ヒステリー球の症状とは?原因や発症しやすい人を知ろう!治し方はなに?

特に何も食べていないのに、飲み込むことのできない感じや、喉に違和感や閉塞感を感じることはありませんか?

何かの疾患と思って内科や耳鼻咽喉科を受診しても異常なしといわれたら、それは自律神経の乱れからくる、ヒステリー球という症状かもしれません。そんなヒステリー球についてまとめてみました。

ヒステリー球とは?

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喉に異物があるような感覚になったり、喉が詰まっていると感じたり、または喉のいがいがや痛みなどの症状があるのに、内科や耳鼻科で検査をしてもこれといった病気の発見が出来ないときに、ヒステリー球症候群、又は咽喉頭食道異常感症、咽喉頭神経症などと診断されることがあります。

またこのような症状は、東洋医学では梅核気(ばいかくき)と言われます。梅の種が喉のところで詰まっている感覚をさすようです。

ヒステリー球の原因は?

では、ヒステリー球の原因は何なのでしょう?

自律神経の乱れ

自律神経とは、人間が生きていくために必要な活動である、呼吸器や消化器、循環器などの活動を調節する神経です。朝起床してから、日中生活活動が活発になる時間帯に働く交感神経と、夜など身体を休める就寝時に働く副交感神経の2つからなっています。この交感神経副交感神経のバランスをうまく保ちながら人間の活動は成り立っているのです。

しかしストレスやそのほか、この自律神経を乱すようなことが起きると、バランスが崩れ、自律神経が調節していた呼吸器、消化器、循環器などの働きが乱れてきます。結果的には身体の様々なところで不調を感じるようになるのです。

ヒステリー球の原因といわれているのは、この自律神経の乱れです。食道の筋肉など、普段は活動中に活発になり、収縮をし、就寝中などは緩めるという状態になるものが、何かしらの原因によって、特に交感神経の働きが活発になり、常に食道付近の筋肉が活発化して緊張し、締め付けるような働きをしてしまい、喉の違和感や異物感、詰まっているような感覚を起こすのです。

自律神経を乱す原因は?

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ストレス

ヒステリー球のもっとも大きな原因はストレスといわれています。ストレスと一言でいっても様々ですが、例えば、こんなことはありませんか?

①仕事や人間関係での悩み。

仕事での様々なことが仕事を離れても頭の中にあることはよくありますよね。自分では意識していなくても、つい何かの時に思い出してしまったり、また仕事とは関係のない場所で仕事のことを考えている自分に気がついたり。そのような仕事のことで頭が一杯の時はストレスがかかっています。

また仕事場や学校、家庭、近所などの人間関係などの問題も仕事と同じように常に頭の中を支配するようになってしまいます。考えるだけなく、ネガティブな方向に妄想して心配したり、怒ったりするとさらにストレスは高まります。

②残業や休日出勤など身体的なストレスで体力的に限界がきている。

毎日の残業や休日返上の出勤は、心だけでなく、身体の疲労も溜まり、ストレスが大きくなります。身体が感じる極度の疲労から心の疲労へと移行することもあるので、注意が必要です。

③自分の思っていることを口に出して言えない。

あなたは自分の思っていることを素直に口に出して言えていますか?学生時代とは違い、社会人になると、会社や家庭、そのほか地域などの人間関係や付き合いなどで、自分の思っていることを素直に言えないことがあります。「本当は違うのに」「理不尽だ」「腹が立つが怒れない」などの状況は誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?そのような言いたくても言えないという状況のストレスもヒステリー球の大きな原因となるのです。

④環境がストレス

精神的なことのストレスは、感情が伴うことが多いため、自覚することができるのですが、意外と無自覚なのが、環境のストレスです。仕事環境や生活環境、そのほか自分の周りの環境がストレスになっていることがあります。

例えば、音や光、体感温度などの耳や眼、身体で感じる不快感などがストレスにつながるのです。このようなストレスも自律神経の乱れにつながり、ヒステリー球を発症する原因となるのです。

疾患が原因

疾患が原因で自律神経を乱していることもあります。更年期障害自律神経失調症などが代表的なものです。

更年期障害は、更年期といわれる40代から60代にかけて起こるホルモンの分泌低下による自律神経の乱れです。ホルモンの分泌が急激に低下することによって、自律神経が乱れ、急なのぼせやほてり、めまいや頭痛、精神的な浮き沈みなどさまざまな不調を引き起こします。昔は女性特有のものといわれてきましたが、最近では男性でも発症することが分かっています。

自律神経失調症は、何らかの原因で自律神経が乱れ、身体的や精神的に不調をきたす症状です。緊張や不安、抑うつなどの症状から、吐き気や倦怠感、頭痛や肩こり、手足のしびれや多汗、動悸、息切れ、不整脈、めまいや不眠など人によって様々な症状を引き起こします。

心配性や不安症

日頃から不安が強く、心配性といわれるような人も注意したほうがよいでしょう。不安や心配などを感じると、動悸や息切れなど、身体的にも不調を感じることがあります。このような時は自律神経に不調をきたしやすく、その結果、ヒステリー球を発症することが多いそうです。

うつ病

うつ病を発症していると、その症状のひとつとしてこのヒステリー球が現れることがあります。またそのようなときには同時に喉の異常な渇きやドライマウスといった症状が起こることも多くあります。

不規則な生活

深夜までの残業や遊びなどで夜更かしをしているのに、朝は早起きしなくてはいけなかったり、反対に朝起きれずに昼過ぎまで寝ているなど、生活のリズムが崩れている人も自律神経を乱すことが多いです。また食事など、食べたり食べなかったりなどの食生活の乱れが自律神経を乱す原因となります。

ヒステリー球の症状とは?

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ではヒステリー球の具体的な症状はどのようなものがあるのでしょうか?

  1. 喉が詰まっている感じ。異物感。
  2. 喉が圧迫されている。首を絞められている感じ。
  3. 喉が腫れている感じ。
  4. 食べ物を飲み込むことができない。または吐き出せない。
  5. 吐き気がする

多くのヒステリー球の患者に当てはまる症状がこのようなものです。多くの人が病院に受診しますが、内科や耳鼻科などで検査を受けても、喉に異物や傷などがないことがほとんどです。

またこのような症状から常にイライラしたり、不安になったりすることも多く、さらに自律神経を乱れさせ、症状が悪化することもあります。

ヒステリー球を発症しやすい人

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このような自律神経の乱れから起こるヒステリー球ですが、発症しやすい人がいるそうです。どのようなタイプの人なのでしょうか?

臨床現場では、ヒステリー球を発症しやすい人は、

  • 10代から30代がもっとも多い。
  • 日常的にストレスを受けていること。
  • 人間関係のストレスを受けやすい人。
  • またそのようなストレスを発散することが出来ず、溜め込みがちであること。

このような特徴が分かっています。さらに性格などの特徴からも発症しやすい人がいるそうです。

まじめ気質

どんなことにもまじめに取り組み、頑張り屋さん、などといわれる人に多く発症しています。周囲がやる気がないときに一人でも頑張って何でもやってしまう。

また色々なことが苦痛を感じずに出来てしまうなど、つい自分の出来る範囲を飛び越えて頑張ってしまうような人は要注意です。このような人は無自覚でストレスを溜めてしまっていることがあります。自分なりのできる範囲を決め、時には周囲に頼ったり、助けを求めることも悪いことではないと理解することも必要です。

完璧主義

完璧主義者や几帳面などといわれる人にもヒステリー球は発症しやすいといわれています。

完璧主義とは、決められた枠の中、例えば時間や他の制限の中で、目標とするべきことを完璧に仕上げることを第一に考えることです。几帳面といわれている人も同じような考え方をします。このような思考の持ち主は、多くが自分なりの理想を持っていて、それに近づけようと努力します。

そしてその理想が高ければ高いほど、なかなか目標が達成できずに苦しむことになります。それがストレスとなるのです。理想を掲げ、努力することは素晴らしいことですが、自分の能力をはるかに超えるものはストレスになることを理解することも必要です。また完璧でなくてもよいことがあるのを知るのも良いでしょう。自分の中の理想を、達成できる高さに設定することを心がけるのも必要です。

喜怒哀楽が激しい

感情の浮き沈みが激しい人も発症する可能性が高くなります。感情の浮き沈みが激しいということは精神的にとても不安定であるということです。

またこれが長期間続くことでストレスになり、自分の感情をもてあますようになります。原因が分かっていることは早めに解決策を考えましょう。また自分でももてあます感情は精神に何か原因があるのかもしれません。早めに医療機関に受診しましょう。

睡眠障害

人間にとって睡眠はとても重要な役割を果たします。睡眠不足や過剰や睡眠は自律神経を乱れさせる大きな原因となります。不眠や眠りが浅い、などの睡眠障害がある人は精神的にも体力的にも十分な休息が取れていない状態です。

そのような精神的、身体的なストレスはヒステリー球を発症させる大きな原因となります。眠りに何かしらの異常が分かったら、早めに医療機関に受診しましょう。

睡眠時無呼吸症候群などの疾患を発症している可能性がある場合は、身内などに睡眠時の様子を聞くなどして自分の睡眠の状態を知るのも良いでしょう。

ヒステリー球の治療法

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ヒステリー球の原因はストレスによる自律神経の乱れが大きな原因のひとつだということが分かりました。では、ヒステリー球を解消するためにはどのような治療法が良いのでしょうか?

ヒステリー球の発症の原因として、ストレスがもっとも高くなったときが考えられます。精神的に大きなショックをうけることや精神的、肉体的な疲れが限界に達したときなどです。これらの原因を取り除くのが一番の治療法になります。

また自分で出来ることにも限界はあります。自分で出来るものは試してみて、それでもまだ辛かったら、早めに医療機関に受診しましょう。

十分な睡眠

まずは十分な睡眠をとることです。睡眠は、肉体的、精神的にも疲れを取ります。睡眠不足だとイライラしたりしますよね。もちろん体力も低下します。これはきちんと自律神経が働いていないからです。

自律神経のバランスを保ち、正常に働かせるために、人間の睡眠時間は6時間から8時間が必要といわれています。加齢によって睡眠時間の減少など、もちろん人によってこの時間に差はありますが、疲れやストレスを感じているとき、例えば日中に眠くなったり、起床時に疲れが残っていると感じたりするようであれば、いつもより多く睡眠をとることを心がけましょう。

また睡眠時間だけでなく、睡眠環境にも気を配りましょう。明るい中での睡眠はきちんと眠れていない可能性があります。適度な暗室、適温、静かで安心できる環境できちんと質のよい睡眠をとることが必要です。

適度な運動

身体を適度に動かすことはヒステリー球の改善にとてもよいといわれています。適度な運動は、心拍を上げ血液循環を良くするだけでなく、ストレス発散にも良いでしょう。また運動することで得る肉体的な心地よい疲労は、質の良い睡眠へとつながります。

一連の行動がストレス解消への最善の方法になる可能性があります。自分にとって気持ちよく感じる程度の運動を心がけましょう。

反対に、目標を掲げて無理に頑張ったり、治療という目的に向かってがむしゃらにすることは、かえってストレスになりますので、注意が必要です。

環境を変える

自分のいる環境がストレスの原因である場合は、その環境を変えたり、改善することも必要です。周辺環境からネオンなどの光で眠れない、周りの音がうるさく精神的に安定しないなどの場合は防音、防光などの対策や思い切って引っ越すことも視野に入れても良いかもしれません。

また仕事場などの環境では、転職など安易にできないこともあります。そのようなときには、医療機関に受診して、診断書などを書いてもらいましょう。そしてその診断書を会社に提示して職場の環境改善を要請しましょう。

また上司や仲間に相談して、できる範囲での仕事環境を改善してもらいましょう。自身の不調のための改善が他の人の仕事環境の改善につながることもあるので、きちんと相談してみることが必要です。

医療機関に受診する

ヒステリー球の症状から、最初は内科や耳鼻咽喉科などの医療機関に受診する人がほとんどでしょう。しかしその結果、ヒステリー球と診断されたら、精神科や心療内科を受診するのが良いでしょう。

精神科や心療内科では、心理的な方向から治療を行います。具体的にはカウンセリングといわれるものです。様々な方向から患者自身の話、環境など周辺の情報を聞くことで、疾患の原因であるストレスを探っていきます。カウンセリングの中では、ストレスの解消法から、自身の心のもちようなどの話をすることで、今後どのような方法が患者にとって有効であるかを話します。患者にとっても、日頃のストレスや日常感じている様々なことを話すことで定期的にストレス発散になります。

また考え方の癖など、無意識にストレスを溜める思考や行動などを指摘されることで、認知し、改善することができます。このような認知行動療法は、今後の患者の人間関係や生活などの改善にもつながっていき、再発防止になります。

なお精神療法については、患者のストレスの程度や周辺の環境、医者やカウンセラーなどによって様々な方法がありますので、受診して相談してみましょう。

薬を使用する

精神科などを受診することで、カウンセリングを受けるほか、精神安定剤を服用することで症状を緩和することが出来ます。このような薬は、抗不安薬ともいわれています。薬の効能は、以下のようなものです。

①抗不安作用

極度の不安を和らげる。

②抗けいれん作用

筋肉のけいれんなどを抑える

③筋弛緩作用

筋肉の緊張をほぐす

④催眠作用

睡眠を促す

このような薬の中には、即効性がある種類もあり、飲めば20分程度で効き目を感じることが出来ます。そのためヒステリー球の症状が出てから服用することもでき、生活の中での症状改善に効果が期待できます。しかし、このような即効性のある薬については、長期間の使用で依存性や耐性が出来てしまうため、一時的な利用になります。

民間療法

民間療法である、アロマテラピーや漢方薬などで対処する方法もあります。

アロマテラピー

アロマテラピーとは、芳香療法です。植物が持つ香りに含まれる有効成分を濃縮させた精油を使用して、人間の身体にある本来の自然治癒力を高め、疲労回復や体調不良など、心身の健康維持に役立てるものです。

ヒステリー球などの精神的なストレス解消には、グレープフルーツの香りがよいと言われています。これに限っては、生のものでも大丈夫でしょう。さわやかな柑橘系の香りが喉や胸のつかえを和らげてくれるといわれています。しかし香りには個人で好き嫌いの分かれるところがあります。自分の好きな香りがある場合は、それを嗅ぐことでストレス解消になり、結果的にヒステリー球の症状の緩和にもつながることがあります。香りの種類は限定せず、気軽に試してみてもよいのではないでしょうか?

漢方

漢方では、2000年ほど前から、ヒステリー球のような症状が伝わっています。日本では梅核気といわれているものです。漢方の世界では、このような症状を気病といい、昔から漢方薬で対処してきたそうです。

具体的には、半夏厚朴湯、柴朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、甘麦大棗湯といわれる漢方薬です。これらの薬は個人の体調、体質などによって合うものが違うため、きちんと漢方薬の処方のできる薬局などで処方してもらうとよいでしょう。身体に合った場合は、3日程度で効果が実感できるそうです。

まとめ

いかがでしたか?ヒステリー球は、ストレスなど精神的な原因からくるために、完治まで不安のある症状ですよね。しかし、この症状をきっかけに、自分の心や身体のストレスときちんと向き合うことでヒステリー球の症状を治し、今までよりも充実した毎日を過ごせるでしょう。

  
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