有痛性外脛骨とは?治療には手術が必要?原因や診断方法を知ろう!

学生の方は部活動やサークル、社会人の中でもスポーツをされる方はとても多いのではないしょうか?スポーツを行っていく中でケガというものは本当に付き物です。治るのが早いものもあれば、時間がかかるものなどバラバラです。

今回はスポーツを行っていく中でよく見られる傷害のひとつ、有痛性外脛骨について紹介させて頂きます。今スポーツを行っている人やこれからスポーツを始めるという方に読んで頂いて、少しでもケガを少なくして頂いたらなと思います。

有痛性外脛骨とはいったい何なのか

足部

まず、最初に有痛性外脛骨について紹介させて頂きます。激しいスポーツを行い、外脛骨に痛みが生じる状態を有痛性外脛骨といいます。

そもそも外脛骨とは何なのか?

この記事を読んだ人の中には、外脛骨という言葉を初めて聞いたという人もいるのではないでしょうか?外脛骨は足首の内側に生じる余分な骨です。症状が無ければ、別段気にするものではありません。

どれくらいの割合で起きるのか?

日本では、外脛骨は5人に1人の割合で見られ、スポーツなど激しい運動を行っていると、有痛性外脛骨は起きる人は多いと考えられます。小学校高学年以降になると起きやすいとも言われています。痛みが出てくると治療が必要になってくるのです。

有痛性外脛骨の原因は?

靴

ここでは、有痛性外脛骨の原因について説明していきます。

自分に合っていない靴を選択したため

有痛性外脛骨の原因のひとつとして、自分のサイズに合っていない靴を選択し、足を圧迫させた結果起きると言われています。靴のサイズが小さいことで足を圧迫させて痛みを誘発させてしまうからです。

サイズが大きすぎても、足が不安定になり、必要以上の負担を足に与えてしまうといったことでも有痛性外脛骨を引き起こしてしまいます。

スポーツによるもの

スポーツを行い、足部に過度な負担がかかり生じるという場合があります。

捻挫によるもの

捻挫により、外脛骨と舟状骨の結合部が損傷し、足部の内側に痛みが生じておきます。捻挫は関節が可動範囲以上に動いて発生する外傷です。関節がずれてしまうと、脱臼や亜脱臼と呼ばれ、スポーツなど激しい運動を行う際には気をつけておかなければならないのです。捻挫は足関節に多く、足部には大なり小なりの様々な関節が存在しています。

捻挫の重症度は靭帯の損傷度により決定します。軽いものは靭帯のほんの一部断裂したもので重いものは完全に断裂しています。診断の際は○○靭帯損傷と付けられたりします。

扁平足により引き起こされる

有痛性外脛骨を発症する際、扁平足を伴っていることが多く、女性に多いです。扁平足は足部のアーチ(土ふまず)が少なくなっている状態を指します。

踵が小さいといった事や、後脛骨筋の筋力が低下していることで起きるとも言われています。

つまり

有痛性外脛骨は靴やスポーツにより過度な負担がかかって捻挫などを起こした結果に生じる環境的な要因と足部のアーチが少ない扁平足があるために起きる内的な要因の2つがあるということです。

どちらか一方の場合もあれば、両方重なって起きるなど、様々なケースがあると考えられます。治療などの際はその原因を突き止めて、再発防止などにも努めることが大切だという事です。

足部の機能について

歩行

有痛性外脛骨の原因の所で足部のアーチなど様々な用語が出てきたと思います。ここでは、足部の解剖など正常を理解して頂く部分になります。

これにより、有痛性外脛骨の症状や治療などについてより深く理解できるようになって頂けたらなと思います。

足部にはどのような骨があるのか

足部には合計26個という多くの骨から構成されています。これだけ聞くと、ビックリしたという方も多いのではないでしょうか?

7つの足根骨、5つの中足骨、14個の指骨からなります。全体重を支える役目のある極めて重要な骨になります。足根骨のひとつ舟状骨が扁平足や捻挫に大きく関わってきます。

足部には実は沢山の靭帯が付いている

足部には、三角靭帯や前距腓靭帯など様々な靭帯が付着しています。

足部の筋肉について

足部には、前脛骨筋、後脛骨筋、腓腹筋、ヒラメ筋、長腓骨筋、短腓骨筋、長母指伸筋、長指伸筋、長母指屈筋、長指屈筋、足底筋など沢山の筋肉が存在しています。

足部の関節について

足部の関節には、距腿関節、距骨下関節、横足根関節、足根中足関節、中足間関節、中足指節関節、足の指節間関節と多くの関節があります。

足部のアーチとはどういうものなのか

扁平足の所でアーチという言葉が出てきました。皆さんのよく聞く言葉で言い変えると土ふまずと呼ばれる所です。実はこの土踏まず非常に重要な働きを果たしているのです。

足部のアーチは体重支持や歩行などの際にバランスを保つ役割を果たしているのです。つまり、足部のアーチが少ないと、体重をかける際に大きな負荷が生じてしまい、有痛性外脛骨を引き起こしやすいということです。足部のアーチを構成するものは骨、関節、靭帯、筋肉の4つからなります。アーチには、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3種類があります。

内側縦アーチが土ふまずを形成し、歩行などに関わっているとも言われています。踵骨、距骨、舟状骨、内側楔状骨、第1中足骨の骨が関わっています。特に舟状骨が要になっています。靭帯も距踵靭帯など多くの靭帯が関わっています。筋肉は後脛骨筋、前脛骨筋、長母指屈筋、長指屈筋、長母指外転筋が関わっています。

外側縦アーチは足のバランスに関わっています。踵骨、立方骨、第5中足骨という骨が関わっています。靭帯は長足底靭帯、踵立方靭帯、足根中足靭帯が関わっています。筋肉は長腓骨筋と短腓骨筋、小指外転筋が関わっています。

横アーチは内側縦アーチと外側縦アーチの間にでき、2つあります。筋肉の動きや体重増加により形成されます。足にかかる体重を分散させる役割があります。

有痛性外脛骨で大事な所は

有痛性外脛骨で考えないといけない部分は舟状骨、後脛骨筋、内側縦アーチが関わってきます。舟状骨は外脛骨との接合部でもあり、捻挫などでこの部分を損傷すると有痛性外脛骨を引き起こすからです。

内側縦アーチは土ふまずを形成しており、扁平足に関わっているからです。後脛骨筋は内側縦アーチの要でもある舟状骨を支える役割を果たしているからです。

つまり

足部には多くの骨や靭帯、関節、筋肉があり、それらにより足部の動きを生み出しています。それは複雑なものであり、どれか1つが欠けても足部が不安定になったり、足の負担が大きくなったりします。有痛性外脛骨はそれらのバランスが崩れていることで痛みを誘発しやすいと捉えるといいと思われます。

有痛性外脛骨の症状について

足 痛み

スポーツなどを行っている際、足部の内側に強い痛みが生じます。骨が突出している所を触ると痛みが生じ、スポーツなどに支障が出てきます。

有痛性外脛骨の検査・診断について

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有痛性外脛骨の検査・診断に移ります。

X線検査

レントゲンで外脛骨の有無を確認していきます。捻挫がある場合、どこの靭帯が損傷しているか確認する必要もあります。

視診・触診

足部内側に骨性の隆起が見られるかどうか確認します。そこに痛みが生じるかも知る必要があります。後脛骨筋の走行がどうなっているか、アーチはどうなっているかを確認して扁平足の有無はどうなのかを把握します。

つまり

画像診断と視診・触診の3つを行い、外脛骨の有無だけでなく、足部の状態がどうなっているのかを細かく確認する必要があるという事です。これにより、適切な治療を考えていくことができるのです。

有痛性外脛骨の治療について

ストレッチ

有痛性外脛骨の治療について移ります。

安静を行う

ジャンプやダッシュなどを要するスポーツを3週間ほど中止して、安静にする必要があります。

筋力トレーニング

後脛骨筋など内側縦アーチなどに関わる筋肉のトレーニングを行い、足部のバランスを向上させていく必要があります。

ストレッチ

前脛骨筋などのストレッチを行い、足部の柔軟性を出していくことが重要になってきます。

アーチサポートを行う

足底挿板などでアーチサポートを行い、足部のバランスを向上させていきます。症状が改善しない場合に行われます。

手術療法

保存療法で改善しない場合や何度も再発を繰り返す場合に手術療法が選択されます。手術では、外脛骨と舟状骨の突出部を一部摘出していきます。つまり、骨の突出部を取り除くことで痛みの原因を取り除くという事です。その後、後脛骨筋腱を再逢着させます。

ギプス固定

痛みが持続する場合はギプス固定で安静にします。その後、少しずつ体重をかける練習を行い、スポーツ復帰などに向けていきます。術後に行われ、内側縦アーチを出していくことが重要になります。

場合によっては

骨の成長と共に症状が改善する場合もあるので、回復を待った方がいい場合があることも覚えておく必要があります。

つまり

有痛性外脛骨の治療は筋力トレーニングやストレッチ、足底挿板による保存療法が主になります。しかし、保存療法で改善できない場合に手術療法が行われます。患者の痛みの訴えはどう変化したのかを把握し、適切な治療を進めていくことが重要という事になります。

治療時に共通していることは内側縦アーチに着目し、足部のバランスの改善を目指すという事は保存療法にしろ手術を行うにしろ重要です。

まとめ

今回、有痛性外脛骨はどのような原因で生じ、症状や治療にはどのようなものがあるかを紹介させて頂きました。靴が合わない事やスポーツでの過度の負担が足にかかって起きることから日常生活の中で身近なものと言っても過言ではないと思われます。

自分の足の状態はどうなっているのか、靴が合っているのかといったことなどを少しでも関心を持って、有痛性外脛骨の予防を行っていくことも大切です。

また、適切な治療を受け、楽しくスポーツを行えるようにするということも重要になってきます。

  
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