痙攣の原因を紹介!まぶたや顔に症状が現れる病気は?

痙攣(けいれん)と聞くと、私達は手足や身体の強い震えをイメージしがちですが、実は、痙攣には様々な種類があるのです。

例えば、多くの皆さんが目の周りや瞼(まぶた)がピクピクと動いた経験をお持ちではないでしょうか?また、一度は足がこむら返りになって痛みで困られた方も多いはずです。

これらもまた痙攣の種類の1つなのです。身体の様々な箇所に起こる痙攣、激しいものから軽いものまで、痙攣の種類や原因、対応の仕方についてご紹介します。

痙攣とは?

目がチカチカする

通常、私達は自分の意志に基づいて体を動かしてします。そのような運動を随意運動と言い、反対に自分の意志とは関係のない、体の動きを不随意運動と言います。痙攣とは、この不随意運動による筋肉の動きであり、筋肉の収縮が続く状態をいいます。

痙攣の多くは、脳や運動神経系の異常により引き起こされますが、軽症のものから重症のものまで、痙攣の種類は様々です。

痙攣の起こる箇所と原因

ホットタオル

痙攣の起こる箇所、そしてその原因について説明します。

顔の痙攣

◆顔面痙攣/片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)

最初は片方の目のあたりが時々ピクピクするような痙攣が、頻繁に痙攣するようになり、睡眠中にまで及ぶようになります。痙攣が同じ側の顔全体(口・顎・額・頬)に広がると、片目が開けられなくなったり、顔の引きつりや歪みが生じてきます。顔面痙攣は、顔の左右の筋肉が別々の顔面神経に支配されているため、普通片側に起こります。

□考えられる原因

  • 顔の筋肉を動かす顔面神経が、脳幹部が出たところで、動脈硬化の進行した血管に圧迫されることにより起こる。
  • 脳腫瘍や動脈瘤が顔面神経を圧迫して起こる。
  • 顔面神経麻痺の後遺症
  • 睡眠不足
  • 疲労
  • 精神的ストレス など

治療が可能な病気ですので、脳外科などの専門医の診断を受けて下さい。

◆三叉(さんさ)神経痛

三叉神経とは、眼神経、上顎神経、下顎神経の3つに枝分かれた神経を言います。その神経が支配する領域に起こる痛みです。通常片側に起こり、突発的なぴりぴりとした痛みで、長くても数十秒で痛みは消えますが、その時、顔の筋肉が一瞬収縮するので、ビクッと動きます。

□考えられる原因

  • 動脈硬化(血管が三叉神経を圧迫)
  • 脳腫瘍(三叉神経が腫瘍により圧迫)
  • 外傷
  • 炎症  など

目・まぶたの痙攣 

◆顔面ミオキミア/眼瞼ミオキミア/眼輪筋ミオキミア/眼輪波動症

まぶたの開閉に関係する筋肉、眼輪筋の一部がピクピクと痙攣を起こす状態です。普通、まぶたの下の筋肉が不規則に短時間ピクピクと動きます。

□考えられる原因

  • 眼精疲労(長時間のパソコン使用やゲームなどによるもの)
  • 睡眠不足
  • 一部の脳腫瘍や炎症
  • 外傷
  • 神経変性疾患 など

眼精疲労、睡眠不足による疲労系のものは、できるだけ目を休め蒸しタオルを目を閉じた上に置いて筋肉の緊張をほぐしたり、入浴時に、目の周りを温めながら、指でゆっくりと軽くまぶたをマッサージするのも大変有効です。睡眠もしっかりと取って下さい。

◆眼瞼痙攣(がんけんけいれん)

眼輪筋の痙攣によって、両目が閉じてしまい、しばらくの間目が開けられなくなります。最初は、まばたきの回数が通常より増え、少しまぶしく感じるだけなのですが、徐所にまばたきの回数が異常に多くなったり、明るいところではまぶしさを感じ、まぶたを閉じてしまいます。自分でまぶたを開かないと見にくくなります。

症状が進むとまぶたが閉じてしまい、目が見えなくなってしまいます。ドライアイを併発することもあります。

強い光の下やストレスが症状を悪化させます。有効な治療がありますので、眼科での診察をお勧めします。

◆チック

チックの症状は、様々ありますが、自分でコントロールできないまばたきを繰り返してしまうことも症状の1つです。他の症状として、首振り、肩上げ、口すぼめ、顔しかめなどがあります。

足の痙攣

◆ふくらはぎ

足のむくみ 解消

ふくらはぎのひふく筋が急激な緊張をおこし、筋肉が収縮し激しい痛みを伴う症状です。これを一般に「こむら返り」と言い、医学的には、「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」と呼ばれています。

主に長時間の運動中、運動不足の時、睡眠中などに起こることが多く、足をよく使う仕事の人や、お年寄りにも多くみられます。

又、妊娠中のカルシウム不足・薬剤の服用・下痢によるカリウム不足・アルコール依存症・糖尿病など、そして変形性腰椎症の神経症状としてもこむら返りが発生することがあります。

通常、筋肉の調節の仕組みは、脳や脊髄などの中枢から送られた信号は、運動神経を経由して筋肉に送られます。そして今度は、筋肉や腱のセンサーから逆方向に信号が送られ、筋肉の収縮、緩和の程度が決められるのです

では、この「こむら返り」のひふく筋の異常収縮の理由は何なのでしょうか?

筋肉の異常収縮の原因は2つあります。

  1. 長時間の運動などをすると、多量の汗をかくことで、血液中の電解質のバランスが崩れます。それにより神経や筋肉が刺激を受けやすい状態になっていることです。
  2. 足をよく使ったり、運動不足の時、また加齢とともに起こりやすくなるのは、筋肉や腱のセンサーの働きの低下によるものです。長時間筋肉を緊張させた状態が続くと、センサーがうまく働かなくなります。そんな時にふくらはぎに急な力が加えられたことにより、センサーが過剰に反応し、筋肉の異常収縮が起こるのです。また睡眠中は、足の温度が低下するなどして、センサーの働きが鈍ることがあります。特に足先を伸ばした状態で寝ていると「こむら返り」になりやすい状態になりますので注意して下さい。あっ、ちょっとあぶないかもと思った時は、寝たままの状態で、かかとを布団に立てて、前に出すようにし、足先を上に向けるとこむら返りが少しましになります。

こむら返りについては、こむら返りの対処法を紹介!予防するにはどうすれば!の記事を読んでおきましょう。

首の傾きと揺れ

◆傾性斜頸(けいせいしゃけい)

首の周りの筋肉が異常な収縮をおこし、首が左右上下など一定の方向に傾いたり、捻れたり、震えたりする疾患です。体の疲労ストレスが関係していると考えられているので、十分な休養を取る事が大切です。また、精神を緊張させることや、運動は、症状を悪化させますので、注意して下さい。

手の痙攣

◆書痙(しょけい)

字を書こうとしている時や、書いている時に手が震えたり、腕が固まったりして字がかけなくなる状態です。字を書く仕事をしている人が発症しやすく、字を書く以外には、この痙攣は起こりません。

また、一定の動作を仕事などで繰り返し行うことで生じやすい痙攣を職業性ジストニーといいます。

手足の痙攣

◆脳疾患

・脳腫瘍

脳腫瘍ができると、慢性的な頭痛、吐き気や嘔吐の他に、しびれや手足の痙攣を引き起こすことがあります。

・脳梗塞

脳梗塞の症状として、立ち上がって足を踏み出した時、足が動かなくなったり、足首や膝に震えがくることがあります。

◆熱性痙攣 (子ども)

風邪や突発性発疹などが原因となり体温が38℃を超えると熱が引き金となり、痙攣を起こすことがあります。これは、生後3ヶ月から4歳ぐらいの子どもにみられる症状です。手足が左右対称に激しく痙攣を起こしますが、数分で治まります。

全身の痙攣

◆てんかん

てんかんは、幼児期の体質が原因で起こる場合と脳に何らかの障害や傷などが原因となり起こるものがあります。成人の場合、頭部の外傷脳血管障害脳腫瘍によるてんかんが増えます。てんかんの発作は、突然意識を失うものと意識がある部分的な発作があります。

  • 意識を失う:口を固く食いしばり、呼吸が止まります。倒れた直後、手足が突っ張ったような硬直が数秒から数十秒間続き、次に手足をガクンガクンと曲げ伸ばしする発作が数十秒から1分程続きます。最後は、筋肉の緊張が低下し、緩んだ状態になり発作はおさまります。その時、口から泡のようなよだれを出すことがあります。発作の種類には、非常に短いものもあり、20~30秒後には意識が戻る時もあります。
  • 意識がある手や顔の一部がピクピクしたり、言葉が出なくなったりなどの症状が現れますが、発作は一分ほどでおさまります。ケースにより、意識が徐々に曇ってくるような状態になる時もあります。

てんかんの発作が起きた時の介助方法としては、冷静になって、まず発作を起こしている人の衣類を呼吸しやすいように緩めてあげましょう。また突然の発作の動きに備えて危険な物を移動させ、発作の状態をよく見て把握しておくことも大切です。

◆破傷風

破傷風は、土中の破傷風菌の感染にて発病します。破傷風に感染すると1〜2週間ほどで口がこわばったり、舌がもつれるなどの症状が出始めます。体の筋肉が硬直し、体をのけぞらせるような痙攣が繰り返し起こります。重症になると死亡することもあるので、気をつけなければいけません。

◆妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群の特徴は、タンパク尿・高血圧・浮腫ですが、重症になると、全身の痙攣発作や昏睡を伴います。胎児の発育障害、脳出血を引き起こす可能性のある大変危険な状態です。発作の前ぶれとして、頭痛・めまい・目のちらつき・吐き気などがあります。

◆ウィルス性脳炎

ウィルス性脳炎は、体内で増殖したウィルスが脳や脊髄に入り込み、最初は、風邪のような症状ですが、次第に高熱、嘔吐、頭痛などの症状が現れはじめ、進行すると痙攣や意識障害、手足の麻痺などを生じてきます。

◆憤怒痙攣  (子ども)

泣くあかちゃん

憤怒痙攣とは、子どもが激しく泣いた時に、呼吸が止まり、顔色が紫や蒼白になって全身痙攣を起こすことです。これは激しく泣いたせいで、脳が酸素不足になり痙攣を起こすのです。大体4~5歳をすぎるとこのような痙攣は起こらなくなります

まとめ

痙攣の種類と原因についておわかりいただけましたでしょうか。一概に痙攣と言っても日常生活のちょっとしたことが原因で起こるものから、深刻な病気が原因となるものまで多数あり、驚かれたかもしれませんね。

軽症の痙攣には、準備運動やストレッチ、目の休養や乾燥を防ぐだけで随分と改善されるものもあります。また、痙攣の多くは、ストレスの影響を受けていたり、ストレスが悪化の要因となったりしますので、生活習慣の見直しが大切です。

重い病気が考えられる痙攣は、症状がおさまったとしても決して油断せずに、早期に病院で診察を受けられることをお勧めします。

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