梅毒の初期症状とは?感染経路や治療法、予防法も紹介!

梅毒って現代にはもうないんじゃないの?という方は要注意です。確かに治療法は確立して死に至る病ではなくなりましたが、日本では近年梅毒患者は増加傾向にあります。

梅毒自体は治療が容易ですが、HIVも併発している可能性があります。また感染がわかれば交際関係や家庭が破壊されてしまう恐れがあります。

増加の原因は性行為や不正な注射器の利用、知識の乏しい10~20代に多く、梅毒は口内感染の危険もあるのでセックスだけではなくキスでも感染します。

梅毒にかかってしまうと皮膚症状が悪化することももちろんおなかの赤ちゃんにも影響し、早産、死産、体調不良、奇形を引き起こします。

梅毒の基本情報と初期症状を確認し梅毒に対する予防と対策方法のポイントを押さえておきましょう。初期症状は痛みがないので、梅毒特有の症状をチェックしましょう。

梅毒の初期症状とは?

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トレポネーマという病原体が感染することで起こる性病です。

ペニシリン系の抗生物質が利用されるまでは10年で命を失う病で、売春婦に感染していることが多い性病として認知されていました。

1984年以降感染者は激減していますが、減少の中にも2016年で「昨年の同期の2倍の梅毒患者が報告されている」増加が見られます。

厚生労働省によれば2010年から以降増加傾向にあるとのことです。

初期症状

主に感染した部分、多くは性器に小さくて硬いしこりができます。 このしこりは放置すると消えますが、病原菌は繁殖しています。しこりが消えても病気が治ったわけではありません。

しこりがでる期間は、感染から3週間から3ヶ月ほどでです。性行為、不正な注射器の利用、どのほか何らかの理由で傷口に他人の血液が混入する、医療、生物研究など心当たりのある人は注意しましょう。

この時点では痛みもないので見落とされることが多いです。

それ以上進行した症状(数カ月後)

感染から3年くらいで体中のリンパ節が腫れあがったり、発熱がでます。

現代ではここまで悪化する前に治療がされることがほとんどですが、何かの原因で放置して悪化した場合の代表的な症状は皮膚病症状です。手足、足の裏を中心とした全身に特徴的な赤い発疹がでます。バラ疹とよび、大きさが大小さまざまな赤い斑点が現れます。痛みも痒みもありませんし、放置すれば消えていきます。

アレルギー、麻しん、風しんなどと勘違いしてしまわないようにしましょう。また誤診の恐れもあるので、医師に相談するときは感染の心当たりがあって不安である旨を報告したり、保健所などで梅毒検査を受けたり、検査キットを購入して自己検査ましょう。

この時期に適切な治療をしないと内臓器に疾患がでてきてしまいます。

それ以上放置した場合の症状

3年が過ぎさらに治療せず悪化すると、大きめのしこりが皮膚に出てきます。体調の不調は特にみられませんが病原体は増加し続けます。

10年以上放置すると死に至ります。皮膚だけではなく心臓、血管、神経、脳、目など複数の臓器がただれ、血栓によって脳梗塞をおこして死亡したり、認知障害や歩行障害を起こしただれた皮膚の痛みの中で苦しんで死にいたります。

梅毒の感染経路

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性交渉やオーラルセックスが多くの原因で、母子感染や不正な注射器の利用など血液感染もあり得ます。HIVより感染力は高く、口内に細菌が多く潜んでいればキスで感染する場合もあります。1回のセックスによる感染確率は15~30%と感染力は高めです。

母子感染に関しては妊娠して病院にいくと検査を受けますが、胎児の先天性梅毒の場合、死産の確率が上がるので注意が必要です。

先天性梅毒(母子感染による胎児の病気)

妊娠している人が梅毒にかかると死産、早産、新生児死亡、奇形の可能性があります。

早期先天梅毒の発症年齢は、生下時~生後3カ月です。産まれたときに症状がでずに健康そうに見える胎児が出産される可能性は確率は60%くらいです。生まれてすぐに水疱性発疹・斑状発疹・丘疹状の皮膚病変や、鼻閉、全身性リンパ節腫脹、肝脾腫、骨軟骨炎、などの症状がでる場合もあります。

検査しても危ない?妊娠初期の梅毒検査後にも要注意。

母子保健法で妊婦の梅毒検査が義務付けられていますが、妊娠初期に検査するため、そのあとに性行為をすることで性感染症を起こす可能性があります。

妊娠中は性感染症を起こしかねない行為はひかえましょう。梅毒はキスで感染するほど感染力が高いので、妊婦さんだけではなく、旦那さんの素行も注意すべきです。

妊娠中性交渉ができないからという理由で旦那さんが風俗店などに行って性行為やオーラルセックスをしてしまうと危険です。まさか妊娠中に・・・と思われるかもしれませんが、実際に検査後に感染してしまうケースも報告されているようです。

こうなると、病気が無事に治っても家族関係が破壊されてしまう怖れすらあります。治療できるから大丈夫、たかが梅毒、と油断していると大切なものを失う可能性があります。

妊娠中の辛い時期に夫がふしだらなことをしていたとなれば、妻が夫への信頼を完全に失って、今後一緒に生活したくない、できない、と考えられてもおかしくはありません。反対に妊娠中に夫以外の人間と関係を持ったらこれもいずれ露呈します。

これで子供が死産、生活困難な障害や奇形にでもなればその被害者側の悲しみは怒りに変わっていくでしょう。不貞を行って性病を感染させたとなれば法的にも十分な離婚理由、賠償金支払い理由になります。

これも性病の恐ろしさです。パートナーのためにも予防や早期発見に努めましょう。

梅毒の検査

血液検査で梅毒に対する抗体があるかをチェックします。

性行為などにより感染した日から4週間以降に抗体が確認ができます。しこりがでてきた段階でお医者さんに相談するとちょうどよいでしょう。

保健所で検査すれば匿名且つ無料で受診できます。

治療費は保険なしの場合は、診察料は3000~5000円ほど、検査代は1500円ほどです。保険適用された場合では3割負担になります。症状がでてない状態で梅毒検査する場合は保険適用外になることがあります。

病院に行けない人は性病検査キットやSTDチェッカーで梅毒のチェックをすることも可能です。

性病検査キット・STDチェッカーとは?

いずれもコンビニ受け取りで検査キットを受け取り、自分で検査をして自分の名前や住所を記入せずに郵送し、法的な検査の許可を得ている専門的な検査をしてもらえるサービスです。結果はIDを使ってネットで確認できます。STDとは性病という意味です。

血液検査や尿検査、のどの検査などが可能です。梅毒にかかっている場合HIVと併発している場合もあるので同時にチェックできるものを選んでもよいでしょう。他にはクラミジア、淋病などのチェッカーも販売しています。

価格は3000~30000円で、梅毒検査キットだけなら3000円~4000円程度です。

梅毒の治療方法と予防方法

医師

治療方法や予防方法を紹介します。

梅毒の治療

ペニシリン系の抗生剤を処方されます。 期間はどれだけ症状が進んでいるかによって変動しますが、 しこりや発疹を発見した段階あれば2~4週間程度ですみます。

治療が遅れた場合は治療費がかさみ、時間も必要とします。

梅毒の予防

感染者と性行為、オーラルセックスをしないことです。完璧に予防ができるというわけではありませんがコンドームで感染率を下げることができます。HIVと異なり感染力が高いのでキスでも感染します。

その他、注射器の不正な利用、使いまわしで感染する場合もあります。

梅毒は治療可能な病気ですがパートナーを悲しませたくないのであれば、安易に風俗店に通わないことをおすすめします。

また梅毒の感染とHIVの感染経路が似ているため、併発している場合があります。

一度梅毒にかかると免疫ができるから大丈夫!・・・ではない?

確かに一定の抗体ができますが、再感染を予防できるというわけではありません。一度梅毒にかかったから免疫がついたので性行為をしても大丈夫、というわけではないので注意しましょう。

合併症になりやすいHIVについて

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感染経路が性行為や不正な注射の使用、と梅毒の感染経路と同様であるため同じ性病のHIVの同時併発が考えられます。

HIVの特徴は放置するとエイズ(AIDS)を発症し、免疫力が下がってしまうことです。エイズが発症すると免疫力が時間の経過とともにどんどん下がってしまいます。

増えている「いきなりエイズ」

エイズを発症する前にHIVには潜伏期間があります。その初期症状は熱っぽくなったりリンパ腺がはれたり風邪やインフルエンザに似た症状がでますが、人によっては症状を感じられない場合もあります。

皮膚症状がわかりやすい梅毒と違いHIVはエイズを発症するまでに目立った症状がでにくい病気です。

HIVにかかって適切な治療をせず、他の深刻な病気で医者に掛かって初めて気が付く、という段階では、既にエイズを発症しているケースが多いのです。

これを「いきなりエイズ」と呼び、もし梅毒と併発して放置していたとしたら病状が重くなってしまいます。

梅毒の疑いがあるときはHIV検査も

HIVの感染力は梅毒より低めですが、性器が傷ついていたり炎症を起こしているとより感染のリスクがたかくなります。その為、皮膚病が性器や口内、肛門、腸内に発生しているとよりほかの性病の感染リスクも高まってしまいます。

HIVは数十年前と違い、治療薬が開発されています。そのため早期発見により治療ができる病気になりましたが、放置すると免疫不全により後遺症が残ったり死に至る危険な病気にかかりやすくなってしまい、悪化も早くなります。梅毒にかかったらHIV検査も一緒に受けましょう。

まとめ

梅毒の初期症状は痛みのない感染からおよそ3週間ほどでしこりが性器や口内を中心に発生します。

そのため見落としがちになることもあります。

数カ月たつとバラ発疹が現れます。この時点で病院にいく人が多いですが、他の発疹と勘違いしてしまうこともあるので気を付けましょう。医師には梅毒の不安もあることを告げましょう。

悪化すると内臓に悪影響が及び、場合によっては不可逆な障害を得て最悪の場合死に至りますが、ここまで悪化して放置されることは現代ではほとんどありません。

また梅毒に感染したときは感染経路の同じHIVの検査も一緒に受けるといいでしょう。

検査は

  • 保健所(無料・匿名)
  • 検査キット(匿名)
  • 病院

で受けることができます。

HIV検査も一緒に可能ですので、他の性病も含めて検査してもらいましょう。

  

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