ちょっとした感動ものの映画を観ただけで涙が出てしまう。そんな涙もろい人っていますよね。もしかしたら、これを読んでいるあなたもかなり涙もろいのではないでしょうか。そして、涙もろいことで悩んでいるかもしれません。
ふとした情の動きで涙が出てしまう。これは性格的な要素が大きいです。相手の気持ちに強く共感し、涙を流してしまうのはとても素晴らしいことだと思います。きちんとした感情の処理ができていて、悪い意味での感情の起伏があまりないのではないでしょうか。
しかし、一方だ涙もろいことが、体から発せられる病気のサインということもあります。時として生活に大きな影を落とす意味が涙には色々な意味があります。その意味について詳しくみていきましょう。
この記事の目次
一般的にどのような人が涙もろい?
涙もろい。そう聞いて思い浮かぶ人が近くにいるかもしれませんよね。ふと見たら、いつも泣いている。その状況がおかしくも、なんとなく連れられて自分も泣いてしまうなんてこともあるでしょう。それが相手との一体感を感じるきっかけになるということもあるかもしれませんよね。
感受性が強い人ほど涙もろい傾向にあるといわれています。さらにいえば、相手の気持ちに強く共感する人。相手の立場に立って、自分ごとのように想像できる人です。これはとても素晴らしいことですよね。
よくテレビで感動ものの番組が放送されていますよね。そのとき、芸能人が泣いていますが、これも感受性が強い証拠といえるでしょう。その人の環境や今までの人生を考えて、自分ごととして捉えてしまうことで涙がでてしまうのです。
人には相手に共感するという力が備わっています。相手の立場を考えたり、気持ちを考えたりすることで社会性を身につけるのですね。涙もろいというのも、その1つの感情的表れなのです。
妊婦さんも涙もろい
赤ちゃんを妊娠すると、女性の体内ではホルモンが普段以上に分泌されます。これは出産に向けて、体の機能を変化させるためです。このとき、ホルモンバランスの崩れによって涙もろくなることがあります。
それこそ、ちょっとした感動ものの映画を観たとき。普段ではそんなに泣かないのに、ふとしたら涙が流れているなんてことがあります。ホルモンによって感受性が高まっているのですね。
女性であれば妊娠期だけではなく、生理中も同様のことが言えます。なんとなく整理中は涙がよく出る気がする。これもホルモンによる生理現象と言えるでしょう。
体の仕組み上、体内のホルモンバランスがかなり変わる女性は、男性より涙もろいといえるのかもしれませんね。もちろん、それを我慢する必要はありませんから、泣きたい時は泣くようにしましょう。
危険なサインとしての涙もろさ
情に熱い人や妊婦さんは、性格的・生理的に涙もろいという特徴があります。このような人たちは、健康に関して心配する必要はありません。
一方で、体になにかしらの異常があると、涙がでてしまうことがあります。普段は全く泣かないのに、涙もろくなってしまった。そういう人にはどのような原因があるのでしょうか?
心的なストレス
仕事でもなんでも、無理をしてしまうことがあります。自分では気づかないけども、心的なストレスが溜まっているかもしれません。睡眠時間が少なく、プレッシャーも大きいといった状況です。
そして、心的に辛い時、誰かに優しい言葉をかけられると涙が出てしまう。こんな経験をしたことがないでしょうか。もしくは、なにも感動的なことが起こっていないのに涙がでるなんてこともあるでしょう。
このように心的ストレスがかかっていると、涙を流させてしまうということがあります。自分の気づかないところでストレスが溜まっているのです。涙は体にストレスがかかっているということを教えてくれているのです。
身体的ストレス
心的なストレスのほか、身体的なストレスも涙もろくなる原因の1つです。睡眠時間が少なく、仕事で疲れている。体には疲労が溜まり、だるい。このようなときも注意が必要です。
心的ストレスが強いと身体的ストレスも相当なものです。自分を責めてしまうなんてこともあるでしょう。そして、行き場のない思いが涙となって現れるのです。
身体的ストレスを感じている時は伴って、朝起きるのが億劫、やる気の喪失、物事への意欲の低下などの症状がみられるでしょう。とにかく休みたいという気持ちが優先されるのです。
うつ病
心的・身体的ストレスが折り重なると、うつ病を発症することがあります。うつ病は脳の病気ということが近年の研究でわかってきていますが、涙が出てしまうという生理現象を招くことがあります。
うつ病の発症は自覚できないことが多いです。自分では当たり前の行動をしているようにみえても、周囲の人から見るととんでもない異常行動にうつることがあります。
自分を責めて、ネガティブな感情が頭の中を渦巻くと涙を流してしまうことがあります。将来への悲観。どうしたら良いかわからない八方塞がりの状況。涙もろいにしても、その意味合いは大きく異なるのです。
目には見えない心の病気
先の原因の部分で、涙が出てしまうのは心的ストレスがかかっているから、ということを述べました。このことについて、少し詳しくお話しします。
心的ストレスというのは、具体的なモノサシがあるわけではありません。本人でもどのぐらいストレスがかかっているのかわかりませんし、周囲の人はなおさらわかりませんよね。
怪我のように見えるわけでもありませんから、自分が知らず知らずのうちにダメージを受けている、なんてこともあるわけです。それほど心の病気は怖いわけですね。
涙もろいのは何かの感情の動きがあったとき、泣きやすいというものですが、特に何の感情の動きもないのに泣いてしまうようであれば、それは一つの心的ストレスの指標になります。
特に自分を責めてしまったり、ダメだと否定してしまうようなネガティブな感情が渦巻いているようであれば、心がかなり侵食されている可能性もあるでしょう。
心の病気は目には見えない分、こういった普通ではあまり起こらない体の変化に関して敏感になる必要があります。異常が続くようであれば、一度立ち止まって、病院へ行くことをおすすめします。
感情のコントロールができないのとは違う
涙もろいとそうではない突発的な涙は、心的状況がかなり違います。前者の場合は、何かに感動したときに涙が出ますから、精神的には安定していることがわかります。
一方で突発的に涙を流す場合は、感情のコントロールができていない、もしくは心に異常が起きていることが推測できます。それこそ、先にの食べように、ネガティブな感情も渦巻いているでしょう。
ただ単に涙もろいことは病気でも何でもありません。それは一つの個性でしょう。しかし、なんの前触れもなく涙が出る。心がかなり疲れている。こんなときは精神状態に注意しなければなりません。
涙もろい人は涙を流すことで心のバランスをとります。むしろ心のコントロールがうまい人ともいえるかもしれませんね。わけもわからず涙が出る。そんなときはちょっと心を落ち着けてみてください。
そもそもどうして涙は流れる?
涙そのものには次の3つの役割があるといわれています。
基礎分泌
目は涙がなければ乾燥してしまいます。乾燥はスムーズな眼球の動きを阻害し、角膜を傷つけることにも繋がります。眼球は常に涙で乾燥しないよう保たれています。
このような、瞳から流れ出るほどではありませんが、私たちの目には常に涙が流れています。この涙の分泌を基礎分泌といいます。目の保護には欠かせない必要な機能です。
刺激性分泌
外部の刺激によって分泌される涙を刺激性分泌といいます。身近な例では、玉ねぎを切った時に出る涙なんかがそうですね。目に染みて、涙が流れます。
また、目に異物が入った時なんかは涙がでますよね。これは涙が異物を目の外に出そうとする機能です。目がごろごろしたとき、同時に涙もでます。
情動性分泌
涙もろい人はこの機能が高いでしょう。感情的な高まりが涙の分泌を促進します。映画を観た時の感動もありますが、怒りや悲しみ等の感情でも涙を流します。
自律神経を整える効果もある
目の保護や情動的になったとき、涙は流れますが、実はもう一つ意味があります。それは自律神経を整えるということ。これはどういうことなのでしょうか。
自律神経は体の興奮と鎮静を司る神経です。一例ですが心臓がどきどきしたり、反対に落ち着いた脈拍を打つのはこの自律神経の作用によるものです。
涙を流すことは、この自律神経のバランスを整える効果があります。興奮しすぎてしまったとき、涙を流すことがあるかと思いますが、まさに自律神経を落ち着けようとする生理反応です。
そして、思いっきり泣いた後は、気分がスッキリすることってありませんか。これは心が落ち着いて、神経バランスが整ったことを意味します。
涙もろい人が情緒不安定というはわけではありませんが、感動しやすいために少々感情の起伏があるのかもしれません。そんなとき、涙を流すことで心をリセットすることができるのです。
泣くことのススメ
人前で泣くことはなんとなく抵抗がある。泣くことは恥ずかしいことだ。そんなことを思っている人がいるかもしれません。しかし、先に述べたように涙を流すことには自律神経を整え、精神を落ちつける効果があります。
このため、日常の中で何か不安や悩みがあるときはあえて泣くことをオススメします。どうしようもない!という時こそ、心を落ち着けて解決策を探す必要があるからです。
「涙もろい」を抑える方法
いつも人前で泣く。それがなんだか恥ずかしい。そんな悩みを持っている人もいるかもしれませんよね。情動的なものだから、仕方がないのだけど、やっぱり気になる。そういった人には以下の方法をオススメします。
何か別のことを考える
涙もろい人は感情移入をしやすい傾向があります。相手のことを考えすぎて、共感してしまうのですね。そのため、そういう状況に陥ったときは別のことを考えてみてください。
今日の晩御飯のこと。このあとの予定のこと。会社のこと。好きな映画のこと。なんでもいいのです。とにかく、今目の前にある泣いている原因から意識をそらすことが大切です。
体を動かしてみる
体を動かす、というのは運動的な意味ではなく、手をぶらぶらさせたり、肩を回したりといったストレッチに近い行動です。これをすることで涙を止めることができます。
体は意識が集中した部位の活動が活発になる特徴があります。つまり、情動や泣くということに集中してしまうと、どんどん泣いてしまうのですね。その意識をそらすために体を動かしてみるのです。
思い切り鼻から息を吸う
意識をそらすという行動の中でも効果的なのが、鼻から思い切り息を吸う、です。普段しない行動をすることで、涙から意識をそらすことができます。
ついつい涙が出そうになった時、思い切り鼻から息を吸ってください。その後は、ゆっくりと息を吐き、心を落ち着けます。こうすることで涙を抑えることができるでしょう。
スマホをいじる
状況によってはあまりオススメはできないのですが、スマホをいじるということもまた、意識をそらす方法の1つです。どんなことでもいいので、スマホに流れる情報に集中する。こうすることで、涙を抑えることができます。
あえて抑える必要もない
何かの情動を感じ、涙が出る。涙もろいというのは、とても自然な感情の表現方法です。人前で見られるのに抵抗があるという人もいるかもしれませんが、それはそれでその人の良さだと思います。
無理に感情を抑える必要もないと思いますし、泣きたいときは泣けばいいと思います。いくつか抑える方法をご紹介しましたが、やはり体の自然な現象なので、ありのままを出し切るといいかもしれませんよ。
「涙もろい」との付き合い方
何かに感動してしまったとき、ついつい涙が出てしまう。人が泣かないようなありふれたことでも、感動して泣いてしまう。そんな涙もろさは、一つの個性なのだと思います。
人の目が気になるなんてことを思ってしまう人もいるかもしれませんが、個性だと思うと、自分を受け入れることができるのではないでしょうか。
また、あなたの涙を見て、周囲の人がバカにするということはそうそうあるものではありません。むしろ、好意的に一緒に泣いてくれるなんてこともあるのかもしれませんね。
涙を抑える方法はシンプルで、泣いている対象から遠ざかることですが、無理にする必要はないと思います。それが一つの個性なのですから、わざわざ抑えることもないのです。
感情を抑えて生きることの辛さ
反対に涙もろい性格ながら、涙を抑えられてきた人は、感情の処理に困ることがあります。泣きたい時に泣かなかった、ということはある意味では感情を不発のまま終わらせているからです。
特に子供はよく泣きますが、この時代に親から色々言われて、泣くことを抑えられてしまうと、大人になってから、どう感情を表現していいのかわからなくなります。
先に述べたように泣くというのは、感情を表現する一つの方法ですが、それを学ばなかったために、感情が心の中に溜まってしまうことがあるのです。それは非常にもやもやとした感情となってしまうでしょう。
人は共感し、感動する生き物
相手の立場に立って物事を考えられる。それが人というものです。楽しい時は一緒に楽しみ、悲しい時は一緒に悲しむ。それができる生き物です。
こと、涙もろいというのもその延長線上にある、一つの現象です。意識・無意識に限らず人より人のことを考えてしまうことが、涙もろい原因なのでしょう。そして、それはとても素晴らしいことです。
日々の物事に感動できれば、それはありがたいといった感謝につながると思います。毎日を幸せに生きることもできます。涙もろいという個性を、大切にするものいいことだと思いますよ。
まとめ
涙もろいことになんとなく引目を感じる。人が泣いていないところで、自分だけ泣いている。涙もろい人はふと、そんなことを思ってしまうのかもしれません。
ただ、それはそれで一つの個性、性格ですからどうしようもできるわけではありませんよね。それに、感動しているのですから、素直に感動すればいいのだと思います。無理に抑えてしまうとモヤモヤしてしまうかもしれませんよね。
ただ、涙もろいとはまた違う、注意が必要なこともあります。それはなんの原因もなく涙が流れてしまうようなことでしたね。精神的な負担が溜まっていることが予想されますから、きちんと休む必要があります。
涙というのは不思議な現象です。感動すると泣くというのは、なかなか他の生物にはみられないことですよね。涙もろい人というのは人情深く、思いやりのある人だと思いますよ。
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