ミクリッツ病とは?症状や原因、治療方法を理解しておこう!

皆さんミクリッツ病と言う名前の病気を、聞いたことがありますか?ミクリッツ病は自己免疫疾患の、シェーグレン症候群と以前は、同じ扱いにされていました。

ミクリッツ病は痛みはない、涙腺や唾液腺が腫れる良性疾患です。白血病や悪性リンパ腫などの原因のある、同じ症状を起こすミクリッツ症候群意外の、はっきりした疾患のないものをまとめてミクリッツ病と規定しています。

ミクリッツ病は自然に治癒する事もありますが、早期発見して副腎皮膚ステロイド剤で治療して経過観察をすることで、悪性リンパ腫に移行するのを防ぐことができます。

良性だからと言って放置すると悪性リンパ腫に、移行しないとは言えないので、良くその症状を知って、早期発見に努める事が健康に暮らせることができる、道ではないかと思います。

ミクリッツ病とは

アレルギー5

ミクリッツ病の歴史

◆ミクリッツ病とは1888年にオーストリアの医師、ヨハン・フォン・ミクリッツ・ラデッキーの研究結果により発表され、ミクリッツ病は医師の名前が付けられました。

◆1933年にスエーデンの眼科医師の、ヘンリ・シェーグレンの研究論文で、シェーグレン症候群が確立され、1953年にこのミクリッツ病とシェーグレン症候群は、同じものと理解される様になりました。

◆しかし2000年に東京歯科大学の研究者、2004年に札幌大学の研究者らによって、2つの病気はそれぞれ違うものとして、2008年にミクリッツ病の診察基準が確立されました

◆2011年にはlgG4関連疾患として、世界にひろまりミクリッツ病の単独の名前が認識される様になりました。

ミクリッツ病の詳細

◆ミクリッツ病は50代~60代の女性に多く、唾液腺のはれが持続します。治療として副腎皮膚ステロイド剤が良く効くのが特徴です。

◆ミクリッツ病はまだ詳細が分かっておらず、認識不足のため可成りこの病気が見過ごされ、合併症には悪性腫瘍などもある事が分かってきました。地域性はほとんどなく日本全国で発症しています。

◆ミクリッツ病とシェーグレン症候群はとても良く似ています。ミクリッツ病はlgG4のたんぱく質の抗原によるものですが、シェーグレン症候群の場合は、たんぱく質のLa/SS-BとRo/SS-Aの抗原による違いです。

◆どちらも自己免疫疾患で、自分の免疫が本来守らないと行けないはずの臓器の、細胞の中のたんぱく質を異物とみなして、自分の臓器を攻撃して、自分の細胞を傷をつけて炎症を起こさせる症状です。

ミクリッツ病の原因

リウマチ 食事

◆唾液腺や涙腺が痛みなく腫れる原因は、リンパ液の水分が多すぎて染み込むためですが、リンパ液の湿潤が何故起こるかは、今の所解っていません。

◆細菌やウイルス等によって、リンパ球が自らの細胞の、たんぱく質を抗原と認識して、自らを攻撃してしまう、いわゆる自己免疫疾患の1つと考えられています。

◆ミクリッツ病は以前はシェーグレン症候群と同じに扱われていました。しかし2008年に日本人の手によって、ミクリッツ病はlgG4の関連の疾患とわかり、区別されるようになりました。

◆lgG4とは血液中の免疫グロブリンという、たんぱく質の抗体です。自己免疫疾患の患者に、血液中の、免疫グロブリンと言う抗体の中の、lgG4の抗体がある事が分かり、このlgG4が増える事で腫れがおこる、原因不明の疾患が沢山でてきました。

ミクリッツ病はアレルギーが、関与する事が分かってきましたが、発病に関する原因は分かっていません。

◆lgG4関連疾患は臓器が傷害される病変で、全身の色々な病気の原因となっていて、膵病変や胆管病変では閉塞性黄疸がでます。また後腹膜繊維症では水腎症や尿閉になるので、他の臓器よりも症状が重くなります。

lgG4の患者は日本では現在26,000人程います。

ミクリッツ病の症状

おたふく風邪

◆ミクリッツ病の症状は耳の下の耳下線、顎の脇の顎下腺、舌下腺の唾液腺や涙腺が炎症をおこし、痛みもなく左右対称に腫れます。片側だけの時もあります。

顔全体に熱を持ったような感じで、腫れた目立った顔になり、どちらかと言うと男性に多くみられる、慢性の唾液性疾患の事です。

◆ミクリッツ病とはリンパ液の水分が多すぎる事により、水分が多すぎて涙腺や唾液腺が出にくくなる為に、結膜炎や耳下線炎になりやすく、物を飲む込にくくなったりします。

◆炎症が片側や両側に起こったりして、視覚障害が起こる場合もあり、口腔や目が乾燥する症状が出る場合もありますが、シェーグレン症候群よりは酷くないです。

ミクリッツ病の治療

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◆ミクリッツ病の治療は、副腎皮質ステロイド薬が使用され免疫反応を抑えます。しかしミクリッツ病は自然に治ることもあるのです。

◆シェーグレン症候群と異なるのは、治療の方法でこの副腎皮質ステロイド薬が、有効であることも違っています。

◆ミクリッツ病の医療機関は少なく、シェーグレン症候群の治療を行っている、医療機関で行っています。

◆ミクリッツ病は全身の検査をして、基礎疾患がないか調べる事が大事です。基礎疾患がなければ非ステロイド抗炎症薬を投与する事で、改善する事があります。

◆経過観察をしないで放置していると、悪性リンパ腫に移行する場合があるので、必ず非ステロイド抗炎症薬を投与しても、経過観察を行う事が大切です。

ミクリッツ病とシェーグレン症候群の違い

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◆シェーグレン症候群は膠原病に含まれ、唾液腺炎と乾燥性角結膜炎がおもな症状ですが、全身の病気を伴うので内科、耳鼻科、眼科、歯科口腔科で共同して、見ていくことが必要とされています。

◆自己免疫疾患の一つで、多臓器に特殊なリンパ球の組織でない物が、リンパ球に存在し涙腺や唾液腺だけでなく、全身の導管から分泌される、外分泌腺になることがあります。

◆発症年齢は40代から60代が多く、男女比は1:14と女性に多く10万人に15人で、難病に指定されています。

シェーグレン症候群は、関節リュウマチの症状を持った人が、シェーグレン症候群の症状を訴える人が多く、またシェーグレン症候群は慢性疲労を伴う人が多いです。

◆ミクリッツ病との違いは、lgG4のたんぱく質の抗原の、増加がないと言う事でしょうか?症状その他については、ミクリッツ病もシェーグレン症候群も良く似ていますが、ミクリッツ病は、副腎皮質ステロイド薬が良く効くのが特徴です。

◆シェーグレン症候群も症状により、副腎皮質ステロイド薬を使います。白血球と赤血球が減少する様ですね。特異性の高い抗原はLa/SS-B抗体ですが、これは20~30%で見られます。

◆膠原病で検出されるRo/SS-A抗体は、50~70%みられます。ミクリッツ病とシェーグレン症候群の違いは、抗体の違いのように思われます。たんぱく質の抗体がいくつかあって、抗体により、ミクリッツ病とシェーグレン症候群に分かれ、症状はよく似た症状が出る様です。

ミクリッツ病の症状からの病院を探す

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  • 慶應義塾大学病院      東京都新宿区信濃町35     03-3353-1211
  • 順天堂大学病院       東京都文京区本郷3-1-3     03-3813-3111
  • 大阪大学附属病院      大阪府吹田市山田丘2-15       06-6879-5111
  • 洛和会丸太町病院      京都市中京区聚楽廻松下町9-7  075-801-0351
  • 横浜・中川駅前クリニック  横浜市都筑区中川1-10-2     045-910-2277
  • 札幌医科大学        札幌市中央区南1条西17丁目  011-611-2111
  • 九州大学病院        福岡市東区馬出3-1-1     092-641-1151
  • 佐賀大学附属病院      佐賀市鍋島5-1-1       0952-31-6511
  • 昭和大学病院        東京都品川区旗の台1-5-8   03-3784-8000
  • 倉敷中央病院        岡山県倉敷市美和1-1-1    086-422-0120
  • 関西医科大学        枚方市新町2丁目3-1      072-804-0101
  • 金沢医科大学病院      石川県河北郡内難町大学1-1    076-286-3511
  • 金沢大学附属病院      金沢市宝町13-1        076-265-2000

◆膠原病科、アレルギー科、リウマチ科等を扱っている殆どの大学病院で行われていると思います。

上に載せた病院はlgG4を専門に、扱っている先生達がおられますので、ミクリッツ病については、とても詳しいのではないかと思い載せました。

◆膠原病やシェーグレン症候群等扱っている病院であれば、口腔外科、耳鼻咽頭科、眼科で調べて頂ける様です。

◆ミクリッツ病はCTやMRIによって身体の臓器に異常が起きてないか調べて、異常がなければミクリッツ病と診断されます。

ミクリッツ病が初めの検査で、ミクリッツ病と診断されるには、色々な検査が必要となってきますので、入院が必要となる事もあります。

通院で検査をする場合は、可成りの時間が掛かる様です。しかしまだミクリッツ病については詳細が分かっていないので、診断は確立しておらず、個々の病院で検査のやり方は違うようで診断も病院によって違ってくるようです。まだ診断の詳細が確立されていないそうです。

まとめ

如何でしたでしょうか?まだ余り知られていない病気で、ネット上でもミクリッツ病については余り深く書いているサイトはありませんでした。

原因がlgG4のたんぱく質の抗原によるものである事は分かりましたが、何故そのようなlgG4ができるのかは解明されていません。

シェーグレン症候群と症状も治療も似たところがありますが、ミクリッツ病は副腎皮質ステロイド薬や自然治癒で治る事もあるので、早めの治療が大切な様に思います。

放置していると悪性リンパ腫に、移行しないとは言い切れないので、症状がでたら専門医のある病院にいかれる事が良いと思います。

  
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