やけどの跡を残さないために!予防方法はある?

やけどは、日常生活の中でよく発生するトラブルです。料理中にフライパンを触ってしまったり、アイロンでアチチとなったり、時には、髪をスタイリングしていたら、コテに触れてやけどしてしまう、ということもあります。後になってそのやけど跡が目立って、恥ずかしいと感じる人も多いのではないでしょうか?

特に、外に出ていて目立つ場所や露出する部分のやけどは、跡を残さずに消したいのは誰でも思うもの。

今回は、できるだけやけどの跡を残さずに美肌をキープする方法をご紹介します。

◆やけどとは?

火

やけどとは、熱や火が体や皮膚に当たることで生じる皮膚やその下の粘膜の炎症、損傷のことです。

症状の軽いやけどなら、皮膚の表面が赤くなるだけで済みますが、症状の重いものになると、腫れや水疱が発生し、数日間放っておくと、傷が悪化する危険性があります。

また広範囲がやけどした場合、傷の治療だけでなく、やけどのショック症状が発生するため、その治療も求められることになります。

60℃以上の温度

人間の皮膚がやけどを負う温度は60℃以上のお湯や熱された鉄板などに触れた際に引き起こります。80〜100℃の熱では、時間にもよりますが一瞬であれば上皮のみのやけどで済みます。

上皮から内部にまでやけどが進行する可能性のあるやけど負うにはお湯などの温度は120〜150℃以上の温度が必要でしょう。

また、やけどには程度によってⅠ度Ⅱ度Ⅲ度と程度が付けられており、患部のやけどの程度、深さによってランク分けされています。

この程度の紹介は後に紹介します。

低温やけど

40〜60度の温度のものに長時間接していると低温やけどになる危険性があります。よく冬場などにコタツや湯たんぽやカイロなどで低温やけどの事故が発生しています。

特に自己管理がきちんと行えないお子さんや、皮膚の感覚が鈍くなってしまっている老人などによく症状が見られます。

45度の物との接触であれば3時間程度、そこから1度上がった46度では1時間30分程度と、1度温度が上がるだけで接触時間は半分になっていきます。

低温やけどは皮膚の深部までやけどが進行している場合が多く重症化してしまう場合が多いです。低温やけどに気づいたら患部を冷やして症状の進行を防ぎましょう。

しかし、冷やし過ぎにも注意が必要で15〜30分程度の時間に留めましょう。その後は医者へ診察を受けに行きしっかり治療を行うようにしましょう。低温やけどの場合でも火傷と同じで皮膚科を受診しましょう。

◆やけどの正しい応急処置は「まず冷やす」!

氷

やけどで一番大事なのは、応急処置です。

もし軽いやけどなら、傷を負ってから6時間以内に適切な処置をしていれば、やけどの跡はほとんど残りません。

また、応急処置が遅れた場合、やけどが悪化してしまい、その後に病院へ行っても治療が長引く可能性が高くなります。

まず、患部を冷やすことです。やけどをしたら、患部をすぐ流水(水道水)で冷やすように心がけましょう。冷やすことで、痛みを減らせ、傷の悪化を遅らせることができます。

よく、2,3分冷やして「もう大丈夫」と思っている人がありますが、これでは傷が十分に冷えず、やけどが進行してしまいます。大体15~30分は冷やすようにしましょう。

指先のやけどでは、すぐに温まってしまうため、1時間くらい冷やすのが目安と言われています。ただし、冬場は低体温になってしまう危険があるため、10分程度にしましょう。また、手や指にやけどするとそこが腫れてくるため、指輪などのアクセサリーは、すぐに外したほうがよいでしょう。

燃えた場合

もし、衣服が燃えたりしてやけどした場合は、服を無理して脱がせてはいけません。水ぶくれが破れて、痛みが強くなったり、傷口からばい菌が入って感染症になり、その後の治療が長引くことがあるからです。もっとも、服の上からではやけどの場所がわかりづらいため、予想よりも広めに冷やすことが必要です。

顔や首など、直に流水をかけるのが難しい場所の場合には、水にひたすなどして冷やしたタオルをあてましょう。冷やすのが目的ですので、タオルを頻繁にに取り替えて冷たい温度を保つのが重要です。

なお、冷やすことは大事なのですが、水ぶくれができているところには、勢いよく流水を当てると破れてしまいます。水ぶくれはやけどした部分を保護してくれる働きがあるので、直接刺激しないように周囲から冷やすか、洗面器などに浸して冷やすようにしましょう。
やけどは深さの判断がしにくいため、この応急処置をした状態ですぐ病院に行きましょう。

よく聞くのが、「アロエやみそを塗れば治る」という民間療法ですが、傷口からばい菌が入りやすくなるので、決して行わないようにしましょう。

◆やけどの程度

やけど

やけどの深さには程度がありますので、知っておきましょう。

皮膚の構造

そもそも、私たちの皮膚は大きく3層構造になっています。いちばん表面が表皮、次に真皮、最も奥が皮下組織です。

表皮は皮膚の最も外側にあり、厚さ平均約0.2ミリの薄い膜です。真皮はその下にあり、厚さは約2ミリ。神経や血管、汗腺などの器官が存在し、主に皮膚の張りと弾力を保っています。

皮下組織の厚さは場所によって異なりますが、顔ならば約2ミリ。衝撃から身を守ったり、体温を保ってくれるのがこの層です。

これらの皮膚の、どの層にまでやけどが達成しているかによって、傷の深さが決まるわけです。

火傷の深さ

やけどの深さは、Ⅰ度からⅢ度に分けられています。

Ⅰ度熱傷(1度熱傷)

表皮のみが傷ついている状態で、赤くなり、軽い痛みが生じます。比較的低めの温度のものに一瞬ふれた程度のやけどはこのレベルです。

日焼けも実はやけどの一つで、Ⅰ度に分類されています。一時的に色素の沈着がありますが、数日で自然に治り、やけど跡は残りません。

Ⅱ度熱傷(2度熱傷)浅め

真皮の浅い層までが傷ついている状態で、ひりひりとした痛みが強く、赤くなり、水ぶくれができます。色素沈着などが起きます。このレベルだと、やけどの後に正しく処置をしないと、やけど跡が残ることがあります。ひどい日焼けや、熱湯によるやけどは、このレベルに達していることが多いです。

Ⅱ度熱傷(2度熱傷)深め

真皮の深い層までが傷ついている状態で、痛みは軽度ですが、水ぶくれなどが起き、水ぶくれの底の皮膚が白くなっています。こうなると、治るまでには3~8週間かかり、傷跡が残りやすく、一般的には手術が必要な状態です。天ぷら油によるやけどだと、このレベルに達している可能性があります。

Ⅲ度熱傷(3度熱傷)

皮下組織までが傷ついている状態で、神経のある真皮が損傷しているため痛みがなく、傷口が白く乾燥しています。この場合には、自然治癒は難しく、やけど跡ははっきりと残り、盛り上がったり、ケロイド状に残ることもあるため手術が必要です。

まれに、低温やけどでこのレベルに達することがあります。この場合は、医師による治療方法が必要です。

このように、一口にやけどと言っても、いろんな程度がありますので、適切な処置を行っていくことが必要です。

◆やけどの跡を残さない方法

傷

では、どのような対処をしたら、やけどの跡を消すことができるのでしょうか?ここでは、自分でできる予防法をご紹介します。

やけどはひどい場合やきちんと治療が行われないと肥厚性瘢痕となり痕が大きく残る場合があります。場合によってはレーザー治療や植皮(全層植皮、分層植皮)や瘢痕組織部分の皮膚移植などが必要になります。

皮膚が再生するまでは、水ぶくれをガーゼなどで保護する

水ぶくれがあるうちは、やけどした場所をなるべく清潔なガーゼなどで覆い、露出させないようにしましょう。皮膚を保護し、清潔な状態を保つと、本来、皮膚が持っている再生能力で、新しい皮膚が作られます。保湿の効果もあるので乾燥による皮膚の劣化や酸化による変色なども防止できます。

逆に、不潔な状態にしておくと、きちんと皮膚が再生されないうちに乾燥してしまい、跡が残りやすくなってしまうのです。

1日に1度はガーゼを変えて清潔な状態を保ちましょう。同時に炎症クリームや治療用の保湿クリームなどを塗ると良いでしょう。

水ぶくれは絶対に潰さないようにしましょう。水ぶくれの中にはリンパ液が含まれており、潰してしまうと雑菌による感染が起きてしまう可能性があります。出来れば水ぶくれが出来るほどのやけどの場合は専門医に見てもらい、水ぶくれをどう処理するか指示をもらったほうが良いでしょう。場合によっては先に破いてしまい、治療を行うほうが知らないうちに裂けてしまうよりかはいい場合もあります。

ビタミンCをやけどした部分に塗る

ビタミンCは傷の修復を助けて皮膚を作ったり、コラーゲンを作られやすくして肌の弾力を保つのに有効です。

また、やけどの跡となる薄茶色の皮膚は、色素が沈着した状態になっています。ビタミンCには、その色素の沈着をなるべく残さない様に和らげる効果があります。

食事で摂取するのではなく、患部から直接とりこませることが重要です。傷を目立たなくさせるためには、ビタミンCを皮膚から直接吸収させるのが有効です。高濃度のビタミンCを多く配合したローションなどを塗るとよいでしょう。

その他にもAPPS配合の美容液などもあります。ビタミンCを多く含んだ美容液で同様にシミやそばかすなどの色の沈殿を防止する効果が期待できます。

やけどした部分を紫外線に当てない

やけどをした後の皮膚は再生途上のため、刺激に弱い状態になっています。そこに紫外線が降り注ぐと、色素の沈着が促されてやけどの跡が濃く残ってしまいます。

また、紫外線を浴びると皮膚の炎症が再発し、かゆみや痛みが出てくる可能性があるのです。

やけどしてから肌が再生するまでの約1カ月は、外出する場合には、紫外線の影響を受けないよう、衣服や手袋、日焼け止めなどを塗って、紫外線からやけどの跡を保護しましょう。

特に夏場は紫外線が強いので、そのままにして出かけるとヒリヒリして患部の痛みの症状が再発する可能性もあります。そのままにしておかずにしっかり保護して対策を行いましょう。症状の状況によっては日焼け止めは成分によって炎症が起こってしまう場合もありますので、必ず患部の状態を見て、対策を打つようにしてください。

湿潤療法を行う

やけどの治療には患部を保湿することが効果的です。治療中はなるべく乾燥を避けるようにしましょう。かさぶたにならないとなかなか治りが遅いように感じますが、保湿を行って治療をしたほうが治りは早いのです。

しかし、保湿での治療はかさぶたによって傷口が隠されない分菌による感染が発生しやすいデメリットがあります。なのでしっかり患部の清潔を保つ必要があります。

やり方は、治療用の軟膏や被覆材を患部につけて、その上からガーゼやラップで覆い包帯で固定します。被覆材は市販のものでプラモイストなどが売っているのでそれを使用するといいでしょう。

やけどの跡にはアットノンが効果的

やけどの跡を消すのには、「アットノン」という市販薬を使うのが効果的です。

血行促進の効果や炎症を抑える働きがあり、乾燥したやけどの部分に塗ると、傷を治すのに効果があります。

やけどの跡を目立たなくするには少し時間がかかりますが、続けていけば着実に消えていきますので、あきらめずに続けて使ってください。

肌のターンオーバーには28日間は最低でも必要になりますので、根気よく28日間は使用してみましょう。しかし、このアットノンなどの傷を消す効果のある薬やクリームはやけどや傷などがしっかり完治してから使用するものなので、まだ治療中の患部には使用しないようにしましょう。

傷跡であれば1〜2年経過した瘢痕にも効果があります。

関節部分のやけどはテープやサポーターで保護する

曲げ伸ばしの多い関節部分にやけどをした場合、傷口が安定しない段階で曲げ伸ばしをすると、治りかけの皮膚が無理やり引っ張られて、ひどくなることがあります。

また、その状態が長く続くとやけどの跡が残りやすくなってしまいますので、なるべく刺激を受けないように、テープやサポーターを巻いて、やけどの部分を守るとよいでしょう。

しかし、関節などの稼働を行う箇所にやけどを負ってしまうと皮膚がつっぱり障害となってしまう場合があります。そのような場合には軽い運動法や保湿をしっかり行うことでつっぱりの原因である瘢痕収縮の症状を和らげていきます。

医師の指導の元正しい治療を行いましょう。もしつっぱりの症状がひどくなる場合は手術によって瘢痕を伸ばす必要が出てきます。Ⅱ度以上のやけどの場合は自己治療でなくしっかりと医師により治療を行うことをおすすめします。

圧迫する

やけどをすると、その跡が凸凹していることがあります。やけどが治ってきたら、保湿と同時に患部を圧迫して、凸凹している部分を平らにすると、やけどの跡が消えやすくなります。

気になる傷跡をケアするためのシリコンジェルシートというものが市販されており、保湿効果もあるのでおすすめです。シートの上から医療用のテープで固定すると剥がれないので傷口が安定します。
これらの処置を1カ月程度行えば、軽いやけどの跡ならば、皮膚の自然治癒力でだんだん消えていきます。

良質な睡眠を取る

肌のターンオーバーを促す上では、ホルモンの分泌を正常に行う必要性が出てきます。その重要な存在である成長ホルモンが最も分泌される時間帯にしっかり睡眠を取ることが重要です。

ゴールデンタイム呼ばれる、夜の22時から深夜2時の間の時間が特にこの成長ホルモンの分泌が活発だと言われています。ホルモンの分泌は基本的に睡眠時に働く副交感神経によって行われているので、この時間にしっかりと睡眠が取れていることが重要になります。

遅くとも24時までには就寝できているようにすることが望ましいでしょう。

また、良質な睡眠を取るためには睡眠前3時間の間に食事をすることや携帯やパソコンなどの光を浴びることは身体の休まりを阻害するため控えたほうが良いでしょう。

このような行動は寝付きを悪くするだけでなく、眠りの質も低下してしまうので気をつけましょう。

◆まとめ

今回は、やけどの跡を消す方法についてまとめてみましたが、いかがでしたか?

せっかく美肌を目指して毎日頑張っているのに、ちょっとした不注意でやけどして傷跡が残ってしまったら、嫌ですよね。

そこで、イザという時のためにやけどについての知識を持ち、すみやかに適切な応急処置を行えるようにしておくのが大事です。

また、やけどの程度の診断は、素人では難しいところもあるため、まずは今回説明した内容を参考にしていただき、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。

やけどが重症の場合や、広範囲がやけどに侵された場合でも、応急処置さえしっかりしていれば、形成外科や美容皮膚科で適切な治療を受けることによって目立たなくすることができるので、安心してくださいね。

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