花粉症や風邪やアレルギー性鼻炎になった時に、鼻水がでて頻繁に鼻をかんでいると、耳がこもった感じになるときがあります。
鼻をかんだ時に耳がこもるのは、鼻水などの粘液が鼓膜に溜まって、上手く空気が抜けなくなるからです。
勢いよく鼻をかんで鼻水の粘膜が、中耳まで移動するようなことが、何日も長期に続くと中耳炎になることがあります。
またダイビングの時に耳抜きがうまくできなくて、耳の炎症を起こすことがあります。耳抜きの解決法をみてみました。
耳抜きについて
耳抜きは高層ビルやダイビングなどだけでなく、インフルエンザやアレルギー性鼻炎などの、鼻が詰まった症状のときでも耳がこもることがあります。
耳が詰まるメカニズム
耳抜きとは高層ビルやダイビングなどで、耳がツーンとして痛くなる現象を解消する動作です。ダイビング中に水圧の関係でも、同じ現象が起こりますので、耳抜きをしなければなりません。
飛行機に乗った時などに耳が詰まる感じがします。これは内耳と外耳の気圧差の原因によるもので、大きなあくびをすると気圧がポンと鳴ってさがります。
あなたが飛行機に乗っている時、周囲や外耳の空気圧は低くなっています。周りの空気分子が少なくなっていますが、中耳の空気圧は変わらず、鼓膜にむけて中耳の余分の空気が少し押されます。
そのため、膜が少し膨らんで耳が詰まったような感じになります。唾を飲み込むと小さくポンといって解消されることもあります。
暖かいおしぼりと紙コップを両耳にあてると、耳抜きができるとのことです。これは添乗員が耳抜きのできない人に、行っているのを見た人の話です。理由は温かいおしぼりを耳にあてると、耳管が広がるためです。
耳抜きの点眼薬
風邪や副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの、症状の重い鼻詰まりになった時、鼻詰まりを治す即効薬として、血管収縮剤の入った点眼薬をさすと、1~5分程度で効果があらわれます。
注意したい部分として、高価な点鼻薬は抗アレルギー薬やステロイド点鼻薬ということです。これらの高価な点鼻薬は、徐々に症状がよくなりますが、鼻ずまりの即効性がありません。
コンタック鼻炎スプレーはステロイドが配合されていて、鼻詰まりに効果はありますが、即効性はありません。
ダイビングの耳抜き
気圧の異なる水中では耳抜きは、必ずしないといけないものです。スキルは簡単ですが意外にトラブルが起こっていることが多いです。
この耳の違和感を取り除く方法が耳抜きです。ダイビング中に少しでも違和感を感じたら、この耳抜きをして耳に負担を掛けないようにします。
そのために正しい耳抜きの方法を、マスターすることが大切です。ダイビングをしている時に意外と耳抜きができていなくて、トラブルに見舞われることがあります。
空気圧の差で起こる耳抜き
外耳、内耳、中耳は耳管で繋がれていますが、鼻や喉の奥にあるものが中耳に入り込まないように、通常これらの管は閉じているのです。
これらの管は一時的に唾を飲み込んだり、あくびをした時に少しだけ開いて、新鮮な空気を取り入れたり、中耳にある液体を流したりします。
内耳は液がスパイラル型の空間に入っている状態で、骨の振動を音の信号に変えて、それを脳に伝えています。
通常は鼓膜により外耳と内耳が分かれていて、空気圧は外耳と内耳が同じで、内耳外耳の空間内で同じ分量の空気分子が跳ね回っています。
ダイビングの耳抜きについて
副鼻腔のことをダイビングの講習では「サイナス」といっています。鼻腔の換気腔とサイナスが詰まっていると、ダイビング中に空気が副鼻腔内の水圧で収縮したり、膨らんだりする気圧調節ができないために、サイナス痛(頭、眉間、頬部痛)が起こってきます。
これらの症状がでたらアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎の治療を行い改善する必要があります。
ダイビングの耳抜きをするポイント
耳抜きをしなければならないダイビングの時に、マスクが顔にあっていることが大事なポイントとなります。
特に外国製品は高い鼻の欧米人に、デザインが合わされているため、鼻を摘まんだ時に自分の鼻ではなく、ノーズポケットだけをつまんでいることがあります。ダイビングに必要なものを購入する時のチェックポイントは、このマスクが自分の鼻に合っているか?鼻がつまめるか?をチェックすることが大切です。
耳抜きはダイビング用語集の中に入っています。そこには「耳抜きは潜水時に耳管から鼻をつまんで空気を送り、外部の水圧と鼓膜内部の圧力を同じにすること」と書かれています。
耳抜きのタイミング
また耳抜きのタイミングも大切です。潜水をはじめて耳抜きを耳が痛くなってから行うのでは遅すぎます。変化率は水深が浅ければ浅いほど、耳を圧迫する水圧は高いです。
耳抜きは水面から水深1mに行く間に必要で、水深10mぐらいまでは耳抜きをこまめにする必要があります。一番耳抜きでトラブルが多いのは水深5m~8mの間です。
- 水面から50㎝ごとに水深5mまでおこなう
- 1mごとに5m~10mまでおこない、10m以降は適宜におこなう
- 耳が痛くなる前に早め早めにすることがコツ
耳抜きの予防方法
耳抜きの方法には次の方法があります。
- バルサルバ法・・・・鼻に優しく鼻をつまんで圧力をかけて息う
- フレンツェル法・・舌の奥を上に鼻をつまんで、持ち上げる
- トインビー法・・・唾を飲み込んだり、顎を動かしたりして鼻をつまむ
耳抜きの方法は耳鼻科医でダイビングインストラクターの先生が言われるように、意識を耳管を開けるのに集中させることが必要です。
力めば耳抜きができると、勘違いしている人もいます。力むと中耳腔や内耳を傷める可能性があります。ゆっくりじっくり空気を送り込むイメージで、耳管をあけることが大切です。
バルサルバ法
バルサン法は耳抜き以外に、筋トレに応用されたりしています。やり方としては
- 息を鼻から吸う
- 口を閉じたままの状態で鼻をつまむ
- 鼻を指で押さえたまま、空気を喉から耳に送る感じで、しっかり優しく息む
こうすることで耳管が鼻腔内の圧力が高まって開かれて、空気が中耳腔に送り込まれ耳管が開きます。
バルサルバ法には危険が伴います。それは耳がうっ血したり、炎症を起こして腫れ上がったりすることがあるということです。この方法は、無理やり耳管を押し開ける方法なので、耳への負担が大きいのです。
フレンツェル法
この方法はやってみると、簡単に耳抜きができるので驚く人も多いです。
- 鼻をつまむ
- 舌の奥の根元の方を鼻を摘まんだままの状態で上顎に持ち上げる
- 耳が抜けた感じの耳管が開いた状態になればよい
トインビー法
この方法は誰にできる安全で簡単な方法です。
- ガムや飴を口に入れて噛んだりなめたりする
- そうすることで唾液がでる
- ごくんと唾液をのみこむ
このトインビー法は安全性が高く、唾液を出して飲み込むだけです。コツは唾液をだして飲み込むことができれば簡単にできます。
鼻腔内の圧力が唾を飲み込むことで上がり、同時に体のメカニズムを利用して耳管が開くのです。
この方法を使っている人たちは、無意識に耳抜きができているという人たちです。これは耳への負担が少なくて済むのですが、なぜかできない人も多いです。
耳抜きのコツ
- 吸った空気が口から洩れないように、口から少し息を吸う
- 鼻をつまんで、鼻から空気が漏れないようにする
- 目を閉じて唾を飲み込む
- 鼻に空気を送るためティッシュで鼻をかむようにする
- 耳に意識を集中させ、耳の方に空気が流れるようにする
口から空気が漏れないポイントは、「ん」の発音をするように口の中で、上顎に舌をつけます。口からその様にすると空気が漏れにくくなります。それでも空気が漏れる方は、舌先を前歯で軽く噛むと良いです。
次に鼻をマスクの上からつまみます。マスクの鼻を覆っている部分は、シリコンでできていますので、マスクの上から指で鼻をつまむことができます。これで鼻と口の両方から空気が漏れません。
しかしもう1か所空気が漏れるところがあります。それは目です。目から空気が漏れるのは口と鼻と目が細い管で繋がっているからです。
耳抜きする時は目も閉じて、口、鼻、目から空気が抜けないようにしたら、唾を飲み込みます。つばを飲み込むだけで対処できる方は唾を飲んでください。
鼻に空気を送り込む方法は、ティッシュで鼻を噛む要領で、口、鼻、目を閉じて鼻に空気を送ります。
逃げ場を失った空気を耳の方に送り込むように、耳に意識を集中させます。内耳や鼓膜を傷つける恐れがありますので、力いっぱいやらないで勢いよくやり過ぎないようにして、ポコン、スカッというように耳がなると完成です。
ポイントのコツ
- 早め早めに耳がツーンとして来ないうちにやる
- 頻繁にこまめに何度もやること
- しっかりと鼻と口を閉じて空気が鼻と口から洩れないようにする
- 力を首や肩からぬいてやる
- 逆立ちの体勢の頭が下にならないように注意する
- 睡眠をダイビングの前に十分とる
医師たちは鼻をつまんで息を抜くことに警鐘を鳴らしている人たちもいます。なぜなら多くの空気を耳管に入れてしまうと、鼓膜を破る恐れがあるからです。
また喉の奥の異物が中耳に入る事もあります。ですからこの様な時は、大きなあくびや唾を飲み込む方法をとるのが最適です。
耳管が飴をなめることで広がりやすくなりますが、ダイビングをするときは、潜降直前まで飴をなめていてもよいですが、必ず出してから潜降することが必要です。
ダイビングの耳抜きができない時の対処法
耳抜きができなくても、慌てずに落ち着いて対処してください。
耳抜きがうまくできなくて、耳の痛みが酷くなった時は水中でジェスチャーで耳を指さしましょう。
ダイビングの耳抜き解消法
耳が痛いときは痛いことを、インストラクターに伝えることが必要です。そしてそれ以上潜らないで少し浅い方に移動します。
少し浅い方に移動すると、気圧の変化で耳の痛みは緩和されます。そして少しおかしいと感じるぐらいになります。少しおかしいぐらいになったら、もう一度耳抜きをやってみます。
水中で耳が痛くなる人は、耳抜きのタイミングが遅いか、耳抜きの回数が足りないのです。もっと早めにこまめに耳抜きをするとよいでしょう。
耳抜きができない時は潜降時ということが多いので、潜降時の時は耳が痛くないところまで浮上することが必要です。
耳抜きが片方だけできない解消法
片方だけの耳の耳抜きができなかった場合は、耳抜きができない方の耳が上になる様にして、頭を左右どちらかに傾け、耳抜きができない方の首を伸ばします。
指で耳抜きができた方の耳を塞いで、耳抜きを行いましょう。それでもできない場合は、水中でダハンドサインで耳が痛いことをインストラクターに伝えます。
耳抜き不良の対処法
耳抜きができない場合は専門家の、耳鼻科医に相談してください。ほとんどのばあい耳抜きのメカニズムを理解していなくて、正しい耳抜きができていません。
練習にはオトベントの練習をして、耳管がゆっくり開くのを体験できますので、耳鼻科で使い方をしっかり学んでください。これは鼻風船とも呼ばれています。
耳抜きトレーニング法
耳抜き練習器オトベントによる、耳抜きのトレーニングができる器具がありますので、耳抜きのできない人はオトベントで練習してください。
自己耳管通気器具は、もともと子供の滲出性中耳炎の治療のために用いられます。オトベントによる耳管通気の基本原理が、ダイビングの耳抜きと同じなことから、耳抜きトレーニング器具として、耳抜きの苦手なダイバーに広く用いられるようになりました。
ダイビングスキル上達法
スキューバダイビングで、知っておきたい情報は次のことです。スキューバダイビングの器材は、自分の体にフィットすることが必要で、上手にセッティングができないと、水中でのトラブルが起こります。
- 使用するタンクをチェック
- タンクをBCDに取り付ける
- レギュレーターをタンクに取り付ける
- 中圧ホースをBCDのインフレーターにとりつける
- タンクのバブルを開ける
- ベルトやストラップを占める
- BCDをバディと協力して着る
耳抜きと中耳炎の関係
大人は中耳炎になりにくい構造になっていますが、一度なってしまうととてもひどくなります。大人が中耳炎になった時のことを見てみました。
中耳炎
急性中耳炎
中耳炎とは、耳の奥にある中耳に、風邪などのウイルスが鼻水から感染し、鼻の奥から鼻腔を通って中耳で炎症を起こす疾患です。
大人は子どもに比べて中耳の距離が長く、また角度が急なので大人は中耳炎になりにくい構造になっています。子供や赤ちゃんは鼻から中耳までの距離が短いので良く起こります。
しかし大人が一度中耳炎になると、症状がひどくなり治りも子供に比べて長期間かかります。また耳垂れは出ない場合とでる場合があります。
急性の中耳炎の場合は、耳垂れが出ると痛みが多少和らぎます。
航空中耳炎
飛行機に乗った時に、気圧の変化に耳管の機能が追い付かなくて起こる中耳炎です。飛行機が着陸に向けて下降しかけると、耳が痛くなったり、聞こえが悪くなることがあります。
これは耳抜きがうまくいかない時に起こります。普通は着陸して少し時間が経つと、元に戻りますが、耳抜きのうまくいかない人は、耳の詰まった感じや痛みが持続することがあります。
このような時は、中耳炎になる可能性がありますので医療機関を受診しましょう。
慢性中耳炎
慢性中耳炎は、鼓膜に穴が開きっぱなしの状態をいいます。
耳管狭窄症
耳から鼻の最も奥に通じる管を耳管といいます。この耳管は非常に狭い管で、この管を通って耳の空気が鼻に抜ける役割をしています。
この耳管は非常に狭い管で、ここが腫れたりして閉塞してしまうと、耳の空気が抜けなくなります。これを耳管狭窄症といいます。
こうなると耳の中の体液が中耳内に溜まって、滲出性中耳炎となってしまいます。これは慢性中耳炎になる可能性があります。
耳管狭窄症を治すには耳管の換気をすることで、症状を改善することが割と簡単にできます。ここで耳抜きが登場します。
耳管狭窄症になって耳抜きをすることで、耳管の換気をすることができますが、上手く耳抜きができない時は、酷くなる前に医療機関に受診しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?耳抜きについて見てきましたが、ダイビングでも飛行機に乗った時でも、耳抜きが自然にできないと、中耳炎になることがあるのですね。
耳抜きが日常生活では余り使われないので、そんなに必要には感じていませんでしたが、飛行機に乗った時や、ダイビングを行う時、また高い山に登るときなど、自然に耳抜きができるように練習しておく方が良いですね。
飛行機に乗った時にこのように、耳抜きをしなければいけないとは、私は夢にも思っていませんでした。自然に耳抜きができているようで、飛行機に乗って余り耳に違和感を感じたことはないので、耳抜きは自然にできるものと勘違いしていました。
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