口内炎が出来てしまうと、会話をしたり、ごはんを食べるといったいつもの行為がとても辛くなってしまいますよね。
ほとんどの方が口の中に口内炎が出来た経験があると思いますが、唇に出来た経験はあるでしょうか。
なにげなく使っている唇ですが、実は顔のパーツの中でとてもデリケートな部位だという事をご存知ですか?唇には汗腺、皮脂線がないのでバリア機能が無く皮膚がむき出しになっている状態なんです。
その唇に口内炎が出来たら??とてもやっかいですよね。
口内炎にも種類がある為、そのままほおっておくとなかなか治らずに痛い思いが続くことも…。
唇に出来た口内炎について、原因と対策をお伝えします。
そもそも口内炎とは
「口内炎」とは、口の中や下の粘膜、舌、喉、歯ぐき、などに出来る炎症の総称です。
口内炎の場所によって呼び名が変わります。
歯茎に出来たものは「歯肉炎」、舌にできれば「舌炎」、口角にできれば「口角炎」と呼ばれ、唇に出来た口内炎の事は「口唇炎(こうしんえん)」と呼びます。
口角炎については、すぐに治らない口角炎になる5つの原因とは?ストレスや乾燥に注意!
歯肉炎については、歯肉炎の症状を紹介!痛みや治療方法を紹介!
に詳しく記載しております。
唇や口の中に発生する口内炎ですが、丸くて白いザラザラする口内炎にも症状や原因によって4つの種類に分類されています。
明確に原因が異なりますので、対処法や有効な治療法が異なります。まずは自分に発生している口内炎がどの口内炎に該当するのかについてチェックしてみましょう。
アフタ性口内炎
口内炎と聞くと、口の中を噛んでしまったときに出来る楕円形の白っぽい腫瘍の周りが赤く炎症しているものを想像される方が多いでしょうか。
よくイメージされるその口内炎の正式名称は「アフタ性口内炎」といい、口内に出来た小さな傷から細菌感染することで起きた炎症のことを言います。
唇の裏をうっかり噛んでしまった事から出来る口内炎は、ほとんどこのアフタ性口内炎とみて間違いないでしょう。
原因はストレスや免疫力の低下、口の中に傷が出来てしまうことが主です。
唇の裏側や歯ぐきなどに発生しやすい口内炎で一般的には1週間〜2週間以内で自然に治ることが多い症状になります。
同じ箇所に再発することも少なくなく再発性アフタ性口内炎という症状が発生することもあります。
アフタ性口内炎は原因が重複してしまっている状態では複数個同時に発生することもある、非常に辛い口内炎です。
カタル性口内炎
もうひとつなりやすい口内炎の種類として、「カタル性口内炎」が挙げられます。
カタル性は口の中の粘膜が赤くはれ、触ると痛みを伴う症状がありますが、比較的すぐに治ると言われています。
食べ物を食べた時のやけどや、歯の被せものがあっていなかったり矯正装置で擦れてしまうなどの刺激が主な原因です。
また、味覚がわかりにくい、口臭が発生するといった症状もまれですがあるようです。
熱いものを飲んだ、食べた時に唇の裏が腫れてしまった、というケースにはカタル性口内炎の可能性が高いでしょう。
カンジダ性口内炎
別名「義歯性口内炎」と呼ばれる通り入れ歯の衛生状態が悪く、カビが生えてしまう事が原因の口内炎です。
口の中の粘膜が腫れ上がって肥厚していたり、白い点や白い膜が舌や患部に発生している場合はカンジダ性口内炎を疑いましょう。
この口内炎は痛みが比較的少ないことが特徴です。
カンジダ性口内炎の場合は体内に何かしらの病気が潜んでいる可能性もある症状です。稀に他人に感染する事もありますが、問題となるカビ(真菌)は健康な人や正常な免疫力を持っている人には感染されない症状でもあります。
主に感染されやすいのは、妊婦、乳幼児、高齢者、糖尿病患者、HIV患者など免疫力が低下している病気もしくは、体の弱っている人です。
病院での治療が推奨される口内炎になりますので、この症状でないかどうかはしっかりチェックしておきましょう。
ヘルペス性口内炎
ヘルペスウイルスの感染が原因のウイルス性口内炎です。
ヘルペス以外にも梅毒、淋病、クラミジアなど、性行為感染症による口内炎もあります。ヘルペス性口内炎は口の粘膜に多くの小水疱が形成され、発熱や強い痛みを伴うことがあります。
乳幼児などの子供に特に発生しやすいのが、このヘルペス性口内炎になります。
ヘルペス菌は成人であれば誰もが持っている菌で、常在菌でもあります。しかし近年では衛生面の強化により、昔ほど抗体を持っている人が少なくなってきていて、菌への免疫力が低下しているため、症状が発生しやすくなっている傾向があります。
すでに体内にウイルスを持っていることが多いですので、その場合は免疫力が低下している疲れているときや栄養不足の状態になると炎症を引き起こす場合もあります。
口唇炎の種類はどんなものがある?原因は?
では、今回のテーマである唇の口内炎、口唇炎について紹介します。唇に口内炎が発生してしまう原因と症状について見ていきましょう。
口唇炎には3つの種類の症状があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
接触性口唇炎
接触性口唇炎は唇とリップクリームなどの相性が悪く、腫れたり湿疹が出来てしまう炎症です。
症状としては
- 唇に水泡や湿疹が出来る
- 唇が赤くはれる
- かさぶたが出来る
などが挙げられます。
接触性口唇炎は唇についたものが原因で炎症を起こします。もし上記の症状が現れた場合は以下のものが唇に合っていない可能性がありますのでチェックしてみて下さい。
- 口紅
- 乳液・美容クリーム・化粧水
- 洗顔料・メイク落とし
- 歯磨き粉
- リップクリーム
- ガム
中でも口紅やリップクリームが原因の場合は、唇の外側の線に沿って赤くただれていく症状が発生します。
特にリップクリームは乾燥などを防ぐための行為で、唇荒れの予防のために有効な対策法と思われがちですが、含まれている防腐剤や香料などの添加物からの刺激によって唇が荒れてしまう事があります。
明確に何が原因で問題が発生しているかを見極めて予防することが重要です。
剥離性口唇炎
剥離性(はくりせい)口唇炎は唇の皮がめくれたりかさぶたが出来る症状です。
症状としては
- 唇に湿った黄褐色のかさぶたが出来る
- 唇の皮がめくれ、めくってもまためくれてくる
- 痛みやかゆみは全くない
が挙げられます。
栄養バランスが崩れる事が主な原因とされ、中でもビタミンB2・B6が不足している場合が多いようです。
ビタミンB2は発育のビタミンと呼ばれ、主にレバーやうなぎなどに含まれています。
また、ビタミンB6は肌のビタミンと呼ばれていて、鶏ささみやまぐろなどに多く含まれていますが、中でもはちみつがおすすめです。はちみつを薄く唇に塗ることで保湿だけでなくビタミンB6が同時に取れますよ。
といっても取り過ぎに注意するビタミンも存在します。剥離性口内炎の場合はビタミンEの過剰摂取も原因のひとつとされています。
ビタミンEはアボカド、はまち、アーモンドに多く含まれているので、摂りすぎない様にしてください。
アトピー性口唇炎
アトピー性口唇炎はアトピー症状のひとつです。大人がなる事はまれで、主にアトピー性皮膚炎のお子様に多い症状となります。
アトピーの方の肌は重なる炎症でバリア機能が低下しているのですが、唇についても同じことがいえます。
症状としては
- 乾燥
- 唇の亀裂
- 皮がめくれる
- 色素沈着を起こしている
中でもアトピー性口唇炎は乾燥が一番の敵になりますので、乾いたからといって舐めない、清潔にしようと拭きすぎない、室内を乾燥しすぎない様にすることも大切です。
その他動物の毛、食べ物、ハウスダストなども原因の一部と考えられます。
危険なのはアトピーの症状とヘルペスの症状を併発することです。治療法が異なり、どちらかを治療していると片方が悪化する事があります。
もし電気のようにビリビリ痛みが発生している場合には早めに病院での治療を行ってください。子供の場合には比較的軽症なことが多いですが、大人がかかると重症化、慢性化しやすいですので注意しましょう。
唇に口内炎ができた時の対処法
口の中の口内炎と同じく、口唇炎もそのほとんどがそのまま放置する事で自然治癒していきます。ですが痛いし、食事も億劫になるしなるべく早く治したいですよね。
辛い口唇炎を早く治すための方法をまとめてみました。
保湿する
まず一番に治りを早くするのが「保湿」する事です。リップクリームやワセリンを塗って乾燥を防ぎましょう。
乾燥がひどいときはラップパックをお勧めします。
ラップパックとは、唇にリップやワセリンを多めに塗り、ラップを上からかぶせてしばらく放置します。外すと唇が保湿されているという方法の事を指します。
女性なら学生の時にやってみた経験がある方も多い、わりと有名な方法なので一度試してみて下さい。
ワセリンにはリップのように添加物が含まれていないただの油ですので、トラブルが発生する可能性が少ないメリットがあります。
より不純物を除いたものとしてサンホワイトという商品もありますんので、そちらのほうがより高品質のワセリンになっています。刺激を極力抑えて保湿したい場合はこちらの商品を使用するといいでしょう。
刺激を与えない
唇の皮が剥けるからといって、いつまでも剥いていては治らなくなります。また、唇を清潔にしようと、タオルやティッシュでごしごし拭くのも唇には刺激が強すぎます。
しかし、カレーやキムチなどの刺激物を食べてそのまま唇に付着させておくのもよくありませんので、ティッシュでとんとんと軽く叩くようにしてとりましょう。
また、ついつい剥きたくなる唇の皮を剥いたり歯で削ったりする癖のある方はいますぐやめてください。口唇炎が治りにくくなります。
唇を清潔にしたうえであえて保湿しない
すこし手荒い方法になりますが、剥離性口唇炎の方で上記の保湿を試しても症状が改善されない、または悪化するといった場合には唇を泡立てた洗顔などでやさしく洗ってみましょう。
その後水で流した後タオルなどで水気を軽くふき取りあえて保湿をせずそのままにしておきます。剥けた唇から浸出液と呼ばれる傷を治す効果を持つ体液が出てきますので、その体液で治癒しようという方法です。
何日か様子を見る必要がある治療方法ですが、乾燥がひどく耐えられない、悪化しているような様子が見られたら治療を中止してください。
即効性のある対処法
症状がかなり初期の段階である薬を飲むと症状がピークに達する前から沈静化し、すぐに治ってしまうというおすすめの対処法があります。
その薬はペラックT錠という市販薬です。SNSなどでの反響も多く、B’zの稲葉さんが愛用している事で口内炎クラスタたちに一気に拡散された商品人なります。
トラネキサム酸とカンゾウ乾燥エキスが配合されており、炎症を効率よく抑える効果があります。更にビタミンB群やビタミンCなども配合されているので粘膜の働きを整えて回復傾向に導くことが出来ます。
筆者も口内炎が1月に2〜3個出来る口内炎クラスタなのですが、唇や口の中を噛んだときや、口の中に軽い痛みを感じた場合にすぐに飲むようにしてから、しばらく口内炎が出来ていません。
ペラックT錠
おすすめです。
症状が長引く、改善されない場合は
市販薬に口唇用の塗り薬がありますが、あまり長引くようであれば一度皮膚科または耳鼻咽喉科もしくは皮膚科や歯科で診察を受ける事をおすすめします。
基本は軟膏を塗っての治療になりますが、症状がひどい場合にはステロイド入りの軟膏で治療するケースもあるようです。
また、身体の痛み、骨の違和感などを伴う唇の以上は口内炎ではない別の病気も考えられますので、早めに受診してください。
唇を含む、口内炎を作らない為の心がけ
一度出来てしまうと、とてもやっかいな口内炎。作らないために、なにか予防策はあるのでしょうか?
ストレスを溜めない
口内炎の原因として、精神的なストレスが挙げられます。ストレスのため免疫が弱り、いつもなら跳ね飛ばすような細菌に負けてしまうという仕組みです。
自分なりのリラックス方法を見つけて、なるべくストレスを溜めない様に生活しましょう。
また睡眠不足もストレスの原因となりますので、いまいちど自分の睡眠環境を見直し、しっかりと休めるように調整しましょう。
バランスのとれた食生活
剥離性口唇炎の項目でもお話しした通り、ビタミンB群のバランスが崩れる事が口内炎の原因とされています。
食事から摂取してバランスを取るのが理想ではありますが、難しい場合は口内炎用としても販売されている市販の飲み薬やサプリメントを使用するのが手軽です。
また、タバコやアルコール、辛い物などの刺激物を避けることも大切です。
甘いものや脂っこい食事を控える
食事内容に気をつけてしっかりビタミンを摂取していても、それらの栄養素を代謝してしまう糖質、脂質を過剰に摂取していると、それらの分解のためにビタミンをすべて使い切ってしまって栄養不足になってしまいます。
ビタミンBやビタミンCなどが甘いもの、脂っこい食事によって消費されるので、注意が必要です。
甘いものばかり溜めている時に口内炎が発生することが多くないですか?これは結果的に栄養不足で粘膜が健康的で無くなっていことが原因になっています。
治りも遅くなりますので、しばらくの間は控えるようにしましょう。
口の中を清潔に保つ
歯磨きももちろんですが、歯の被せものや歯列矯正器具、入れ歯などが原因の口内炎も多いです。
こまめな洗浄と定期的な歯科検診で口の中を健康に、清潔に保ちましょう。
歯ブラシも硬すぎるものは口腔内を傷つける恐れがありますので、やわらかいもので丁寧に磨くようにしましょう。
唇マッサージ
血行不良の唇は外部からの刺激にとても弱くなってしまいます。また、血行が悪いといわゆる「紫の唇」になり印象も暗くなってしまうので、定期的なマッサージをおすすめします。
マッサージの方法は、ワセリンやリップクリームを多めに塗り、指で軽く押したり、くるくる唇の上を滑らせてみて下さい。だんだん唇の血行が良くなりぽかぽか温まってくるのでそのまま5分ほど続けましょう。
あくまでデリケートな唇なので、擦ったり、押しすぎたりすることは厳禁です。
口呼吸をやめる
唇トラブルの多い方の大半が口呼吸をしています。
半開きになった唇から常絶えず空気が出入りするため、鼻呼吸の人と比べても乾燥リスクが莫大に上がってしまいます。
また、口腔内に細菌が繁殖するもとともなりますので、医療用テープやマウスピースを使って口呼吸を改善するのも有効な予防法です。
まとめ
いかがでしたか?口内炎の種類、対策を主に唇の炎症を中心としてお話させて頂きました。
口内炎は虫歯と違ってほとんどが自然治癒で治ります。
だからといってそのままにしておくと治るまでの時間、苦しむ事になってしまうので早めの対処を心がけましょう。
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