遊走腎と言う病気をご存知でしょうか?遊走腎は痩せてる細身の女性に、多く見られる症状です。また内臓の関係から特に、右側に発生しやすいです。
私達の腎臓は呼吸をすることで、腎臓が上下に動きます。また立っている時は、寝ている時の姿勢よりも、正常な人で5㎝ぐらい下がると言われています。
遊走腎の人の場合は10センチも下がります。人によっては骨盤の所まで、下がる人も居る様です。遊走腎の人は胃下垂にも、なり易い人が多いです。年齢的には20~40代の女性がなりやすいです。
遊走腎になったら、本当に手術をしなければならないのでしょうか?どの様な事で改善されるのか等、疑問に思う事について、遊走腎を詳しく見てみたいと思います。
遊走腎とは
◆遊走腎は何故女性に多い症状なのでしょうか?私達の腎臓を支えているのは、動脈と静脈の2本の太い血管により、腎臓は保たれていて、その周りを脂肪組織に支えられています。
やせ形の女性の場合、脂肪が少なく脂肪組織や筋力が弱いために、腎臓を支える事ができずに、遊走腎や胃下垂になりやすいと言われています。
◆腎臓の動きは正常な人は、どの様になっているのでしょうか?腎臓は本来呼吸に合わせて上下に移動し、起立した際には、起立に合わせて正常な人でも、5㎝程下がる傾向にあります。しかしそれは正常な人ならすぐに元にもどります。
遊走腎では立っている姿勢の時、寝ている姿勢に比べると10㎝も下に、腎臓が下がる状態を言います。人によっては骨盤の所まで、腎臓が下がる事もあるそうです。
これは内臓が下に下がる、状態によるものなので、遊走腎の人は胃下垂にもなり易いのです。
遊走腎の原因
先天的要因による原因
私達の身体の腎臓の作りと置かれている位置は、腎繊維被膜と言う被膜に包まれていて、その外側を腎周囲脂肪と言う、脂肪に支えられています。その外側を腎筋膜という、膜が覆っています。
遊走腎の場合先天的に、これらの膜の組織が弱くできていて、腎臓を十分支える事ができなくて、遊走腎の様な事が起こるのです。
また腎臓に繋がる血管が、普通よりも長すぎたり、腎周囲脂肪組織の発育が十分でなく、固定するだけの脂肪が、満たされてない為に起こる事も原因の一つです。
後天的要因による原因
お腹の筋肉が緩んだり、腹圧が低下する事により、腎周囲脂肪組織の低下が起こります。そればかりか、立っている姿勢は、大きな肝臓が右に有るのでその重量だけでも重く、腎臓が左よりも右の方が、下がりやすい傾向にあるのは、当然かもしれません。
またダイエット等で痩せると、益々脂肪組織が低下し、遊走腎の症状を引き起こします。太ってくると治る事がある様で、治療には太る事を目的とした、治療が行われます。
遊走腎の症状
◆遊走腎の症状としては、余り症状が出ない人も多いです。遊走腎の一般的にみられる症状として、血尿や腹痛等があります。血尿などは顕微鏡で、見た時に解る程度で、目に見える血尿は殆ど無いそうですが、時には目視できる血尿もあります。
◆遊走腎の症状は寝ている時や、座った時には治まる側腹部痛や、腰痛、腰背部痛等、立っている時に鈍痛を訴え、荷物を運んだり立って、歩いたりした時等に症状が悪化します。
◆また立っている時に背中を後ろにそらした時など、軽微なタンパク尿がでる時もあります。立ちっぱなしでいると、尿管が折れ曲がるので、尿の通路が阻害される為、腰痛や腹部痛等が起こりますが、これは鈍痛等の事が多いです。
◆また遊走腎としての、特別な症状ではありませんが、残尿感や日尿、排尿等の時に膀胱などに痛みを訴える、膀胱障害の症状が出る人もいます。
◆その他の症状として、胃の膨満感や食欲不振、吐き気、下痢、便秘等をうったえる人も居ます。また腎血管がねじれる事が起こると、嘔吐や食欲低下、ムカつき等の症状を訴える人もいます。症状は人によって様々です。
遊走腎の診断
遊走腎の診断はどの様に行われるのですか?遊走腎の診断は触診でも分かります。立っている時の腎臓の位置と、寝ている時の腎臓の位置が10センチ以上下がっていれば、遊走腎の可能性があります。
また尿検査で血尿が出ていないか、たんぱく尿が出ていないか調べます。可能性がある場合に静脈に造形剤を注入した後に、レントゲンをとります。造形剤を入れているので、レントゲン写真で腎臓の下がり具合が、はっきりと映し出されます。
遊走腎の治療
◆遊走腎の治療法は、どの様な物があるのですか?治療方法としては運動療法と、食事療法が主流となります。
酷い場合は手術もありますが、手術をしたからと言って、再発しないわけではないので、現在は余り手術は行われないのが、一般的になっているそうです。
◆遊走腎の治療に保存療法の治療があります。症状がない場合の遊走腎の場合、経過観察による治療が必要となります。症状がある場合でも自己修復機能いわゆる自然治癒力を、引き出して治療をする方法が必要となり、出血をさせない治療を、試みる保存療法を優先させるのが、現在では支流となってきています。
保存療法
保存療法とは手術の様に身体にメスと入れて行う治療でなくて、一滴の血を出さないで行う治療方法の事です。例えば食事療法とか、薬の投薬とかで、できるだけ自然治癒力を活用しながら、身体の不均衡な部分を補って、治療していく方法です。
遊走腎の保存療法は痩せている人には、腎周囲の脂肪を増加させて、体重を増やして腎臓を支えたり、補強する事を行います。
◆もう一つ遊走腎の治療として、理学療法の治療があります。理学療法としての運動の機能強化は、腹筋、背筋の筋力を強くする運動を行い、また重症な人には、コルセットや腹帯等を使用して、胃等の臓器が納められている腹腔と呼ばれる壁の、腹壁の緊張を保っていきます。
理学療法
理学療法とは運動機能が十分できない人の為の、運動機能を強化して、筋肉などを強くする療法で、遊走腎の場合は腎臓の周りの、脂肪組織の強化のための、腹筋や背筋の筋肉を強化します。
◆遊走腎の手術は行われないのですか?1970年以前は、症状の酷い人には、腎臓を固定する手術をしていましたが、症状は必ず改善する保証はなく、再発も多い為に手術をするのは、現在ではとても稀になってきています。
遊走腎の単独の手術は腎固定術が行われるのですが、現在は滅多にありません。腎臓の機能が不全になる事はありません。
症状が酷くなった場合は、横になって寝るのが良いそうです。
遊走腎の予防
◆遊走腎は予防できるのですか?遊走腎の予防方法としては、理学療法等にもありましたが、脂肪を付ける事が大切です。体重を増やして、腎臓の周囲の脂肪を増加させる事が大事です。
保存療法や理学療法等を試みられた方は、良く先生と相談して再発しない様に、生活のトータル的な事を心がける事がたいせつですね。
◆またバランスの良い食事をすることで、腎臓の周囲の脂肪も増加させられますので、過剰なダイエットをしないで、毎日の食事にも気を付ける、事が予防になります。
バランスの良い食事をしていると、余り太りませんから、偏った食事をする事で太ったり痩せたりしますので、できるだけバランスの良い、食事に近づける事が大切です。
◆また長時間立ち続けていると症状が酷くなるので、できるだけ立ち続ける姿勢を、少なくすることも予防の1つに成ります。お仕事などでどうしても、立っている姿勢が長い方は、極力座る時間を与えてもらって、症状を悪化させない事がだいじです。
また腎臓が下がった状態でウエストを締め付ける事は、良くありませんので注意して下さいね。
ROCKI NOTE
◆こちらのレポートには今まで沢山の人達が言ってきた事と、真逆の事が書かれています。どちらを信用するかは、読む人により判断して頂きたいと思います。
今まで書いてきました温存療法は短期的な効果がある物の、長期的に遊走腎が治るものでは無いと書かれています。これは重症な遊走腎の場合です。
重症な遊走腎の場合の治療法は、やはり手術で行う事が必要だそうです。13人中11人が回報に向かっていて、腹腔鏡で行われた手術が良好だそうです。5.9年の追跡調査なので、この後再発したかどうかはわかりません。
◆私の浅い経験から病院で色々見てきましたが、手術は最後の最後に行うもので、遊走腎の様な内臓が悪くて内臓を取り除けば、治るという物ではない手術は行わない方が、私は良いと思います。
◆私は入院患者さんが薬の副作用で痴呆になったり、また手術して手術が成功したけれど、麻酔が溶けなくて、そのままになったケースや、手術をして余計症状が、悪化したケースなどを、何人か見きましたが、やはりできるだけ治癒力で直す方が、人間には必要だと私的には思っています。
◆この遊走腎の場合も、結局は保存療法や理学療法や手術をしても、完全には治らないのではないのかと思います。だったら遊走腎を軽減するためには、どうしたらよいかと言うと、それは生活環境を変える事だと思います。
遊走腎を軽減するには、立っている姿勢の時間を短くして、仕事などもその様な立仕事を選ばないで、座ってできる仕事等を選ばないと、どの様な方法を試みても、また再発するのではないでしょうか?
ですから毎日の生活を根本から見直し、規則正しい生活に戻して、バランスの摂れた食事をして、適度な運動をする事が、遊走腎を軽減する方法の様にも思われます。
まとめ
この様に遊走腎についてみてきましたが、遊走腎は腎不全になる事はないので、できるだけ保存療法で治療する事が良いと、一般的には言われています。
手術しても症状が余り回復せず、再発が多く出る様ですので、まず保存療法と理学療法で、腎臓の周りの脂肪を付けさせることが、大切となります。
太って来たら症状が回復したと、言う人も居る様ですので、過度のダイエット等で症状を、悪化させない様にして下さいね。