肺腫瘍というと何か一般的であるようなイメージが強いですよね。
これには良性と悪性が存在しておりまして、そしてされに受動喫煙による死亡リスクというものがこれに大きく関係してきており、厚生労働省の発表によると受動喫煙による肺がんのリスクが3割ほど上昇しているという結果が出されました。
これは悪性に基づくものと大きく関係してくるのでそれについても深く触れようと思います。
肺腫瘍とは何か?
ではまず肺腫瘍についてご説明しましょう。
良性と悪性がある肺の腫瘍
腫瘍といってしまうと不安に思ってしまう部分が大きいのは事実ですよね。その中でも「良性」のものと「悪性」のものに分類されることもご存知でしょうか? 悪性や良性によっては治療の方法なども変わってきます。
肺腫瘍というのは肺癌のことなのでしょうか? 医療用語というのは調べてもわかりにくい部分が多く専門的な知識がないと理解にも苦しみます。肺腫瘍というものは、内科にある呼吸器科に属している疾患となっております。
今回はこの肺腫瘍について深く掘り下げてみようと思います。できるだけわかりやすく、説明したいと心がけます。
肺腫瘍はなぜできるのか
肺腫瘍というものは、文字通りの意味であり、肺にできる癌、つまり腫瘍のことです。その中でもタイプ分けがありまして、転移しないものなどや、経過観察で済んでしまうもの、その他の臓器に転移してしまうもの、成長して死に至るほどの腫瘍、逆にいえば他の臓器などから転移してきて腫瘍として成長してしまうものなど、数々のものが挙げられます。
まずは腫瘍のそのものについて述べようと思います。
遺伝子異常によるもの
最近では、病気というものに対する遺伝子のレベルの研究が進んでおり、腫瘍などについても明らかになっている部分は多くなってきました。これは医学がどんどん進化していることでもありいいことですね。今まで治らないとされてきた病気が治るようになるというのはいい子です。今回の腫瘍に関係はそこまでありませんが、徐々に解明されていくというのは未来的に万能薬というものが開発されるのも夢ではないということでしょう。
話を戻しまして、腫瘍というものは遺伝子の異常というものであり、周りの組織などと関係がなく増殖を続ける細胞の塊でもあります。細胞の中の遺伝子の病気とも言えますね。悪性の場合は、短時間で増殖するのが特徴的である、骨などに浸透するのも特徴的と言えます。そして剥がれた細胞などは血流に乗って転移をします。この遺伝子の異常の細胞というのは、正常な身体の調節をする機能などを無視して、増殖などを続けてしまいます。
肺を主とする悪性の腫瘍には、肺や気管支を包んでいるものや、上皮以外の細胞などから発生する肺芽腫などの悪性腫瘍などと、上皮細胞から発生をする悪性の腫瘍などがありまして、大半は上皮細胞などから発生する肺癌になることが一般的です。
遺伝子異常を起こすとされる原因とは
悪性の腫瘍になる細胞の遺伝子というのは、一体何をきっかけにして異常を起こすというのでしょう。不思議ですね。身体の不思議というものは尽きません。何か一つのきっかけで歯車が狂うとそうなってしまうというのが今の医学会では大まかな見解とされている部分が多いのも事実です。話を戻しましょう。
最近の研究では、異常を来している細胞自体に、直接働きをかける治療も可能であることがわかってきました。細胞は何らかの刺激というものを受けて、異常な細胞へと変化をします。増殖を続けながら悪性の腫瘍として成長していくこともわかっていることです。その刺激というものは、発癌性物質や放射能、そして紫外線や慢性の炎症というようなものが多く関わってきているそうです。
その中でも、肺癌と呼ぶものの中で上皮細胞などに出来る悪性の腫瘍というものは、刺激の一つとして考えて、今現在、重要視されているものでタバコというものが影響していると考えられています。タバコというものには、発癌性物質が働く中で上皮細胞に悪性の腫瘍を作るというわけです。それが一般的にいうものの肺癌というものなのです。この発癌性物質というものは、タバコの煙の中にある200種類以上は有害物質であり、その内40種類以上のものが発癌性物質なのです。タバコというものは主に有害物質の塊でもあり、発癌性を高める一番の要因の一つでもあるということですね。
一般的に吸っている人だけがこの有害物質を取り入れるというわけではなく、受動喫煙というものがあり、吸っていない人でもその害の危険に晒される可能性は十分に考えられるということです。現在の厚生労働省が発表したもので肺腫瘍の原因の一つとして受動喫煙の危険性、もしくはその可能性の向上が3割増しているということが発表されましたが、これにより世間的にも分煙の方向に進んでいる、というのが今の現状であると言えるでしょう。
身体の中で複数の要素が集まって細胞に働きかけるのがこの発癌性物質の特徴と言えます。禁煙をすれば肺癌のリスクが減少するというのはもうわかりきっていることではあります。しかしタバコを吸っている人全てが肺癌というものになるというわけではなく、これからの研究では肺癌になりやすい「体質」というものが解明されており、肺癌の予防という意味でもその期待が持てるとうわけであります。
余談ですが、これには遺伝子というものが大きく関わってきているということもわかってきています。現在は研究段階ではありますが、肺癌になりやすい遺伝子というものを持っているか持っていないかでなるかならないかのリスクが大きく変化するのもわかってきています。しかしこれはまだ研究段階であり確証するものはありません。しかし今後の研究で恐らくそれもはっきりとわかってくるでしょう。
タバコ以外にも細胞などを刺激してしまう発癌性物質というものもあります。食べ物や職業、そして大気汚染、さらに先ほど述べた遺伝子的な要素というものがありますが、現段階ではタバコに勝る要素というものはありません。上皮細胞以外に発生してしまう肺芽腫というのは、乳幼児、特には3歳以下に多く発生するということと、家族に先天的な発癌性の可能性を持っているということもその要素に含まれます。
肺腫瘍の症状とは?
肺という臓器には、腫瘍ができ、さらに増殖して、症状が出始める頃にはもう他の臓器に転移している可能性がかなり高いということがわかっています。また、身体の別の場所などから痛みを発生し、調べていく上で肺癌であったということがわかる、というのが現実でもあります。肺には人間の身体に二つ存在しているために片方が癌に侵されていたとしても、癌細胞ができたからといって、重症な症状を訴えるようなことが少ないというのがわかっています。
ではどういうことに気をつけるべきなのかをここで述べようと思います。さらにはその主な症状も含めて触れていきます。
初期の症状が出にくい
肺癌というものはまず初期の症状が出にくいというものが挙げられます。上皮細胞などから発生する肺癌というものは、初期症状が出にくい臓器あり、早期の発見は難しいとされています。症状が出始めてから検査を始めますが、腫瘍マーカーというもので、血液を採取して特定の癌というものに対して高値の数値を示す検査も、疑ってから初めてする検査となっています。検診などで発見される場合もありますので、定期検診を受け続けるということが早期発見の第一であると考えられています。なので定期的に検査を受けるというこが早期発見に繋がるというわけですね。
しかし一方で、肺芽腫などでは、咳や呼吸困難など、そして発熱や胸痛が挙げられますし、骨や脳、脊椎に転移してしまいます。
呼吸器の状態はどうなのか?
肺というものは、臓器であることから、症状というものとして、咳、呼吸困難などが挙げられます。そのほかには胸痛などがありますが、熱など風邪の症状などはなく、咳が2週間以上長引く場合は早めの診断を心がけるようにしましょう。
体重の減少
咳などや呼吸困難の症状以外にも症状が現れてきます。それは体重の減少というものが挙げられます。
癌の組織というものは健康である組織にある栄養を取り込み、増殖するという特徴があるため、体重の減少が起こり、身体も衰弱の傾向に向かってきます。悪液質といって、身体を衰えさせる物質を生産する刺激してしまうものを、癌細胞自体が持っており、体重の減少を起こすと考えられています。
痰に血が混じってしまう症状がでる
肺癌の症状の一つとして、もう一つ挙げられるものがこの痰に血が混じるということです。これを見逃してはいけません。痰に血が混じる状態というものを、血痰と呼びます。血痰は肺癌の症状のみで見られる症状ではありませんが、肺の分泌物というものがそこにあり、血液が混じっている状態というものは原因となる病気を見逃してしまいがちなので、血痰が出る場合は早めの受診を心がけましょう。
血痰から肺癌の兆候が診断されることもあります。これも早期発見の一つでありますので血痰が見られる場合は肺癌というものに限らず身体に異常があるのは目に見えて当然であるので、早期の受診を心がけましょう。
肺腫瘍の良性と悪性について
肺腫瘍というものには、良性というものと悪性という2種類が存在します。良性の腫瘍というものは皮膚の表面にできるものであり、具体的に表すと、イボやホクロのようなものです。そのような腫瘍が肺部分にもできますが、大きくなる速度というものは遅いものであり、転移などや症状もないので、小さければ、経過観察のみで済む場合もあります。
しかし、腫瘍の発生した場所によっては咳や痰などを引き起こすこともあり、気管や、気管支を圧迫することとなり、肺炎や息切れの原因ともなりえます。そのまま放置しておくと、ゆっくりであっても大きくなった腫瘍というものは、悪性の腫瘍になって行くものもあるのです。
なのでもし良性の腫瘍であると診断されたとしても、経過観察は怠るらないことが大事であり、しっかりと定期的に検査を行うことが必要とされます。気管支などや肺いは、それを包んでいる細胞の上皮細胞というものがあります。
上皮以外の細胞から発生をするという腫瘍が悪化したものが悪性腫瘍というものであり、悪性リンパ腫や癌肉腫、肺芽腫などがあり、身体の別の部分に発生した悪性腫瘍が転移した転移性の腫瘍も多く見られることがあります。肺芽腫というものは、1歳ごろから12歳ごろに見られる未熟な胎児様肺というものの組織からなる腫瘍のことを指しています。成人にも発生することがありますが、小児とは違う組織を持っているというのが考えられています。上皮細胞に発生した悪性の腫瘍を肺癌と呼ぶのが一般的であるのです。
肺腫瘍の治療法
では肺腫瘍の治療方法について詳しく見て行きたいと思います。肺腫瘍の治療法というのは、悪性腫瘍というものを疑ってから様々に渡る検査を行い、そして確定の診断を経て、細胞の型というものと、発見した時の進行度とういうものによって、治療方法が決められているのです。
細胞型とステージ
肺癌というものについては、「小細胞肺癌」というものと「非小細胞肺癌」の2種類の型が存在しており、それぞれの進行度というものによって治療方針も決定されるというわけです。小細胞肺癌というものは、発生してから進行度が早く、さらに1から4期という具合にステージわけがなされています。そしてそのほかにも片方の肺だけに腫瘍があるという限局型というものと、それを越えて腫瘍が広がっているもの、進展型というもので、治療方針が異なってきます。
非小細胞肺癌というものは、腺癌、そして大細胞癌というものがあり、ステージによって治療方針というものを決めます。
小細胞肺癌の治療法
小細胞肺癌というものは、ほとんどが喫煙者であり、肺の近くに発生し易く、さらに転移し易い癌でもあります。限局型については、ステージ1期に手術と抗がん剤の治療を併用することが一般的ですが、2期ステージ以降については手術はせず抗がん剤による治療と放射線の治療で計画を立てて行くものが一般的です。
非小細胞肺癌の治療法
非小細胞肺癌の治療法については、腺癌、大細胞癌と組織型というものとしては3つの型が存在しています。ですが、ステージ毎の治療方針が同じというものであることから、小細胞肺癌に対して非小細胞肺癌と分類がなされています。ステージによって腫瘍摘出、もしくはIB、IIA、IIB期というものでは、手術と抗がん剤の治療、そして放射線の治療と抗がん剤治療、癌細胞を標的に効果的である分子標的薬治療というものを行い痛みのケア、そして緩和を行います。
2つの治療である、放射線の治療と抗がん剤の治療を合わせて行う治療というものを「科学放射線治療」と呼びます。4期では脳や骨などの離れた場所への転移が見られ、手術では全ての癌細胞というものを取り除くことができないのです。
他の臓器から肺へ転移
他の臓器でできた癌細胞というものが剥がれ、血液やリンパ液の流れに載って、肺に辿り着いたもの、そして定着し増殖し、腫瘍となることを転移性肺腫瘍と呼びます。肺は身体中の血液の通り道となっており、転移の確率が高いものなのです。心臓も身体中の血液が通りはしますが、心臓は細胞分裂を行わないため、転移に至りはしません。治療方針というものは、どこの癌が転移してきたのかで異なっています。
転移もとの癌を原発巣と呼びますが、原発巣がコントロールできていたり、また原発巣の治療が終了し、そして経過観察中に肺転移が確認された時などは、条件が揃えば手術で腫瘍の摘出の可能性もあって、生存率も格段に伸びますが、手術不可能の時点でステージ4のため、その後の5年生存率は8%以下という厳しいものになります。そして原発巣の場所によって異なることもわかっています。
全ては早期発見が鍵を握る
肺腫瘍というものは全てが早期に発見するということに限りますし、それに勝るものはありません。ステージによっては手術が不可能な場合が多くより早く見つけて手術をすることが先決であることがわかっています。
病気も全くなく、健康な毎日であるに越したことはありませんが、病気はいつ誰に起こるのかそれは誰もわかりません。忙しい毎日を過ごすうちについつい不摂生な生活をしてしまい、誰にでも起こりうるといえばそれは間違いではないのです。そして忙しいだけにそれを見落としがちになり、そして気づけば病状が進んでいたということもあり得ます。
なので早めの治療を心がけることが全ての鍵を握ります。疲れていると思ったり、何か変だ、と思えば迷わず検診を受けることが肺腫瘍に限らず様々な病気の早期発見、そして完全回復に繋がるというわけです。
まとめ
では総括に入ります。
早期に見つけて早期の治療を
上記でも述べたように早期発見、そして早期の治療が肺腫瘍では必要不可欠です。ステージが進むにつれて転移の確率も高くなり、そして手術も難航してしまいます。
ステージ1の場合は生存率が格段に上がりますので、全ては早期発見が鍵を握ります。日々の疲れなどを放置せず、少しでも違和感があるようでしたら検診をすることをお勧めします。
そして日々の生活リズムなどの見直しを心がけましょう。