他人に自分自身の気持ちを表現するのが苦手だったり、家の外に出ると周りの人たちの会話に上手くついていくことができなかったという経験はないでしょうか。人によっては、外向性がない自分の性格に対して劣等感を持っている方もいるかと思います。
しかし、内向的な傾向がある人は、外向型人間と違った能力や、長所を多く持っています。それは、感情が豊かだったり、努力家、思考的だったりと様々な特徴があります。
この記事では、いつも友達と上手く言葉を交わすことができなかったり、コミュニケーションに不安を持っている内向的な性格の方の良さについて見ていきたいと思います。
この記事の目次
内向的な性格の人って一体どういった特徴があるの?
外向的な人のイメージと言えば、行動力があり、周囲の人間に影響を及ぼすような人間ですよね。社会でも、人間関係が良好な人ということでリア充などと呼ばれていることもあります。
その一方で、内向的な人といえば、よくひとりでいたり、コミュニケーション能力が低く、人間不信だったり、自分の評価に自信がないようなタイプのように思えますよね。
しかし、実際の所内向的な人と言うのは、決して友だちがいない話下手な人間と言うわけではありません。まずは、内向的な人間とはどういった特徴があるのかを見ていきましょう。
会話中は頭のなかで話す内容を考えてから話し始める
電話などで、話していることを脳で考える前に、声に出してしまうという方はいるかと思います。よく話し相手に本当に考えて言葉を発していると言われるような人たちですね。こういった人は、仕事や、何か行動をする時にも反応が早くなっています。
一方で内向的な人の場合には、刺激に対して、関係のあることや、可能性などを一通り考えてから一つずつ口に出します。逆に言うと、情報が部分的にしか分からない時には、安易に話したりしません。
自分が思ってもいないことを話すのではなく、いつも自分が考えた末に言葉を話すので、非常に信頼が置けると言えます。また、慌てたりすることもないので、失敗をすることは少ないです。
会話の相手と目をそらしてしまいがち
企業などでは、営業の相手とアイコンタクトをとるようにといわれるかと思います。しかし、内向的な人の場合には、目を合わせるということが苦手な人が多いです。これは、子供の時から苦手な人が多く、昔から怒られていた経験がある方もいるかと思います。
目を合わせるのが苦手な理由は様々ありますが、自分で目を合わせることに対して気にしすぎていたり、目を合わせることで逆に気が散るということもあるようです。また、全てを見透かされたくないと思っている方もいるようです。
そのため、会話をしている最中でも、他の作業をすすめたり、頑としてそちらを見ないなどをしてしまうこともあるようです。
声に出さず脳内で空想にふけることが多い
内向的な人は、言葉に出さない代わりに、創造性が豊かな場合が多いと言われています。子供たちがよくするように、意味もなく自分の頭のなかで独特の世界を作っていたり、新たな世の中で遊んでいる場合もあります。
そういった空想にふけっている間は、他の人から喋りかけられても反応は薄いですし、だからこそ他の人と一緒にいるというより、自分ひとりの時間を大切にしていることが多いと言えます。
もちろん、他の人と一緒にいることが嫌いなわけではありませんが、それよりも、空想の世界を優先して楽しんでいる場合も往々にしてあります。
興味があると、すぐに深く集中できる
内向的な人間の人は、非常に集中力があるというのも特徴的です。しかし、すべてのことに対して集中する訳ではなく、自分が興味を持っていたり、気がついたら熱中していたという場合が多いです。
反対に興味のないものに対しては自分から関わろうとしませんし、ましてや近づこうとすることもほとんどありません。しかし、そういったものでも、新たに興味が湧いてくれば集中する対象になります。
人によっては、他の人に止められるほどそれだけに熱中したり、その他のことに対してはおざなりになったりするなど、かなり深く集中してしまうこともあります。
内向的な性格の人の仕事におけるメリットとは一体何?
内向的な人間は、外交的な人間と比較するとコミュニケーションが苦手だったり、発言力が弱いなどという理由から、仕事にはあまり適していないと考えられがちかもしれません。しかし、これは誤解です。
実際の所、内向的な人間の方が、創造性があったり、自分一人でも集中して作業ができるなど、出来ない部分をカバーすることが十分にできるような能力をたくさん持っています。
また、人によってはそういった長所をうまく活かし、自分の短所は他の人にカバーしてもらうことによって自分の能力を最大限に活かしている場合もあります。それでは早速、内向的な人間の仕事におけるメリットについて見ていきましょう。
考えることが好きなので、創造性のある仕事ができる
仕事において、今やっていることに対してより発展的な解決法や、切り口を提案することができるのは非常に大切なことです。しかし、こういった事を実践するためには、自分で考え、想像力をもって取り組まなければいけません。
いつも他の人と情報を交換して、それを発展させている人は、もしかすると、自分の視点でしか考える事ができないかもしれません。しかし、内向的な人間の場合には、想像をすることに慣れているので、自分以外の人の立場から物を考える事が得意です。
また、それだけではなく、そこから欲望や、考えなどに発展させることができるため、容易に新たな視点からの切り口を提案することが出来ると言われています。
慎重派なのでよく確認をしてミスを事前に防げる
内向的な人間は、自分の頭のなかで考えてから物事を実行します。素早い行動や、対応が要求されるような場所ではそういったゆっくりと考えている行動は疎まれることもありますが、実は、その方がミスは減ります。
また、慎重派なので、皆が慣れによって抜けるような失敗を起こさないように確認も怠ることはありません。もちろんそれが無駄な動きだと批判されることもありますが、長い目で見た時に、ミスは事前に塞がれている場合が多いです。
無駄なことをやっているように見えて、結果的には失敗を減らしているので、周囲の人間からは尊敬されている場合も多いです。
1人でいても平気なので仕事に支障がでにくい
内向的人間は、一人でいても、あまり気にしていません。外交的な人の場合は、常に誰かと喋っていたり、共にいることが安心につながりますが、内向的人間は逆に誰ともいないほうが安心することもあるようです。
そのため、休憩なども誰かと合わせることなく、1人で行くことができます。他の人のペースに合わせる必要がないため、より効率的に自分のペースで動くことができ、その分仕事にも支障がでにくいと言えます。
また、熱中した時などにも、1人でいくらでも進めていくことが出来るため、ハイペースでどんどん仕事を進めていくことができるのが多いといえます。
集中することができるので生産性が高い
他人がそばにいると、集中することができないと言う方もいるかもしれません。しかし、仕事中に自分の仕事に上手く集中することができないと、仕事をきちんと進めることは難しくなってしまいます。
しかし、内向的な人の場合には、自分の興味に上手くハマればいつまでも集中することができます。逆に、会議などで邪魔をされることを嫌うくらいです。そういった集中力があるため、生産性は他の人に比べてかなり高いと評価されている部分が多いようです。
特に、目に見えて確認できるSEや、ライターなどは、内向的人間の方が生産性は高くなっていることが多いと言われています。
内向的な性格の人が日常で困ってしまうデメリットとは?
内向的な人は、長所もたくさんありますが、それに反して、普通の人なら持っているはずの事が苦手だったりすることがあります。もちろんこれをカバーしていければ問題はないのですが、人によってはそういった事が苦手です。
そのため、日常生活で、内向的な人に対して誤解を持たれてしまうと、困った状況になってしまうことがよくあります。また、周囲の人達は何も思っていなくても、内向的な人が自分で落ち込んでいってしまうこともあります。
そういった事を防ぐためにも、まずは、内向的人間は一体どういった面で困ってしまうのかを見ていきましょう。
自信がないなどの原因で声が小さいことが多い
自分自身に自信を持っていなかったり、考えている最中でも発言をしないといけなかったりすると、どうしても発言をする時に声が小さくなってしまいます。自分の中ではきちんと考えているにも関わらず、声が小さいと相手に誤解をもたらしてしまいます。
声の大きさは、他の人からすると、自信を測るバロメーターにもなっています。やはり、声が大きく、ハキハキ喋る人の方が好印象で頼れると考えられることが多いです。
声が小さくなりがちな人は、意識的に息を大きく吸って話したり、聞き取りやすい滑舌を意識するなどして、相手が聞くことができるように心がけましょう。
他人の些細な言動ですぐに傷つきやすい
内向的人間は、あまり自分から発言することはありません。そうなると、周囲の人達は何を言っても気にしていないと誤解することがありますが、実際は思ったよりも言われたことに対して気にしていることがあります。
また、他の人よりも繊細な部分があるため、誰も気にしていないようなことに引っかかり、1人で傷ついてしまっていることもあります。
できるだけ、ポジティブに考えるようにしたり、他人の言動はそこまで気にしないように心がけるのが大切です。
人付き合いが苦手なので交友関係は狭いし浅い
他の人とたくさん話すのが苦手な内向的な人間は、知らない人と上手く仲良くなるのが苦手です。そのため、自分が仲良くなることができるのは、向こうから積極的に来る人や、長い付き合いの人が多いです。
そうはいっても、そういった交友関係はそこまで広いものではありません。しかし、無理して広げるよりも、現在の状況に満足している場合が多いので問題はありません。また、今ある人間関係に対しても深めようと思っているわけではなく、自分が付き合いたい時に気軽に付き合う浅い関係です。
自分に自信がないので、自己嫌悪に陥りやすい
内向的な人間は、外交的な人に押されることが多いので、小さい頃からの経験により、自分に自信がない事が多いと言われています。特に、自分の良くない部分に対して注目してしまうので、それが顕著に現れることもあります。
そのため、自分に対して自己嫌悪を抱いていることも多いようです。もちろん自分のいいところを上手く受け入れることができればこれらは解決しますが、そういった事が苦手なことが多いです。
ぜひ、自分の悪い部分だけではなく、良い部分をしっかりと見つめることで、自分の良さを受け入れてあげましょう。
内向的な性格の人はどうして内向的になるの?
内向的な人間はどういった特徴を持っているのかを見ていきましたが、内向的な人間ではない人からしたら、どうして内向的になるのかが分からないということも多いですよね。
特に、自分はこうできるのに、どうして出来ないのか等と考えてしまうとキリがないのではないでしょうか。しかし、内向的になるのには、原因があります。もちろんこれらは悪いことではなく、内向的な長所にも反映しています。
それでは一体、内向的になるのは一体どういったことが理由なのかを見ていきましょう。
周りのものすべてを分析しようとしているから
普通の人が、物事や事象として受け入れているもの対して、内向的な人は、否定的に見ることがあります。これは、非常に悲観主義というわけではなく、周りの物に対して疑いを持つことができるという事です。
そのため、何か物事にであってもすぐに自分の意見を話すことはありません。まずはそれに対して自分が疑いを持ち、どういった本質を持っているのかを黙って分析しています。
しかし、周囲の人は、そういった事をせずにすぐに話し出すので、内向的な人とは話すタイミングにどうしてもブランクがでてしまいます。
過度の刺激を生活において必要としていないから
刺激的な毎日を求めているという方もいるかと思います。特に、ジェットコースターなどが好きな人などは、刺激が大好きです。
しかし、内向的な人は、刺激はそこまで求めていません。だからこそ、自分の周りがどんどん変化していくことを嫌がることも多くあります。なぜなら、自分が対処できないような刺激は求めていないからです。
そのため、過度の刺激を受けないように、自分から刺激の少ない、出会いが少ないような単調な生活を選んでいる部分もあります。
過度なドーパミンを必要としていないから
興奮すると、脳からはドーパミンがでると言われています。人間の性質上、ドーパミンが分泌されることに快感を覚える人もいます。
しかし、それと反して、内向的な人は、元々過度なドーパミンを必要としていません。むしろ、そういった興奮することを避けようとする性質もあります。そのため、争いごとはもちろん、皆が変化していくような状態はあまり好みません。
そういった事が原因で、内向的な人は、ドーパミンを特に必要とする外交的な人とかなり違った面がでてきてしまうと言われています。
情報処理に慎重だから
人によっては、目の前の物事に対しての情報処理が素早い人もいます。しかし、人間は完全ではないので、スピードが早い分、精巧さなどが失わることもあります。そういった事から、素早い行動が出来る人はミスもしやすいと言われています。
内向的な人は、情報処理に慎重な動きを見せる人が多いです。特に、自分がやっていることに対して、慎重に確認をしたり、ミスをしないように何度も確認する人もいます。これは性格にもなりますが、そういった慎重になりがちだからこそ、内向的になることもあるようです。
これは、ミスを少なくすることができますが、その分周囲の人間の動きを遅らせてしまう面もあるので、一概に良し悪しを言及することはできません。
まとめ
内向的な人間について見てきましたが、どうだったでしょうか。
内向的だと言われがちな人は、自分はどうしてそう言われるのか、理解することができたかもしれません。反対に、内向的な人が身近にいる人は、これまで疑問に思っていたことが解消されたかと思います。
実際にどうして内向的になるのかを理解していなければ、それに対して対応をすることは難しいと言えます。ぜひ、内向的になる原因や、その対処法を研究して円滑にコミュニケーションをとっていって下さいね。
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