突然まぶたがぴくぴくと痙攣を起こしたことはありませんか?おそらく多くの人が一度ならず何度かは経験したことがあるかと思います。
自分の意思とは関係なく突然まぶたがぴくぴくと細かく動き出し、すぐに治まる。時には何度も繰り返すこともあるかも知れません。
「何だったのだろう…?」と気にも留めない場合が多いかと思いますが、何か体の不調や病気が隠れているサインかも知れません。
そこで今回はそんなまぶたの痙攣の原因や考えられる病気、解消方法等をご紹介していきたいと思います。
まぶたがピクピクする原因
まぶたが痙攣する場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
眼精疲労
仕事やネットサーフィンで長時間パソコンを見ていたり、ゲームやスマートフォン等で現代人は毎日かなり目を酷使しています。こういったことから目が疲れて回復する前にまた目を酷使し続けると”眼精疲労”の状態となってしまいます。
まぶたのぴくぴくする痙攣の最も多い原因がこの眼精疲労によるものです。突然前触れもなく上下のまぶたに痙攣が起こりますが、数秒たつと自然におさまります。
この場合のまぶたの痙攣は、目が疲れているというサインです。ほとんどの方は眼精疲労を自覚していると思いますので、心当たりがある場合は後にご紹介する眼精疲労のケア方法を是非実践してみて下さいね。疲れ目については、疲れ目の症状とは?ツボや目薬で対策を練ろうを読んでおきましょう。
また、眼精疲労の方はドライアイを併発している可能性が高いようです。ドライアイになると目が傷つきやすく、感染症を起こす恐れもありますので、常時目薬を差していないと乾燥が気になるという方は、眼科を受診して治療を受けることをお勧めします。
ストレス
人間はストレスにさらされると、体に様々な不調が現れサインを出してきます。その一つにまぶたの痙攣があります。
眼精疲労の時と同様に、数秒から数十秒程度でおさまり痛みはありません。数は少ないですが、まぶたではなく口の端がぴくぴくと痙攣する場合もあります。
なぜストレスで痙攣が起こるのかというと、顔の筋肉を動かす”顔面神経”と呼ばれる運動神経が、ストレスが強くかかることによって異常に働き、筋肉を動かしてしまうのです。
ストレス性の痙攣は圧倒的に女性に多いと言われています。
過労や人間関係の悩み等でストレスを抱えていると感じている時、本人は自覚をしていなくてもまぶたの痙攣によって体がSOSを発しています。
そんな時は十分に休息をとり、心と体を休めてあげましょう。
眼瞼痙攣(がんけんけいれん)
眼瞼痙攣とは、まぶたの痙攣そのものを指す病気です。
初期症状はドライアイと似ていて、痙攣の他に”目が乾いてショボショボとする””まぶしい感じがする。”といったものがあります。
しかし、ドライアイや眼精疲労とは違い、放置することによって病状が進行し、
- まぶたが下がってくる感じがする
- 全く目が開けていられなくなる
といった深刻な症状が起こってきます。
進行は急激に進みませんが、このような状態にまでなると外出先で転んでしまったり、物にぶつかったりと日常生活に大きな危険を伴います。
原因ははっきりと解明されていませんが、結膜炎などの角膜の病気や大脳の一部に機能障害を起こしている場合、あるいは抗うつ薬などの薬の服用によって引き起こされていると考えられています。
治療は眼科で検査を行った上で対症療法を行います。
初期の場合であれば薬物療法、それで改善されない場合は「ボツリヌス療法」と呼ばれるA型ボツリヌス毒素製剤をまぶたに注射します。
ただし、効果は数か月できれてしまう為、効果がなくなる度に再度注射をする必要があります。
重症の場合は目の筋肉を一部切除する手術が行われる場合もありますが、再発の可能性もあることからほとんど適用はされません。
顔面ミオキミア
あまり聞きなれない病名かと思いますが、まぶたの痙攣を症状にもつ顔面ミオキミア(眼瞼ミオキミア)という病気があります。
症状は他の原因のものと同様、まぶたがぴくぴくと痙攣しますが、痙攣が繰り返し起こり一年以上治まりません。
また、まぶたと言っても特に下まぶたが痙攣することが多いようです。
原因としては眼精疲労や寝不足、あるいは顔面神経の麻痺によって目の周りの筋肉である「眼輪筋」の一部が異常に興奮を起こして発症します。
疲労が原因である場合は、よく休ませて休養することにより数日から数週間で自然と治ります。
とはいえ長期間痙攣を繰り返すことは非常に苦痛です。
眼科を受診すれば疲れをとる為の点眼薬が処方されますので、早期回復の為に受診をお勧めします。
片側顔面痙攣
40代以降の中高年で女性の方に多く見られるのが片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)です。その名の通り、ほとんどの場合顔の片側に起こり、初期段階では片側のまぶた周辺が時々痙攣します。
しかし片側顔面痙攣は自然治癒することはなく、病状の進行についれて痙攣の頻度が高くなり、睡眠中にまで痙攣を起こすことも少なくありません。
そしてまぶただけではなく片側の顔全体にまで痙攣が広がり、片眼が開けていられなくなったり、顔が引きつってしまうという状態に陥ることもあります。
また、痙攣の振動によって耳鳴りが生じる場合もあります。
原因ははっきりと明らかにされていませんが、高血圧や高脂血症の方が多く発症している為、動脈硬化の進行により顔面神経を圧迫することが起因していると考えられています。
治療は眼瞼痙攣と同様、薬物療法やボツリヌス療法が主に用いられます。
症状が重い場合は、顔面神経を圧迫している血管を移動させる”神経血管減圧術”と呼ばれる手術を行われることもあります。
ただしこちらもあくまで対症療法である為、再発の可能性も否定できません。症状が現れたらその度に治療を受ける必要があります。
脳腫瘍、脳梗塞
眼精疲労をケアしても、他の治療法を試しても痙攣が治まらない場合、脳の病気が考えられることがあります。
中でも怖いのが脳腫瘍や脳梗塞といった病気です。脳の病気が原因である場合、脳の中にある顔の神経を血管が圧迫して痙攣を起こします。
その場合、通常の痙攣とは違い”引きつるような痙攣”であり、まぶた以外の部分も痙攣が起こることが多いようです。
痙攣以外の症状としては、
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 急に物が見えづらくなる
- 呂律(ろれつ)がうまくまわらない
といった症状が特徴的です。
このような症状も伴っていて痙攣が治まらなかったり、他に原因が見つからない場合は念の為総合病院の神経内科でMRI検査を受けてみることをお勧めします。
とはいえ、脳腫瘍や脳梗塞によってまぶたの痙攣が起こることは非常に稀であるそうです。
痙攣が治まらずに不安に思われる場合は、実際に脳の病気ではなくても、検査をすることで安心することが出来ますし、他の原因が見つかる可能性もあります。
是非医師に相談してみて下さいね。脳腫瘍については、脳腫瘍の初期症状について!吐き気や頭痛に要注意!を参考にしてください。
まぶたのピクピクの解消法
それではまぶたの痙攣が起こった時の解消法をご紹介していきます。予防法にもなりますので、是非試してみて下さい。
眼精疲労のケア
まぶたの痙攣の最も大きな原因となる眼精疲労のケア方法をご紹介します。
■温パック
目がショボショボして疲れている場合は、血行不良が原因となっていますので、この温パックをすることによって血管が広がり、血行が良くなります。
- 熱めのお湯でタオルを濡らし、よく絞る。
- 少し冷まして温かいと感じる温度になったら、目の上にのせて覆う。
くれぐれも熱いままのせて火傷をしないように気を付けて下さい。
■冷パック
目が赤く充血している場合には冷パックが効果的です。
- 氷水でタオルを濡らし、よく絞る。
- 冷たいうちに目の上にのせて覆う。
水で濡らしたタオルを冷蔵庫に冷やしておくと、いつでもすぐに使えますのでお勧めです。
■目を動かす
パソコン画面等、同じところをずっと見続けている場合は、定期的に目を動かすようにしましょう。
- 目をギュッと閉じてからパッと思い切り開く。
- 頭を動かさず、黒目を右、左へ動かす。
- 同様に今度は上、下へ動かす。
■遠くを見る
パソコンや携帯等近くのものを見続けた時に、定期的に遠くの方(外の景色だと効果的)を5分間程ゆったりと見て下さい。
■目のツボを押す
- 目頭と鼻の間にある凹み
- 目尻にある凹み
- 黒目の下にある凹み
これらは目の疲労を解消するツボです。一か所を5~6回程気持ち良いと思える強さで押すと良いでしょう。
はっきりとツボが分からない場合は、それらの部分を指で円を描くようにマッサージしても効果的です。
眼球を強く押さないように注意して下さい。
ストレスを解消する
ストレスもまぶたの痙攣に大きく影響します。
- リラックスできる時間を確保する
- 趣味を楽しむ
- ゆっくり入浴して体を温める
- 起床後や寝る前に軽くストレッチをする
ストレス解消方法は人によって違いますので、自分が気持ち良い、楽しいと思えることを日頃から見つけておくことはとても大切です。
真面目で頑張り屋の性格の方はストレスを抱え過ぎてしまう傾向があります。時には自分を甘やかし、好きなことをして気分転換を図ることを心掛けましょう。
動脈硬化を予防する
片側顔面痙攣の場合、動脈硬化によって引き起こされる可能性が高い為、普段から予防することが必要です。
・高脂肪の食品を控える
牛肉、豚ばら肉、加工肉、菓子パン、インスタント食品、乳製品等が主な高脂肪食品です。
完全に避けるのではなく、摂り過ぎに注意しましょう。
・青魚を食べる
青魚には、EPAと呼ばれる動脈硬化を防ぐ成分が多く含まれています。特にイワシやサンマに多く含まれていますので、積極的に食べましょう。
・喫煙や飲酒を控える
喫煙やアルコールの多量摂取も動脈硬化を引き起こす原因となります。健康の為には控えることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
多くの人が経験するまぶたの痙攣ですが、これは疲労やストレス、病気の前兆など、何らかの体から発せられるSOSであることが分かりました。
すぐに治まるからといって放置せず、SOSに耳を傾けて、痙攣が起こった時には体を休ませてあげることが必要です。
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