便が固い原因は?出ない場合や痛い時の改善方法について!

便意をもよおして、トイレで踏ん張ってみても、便が固くてなかなか出ない…特に女性の方はそういった経験がある人も多いのではないでしょうか?男性よりも筋力が弱いことに加え、ホルモンの影響などで、女性はいわゆる「便秘」と呼ばれる症状が出やすい傾向にあります。

これは、腸内環境が整っていないために起こり、肌荒れや腰痛の原因にもなります。

さらに、腸は「第二の脳」とも呼ばれており、最近の研究結果では、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンという神経伝達物質も腸で作られていることが判明したという報告があります。便が固く、腸がすっきりしない環境では、このセロトニンを造ることができず、自律神経の乱れを引き起こす可能性もあるのです。

固い便を改善し、健やかな腸を保つために、このような症状が起こる原因から、改善方法を探っていきましょう!

便が固くなる原因は?

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お腹も気持ちも重たくさせる、固い便。トイレへ行くのが億劫になってしまいます。なぜ、身体の中で便が固くなってしまうのか、まずは、その原因を見ていきましょう。

悪玉菌の増加

人間の腸内には、総重量約1kgにもなる腸内細菌が生息しています。悪玉菌は、大腸と直腸に生息し、腸内に腐敗物を溜め、有害物質を発生させます。そのため、腸内環境を整える善玉菌が減少し、便を固くさせたり、あるいは下痢を引き起こしたりするのです。

便が固くなる他に、おならが臭う、便が黒い、お腹が張るといった症状が見られる場合は、悪玉菌が増加している可能性があります。それだけではなく、悪玉菌が増えると、肌が荒れたり、免疫力の低下など、様々な不調を招きます。

腸内に悪玉菌が増える原因には、食生活が大きく関係しており、肉食中心の食事や、「○○だけ」といった偏った栄養素ばかりを摂るなどの食事は、悪玉菌を繁殖させやすい状態にしてしまいます。

水分不足

これは、便を固くさせる一番の原因と言っても過言ではありません。健康な柔らかい便には、約70~80%の水分が含まれています。便の水分量が60%あたりになると便が固くなり始め、それを下回ると、うさぎの糞のようなコロコロとした固い便になってしまいます。

しかし、単に、「飲む水分」を多くすれば解決するというわけではありません。上に挙げた悪玉菌の増加などによって腸の働きが悪くなると、便が腸内に留まる時間が長くなり、腸が便の水分を吸収してしまうことが主な原因です。

飲み水からだけでなく、便を固くさせる様々な原因を総合的に見て、改善していかなければなりません。

運動不足

ほとんどの人が、排便時、グッとお腹に力を入れるのではないでしょうか?腹筋は、便を肛門の外へ出す、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促す働きをしてくれています。

運動不足などによって腹筋が弱くなると、蠕動運動を上手くサポートすることができず、結果、便を腸内に留めてしまいます。長く腸内にいる便は、腸に水分を奪われ、どんどん固くなってしまうのです。

また、腸の蠕動運動には、腹筋に加え、副交感神経の働きが必要となります。しかし、運動不足の場合、副交感神経が活性化しないので、便秘を引き起こす原因になります。女性は男性に比べて筋肉量が少ないので、それに加え運動不足では、さらに便秘になりやすくなると言えるでしょう。

食物繊維の摂取バランスが悪い

食物繊維には、「水溶性」のものと「不溶性」の食物繊維の、2種類があります。理想的な摂取比率は、【不溶性:水溶性=2:1】と言われているのですが、どちらか一方を過剰に摂取すると、便の固さに影響します。

便が固くなる場合、「不溶性」の食物繊維を取りすぎていることが原因となっていることがあります。不溶性食物繊維の代表的な食べ物には、さつまいもゴボウといった繊維の固い食べ物があげられます。

これらは、よく「便秘に良い」とされる食べ物でもありますが、不溶性のものは、便のかさを増すことで、排便を促す働きをします。腸の働きが悪い状態で、便のかさを増やしても、腸に便が溜まってしまう一方です。

かと言って、水溶性の食物繊維を摂りすぎると、今度は便がゆるくなりすぎてしまいます。大切なのはバランスです。

固い便を柔らかくする改善方法は?

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原因を探っていくと、改善方法も見えてきましたね。生活の中でトイレにいく時間(排便する時間)を決めておくと、体内でリズムができるので、便意を催しやすいのですが、固い便だと、そうもいきません。

何度も踏ん張れば、出てきてくれることもありますが、それでは肛門が切れ、痔の原因にもなってしまいます。無理矢理出すよりも、便を柔らかくする方法を見ていくのが良さそうです。

それでは早速、具体的な改善方法をご紹介します!

食生活を改善する(悪玉菌を減らす)

善玉菌を増やすには、悪玉菌を減らす必要があります。悪玉菌は、加齢による免疫力の低下や、食事の影響を大きく受け、増加します。例えば、肉食中心の食事を続けると、肉類に含まれるタンパク質やアミノ酸を餌にして、悪玉菌が繁殖し、有害物質を放出するのです。

一方、善玉菌は食物繊維を餌に生育するので、食物繊維を取らないと善玉菌を増やすのは非常に困難です。

それらを改善するには、善玉菌の一種である、ビフィズス菌や乳酸菌を含む食品をとりながら、野菜中心の食生活をして、【善玉菌と食物繊維のバランス】を良くする必要があります。

善玉菌が含まれる発酵食品(ヨーグルト・味噌・納豆・ぬか漬けなど)を上手く取り入れながら、先に述べた、水溶性・不溶性の食物繊維をバランスよく摂取していきましょう。

<水溶性食物繊維を多く含む食べ物>

納豆・山芋・おくら・アボカド・昆布・エシャロット・明日葉・大麦若葉・抹茶・いちじく・いちご など

<不溶性食物繊維を多く含む食べ物>

さつまいも・バナナ・大豆・ゴボウ・玄米・こんにゃく・大麦・ライ麦パン・きのこ・ブロッコリー・たけのこ など

これらを参考に、食物繊維の取り方を工夫しましょう。水溶性食物繊維は、青汁やカレーなどで手軽に摂ることも可能です。

水分の取り方を工夫する

便の水分が少ない場合、水を飲むだけでそれが改善するとは限りませんが、飲み方を工夫することで、腸の蠕動運動を促す手助けになります。

例えば、朝、起き抜けにコップ一杯のお水を一気に飲むことで、胃から直腸に反射し、前夜までS字結腸に溜まっていた便を直腸に移動させ、便意を催しやすくします。

しかし、夏場など、汗をかきやすいときは、便ではなく身体そのものが脱水状態になってしまいます。これでは、便に水分が届くはずもありません。季節に関係なく、こまめに水分を摂取すると、体内の脱水状態も防げるでしょう。水分を上手に取ることで、新陳代謝もアップします。

軽い運動を習慣づける

胃腸の働きに大きな影響を与える「副交感神経」を活発にさせるには、ハードな運動よりも、ウォーキングのような軽い運動の方が効果的です。

一定のリズムが保てる程度の速度で、背筋を伸ばし、おへそを引き上げるように下腹に力を入れ、テンポよく歩くとさらに良いでしょう。通勤の時間などを利用して、普段の生活に取り入れられる方法を探すことが大切です。

また、リズミカルな運動をすることによって、どんよりした気分をすっきりさせることができれば、悪玉菌が増える原因にもなる、ストレスも緩和することができます。

便意を我慢しない

これは、女性の場合とくに気をつけたいことです。せっかく出てこようとした便を我慢すると、便が腸内に長く留まってしまうことになります。

これは、自ら便を固くしてしまう行為です。身体が、素直に便を出そうとサインを送ってくれたときは、身体の声に素直に答えてあげるのが一番です。

マッサージ

食生活の改善や、生活習慣の見直しと並行して、マッサージをすることも、固い便を身体の外へ出してあげるサポートとなります。

固くなった便がお腹に溜まっている場合、大腸の始まる右下腹部と、横行結腸の端にあたる左上腹部のあたりに、便が溜まりやすくなります。

まず、四本指を使って、大腸をなぞるように、右下腹部から時計回りにお腹を撫でて、ごつごつとしたものに当たるところを探しましょう。それが、固くなって腸に溜まっている便です。

そこに、四本指が垂直にお腹に当たるように置き、2~3cmほど押し込むようにして小さく円を描きながら刺激します。あくまで優しく行ってください。小さな円を描きながら、S状結腸まで便を誘導させるイメージで、時計回りに手を移動させましょう。

仰向けになって、軽く膝を立てた状態で行うと、腹筋に余分な力が入らず、ダイレクトに刺激できます。

病院へ行く

何をしても、改善しない場合は、むやみに自己判断で刺激系の下剤等を服用するのではなく、病院へ行って診てもらう方が安心です。

固い便は、重症化すると、コンクリート並みの固さになってしまうこともあります。また、便が固くなってあまりにも便秘が続くと身体に悪影響が出てきます。どんなに努力しても、肛門の入口で固くなった便を出して上げなければ、腸に便がたまり、激しい腹痛を伴うこともあるのです。

さらにその状態で我慢していると、腸が裂ける可能性もあります。ここまでくると、命に関わる問題になってしまいます。診察を受け、医師の指示のもとで治療し、便を体外に排出できたところから、今後、そうならないように食生活や生活習慣を見直しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。便が固くなり、なかなか身体の外へ出せないと、身体も気持ちも重たくなります。さらに、肌荒れや痔の原因にもなってしまうので、いつもより便が固いと感じ始めた時点で、早めに改善するのがベターです。

第二の脳と呼ばれる腸内環境をよくすることは、メンタル面のケアにおいても欠かせません。自分の腸が、どのような傾向にあるのかをきちんと把握して、適切なケアをしてあげましょう。

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