妊娠初期の体は、免疫力や抵抗力がおちているうえに、ホルモンのバランスも変化が起き始めて、体調に変化が表れやすい時です。妊娠中期以降の安定期に入る頃なら、その状態に合わせた対応も取りやすくなります。
しかし、妊娠初期の時期は不安定な時期なので、簡単に薬を飲むことも難しかったり、まだ妊娠自体に気づいていないこともあり、妊娠による体調の変化を風邪だと勘違いすることもあります。
ここでは、妊娠初期に起こりやすい症状と風邪症状の違いについて、妊娠初期に風邪をひいたときの対処法についてまとめてみました。
妊娠中は風邪をひきやすい
妊娠中は免疫力や抵抗力が落ちるので、ウィルスに感染しやすい状態です。そのため、妊娠中は、風邪をひきやすくなってしまいます。
妊娠中は風邪をひきやすく、治りにくい状態になるため、普段から「人ごみをさける」「手洗いやうがいをする」「温度や湿度に気をつける」などの風邪をひかない注意も必要です。
妊娠初期の症状と風邪症状は?
妊娠の初期は、ホルモンのバランスに変化が起こり始め、様々な体調の変化が起きます。この時に妊娠に気づいていないと、風邪の症状とよく似ているので風邪だと思いこんでしまうこともあります。
妊娠発覚前の初期段階での薬の影響はあまりないといわれていても、できることなら避けた方がいい薬もあります。自覚症状だけで妊娠の確定はできませんが、妊娠を望んでいる時は、風邪なのか、妊娠初期の症状なのか意識してみることも必要ですね。
妊娠初期におきる体調の変化は?
生理がくると低温期になるはずの時期に、妊娠すると高温期がずっと続くことになります。そのため、妊娠による女性ホルモンの影響を受けた体には、様々な体調の変化が起こります。
症状が出ない人もいたり、症状の出方には個人差が大きくありますが、頭がぼーっとして、熱を測るといつもの平熱より高かったり、微熱が続くこともあります。頭痛や倦怠感が強くでたり、自律神経やホルモンの変化で鼻の粘膜も影響をうけ、鼻水やくしゃみが出ることもあります。
花粉の季節には普段よりも敏感にアレルギー反応が出ることもあります。このように、風邪のひき始めの症状とよく似ている症状がでることがあります。
風邪が原因の症状は?
風邪によっておきる症状は、風邪の原因となるウィルスを体が排除しようとする防衛機能が働いていることで起きる症状です。
そのため、鼻や喉の粘膜についたウィルスを排除しようとして、鼻水やくしゃみ、咳などの症状が起こります。発熱も、ウィルスと体の免疫機能が戦っている証拠なのです。自覚症状として、風邪の初期症状と妊娠初期の症状は区別がつきにくい症状もあります。
しかし、風邪の場合は症状が悪化したり、治りにくくなったり、二次感染を引き起こす場合もあるので妊娠初期の風邪は、特に注意したいものです。
風邪と妊娠初期症状は見分けることができる?
上記にあげたように、頭がぼーっとしたり、倦怠感だけではなく、鼻水やくしゃみまで出てしまうと、自覚症状だけで風邪か妊娠の初期症状なのかを判断することは難しいでしょう。
そこで、個人差はありますが妊娠の初期症状をまとめてみましたので、風邪かな?と思った時に、妊娠初期の症状の可能性とご自分の体調を比較してみてください。
検査薬をつかってみる
妊娠を望んでいる場合は、まず、市販の検査薬を使ってみることが賢明でしょう。検査薬で反応が出るのは、次の生理予定日の1週間後位です。
検査薬で反応が出れば妊娠の可能性が高く、妊娠初期の症状である可能性も高くなります。妊娠検査薬は妊娠すると増えるhcgというホルモンに反応します。しかし、ホルモンの分泌には個人差があるので妊娠していても、必ずしも生理予定日の1週間後に反応が出るとは限りません。
検査薬を使っても妊娠かどうかわからないときは、産婦人科で超音波検査をしてもらうとわかることもあります。妊娠の可能性を考えると早めの治療が重要なので、症状が強くてつらいときは産婦人科を受診して、風邪の可能性、妊娠の可能性を医師に伝えて適切な処置を受けるようにしましょう。
基礎体温表をつけておく
日常から基礎体温表をつけておくと、体やホルモンの変化がよくわかります。急上昇して高温期に入り、個人差がありますが2週間くらい続いたあと低温期に入ると生理になります。この時に低温期に入らずに、ずっと高温期の状態が続いているようなら妊娠の可能性が大きいでしょう。以前の基礎体温表と比べてみると一目瞭然のはずです。
しかし、妊娠の初期症状と風邪の区別は難しく、妊娠初期の不安定な時期に風邪を悪化させると流産などの危険も出てくるので、症状が強いときには、風邪の可能性も考えて早めに受診することをおすすめします。
着床出血があった
受精卵が着床することで、妊娠は確定します。着床するときに子宮内で起こった出血がおりものに混ざってでてくることがあります。出血の量は、おりものに少し血が混ざっている程度のものから、どろっとした茶色のおりもので出てきたり様々です。これらの症状があったときは、妊娠初期の症状の可能性もあります。
着床出血は全くない人もいるので、なかったから妊娠の可能性がないとも言い切れません。
体を休めるなど状態に合わせた対応をとっても悪化していくようなら、我慢せずに早めに受診して、妊娠を望んでいることを伝えたうえで薬の処方などの適切な処置を受けるようにしましょう。
生理予定日が遅れている
日ごろから生理不順の場合は判断しにくいと思いますが、毎月生理周期が安定している場合は、生理が来なければ妊娠の可能性の判断がしやすくなります。
症状が酷くなるようなときは風邪の可能性も考えて、早めに受診しましょう。医師に妊娠の可能性を伝えたうえで適切な処置を受けるようにしましょう。
妊娠初期の風邪の対処法は?
妊娠初期はまだ不安定な状態なので、軽い風邪でも悪化させないように十分に気をつけたいものです。ここでは、妊娠初期に風邪をひいたときの対処法をまとめてみました。
体を温かくして十分な休養をとる
風邪のひき始めは、睡眠を十分にとって室内の温度や湿度に気をつけ、体を休めることが大切です。風邪のひき始めなら、十分に休養をとることで治ってくるはずです。
もし、妊娠初期の症状であったとしても、倦怠感や微熱などがあるときは、無理をせずに体を休めるようにしたほうがいいでしょう。まずは、2、3日で体調が落ち着くか、様子をみるようにしましょう。
酷くなるようなら、産婦人科を受診して妊娠中でも飲める薬や漢方薬などを処方してもらうようにしましょう。
自己判断で市販薬を飲まない
近年は、たくさんの風邪薬が市販で販売されています。「病院へ行くほどの症状ではない」「体がつらいので簡単に市販薬ですませたい」など、つい簡単に市販薬で済ませたくなることもあると思います。
市販薬には、妊娠中の服用は避ける等の記載のあるものもありますが、購入するときには、薬剤師に妊娠していることを伝え、必ず確認をするようにしましょう。
風邪のひき始めには漢方薬が効く
葛根湯などの漢方薬は、体の治癒力を高める働きがあります。葛根湯は、授乳中にも処方される薬なので比較的安全な薬ですが、体質によっては合わない場合もあるので、出来るだけ病院で診察を受けて処方してもらうようにしましょう。
まとめ
妊娠初期や、まだ妊娠が確定できない時期の体調不良は、心身ともに不安をつのらせるものです。女性の体はホルモンのちょっとした変化でも、体調や精神状態に大きく影響をうけます。
精神的なストレスが原因となって、風邪を悪化させることもあります。風邪には心身ともに十分な休養が必要です。不安を取り除いてストレスを軽減させることも大切な治療の一つです。長い妊娠期間です、いろいろな体調不良がおきてくるでしょう。そんな不安な時に、相談しやすい産婦人科を選んでおくことも、重要なことでしょう。
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