チアノーゼとは?種類や症状、原因や治療方法を知ろう!

医療ドラマなどでたまに登場する「チアノーゼ」というワードに関する記事です。「チアノーゼ」という言葉は知っていても、それがどういう症状なのかご存知ない方も多いかと思います。

そこで、今回はチアノーゼの症状や原因についてご紹介していきます。

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チアノーゼってなに?

だるい

チアノーゼの症状

チアノーゼとは皮膚・粘膜が青紫色に変化する症状を指します。中枢性チアノーゼや末梢性チアノーゼ、血液性チアノーゼがあります。中枢性チアノーゼと末梢性チアノーゼの原因は一般的に、毛細管内を流れている血液の還元ヘモグロビン濃度が5g/dL以上になると出現するといわれています。

人間の血液の中にはヘモグロビンという色素が含まれています。血液が赤く見えるのはこの色素によるものです。ヘモグロビンの主な働きは酸素と結合し、血液に乗って全身に酸素を届けて回ることです。

ヘモグロビンは酸化ヘモグロビンという酸素と結合したものと還元ヘモグロビンという酸素と結合していないものに分けることができます。

還元ヘモグロビンの濃度を調べるということは、酸素と結合していないヘモグロビンが血液中にどのくらいの割合で存在しているのか調べるということです。例えば、パルスオキシメータという装置を使うと、動脈血中のヘモグロビンがどのくらい酸素と結合しているか(酸素飽和度)を測定することができます。

これは酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光度の違いを利用して検査をしています。

チアノーゼの原因

つまり、チアノーゼの原因は何らかの理由で、血中のヘモグロビンと酸素が結合している割合が減少することです。

たとえば、末梢性チアノーゼの原因にレイノー現象というものがあります。レイノー現象というのは寒さや精神的なストレスによって指先の動脈が急激に収縮してしまう現象です。レイノー現象が起きると、血液の循環が阻害され、皮膚が蒼白になり、続いてじわじわとチアノーゼのときにみられる青紫色に変色していきます。

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ヘモグロビンの検査と吸光度

赤血球

ヘモグロビンは血液の赤い色のもとになっている色素ですが、酸化ヘモグロビンは鮮烈な赤色をしています。よくドラマなどで誰かが殺されるシーンでは血がぶわっとふき出したりしますよね。

特に首筋などを切られるとすごい勢いで血が噴出しますが、あれはおそらく頸動脈を切られているからで、動脈血は一般的に酸素が多く含まれており、酸化ヘモグロビンの割合が高い血液です。

逆に静脈血では酸素が少なく、還元ヘモグロビンの割合が高いです。真っ赤な血というのは酸化ヘモグロビンのためにそのように見えているのです。還元ヘモグロビンだと、少し青みがかった赤になります。皆さん献血や定期健診の採血の際にごらんになったことがあるかと思いますが、そのときの血ってどす黒い赤色ですよね。それは静脈血を採取しているからなんですね。

吸光度を調べる

吸光度を調べるというのは、ある方向から光を物体にあて、その物体の向こう側に物体を通過してくる光を、装置を使って受け止め、もとの、照射した光のうちどのくらいの光が物体を通過したのか、もしくは通過せずに吸収されたのかを調べるということです。

例えば赤色の光を血液に当てると、酸化ヘモグロビンは濃い赤色をしていますから、あまり赤色の光を吸収しません。そのため、動脈血で赤色光の吸光度を調べると、あまり吸光度は高くありません。しかし、還元ヘモグロビンの場合は酸化ヘモグロビンよりも赤色が強くないため、より多くの赤色光を吸収します。よって、相対的に吸光度が高くなります。

もちろん、実際に血液の吸光度を調べる際にはヘモグロビンだけでなく動脈血そのものと血管の周りの組織も含めた吸光度も含まれるため、一瞬の検査ではなく、少し時間を取って経時的に吸光度を測定することで動脈血による吸光成分(酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビン)のみの吸光度を導き出すことができます。

そのため、酸素飽和度を調べることで、血液中に含まれているすべてのヘモグロビンのうち何パーセントが酸化ヘモグロビンとなっているか、もしくは酸化ヘモグロビンとなっていない―還元ヘモグロビンである―かを表すことができるのです。

ヘモグロビンの異常→血液性チアノーゼ

血液性チアノーゼでは異常ヘモグロビン血症が原因となります。よく低酸素血症と混同されることがあります。実際に、チアノーゼが症状として現れるときには患者さんの血液には低酸素血症が生じていることが多いです。しかし、チアノーゼの出現要因については、さまざまな要因によって影響を受けるため、必ずしも低酸素血症とチアノーゼは同義ではありません。

一酸化炭素中毒や高度の貧血では酸化ヘモグロビンの割合が急激に低下します。血液中の酸化ヘモグロビンの割合が低い状態を低酸素血症といいますが、急激に酸化ヘモグロビンの割合が低下する場合はチアノーゼのように皮膚や粘膜が青紫色に変化することはありません。チアノーゼの症状は唇や口の中の粘膜、鼻先や耳、指先などで見られやすいです。

これらの場所はメラニン色素が少なく、表皮が薄く、また、毛細血管が豊富に存在しています。そのため、毛細血管の中を流れる血液の色をよく反映するのです。

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チアノーゼの分類

色白 お姉さん

チアノーゼには大きく3つの種類があります。中枢性チアノーゼと末梢性チアノーゼ、血液性チアノーゼです。

中枢性チアノーゼ

中枢性チアノーゼでは動脈血の酸素飽和度が低下して、全身に症状が現れます。原因は大きく呼吸機能障害と右-左シャント、高地環境などでの肺胞内酸素分圧低下の3つに分けられます。

呼吸機能障害では体内の血液循環や血液での酸素の運搬、細胞組織との酸素の交換などがうまくいかないため、低換気、換気血流比不均等、拡散障害により肺動脈血の十分な酸素かが妨げられることでチアノーゼが生じます。呼吸機能障害が原因の場合、酸素を追加で投与することで症状は改善することが多いです。

右―左シャントというのは、右心系から左心系へ血液が肺を通過せずに直接送られてしまう先天性心疾患のことです。血液は通常、心臓の拍動によって全身を巡り、また心臓に戻ってきます。そのときに、心臓から一度肺へと血液を送り、血中に酸素を補給します。しかし、右―左シャントがあると、本来肺へ送られるはずの、血中に酸素の少ない静脈血がそのまま左心系から全身へと送られるためにチアノーゼが発生してしまうのです。

右―左シャント性の場合は酸素を投与しても症状は改善されません。なぜなら、酸素化されない静脈血が動脈血に流入して動脈血の酸素飽和度を低下させてしまうからです。右―左シャント性のチアノーゼの原因は基本的に先天性心疾患です。チアノーゼ性心疾患やアイゼンメンゲル症候群などがそれに該当します。

末梢性チアノーゼ

末梢性チアノーゼにおいては動脈血の酸素飽和度が低下することはありません。なぜなら、末梢性チアノーゼというのは、毛細血管内の血流の移動速度が低下し、体内の各組織への酸素の受渡しが増大することによって生じるからです。毛細管内の血流速度が低下する原因については、たとえば、心拍出量が低下すると末梢循環血液の量も低下し、それによる低心拍出症候群を発症することが挙げられます。

また、末梢血管のけいれんによる発作、血液粘稠度(血液の粘り具合)が増加する赤血球増多症なども考えられます。特に新生児の場合、低血糖の症状の一つとして挙げられることもあるようです。末梢性チアノーゼの場合、一般的に指先や鼻の頭などの末端部に限定して症状がでて、粘膜には症状がでてこないことが多いです。また、疾患によっては局所的な末梢循環不全としてチアノーゼが生じる場合があります。

血液性チアノーゼ

血液性チアノーゼというのはヘモグロビンの異常によって生じるチアノーゼのことです。なんらかの中毒症状や薬剤の副作用によるメトヘモグロビン血症であることが多く、先天的に血液性チアノーゼを発症していることは稀です。一酸化窒素吸入により発症することもあります。チアノーゼの他に頭痛や倦怠感、めまいなどの症状が同時に発生し、意識を失うこともあります。

メトヘモグロビン血症というのは、メトヘモグロビンが多い状態になる症状を指します。メトヘモグロビンというのはヘモグロビンの一種で、正常な体内でも少しの量のメトヘモグロビンが作られていると言われています。ヘモグロビンは鉄分を含んでいますが、鉄イオンには二価の鉄イオンと三価の鉄イオンがあります。

一般に、ヘモグロビンに含まれる鉄イオンは二価の鉄イオンです。それが三価の鉄イオンになっているとメトヘモグロビンになるわけです。通常、メトヘモグロビンが体内で作られた場合、還元酵素の働きで三価の鉄イオンが還元され、二価の鉄イオンになることで血液中にメトヘモグロビンが増えることを防いでいます。なぜなら、メトヘモグロビンは通常のヘモグロビンと違って酸素を運搬する能力がないからです。

つまり、メトヘモグロビン血症の場合、何らかの理由でメトヘモグロビンが体内に過剰になり、それにより体の各組織、臓器へと酸素が供給されなくなるため全身が酸素欠乏状態になってしまいます。乳児でメトヘモグロビン血症が発症する場合、乳児の体がチアノーゼで青くなっており、ブルーベビーとも呼ばれることもあります。

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それぞれのチアノーゼの原因は?

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では、「末梢性チアノーゼ」「中枢性(中心性)チアノーゼ」「血液性チアノーゼ」は、それぞれどのような原因で引き起こるのでしょうか?

末梢性チアノーゼの原因

例えば、赤ちゃんは泣くことによって、何かを伝えようとしますが、「泣く」という行為は想像以上に体力を使うものです。血管運動神経の発達が未熟な、新生児や未熟児が泣きすぎると、すぐに酸素を消費してしまうため、末梢性チアノーゼを引き起こしやすくなります。

あるいは、鼻づまりや、母乳の飲みすぎなどで生じることもあるようです。

また、大人の場合においては、プールなどの身体の冷える場所に長時間いることで、唇が紫色になることがありますが、あれが末梢性チアノーゼを起こしている状態です。

しかし、末梢性チアノーゼの場合においては、この症状が出てすぐに命に関わるケースはほとんどなく、血流を滞らせる原因となることを改善し、様子を見ていれば大抵の場合は改善するとも言われています。

末梢性チアノーゼの原因となる疾患には、以下のようなものがあげられます。

<末梢循環不全>

寒冷曝露/低血糖/低心拍出症候群/赤血球増多症 など

<動脈閉塞性疾患>

血栓性動脈炎/閉塞性動脈硬化症/動脈性塞栓症 など

<静脈閉塞性疾患>

静脈瘤/血栓性静脈炎 など

中枢性(中心性)チアノーゼの原因

中枢性チアノーゼの原因は、大きく分けると「呼吸機能障害」「左右シャント(本来通るはずの血管とは別のルートを血液が流れること)」「肺胞内酸素分圧低下」の3つが起因して引き起こると考えられています。

小児が中枢性チアノーゼを起こす場合は、呼吸機能障害が原因となっているケースが多く見られるようです。また、原因となる疾患は後天性のものだけではなく、先天性の場合もあります。

原因となる疾患は以下のとおりです。

<呼吸器障害>

脳圧亢進/髄膜炎/神経筋疾患/新生児一過性多呼吸/胎便吸入症候群/呼吸窮迫症候群/肺水腫/重症肺炎/重症喘息/気道異物/間質性肺炎 など

<左右シャント>

先天性疾患:チアノーゼ性心疾患(ファロー四微、完全大血管転移、三尖弁閉鎖、単心室左心低形成など)/アイゼンメンゲル症候群 など

先天性肺血管異常:肺動静脈瘻

<肺胞内酸素分圧低下>

高地環境などが起因する

血液性チアノーゼの原因

血液性チアノーゼの原因となるヘモグロビンの異常には、中毒性・薬剤性・先天性の疾患が起因しており、海外で報告されている乳児の血液性チアノーゼは中毒性のものでした。

原因となる疾患は以下のとおりです。

<先天性疾患>

先天性メトヘモグロビン血症

<中毒性・薬剤性>

フェナセチン、硝酸剤、一酸化窒素吸入による二次性メトヘモグロビン血症/スルホヘモグロビン血症/乳児ヘモグロビン血症 など

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チアノーゼの治療法は?

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チアノーゼの治療法には、どのようなものがあるのでしょうか?それぞれのチアノーゼの治療法について見ていきましょう。

末梢性チアノーゼの場合

末梢性チアノーゼの場合、外因によるものが多く見られるため、血流を滞らせている原因を改善すれば、良くなることがほとんどです。

例えば、乳児の場合は泣きすぎや鼻づまりなどによって、一時的にチアノーゼを起こすケースがありますが、泣いている原因や鼻づまりを解消することで改善が見られます。

乳児の末梢性チアノーゼを予防するためにも、赤ちゃんが長時間泣く前の段階で、抱っこをしたり、オムツを替えるなど、泣きすぎるのを防ぐことが大切です。

また、大人の場合においても、プールに長時間入るなどの外因で、チアノーゼ症状を起こしている場合は、身体を温め、末端部分をマッサージするなどして様子を見ると良いでしょう。

言葉を発することができない乳児がチアノーゼ症状を起こして、平気でいてくださいと言うのも、無理な話かもしれませんが、乳児に末梢性チアノーゼ症状が見られた場合、

  • 衣服を緩める
  • 顔を横に向ける
  • 痙攣が起こった場合は、症状や痙攣が継続した時間、体温などをメモする
  • 泣き入り痙攣の場合は、タオルなどを濡らし、冷たくして顔にあてる

以上のような対処法で様子を見てください。肝心なのは、慌てすぎないことです。しかし、このような処置を行っても改善が見られず、チアノーゼの症状が続く場合や、外因が見当たらないにも関わらず末梢性チアノーゼを起こしている場合には、心疾患や肺疾患の可能性がありますので、病院を受診しましょう。

中枢性チアノーゼの場合

中枢性チアノーゼの場合は、原因となっている疾患の治療が必要です。呼吸器障害の場合においては、酸素を投与することで改善されるケースもありますが、左右シャントが原因の場合は酸素投与では改善しません。このように、中枢性チアノーゼの場合、原因によって治療が異なり、軽度のチアノーゼの治療ではあまり行われない、薬物投与が必要なケースもあるようです。

また、心疾患などが原因となっている場合、手術が必要になることもあります。いずれの場合においても、『保温』『安静な体位になる』『酸素不足の改善』の3点を主に、原因となる疾患に合わせた効果的な方法で治療が行われます。

血液性チアノーゼの場合

血液性チアノーゼの場合も、病院での治療が必要となります。メトヘモグロビンの割合が多くなる「メトヘモグロビン血症」と呼ばれる病気が起因しているため、まずはその治療が必要です。

薬物投与による治療では、メチレンブルーと呼ばれる薬を1回につき1~2mg/(体重)kgの量を、5分以上、時間をかけてゆっくりと注射投与します。しかし危険性の高い薬でもあるため、治療には十分な注意が必要です。また、先天性疾患が原因の場合は、薬物による治療の有効性は低いと言われています。

そのほかにも、メトヘモグロビン濃度が70%を超えた場合は、命を落とす危険性が非常に高くなるため、交換輸血が必要になります。

さらに、酸化物質を吸い込んでしまった場合は、メトヘモグロビン増加の原因となるため、軽度のチアノーゼ治療で行われる酸素投与が用いられます。

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チアノーゼが続くと…

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チアノーゼが長期間持続すると、チアノーゼ性心疾患やアイゼンメンゲル症候群になってしまうおそれがあります。アイゼンメンゲル症候群というのは、深刻な右―左シャントとチアノーゼを伴う心不全のことです。

アイゼンメンゲル症候群については、肺を流れる血液の量が増加する何らかの疾患により、肺高血圧症が生じ、それによって肺動脈から心臓へと流れる血流が阻害されることが原因と考えられています。それらの病気が発症してしまった場合、さまざまな全身合併症が発生することが多く、適切な管理が必要になります。

たとえば、チアノーゼ性先天性心疾患やアイゼンメンゲル症候群では慢性的なチアノーゼの症状がみられます。そのような長期間にわたるチアノーゼは、低酸素血症や赤血球の増加によって体内組織に障害やよくない変化をもたらし、全身合併症を引き起こすリスクがあります。この場合、単純に病気の罹患率を高めるだけでなく、生命の危機にも直結しているのです。

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まとめ

勝利

1.チアノーゼとは、血中の酸素濃度が低下し、指先や鼻や口の粘膜など体の表面が青紫色に変化する症状のこと

2.チアノーゼには中枢性チアノーゼと末梢性チアノーゼ、血液性チアノーゼの3種類がある

3.長期間にわたるチアノーゼは心不全などの生命の危機に直結している

チアノーゼ性心疾患を患ってしまった方が長時間の飛行機旅行をする際、高地環境における低酸素、エコノミー症候群、感染症、精神的ストレスなどが問題になります。たとえば、機内では気圧と湿度が低いことにより動脈血の酸素飽和度が低下したり、長時間座席に座っていることにより下半身で静脈の通りが悪くなったりします。右―左シャントがある場合などは、それによって脳梗塞など重篤な症状を引き起こすケースが予想されます。予防と適切な体の管理が大切です。

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