苦しい――が典型的な症状です。例えばこれが頭部に発生したら迷わず脳外科病院にかかるでしょう。しかしこれが肛門に起きると「気のせいと思いたい」と考えるのは人の情でしょう。

痔瘻の場合、数カ月も悩んだあげくに肛門科を訪れる人がいるそうです。

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肛門周囲膿瘍と痔瘻ができるまで

トンネル

肛門周囲膿瘍は「膿ができる」までの病気です。その膿が悪化すると痔瘻になります。痔瘻は、肛門という「大トンネル」から「枝」のように別の「小トンネル」ができてしまう病気です。

肛門陰窩

「陰窩(いんか)」とは平らなところにあるくぼみのことです。健康な人でも、肛門の「壁」には陰窩が10個程度存在します。しかし中には陰窩が単なる「くぼみ」にとどまらず「ポケット」のように深くなることがあります。

下痢などをきっかけに、ポケット状の陰窩に細菌がたまります。細菌はやがて膿になります。この状態が肛門周囲膿瘍です。「膿瘍」は「膿を満たした空洞」という意味です。

この状態でも強い痛みや腫れが起きます。

新トンネル

肛門周囲膿瘍を放置すると、膿のポケットはどんどん周辺の肉を削っていきます。肛門という大トンネルから、枝のように新しい小トンネルが掘り進められていくイメージです。

この小トンネルがどこたどりつくかというと、肛門と同じように、皮膚の表面まで進みます。つまり新トンネルが開通してしまうのです。これが痔瘻です。

がん化も

痔瘻は自然には治らない病気です。しかも痔瘻は「1本」にとどまりません。それは陰窩が10数個もあるからです。すべての陰窩は、肛門周囲膿瘍、そして痔瘻に変化する可能性を持っているのです。

さらに、痔瘻ができてしまったということは、細菌にとって住み心地が良い場所であるということです。なので痔瘻を放置すると2本目の痔瘻は比較的簡単にできてしまいます。

最終的には、がんになる可能性があります。ある肛門科医師は「痔瘻の患者全員に手術をすすめる」と断言しています。

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肛門周囲膿瘍と痔瘻の治療

切開

肛門周囲膿瘍の治療でやっかいなのは、抗生物質が効かないことです。

切って出す

そこで物理的に膿を出すことになります。腫れている部分にメスを入れて、切開して膿を出します。「どろり」と出てくるそうです。

肛門周囲膿瘍の患者は、激しい痛みを伴って病院にやってきますが、膿を出し切ると潮が引くように痛みが消えることが多いです。

手術

膿を出し切ると、肛門が楽になります。しかし治療は続きます。これで病院に通うのをやめないでください。とういのは膿という「中身」がなくなっても「ポケット」や「トンネル」は残っているからです。この状態では、新たに細菌が侵入したり膿ができてしまいます。

そこで、肛門周囲膿瘍の膿を出す切開から1、2カ月後に、根治手術を行います。1、2カ月待つのには意味があります。肛門周囲膿瘍が起きた場所は、組織がもろくなっています。そこに「根治手術」という激しい刺激を加えると、治るどころか症状が悪化してしまうのです。回復を待って根治手術を行うのです。

根治手術は痔瘻の手術とほぼ同じです。次に詳しく解説します。

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肛門周囲膿瘍と痔瘻の手術

輪ゴム

肛門周囲膿瘍の根本手術と痔瘻の手術は同じで、いずれも「切開開放術」「括約筋温存術」「シートン法」の3種類あります。それぞれ長所と短所を紹介します。

内視鏡の検査

痔瘻の手術をする前に、大腸内視鏡の検査をする場合があります。痔瘻と分かっているのに、医師が肉眼で確認する意図は「クローン病が原因なのかどうか」を判断するためです。

「クローン病が原因の痔瘻」は「一般的な痔瘻」とは違った治療をしなければなりません。「クローン病が原因の痔瘻」と気付かずに一般的な痔瘻の手術をすると、傷が治るどころか悪化することがあるからです。

痔瘻ができている肛門に内視鏡を刺し込むので、つらい検査ではあるのですが、ここは我慢のしどころとなります。

切開解放術

切開解放術は、軽度の痔瘻に適用される手術です。「肛門の大トンネル」と「痔瘻の小トンネル」をつなげてしまいます。小トンネルの「壁」を「切開」すると、小トンネルが「解放」され、大トンネルと一体化されます。切開後は静養して組織が盛り上がってくるのを待ちます。

長所は再発率1、2%と低いことです。入院期間も数日で済みます。一方、肛門が変形するリスクがあります。肛門が変形すると排便に不具合が生じます。また切開解放術は悪化した痔瘻には使えません。

括約筋温存術

括約筋温存術は、切開解放術では肛門が変形してしまう可能性があるときに用いられます。別名「くりぬき法」といわれる通り、「痔瘻の小トンネル」を根こそぎくりぬいてしまうのです。

つまり、くりぬいた後の痔瘻は「中くらいのトンネル」ができます。これくらい大きい穴にしてから、肛門側の穴を縫ってふさぐのです。

肛門括約筋を取り除かなくて済む手術方法なので、この名称になっています。肛門が変形するリスクは低いのですが、再発率が10~20%と高いのがネックです。1週間の入院が必要です。

シートン法

シートン法は、痔瘻の小トンネルをくりぬいて「中トンネル」を作るところまでは括約筋温存術と同じです。シートン法ではこの次に、中トンネルに「シートン」という特殊なゴムを通します。通した後は、シートンを結びます。肛門に「ゴムの輪っか」がぶら下がっている状態になります。それでこの術式を「ゴム輪法」と呼ぶことがあります。

「ゴム輪」は放置しておきます。肛門の組織は「ゴム輪」を「異物」と認識して、押し出そうとします。不思議なことに、しばらくするとゴム輪は完全に外れてしまいます。外れたときには痔瘻が治っています。

3つの手術のうち、シートン法が最も治癒率が高いのですが、最も時間がかかる治療法でもあります。低い再発率、低い変形リスク、短期入院というメリットはありますが、ゴム輪の違和感があるので治療中の生活の質が低下します。

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まとめ

肛門は便にさらされるので、小さな傷でもすぐに大きな症状を引き起こします。肛門の病気の予防でオススメなのは、ウォシュレットです。清潔に保ちましょう。

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