風邪の潜伏期間は種類で変わる?感染経路を知って対処しよう!

1日家の中でマスクもせずに一緒に過ごした家族が、翌日風邪を発症してしまった・・・大事な試験の前や楽しみにしていた旅行の前に。

そんな経験はありませんか?自分は大丈夫だと思っていても、それは潜伏期間で症状が表れていないだけということもあります。いつまで待って風邪の症状が表れなければ、大丈夫といえるのでしょうか。

風邪の潜伏期間中に他人に移してしまうこともありますから、正しい知識を得て大切な家族や周囲の人への感染を未然に防ぎましょう。

風邪の基本知識

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普段から「風邪」という言葉はよく使い、耳にしますが、風邪という病気はありません。風邪を引いて大事な予定を狂わせられないように、まずは敵を知ることから始めましょう。

最も多い風邪は粘膜の炎症

鼻、のど、気管支などの粘膜に起こる炎症性の病気の総称を「風邪」といいます。風邪症候群と呼ぶのが正しいのですが、そのように言う人はあまり見かけません。ウィルスの気道感染によるものが多いですが、インフルエンザは風邪とは区別されています。

ウィルス感染以外にも、疲労や寒暖差によるストレス刺激が関係することで発症する風邪があります。症状としては、頭痛、微熱、不快感、上気道炎、鼻炎、アレルギー反応、胃腸障害などがあります。2次感染がなければ、安静にしているだけで自然治癒します。

胃腸風邪やおたふく風邪など、一般的な風邪よりも重症化しがちな病気も広く風邪に含まれることがあります。

風邪はどうやって人にうつる?

風邪をひいた人と一緒にいると、風邪をもらいやすくなります。ウィルス感染による風邪の場合は、主に次の2つの経路で人にうつります。

1.直接感染(接触感染)

病原菌が付着している皮膚や粘膜などに直接手が触れたり、またはタオルなどで間接的に触れることによって感染します。よくある感染源としては、ドアノブや電車のつり革など不特定多数の人が触る場所です。

風邪をひいている人のせき・くしゃみなどによって病原菌が飛び散り、これを吸い込んで感染を起こす飛沫感染も、直接感染です。

2.間接感染

病原菌が空気や水などを仲立ちにして感染することをいいます。ウィルスが混入した食べ物を摂取して感染してしまう経口感染も間接感染に含まれます。風邪をひいた人がマスクなどをせずに料理をすると、それを食べた人にうつしてしまう危険性があります。

風邪の潜伏期間について

防寒

風邪が人にうつる経路には直接感染と間接感染がありますが、感染していても発症までにはある程度時間がかかります。こうした風邪の潜伏期間について詳しく説明します。

潜伏期間の意味

潜伏期間(潜伏期)とは、風邪の原因となる病原菌が体内に入ってから、風邪を発症するまでの期間のことをいいます。体に取り入れてしまった病原体の量やそのウィルスの毒力、活性度によって潜伏期は変わります。

また、その人の病原菌への感受性や年齢や体力の有無といった体の状態によっても多少の差があります。しかし、潜伏期間を左右する最も重要なファクターは、病原体の種類です。つまり、どのウィルスでどんな風邪に感染したかによって、発病するまでの期間は異なります。

間違って捉えているケースが多い

風邪が治ったと思っても、しばらくは気を付けていなければ人にうつしてしまうとか、逆に風邪が治ったばかりの人から風邪をもらいやすいという話を聞いたことがあるでしょう。これを、風邪の潜伏期間と勘違いしている人が意外と多くいます。

風邪を発症後、症状がおさまってからも病原菌を保有している期間のことは、潜伏期間とはいいません。特別な名称はないので、菌を保有している期間=潜伏期間と誤って捉えて使用している人が多くいます。風邪による熱が下がっても、体力や免疫力が低下しているのですぐに無理はせず、数日間は安静にしていた方が良いといわれます。

これは新たな感染者を出さないための配慮でもあります。

一般的な喉や鼻の風邪の潜伏期間

喉からくる風や鼻風邪の潜伏期間は、およそ5日間です。病原菌を体に取り込んでから、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、のどの痛みといった風邪特有の症状が現れるまで、5日程度かかるということです。

感染を引き起こす病原菌は、100以上の型がある鼻風邪の原因となるライノウィルス、のどの細胞に寄生しやすいアデノウィルス、冬期に流行しやすく乳幼児がかかると肺炎や中耳炎などを引き起こし重症化することもあるRSウィルスが代表的です。潜伏期間は1、2日だと思っている人も多いのですが、粘膜の風邪の場合はもう少しかかります。

発症が遅い人だと、1週間くらい潜伏期間があることも珍しくありません。急変が心配な乳児や妊婦が風邪感染の可能性があるときは、1週間程度は様子をみたほうがいいでしょう。

胃腸風邪の潜伏期間は短い

お腹の風邪の潜伏期間は、1~3日です。細菌感染の場合はもっと早く、数時間から数十時間で発症します。症状は腹痛以外に、嘔吐や下痢、発熱などがあります。近年、ロタウィルスやノロウィルスは冬期に猛威を振るっており、感染力も非常に強いです。

発症力も強いので、電車など公共施設でおう吐をしてしまう人もいますが、この場合後始末が不十分だと、あとからその空間に踏み込んだ人にまで感染してしまいます。すると、感染の原因が思い当たらないため「突然発症した」という認識になります。実際、このようなケースは多くあります。

家族が発症すると高確率で、同じ家で生活している人にうつります。子供の場合は、おう吐・下痢の回数も多く、1日で脱水症状を起こすことも多々あります。大人が注意していなければ見過ごしてしまいますが、脱水症状を放置すると生命の危険も伴います。「自然に治るから」と軽視することはくれぐれもないように、不安があれば医療機関を受診してください。

その場合は、感染拡大を防ぐためマスク着用はもちろんのこと、病院の受付でも胃腸風邪を発症していることを告げてください。別室で待てるように配慮してもらえるでしょう。

胃腸風邪については、胃腸風邪の症状とは?人にうつる可能性や潜伏期間について!を参考にして下さい!

おたふく風邪の潜伏期間は長い

おたふく風邪の正式名は、流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)といいます。おたふく面のような顔になることから、おたふく風邪と一般的に呼ばれます。ムンプスウィルスの感染による伝染病の耳の炎症です。小学生にもっとも多く、学校で感染することが多いです。潜伏期間は2~3週間と長く、高熱が出ます。片側または両側の耳の下のの部分がはれて痛みます。

大人になってからおたふく風邪になると、睾丸炎や卵巣炎を起こすこともあります。自然治癒する一般的な風邪とは異なり合併症の恐れがあるため、注意が必要です。予防接種をすることもできます。

おたふく風邪については、おたふく風邪は大人でもなる!症状や似ている病気を紹介!を読んでおきましょう。

風邪に関するQ&A

りんご

ここでは、風邪にまつわる様々な疑問にお答えします。身近な風邪について、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。

年中風邪をひきやすいのはなぜ?

冬になると、胃腸風邪の原因となるノロウィルスやロタウィルス、子供が感染しやすいRSウイルスなどが例年蔓延します。これは空気が乾燥するために、感染拡大しやすくなるからです。しかし、流行時期ではないのに胃腸風邪になったり、年中風邪をひきやすい人もいます。これは、体が弱っていて、免疫力が低下していることが考えられます。

免疫力とは、体内に入ったウィルスや細菌、異物などから自分自身の体を守る力です。免疫力が低下すると、風邪に限らず多くの病気を引き起こします。また、一度かかった病気には通常免疫ができるので、再びかかりにくくなります。これまで風邪をひいたことのない子供は、風邪に対する抗体ができていません。

そのため、感染源が近くにあると免疫のある大人と比べて風邪をひきやすいのです。

大人で免疫力が下がる理由は?

できれば風邪はひきたくないものです。風邪がうつる原因となる免疫力の低下は、なぜ起こるのでしょうか。免疫不全症候群という病気の人や、免疫を抑制する薬を服用している人は免疫力が低下します。病気やケガなどで体力が落ちているときも免疫力が下がり、風邪をひきやすくなります。また、もともと健康な人でも生活習慣が乱れていると、免疫力が低下する原因となります。下記の条件に一つでも当てはまる人は免疫力が低下している恐れがあります。

  • 1日中座った状態での事務仕事などで、慢性的な運動不足
  • 食事の内容が偏っている、食事を抜くことが多いなど、栄養不足
  • 喫煙者、お酒をよく飲む
  • 悩みや睡眠不足による精神的ストレスを抱えている

免疫力が下がると風邪をひきやすいだけでなく、口内炎ができやすくなったり、肌荒れがひどくなる、疲れやすいといった様々な不快な症状が出やすくなります。体の不調は心の病の原因にもなりますから、免疫力の改善を目指しましょう。

免疫力を向上させて風邪とサヨナラするには?

An apple a day keeps a doctor away(りんご1つで医者いらず)

このような英語のことわざがあります。似たような表現は世界中にあり、これはりんごの成分が風邪の予防に効果的だといわれているからです。りんごに多く含まれている食物繊維のペクチンは、粘膜を保護する作用があります。粘膜から感染しやすい風邪ウィルスから体を守ってくれます。また、リンゴ酸には消炎効果があるので、風邪をひいて喉が痛いときにも効果的です。ミネラルのカリウムも多く含み、ナトリウムの排出を促してくれるので塩分過多気味の現代人にとって、りんごはまさに「救世主」効能に優れた食品なのです。

りんごに限らず、栄養バランスの取れた食事をして、十分な睡眠を取り、日中は適度に太陽の光を浴びて歩くようにするだけでも、免疫力は改善されます。病は気からという言葉があるように、心と体の状態は密接にかかわっています。落ち込みやすい人は、一度プロのカウンセリングを受けることをおすすめします。落ち込みの原因を認識することで、心のバランスを上手に取れるようになります。欧米諸国では、メンタル面の健康維持の取り組みが日本よりも進んでいて、自己評価の高い人が多いのです。日本人が風邪をひきやすいといわれる理由とも、関係がありそうです。

まとめ

風邪の潜伏期間は、原因となる病原菌・ウィルスの種類によって変わります。もっとも潜伏期間が短いノロウィルス、ロタウィルスといって胃腸風邪は、数時間で症状が現れることも多いです。乳幼児や妊婦の風邪は無理をすると悪化して合併症を起こすこともあるので、感染の可能性があるときは冷静に潜伏期間を思い出して、不要な外出は避けるようにしてください。

また、風邪予防には規則正しい生活習慣を心がけるほか、帰宅時の手洗いうがいといった基本が大切です。電車のつり革やエスカレーターの手すりなど、気づかないうちに感染源に手が触れていることが多く、接触感染により風邪をひくケースは多いのです。健康に楽しく毎日を送るためにも、まずは予防から徹底しましょう。

  
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