悪性新生物とは?特徴や症状、種類について知ろう!治療法や検査方法は?

私たちの皮膚や内臓は、全て一つ一つの細胞から成り立っています。免疫力が正常に働き、細胞の生まれ変わりが正しく行われることで、皮膚や髪の毛は艶やかに、内臓は健やかに保つことができているのです。

このように、身体は自分でも無意識のうちに「更新」し続けていると考えると、改めて人間の身体がいかに神秘的なものであるのかを考えさせられます。

しかし、何らかの原因で、一部の細胞に異常が現れ、それらが増殖することによって身体に様々な悪影響を及ぼすことがあるのです。それが、「新生悪性物」と呼ばれている組織です。あまり聞きなれない言葉ですが、詳しく見ていくと、私たちが普段よく耳にする疾患を示す医学用語として使用されているようです。

そこで、ここでは、「悪性新生物」とは何なのか、それらがもたらす症状にはどのようなものがあるのかなどを、ご紹介いたします。

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悪性新生物とは?

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悪性新生物という言葉のみだと、あまり馴染みがないように感じる人も多いかもしれませんが、これは、癌や悪性腫瘍を示す言葉です。体内で発生し、過剰に増えてしまった組織(=腫瘍)を「新生物」と呼び、癌細胞などの悪性の新生物(=悪性の組織)のことを、「悪性新生物」と言います。

また、「癌」と「悪性腫瘍」はほぼ同類の意味として知られていますが、厳密に言うと、病理学上での「癌」は「癌腫」を示し、そのほかの全般的な悪性腫瘍を示す際には、「がん」とひらがらなで表記されているようです。

まずは、悪性新生物の基礎的な知識を見ていきましょう。

癌・悪性腫瘍とは?

私たちの身体は、約60兆個の細胞から構成されていると考えられています。健康な場合は、全ての細胞が正常な状態ですが、これらの正常な細胞から、癌細胞が生まれることがあるのです。何らかの原因によって、

  • 細胞増殖を促進する遺伝子
  • 細胞増殖を抑制する遺伝子

これら二つの、いずれかの遺伝子に傷がつくことで、癌細胞が発生すると言われています。その傷の数は約2個~10個程度とされていますが、これらは一度につく場合のみではなく、長期に渡って誘発されるケースもあるようです。

癌化した細胞は、異常な速度で増殖し、栄養や酸素を消費するため、そのほかの細胞では栄養不足や酸素不足が生じてしまいます。

悪性新生物の特徴

悪性新生物(=癌・悪性腫瘍)の特徴としては、以下のようなことがあげられます。

<自律的な増殖>

人間は本来、正常な新陳代謝によって細胞が入れ替わりますが、それらに関係なく、癌細胞は、自律的に増殖し、増殖を抑制することが不可能です。

<浸潤と転移>

周囲の細胞に染み渡るように徐々に癌細胞が広がる「浸潤」や、悪性新生物が確認された部位とはかけ離れた、身体のあらゆる場所に、新たな癌組織を次々生み出す「転移」が見らることがあります。

<悪液質>

先にも述べたように、癌組織周辺にある、正常な細胞が摂取すべき栄養や酸素を奪うため、身体は衰弱してしまいます。

新生物には、悪性のものだけではなく、良性のものも存在しますが、良性の新生物においては、自立的に増殖するものの、悪性ほどの驚異的な速度ではありません。また、そのほかの細胞に転移したり、正常な細胞の栄養や酸素を奪うといった現象は見られないようです。

そのため、良性の場合においては、必要に応じて、手術で腫瘍部分を切除することで、多くの場合治療できると言われています。子宮筋腫や、卵巣嚢腫などがその一例と言えるでしょう。しかし、発生した部位が脳などの場合は、命に関わることもあります。

悪性新生物の種類

悪性新生物は、癌細胞が発生する部位などによって、以下のように分類されています。

<上皮細胞にできるもの>

胃や肺、肝臓や子宮、卵巣、腸、乳房などにできる癌で、皮膚や臓器の粘膜などを構成する「上皮細胞」と呼ばれるところで発生した悪性新生物は、「癌腫」と呼ばれています。

全身どこにでも発症する可能性があり、初期段階では、増殖した癌細胞がしこりとなって外側から発見できることもあるようです。しかし、症状が進行するほどしこりは膨張し、中心部が崩れることで、腫瘍になると言われています。

<非上皮性細胞でできるもの>

これは、上皮細胞以外の「非上皮性細胞」(=支持組織を構成する細胞)と呼ばれるところにできる「肉腫」と呼ばれる腫瘍を示します。

骨や筋肉などにできる骨肉腫や軟骨肉腫、線維肉腫、血管肉腫などを示します。癌腫と同じように、癌細胞によってしこりのようなものが初期段階で見られることがあるようです。

<造血器にできるもの>

白血病や、悪性リンパ腫、骨髄腫など、血液を生み出す「造血器」で発生する悪性新生物もあります。造血器でできる癌は、癌腫や肉腫のように、しこりなどの症状は見られません。

<神経細胞・生殖細胞・胚にできるもの>

神経伝達組織や生殖細胞などにできる悪性腫瘍を「神経腫」「生殖細胞腫」と言い、胚細胞で見られる悪性腫瘍は「奇形腫」と呼ばれています。奇形腫では、場合によっては放射線治療も効果がなく、また、生殖細胞腫のケースでは、不妊症の大きな原因となることもあるので、非常に困難です。

上皮内新生物と悪性新生物の違い

保険会社などの資料に目を通したことがある方はご存知かもしれませんが、悪性新生物と似たような言葉に「上皮内新生物」と呼ばれるものがあります。

どちらも「新生物」とついていますが、この2つは、病巣がどのくらいの深さにまで到達しているのかによって分けれています。

<上皮内新生物>

文字通り、癌組織が「上皮」にあるものの、基底膜までには及んでいない癌を示します。腸や子宮などで発生する可能性が高いと言われていますが、放置せず、治療を行うことで、3年生存率は100%だと言われています。

<悪性新生物>

上皮内新生物とは異なり、癌組織が基底膜を突き抜け、間質細胞以下に及んでいる状態を示します。前途のように、転移の可能性も十分に考えられます。

ちなみに、がん保険の保証においては、上皮内新生物と悪性新生物では、保証内容や金額も大きく異なることもあるため、万が一の場合に合わせて加入する際には、入念に確認しておくと良いでしょう。

悪性新生物の好発部位

悪性新生物の罹患率を見ていくと、どのような部位に発症しやすいのかが、男性と女性でそれぞれ違いが明確に見て取れます。

<男性の場合>

1位:胃癌 /2位:大腸癌 /3位:肺癌

<女性の場合>

1位:乳癌 /2位:大腸癌 /3位:胃癌

しかし、これはあくまで2014年の統計データ(現段階での最新データ)によるものですので、1~2年遅れで発表されるこれらの統計データの2016年版となると、また、さらに変化があるかもしれません。

また、日本人の2人に1人が、悪性新生物を発症しているというデータからも、決して他人事ではないことがご理解いただけることでしょう。男女ともに、40代を皮切りに、癌および悪性腫瘍の発生率が上がる傾向にありますので、年齢と体調の変化を見ながら、定期的に検診を受けることをおすすめします。

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悪性新生物の原因について

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それでは、このような悪性新生物が発生する原因としては、どのようなものが考えられているのでしょうか。早速見ていきましょう。

食生活

食生活は、女性の場合はとくに乳癌、男女ともにあげられるのは大腸癌の発生率と密接に関係していると言われています。日本では、昔のような質素な食生活に比べると、食の欧米化によって、肉食文化が進んでいます。これはイコール、脂質を過剰摂取してしまうことにつながり、動脈硬化などを招く恐れもあるのです。

このように、動物性の脂質を摂取するようになってから、乳癌や大腸癌が増えているという説もあるようです。

さらに、ソーセージやハムなどの加工肉に含まれる細胞分裂促進作用や、加熱することで発生するトロソ化合物やヘテロサイクリックアミンなどの発癌性物質も悪性新生物の発生に大きく影響しています。

また、塩分濃度の濃い食材ばかり食べていると、胃粘膜に炎症が起きやすくなり、癌の発生を促してしまうとも言われています。

若い世代の人はとくに、濃い味つけに慣れてしまっている人が多々見られるようです。食材本来の味を生かすような味つけができるよう工夫したり、薄味で物足りない場合においては、スパイスやハーブなどで、味を引き締めるというのも方法の一つです。

飲酒

飲酒は、発癌性物質を体内に取り込みやすくしてしまうだけではなく、栄養不足や薬物代謝酵素、エストロゲン代謝、アセトアルデヒドによる影響など、悪性新生物の引き金となる様々な要素を備えています。

とくに、食道癌や肝臓癌、胃癌、大腸癌などを招きやすくするようです。女性の場合においては、乳癌の発生率にも確実に影響するという強い説もあるほどです。

休肝日を作らずに、毎日一定量以上のアルコールを摂取している場合には、それらを見直す必要があります。

喫煙

上項目で述べたアルコールの過剰摂取と喫煙は、悪性新生物の発生に大きく影響しています。とくに食道癌の場合においては、アルコール・タバコともに摂取しない人は、まずそう簡単に食道癌になることはないと言われているほどです。

また、食道癌以外にも、喫煙が起因して発生する癌のひとつとして、肺癌があげられます。喫煙者であるということに加え、食生活も乱れている場合は、さらに発癌率が高くなるようです。

タバコの発癌性物質は、約60種類もあり、煙に含まれる化学物質の数は約4000種類にも及ぶと言われています。さらに、喫煙が原因となって発生する癌を全てあげると、なんと16種類にもなると言われているのです。

喫煙は、自分自身だけではなく、周囲の人を受動喫煙の被害に巻き込む可能性もあります。ぜひ、見直すべき習慣の一つと言えるでしょう。

発癌性物質

発癌性物質は、自然界のものから人工的なものまで、あらゆる所に存在しています。現在問題となっている放射線以外にも、医療で使用する電離放射線や、屋内ラドンなど、様々です。

環境問題にもつながる有害紫外線も、皮膚癌の大きな原因として考えられるでしょう。

食品などに含まれる香料など、私たちの生活の多様な場面で使われている物の中にも、発癌性物質は潜んでおり、どの原因物質がどのようにして誘発するのかはわかりません。

しかし、職業柄、これらの発癌性物質と接触しなければならないことがあります。アスベストやベンゼン、カドミウム、木材のくずなど、ある分野の産業においては、発癌リスクを伴うケースもあるのです。

現在の先進国においては、このような発癌性物質の使用を禁止、あるいは制限するよう管理されていますが、癌発生までの潜伏期間は20年~40年にも及ぶこともあります。すなわち、一時話題となったアスベストなどの影響が出てくるのは、2030年あたりに被害のピークが出てくると予想されているそうです。

ウイルスや細菌などへの持続感染

世界中で発生している癌のうち、ウイルスや細菌、あるいは寄生虫などに持続感染することで生じる癌は、約18%程度と言われており、先進国よりも発展途上国の方が、その確率が14%ほど多いということがわかっています。

原因となるウイルスや細菌には、以下のようなものが挙げられています。( )内には、それらが誘発する癌の名前を表記しています。

  • B型肝炎ウイルス(肝臓癌)
  • C型肝炎ウイルス(肝臓癌)
  • ヒトパピローマウイルス(子宮頚癌)
  • ヘリコバクター・ピロリ菌(胃癌)

日本では、胃癌や肝臓癌が多く見られるため、先進国の中では、癌の発生率が比較的高い国だとされているようです。

このほかにも、寄生虫によって、膀胱癌や肝臓癌が発生することもあります。

遺伝

癌が遺伝するのは、全体の5%以下だと言われていますが、実際に自分の身近な血縁関係に癌を患った人がいると、その周囲の人も発癌しやすいというのは、現実に見られる傾向です。

これには、「遺伝要因」というよりも「環境要因」が大きく関係しているとも言われています。親子が長年を共に過ごすなかで、生活習慣などが似てくるのは自然なことです。この生活習慣や食生活などが原因となって、親族にも癌が発生するケースが見られるため、癌は遺伝しやすいと思われているようです。

また、遺伝要因によって癌が発生した場合は、以下のような特徴があげられます。

  • 通常よりも若い年齢で罹患した場合
  • 複数の癌に罹患した場合
  • 「男性の乳癌」などあまり見られない癌の場合
  • 染色体の異常がある場合

以上のような特徴で、遺伝要因が強いケースでは、今度どのように対策していくのかを、専門医などと共に相談する必要があるでしょう。

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悪性新生物の治療法

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さて、それでは、悪性新生物の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。

「癌」「悪性腫瘍」と聞くと、時すでに遅しというイメージがありますが、医療技術の進歩によって、様々な治療法があるようです。いずれの場合においても、「早期発見・早期治療」が治療のカギとなります。

手術療法

これは、悪性新生物組織を外科的な手術で切除するという方法です。ステージが進むにつれて、手術療法という手段をとることは難しくなりますが、早期の場合や、患者の体力等に問題がない場合においては、手術療法が行われることがあります。

また、切除範囲を最小限に抑えることで、その後の後遺症などのリスクも低減することが、最近判明しました。

その後の患者の日常生活を踏まえたうえで、どの程度切除するのかを判断する必要があります。

薬物療法

これは、抗癌剤やホルモン剤、あるいは免疫力を高めるための薬などを用いて行われる治療法です。これらの薬剤とともに、鎮痛剤なども合わせて用いられるのが一般的ですが、副作用が見られることで知られているのも事実です。

とくに、抗癌剤は、癌細胞を小さくするための強い効力を持つ薬ですので、その分、副作用も重たくなることが多々あるようです。髪が抜ける、激しい嘔吐などが、よく知られている副作用としてあげられます。

しかし、抗癌剤は、「癌細胞を殺す」ことはできないため、延命治療のようなニュアンスがあるのが現状です。

放射線治療

これも、癌治療における有名な治療法の一つであると言えるでしょう。手術療法と異なり、内臓を傷つけることがないため、治療後も通常の生活を送れるというのがメリットの一つです。悪性新生物に集中して多くの放射線をあてる技術も発達したため、そのほかの健康な細胞などへは最小限の負担で、治療できるケースも増えてきたようです。

免疫療法

これは、自らの免疫力で癌細胞を排除することを目的とした治療法です。これまでは、人間が癌細胞に対して自らの免疫が認識するのかということは、不明なままでしたが、近年、私たちの体内には、癌細胞に対する抗原があるということが判明しました。

これらの発見から、免疫細胞や免疫反応を調整したり、サイトカインと呼ばれる、免疫細胞を活性化させる物質などを用いて治療が行われています。

新たな癌治療の手段として、注目を浴びているようです。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。悪性新生物は、誰にでも発生しうる悪性の組織です。ここでご紹介したように、悪性新生物の発生には、私たちの普段の食生活や生活習慣も大きく関わっています。

普段から、暴飲暴食は避け、適度な運動を取り入れるなどして、健康的な生活を心がけたいものです。また、これまでに見られなかった異変や体調の変化がある場合は、早めに病院で検査を受けることが大切です。

恐ろしい悪性新生物も、早期発見・早期治療によって、治療の幅は広がります。自分の身体のサインを見逃さないよう、心身をいたわって生活したいものですね。

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