女性の方は、生理前になると尋常じゃないくらいの眠気を感じて、仕事中や学校生活で悩まされている方も少なくないのではないでしょうか。生理前になると眠気を感じるのは仕方ないとわかっていても、あまりの睡魔に、何も手がつかず困っている人は多いはずです。
毎月眠気に困ってしまっては、嫌になります。出来ることなら、生理前に眠たくなるのをなんとか防ぎたいですよね。生理前に強い眠気を感じることを月経関連過眠症とよぶことがあります。
今回は、生理前の眠気についての記事を書いています。なんとかしたいとお考えの人や、眠すぎてどうしようもない!なんていう人は、ぜひ読んでみてください。
生理前に眠気を感じる原因
まずは、どういったことが原因で眠たくなってしまうのか原因を知りましょう。原因を知っていれば事前に防ぐことも可能ですよね!
①体温の変化
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女性は生理の時期になると、黄体ホルモンの「エストロゲン」という成分と、卵胞ホルモンの「プロゲステロン」という2種類の女性ホルモンが、変化します。生理前は、プロゲステロンの分泌量が一時的に増加する時期です。プロゲステロンが増加すると、体の温度が高くなるという働きが作用します。
人間は睡眠をする際に、体の温度を下げることで眠りへと誘導しています。しかし、プロゲステロンの作用により、体の温度が高い状態のまま保たれてしまうという事が起きてしまいます。そうなると、なかなか体の温度を下げることができなくなって、入眠時間が長くなってしまうことで、質の高い睡眠を確保することができなくなります。
いつもであれば、十分な時間の睡眠量でも睡眠の質自体が下がってしまうと、眠気が日中に現れてしまうのです。これが生理前に眠気を感じてしまう原因に繋がってしまうのです。
②催眠効果
実は、生理前にプロゲステロンが分泌されること自体が、強烈な眠気を催す原因になります。
月経前症候群の症状の一つに、強い眠気があります。これは、プロゲステロンが分解されることにより発生する「アロプロゲステロン」というホルモンの作用なのです。
アロプロゲステロンには、強力な催眠効果があります。この催眠効果は、睡眠薬と同じくらい強い力があるため原因①のような寝不足で起きる眠気よりも強力なのです。
この催眠効果は個人差はありますが、しっかりとした睡眠を取っても眠くなってしまうことはあります。もちろん生理が始まれば自然と元の体調に戻る場合が多いのであまり不安になる必要はないでしょう。
③ストレス
月経前症候群(PMS)による症状として、イライラを感じたり、不安になったりするといった症状があります。それにより、体が大きなストレスを感じてしまうことで日中の眠気を感じてしまう場合があります。
ストレスを抱え込んだ体は、質の良い睡眠を確保しづらくなるのです。自律神経が乱れてしまうことで、交感神経が優位の時間が続いてしまい、入眠時間が長くなります。また、睡眠中もレム睡眠の割合が多くなってしまうことで、十分な睡眠をとることができなくなります。
寝不足な状態が続くことに対して、ストレスを感じてしまうという負の連鎖が起きることもあります。そうなると、どんどん眠気は強くなってしまいます。生理前にイライラしてしまう女性は多いですが、あまりストレスをためないようにしてください。
生理前の眠気の対策方法
眠たくなってしまうのを事前に防ぐのは難しいかと思います。眠気を感じた際に、どのようにすれば良いかを紹介するので、ぜひ試してみてください。
①食事で対策
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生理前の眠気を、食事により軽減できる場合があります。
生理前にぜひとも摂取したい成分は、月経前症候群を緩和する働きのある「ビタミンB6」睡眠の質を上げるセロトニンを作成する「トリプトファン」ホルモンバランスを安定させる「大豆イソフラボン」イライラするのを軽減できる「カルシウム」の4つの成分です。
「ビタミンB6」 レバー・ニンニク・干し椎茸・かつおetc
「トリプトファン」 牛乳・まぐろ・たまご・アーモンドetc
「大豆イソフラボン」 豆腐・納豆・豆乳・みそ・おからetc
「カルシウム」 えんどう豆・煮干し・ごま・干しえびetc
以上が代表的な食品です。これらを偏ることなく、バランスよく摂取することを心がけてください。
食事で注意してほしいのが、眠たいからといってカフェインを過剰に摂取することは避けてください。あまりの眠たさにコーヒーを何本も飲んだりしてはいませんか?
カフェインは月経前症候群を悪化させる恐れがあります。また、日中飲んでしまったコーヒーにより、夜の睡眠を邪魔している可能性があります。なるべく飲まないようにしましょう。
②運動で対策
夜の睡眠の質を高める効果と、ストレスを発散して、新陳代謝を高める効果を得るために運動を取り入れましょう。
まず、運動をすることで体が程よい疲労感を得ることができます。それにより入眠時間を短くすることができます。また、運動することで血行を促進することができるので、新陳代謝がアップして睡眠の質を高くすることができます。
運動するタイミングは、眠りに入る3時間くらい前がベストだといえます。夕食後、消化のために1時間置いてから運動を行うのが良いでしょう。運動をして一時的に体温を高め、ちょうど体温が下がってくるころにベッドに入るようにしましょう。
③睡眠の方法で対策
生理前の眠気を防ぐためには、しっかりとした睡眠をとるというのが一番の対策だといえます。
まず、寝る時間と起きる時間を常に一定にしましょう。休みの日や、疲れているからといって、就寝する時間や起きる時間がバラバラだと眠気を解消するのは難しいといえます。
また寝る前に携帯電話やスマートフォンをいじるのは避けてください。スマホに含まれるブルーライトには脳を活性化させる作用があるので、興奮状態のまま眠りにつくことになり、睡眠の質を低下させる原因になります。
さらに、早起きをして太陽の光を浴びることを意識しましょう。太陽の光にはセロトニンの分泌を活発にする働きがあります。セロトニンは体内時計を調整する働きがあり、睡眠の質を高めてくれる効果があります。早起きすることは、睡眠にとっては非常に重要なことだといえるのです。
④入浴で対策
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生理前の眠気の対策として、入浴を欠かさないようにするというのも大切です。
入浴をすることで、体温の上げ下げをスムーズに行うことができるので、眠りに入る時間を短くすることができます。さらに、リラックス効果もあり、ストレスの発散もできるので、寝ているときもレム睡眠とノンレム睡眠をバランスよく行うことができます。
入浴方法としては、42℃以上の熱すぎるお湯は避けてください。38℃〜40℃くらいのぬるめのお湯につかって、徐々に体温を上げるようにしてください。そうすることで、交感神経優位の状態から、副交感神経が優位な状態になるので、体が休もうとして質の高い睡眠を得ることができるのです。
また、入浴には体の疲れを取り除く役割もあります。疲労が蓄積していると、日中に眠気を感じる原因になります。こういった面から、生理前の眠気は対策として入浴は高い効果を得ることができるといえます。眠たいからといってシャワーだけで済ませて早く寝るよりも、しっかり湯船につかることを意識しましょう。
⑤ツボを押して対策
日中に眠気を感じた時の対処方法として、ツボを押して眠気を解消するという方法があります。眠気を解消する効果のあるツボを紹介します。
・百会(ひゃくえ)
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頭の真上部分にあるツボです。脳の血行を促進する効果があり、眠気を解消してくれます。
・風池(ふうち)
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うなじ付近の出っ張った骨のくぼみに位置するツボです。こちらも頭の血行を活性化する効果があるので、脳の働きを活発にしてくれます。
以上が眠気に効果のあるツボです。眠たいと思ったら定期的に押してみましょう!
まとめ
生理前に眠気を感じる原因
・体温の変化により、入眠時間が長くなり寝不足になっている
・アロプロゲステロンの分泌による催眠効果
・ストレスにより睡眠の質が低下している
生理前の眠気対策
・食事により睡眠の質を高める
・運動をして入眠時間を短くする
・睡眠の質を高めるようにする
・入浴することで、体温調整をスムーズに行えるようにする
・眠たいときはツボを押す
以上が今回の記事のまとめになります。
生理前の眠気は、アロプロゲステロンの分泌と、睡眠の質が低下することが主な原因です。
睡眠の質が低下するのは、様々な対策によって改善することができます。普段の生活の中で、自分が取り入れやすい方法を試してみましょう。