猫鳴き症候群とは?症状や原因、治療方法を理解しよう!

猫のように甲高い泣き声を出すことから「猫鳴き症候群」という名称が付けられています。かわいらしい名称とは裏腹に、出生直後から多くの障害を負う深刻な病気です。

染色体の異常により発症します。そして染色体異常の治療は、現在のところ開発されていません。

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猫鳴き症候群の症状

子猫

赤ちゃんは泣くことが仕事です。猫鳴き症候群の赤ちゃんは、高音でニャーニャーと泣きます。子猫の鳴き声とよく似ています。この独特の症状は数週間でなくなることもあります。

しかしこの病気はそれ以降も患者を苦しめます。

深刻な障害

多くの猫鳴き症候群の赤ちゃんは、平均体重より軽く生まれてきます。頭蓋骨が小さい「小頭」の症状が現れ、両目が極端に離れ円い顔が特徴です。両目の黒目が異なる方を向く斜視や、鼻の頭がつぶれたような「丸鼻」も現れます。

耳の形が変形したり、耳の位置が下すぎることもあります。手足の指が6本以上になることも報告されています。

そして成長しても身体能力は上がらず、精神の発達は著しく遅れます。

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猫鳴き症候群の原因

染色体

猫鳴き症候群は、染色体欠失症候群の1つです。文字通り、染色体の一部が欠けている病気です。

染色体とは

猫鳴き症候群の原因をみる前に、染色体について解説します。「遺伝子」と「DNA」と「染色体」を混同している人は少なくないでしょう。この3つは密接に関係していながら、まったく別のモノです。

核とは

人間は数十兆個の細胞でできています。その細胞の中には、核というパーツがあります。この核に「その人が生きていくために必要な情報」が入っています。

例えばパソコンにはたくさんの情報が入っています。しかしパソコンを構成する多くの部品のうち、情報が入っている部品は1つだけです。理論上は、その部品以外の部品が壊れても、情報が入っている部品さえ破壊されなければ、情報を取り出すことができます。

人の細胞も同じで、核以外のどのパーツが壊れても核さえ無事なら、理論上は遺伝情報は残ります。

紐状で23対

核は「人の情報」を入れておく器です。核の中の「人の情報」がどのような形で存在しているのかというと、紐状になっているのです。この紐が染色体なのです。

染色体は1つの細胞の中に「46本」あります。しかし種類としては23種類になります。つまり同じ染色体が2本ずつあり、その2本は「1対」となっています。1つの細胞の中に「46本の染色体がある」とも言えますし、「23対の染色体がある」と言い換えることもできます。

DNAとは

ここで質問です。人の体の「材料」はなんでしょうか。

まず水はすぐに答えることができるでしょう。血液には水が欠かせませんし、細胞にも水が含まれます。次にタンパク質があります。筋肉も毛も目もタンパク質でできています。脂肪もあります。

そして人類が最後に発見した「人の体の材料」こそがDNAなのです。染色体は、DNAとタンパク質でできています。

遺伝子とは

猫の子は猫になります。犬の子は犬になります。人の子は人になります。つまり人は、猫や犬とは違う方法で人になるはずです。

そして子供は親に似ます。つまりある人は、猫や犬と異なるだけでなく、別の人とも異なるわけです。つまりこういうことです。ある人がその人になるのは、「その人になる設計図」があるはずです。その設計図のことを、遺伝子と呼ぶのです。

まとめるとこういうことです。「遺伝子」は設計図で、その設計図は「染色体」という形をしていて、染色体は「DNA」とタンパク質からできているのです。

5番目が欠けている

すなわち、染色体の一部が欠けるということは「本来はその人になるはずだったのに、その人にならない」ということを意味します。染色体の欠ける場所によって、発症する障害も異なります。猫鳴き症候群の患者の染色体は「第5番染色体短腕(5p)末端部」という場所が欠けているのです。

高齢出産

猫鳴き症候群を含む染色体の異常は、高齢出産が原因になることが指摘されています。ただ精子の提供者が男性が高齢で、出産する女性が高齢でない場合、リスクは高まりません。女性が高齢の場合に、染色体異常が起きやすいといわれています。

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猫鳴き症候群の治療

細胞

猫鳴き症候群の治療法はまだ確立されていません。というより、染色体の異常を治すことが現代医療ではできないのです。ただ、未来は開けています。

iPS細胞による未来

京大教授の山中伸弥さんは、iPS細胞を作りノーベル賞を受賞しました。iPS細胞が、染色体異常の治療に役立つかもしれません。そこでまずiPS細胞について説明します。

人為的

細胞は同じなのに、脳になる細胞と肝臓になる細胞が存在します。とうことは「人為的に何かをすれば」脳になる細胞を作ったり、肝臓になる細胞を作ったりすることができるはずです。「人為的な何か」をして作り出したのがiPS細胞です。

もしiPS細胞から脳の細胞を作ることができれば、脳に障害を負った人に、iPS細胞で作った脳を移植すれば障害から解放されます。ただ現段階では、「こうすれば脳の細胞ができる」というレベルには到達していません。

進む研究

山中教授の研究は、ノーベル賞の受賞後も進化しています。2014年、染色体に異常がある患者の細胞からiPS細胞を作り、そのiPS細胞に染色体の異常を修復させることに成功しました。iPS細胞は増やすことができます。理論上は、猫鳴き症候群の患者の細胞をiPS細胞に置き換えれば、障害がなくなるのです。

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そのほかの染色体異常の病気

DNA

最後に、猫鳴き症候群以外の染色体異常の病気を紹介します。

ダウン症候群

ダウン症候群は一般的に最もよく知られた染色体異常の病気でしょう。第21番目の染色体に異常が起きると発症することが分かっています。猫鳴き症候群は染色体の「欠失」でしたが、ダウン症は染色体の「過剰」です。

ダウン症の子供が生まれる確率は800人に1人です。しかしこれを年齢別に見ると、母親が20歳未満の場合の確率は2000人に1人、40歳以上の場合は40人に1人です。これも高齢出産のリスクに数えられています。

ダウン症の赤ちゃんの特徴は、泣かないことです。目じりが釣り上がったり、小頭といった外観上の特徴もあります。心臓や十二指腸の病気も若いうちに発症します。知能の発達も著しく遅れます。

ターナー症候群

ターナー症候群は「性腺形成不全」ともいいます。女性に多く発症します。99%が自然流産してしまいます。生まれてきた子供は、低身長と手足にむくみが見られます。

体はほとんど成長しません。思春期になっても生理がなく、乳房や性器も子供のままです。大動脈や心臓、腎臓に異常がみられ、糖尿病や甲状腺の病気も発症しやすいです。

クラインフェルター症候群

クラインフェルター症候群は男性に多く発症します。X染色体が1本多く備わってしまうことが原因です。この病気の障害は、学習障害、長い手足、小さい精巣です。ただ障害の程度が重くないことがあり、両親が気付かないことがあります。

小学校に上がって周囲とうまく溶け込めなかったり、勉強に追いつけなくて病院にかかって発見されることも多いです。

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まとめ

遺伝は選択できません。人は、もらった遺伝を使って生きていくしかないのです。生まれながらにその遺伝に異常がある人の苦労はいかばかりか知れません。また、異常な遺伝子を子供に渡してしまった親も苦しむでしょう。

そういった苦労に配慮することなく、「犯罪者の遺伝子」や「異常な家系」といった科学的にまったく根拠がない差別用語を使うことは厳に慎まなければならないと思います。

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