急な発熱の原因は?症状で判断わかる病気の可能性について!

昨日までは元気だったのに、今日急に熱が出たという経験はありませんか?大人になっても、やはり急な発熱には驚いてしまいます。

風邪などで熱が出るとき、私たちの体の中では、必死にウイルスや細菌をやつけようと免疫活性細胞が働いています。悪寒やだるさを伴い、大変辛いものですが、このように身体が発熱するというのは、実は生体にとっては非常に大切なことなのです。

病原菌の増殖を抑制したり、白血球の機能や免疫応答が促進されており、発熱は、身体の防衛機能が働いているという証拠でもあります。

しかし、急な発熱を、単なる風邪で終わらせてしまっては危険なケースがあるのも事実です。そこで、ここでは、急な発熱で考えられる原因などをご紹介いたします。

急な発熱で考えられる原因

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急な発熱と言っても、「他の症状も伴っているのか」「発熱のみなのか」などによって、考えられる原因は異なります。咳や痰、腹痛など、熱とともに出ている症状を見ながらその原因を探っていきましょう。

発熱+筋肉痛・関節痛・全身の倦怠感

急な発熱が39度~40度まで上がる高熱で、筋肉痛・関節痛・全身の倦怠感などを伴う場合、インフルエンザウイルスに感染している可能性があります。

とくに、空気の乾燥する秋~冬に流行しやすく、新型インフルエンザウイルスも次々に出てきています。免疫力が低下しているときには、気管支炎や肺炎、ひどい場合には脳症や心不全などの合併症を併発するのが、インフルエンザの怖いところで、死に至るケースもあるのです。

ただの風邪の場合、「何となくだるい」「少し咳が出る」などの“前兆”となる症状が現れますが、インフルエンザの場合は、突然悪寒や頭痛が生じ、関節痛や筋肉痛を伴う高熱が出るのが特徴です。

感染力も非常に強いため、二次感染を招くと、大切な人を苦しめるということにもなりかねません。インフルエンザが流行する季節に、このような症状が出た場合には、速やかに病院を受診しましょう。

また、新型ウイルスや、B型ウイルスの場合には、急な発熱とともに、腹痛や下痢などを伴うことがあります。

発熱+頭痛・咳・痰

発熱とともに咳や痰が出る場合は、細菌性肺炎の可能性があります。なかでも10代~30代といった比較的若い年齢の人が感染しやすいのが、マイコプラズマ肺炎という細菌性肺炎です。

これは、肺がマイコプラズマという細菌に感染し、炎症を起こす呼吸器感染症で、聴診器を当てるだけではなく、胸部X線のよる検査をしなければ確実な診断ができない厄介な病気です。

症状としては、頭痛を伴う急な発熱や全身の倦怠感とともに、咳が出てきます。熱が下がった後も、咳は改善することがなく、むしろ悪化し、場合によっては痰や血の混じる咳が3~4週間続くこともあるようです。

とくに、喘息症状のある人は、マイコプラズマ肺炎に感染すると、悪化することもあるので注意が必要です。

また、似たような症状で、気管支炎でも、咳や痰といった症状が出ますが、高熱とともに呼吸困難を起こしている場合は細菌性肺炎の可能性が高いと言えるでしょう。初期段階の場合は抗生物質のみで治療が可能ですが、重症化すると入院が必要になることもあります。

発熱+喉の痛み

激しい喉の痛みと38度以上の高熱を伴う場合、急性扁桃炎の疑いがあります。扁桃が赤く腫れ上がり、白い膿のような塊が付着していたら、かなり可能性が高いと言えるでしょう。

扁桃は、リンパ組織の一部で、口から病原菌が侵入するのを防ぐ働きをする免疫器官です。そのため、ウイルスや細菌が侵入すると、それらを阻止しようと働き、赤く腫れてしまうのです。

症状としては、38度以上の急な発熱や激しい喉の痛み、扁桃の腫れといった主症状のほかに、頭痛やリンパ節の腫れ、場合によっては中耳炎を引き起こすこともあります。

先にあげたインフルエンザウイルスや、肺炎球菌、溶血性連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、EBウイルスやRSウイルスなどが原因で発症します。

また、喉の痛みのほかに、水疱を発症している場合には、手足口病やプール病の可能性があります。小さな子供が感染しやすい病気ですが、大人も感染するので、油断はできません。

発熱+激しい頭痛

発熱とともに、激しい頭痛(とくに後頭部やうなじのあたり)を伴う場合には、髄膜炎の可能性があります。髄膜炎とは、脳や脊髄を覆う髄膜と呼ばれる膜に、ウイルスや細菌が感染し、急性の炎症を起こす病気です。

髄膜炎には、細菌性のものと、無菌性(ウイルスによる炎症)のものがあり、細菌性の場合には、その人の年齢や基礎疾患などによって、原因となる病原菌も異なるのが特徴です。一方、無菌性の場合は、エンテロウイルスの感染率が最も高いと言われています。

症状としては、高熱を伴う激しい後頭部・うなじ部分の頭痛や首の硬直、ひどい場合には意識障害や幻覚などの脳神経症状を引き起こすケースもあります。

髄膜炎は、24時間で症状のピークを迎えると言われているため、できるだけ早急な治療がカギとなります。このような症状がある場合には、すぐに病院を受診しましょう。

また、髄膜炎のほかにも、急な発熱とともに、頭痛や吐き気がある場合には、熱中症の可能性も考えられます。髄膜炎と異なるのは、頭痛で痛みが生じる場所が異なるという点です。

炎天下に長時間いたり、温度・湿度ともに高い環境に身を置いているときに、全体的に頭がガンガンと痛み始めたら要注意です。すぐに涼しい場所へ移動し、衣服を緩め、水分と塩分を補給しましょう。

発熱+腹痛

発熱とともに腹痛がある場合には、何らかの消化器官に異常があるかもしれません。考えられる病気は以下のとおりです。

<A型急性肝炎>

とくに、アフリカやアジアに海外旅行へ行った人で、このような症状が見られる場合には、要注意です。現地でウイルスのついた食べ物や飲み物を摂取すると、ウイルスに感染し、1ヶ月ほどの潜伏期間を経て発症します。症状としては、38度以上の高熱、腹痛、嘔吐、下痢などがあげられます。

<胆道感染症>

発熱とともにお腹の右上が痛む場合、胆道感染症の可能性があります。胆道感染症は、胆石症で胆汁が停滞し、高頻度で細菌感染することが原因で発症します。症状としては、脂っこいものを食べると、みぞおちのあたりに不快感を覚え、背中にも違和感を抱く場合もあります。そのほかにも、悪心や茶褐色の尿が出る、場合によっては黄疸が見られることもあります。

<子宮付属器炎>

女性で、急な発熱とともに下腹部に痛みを生じる場合、子宮付属器炎の疑いがあります。これは、卵管や卵巣などの子宮付属器と呼ばれる器官に細菌が感染し、炎症を起こす病気です。不潔な性行為や、性感染症の人との性行為、あるいは分娩や人工妊娠中絶などの医療行為も原因となることがあります。

症状としては、下腹部の痛みと発熱、下腹部の圧痛、膿性のおりものの増加、吐き気、嘔吐などが見られます。

発熱のみ

発熱のほかに、とくに他の症状がない場合には、心因性発熱の可能性があります。仕事で忙しい日が続いている、あるいは誰かと喧嘩するなど大きなストレスが急激にかかると、身体の器官に異常があるわけでもないのに、発熱するのが特徴です。

心因性発熱は、ストレスによって交感神経が刺激され体温が上がっているので、通常の風邪とは異なり、解熱剤を飲んでも効果がありません。

原因となるストレスを軽減し、ゆっくりと心身を休めるのが何よりも大切です。場合によっては、頭痛を伴うこともありますが、発熱は長引くことはなく、翌日には下がっているケースが多いようです。

熱が出たときの対処法

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いずれの場合においても、熱が出ているということは、いつも以上に体力を消耗しているということです。病院で薬を処方してもらう必要がある場合は、それらの薬を服用し、ゆっくりと安静に過ごすことが大切です。

ここでは、熱が出たときにできる対処法をご紹介いたします。

太い血管が流れている場所を冷やす

熱がピークまで上がったら、保冷剤や冷たいタオルなどで、太い血管が流れている場所を冷やしてあげましょう。

首や脇、足の付け根などを冷やすことで、急な発熱も若干和らぎます。普段の買い物や頂き物のお菓子についている保冷剤は何かと便利ですので、冷凍庫に常備しておくと、いざというときにいろいろと使えます。

また、最近では湿布状の冷却シートなどもありますので、それを額や首に貼っておくのも手軽で効果的です。

栄養ドリンク

発熱によって食欲が落ちているときは、栄養ドリンクに頼るのも良いでしょう。何も食べず栄養を摂取しないよりは随分マシです。最近では、ドリンクタイプに加え、ゼリータイプなど、いろいろな栄養ドリンクがありますので、好みのものを選びましょう。

ビタミンが豊富なもの、ミネラルが豊富なもの、滋養強壮効果のあるものなど、含まれている栄養分もそれぞれ異なります。お店の薬剤師に相談すると、そのときの状態に合うものを選んでくれるかもしれません。

水分補給

忘れてはならないのが、水分補給です。発熱時は脱水状態になりやすいので、こまめに水分を摂取するように心がけましょう。お茶やスポーツドリンクなどでもかまいませんが、水に比べて吸収されるまでに時間がかかるので、お水をおすすめします。

消化の良い食べ物を摂る

先にも述べたように、発熱時は、回復させようと身体が頑張っているときですので、消化の良くない肉、魚などのタンパク質は控え、すりおろした大根や、湯むきしたトマト、柔らかいお粥やうどんなど、消化の良いものをよく噛んで食べるようにしましょう。

生姜湯やくず湯などは、身体を温めて発汗を促すので、熱が出たり、身体の抵抗力が低下しているときにはおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。急な発熱で考えられる原因にもいろいろなものがありました。発熱は「休んでください」という体からのサインです。仕事がある場合には、そうもいかないことが多いですが、できるだけ無理をせず、身体を休めることを優先させるのが大切です。

普段の生活から、食生活や生活習慣に気をつけ、免疫力・抵抗力の高い身体づくりをすることも、心がけておきたいものですね。

  
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