あかぎれの原因とは?ひび割れとの違いも紹介!

働き者の女性の手を襲う「あかぎれ」そして「ひび」。毎日の水仕事、つらいですよね。でも、「もう長年の付き合い、仕方がない」ってあきらめないでください

「あかぎれ・ひび」の原因を4つ紹介します。その中から「あなたの原因」を突き止め、生活の中からその原因を取り除くことで、「痛み」と「目立つ傷」から解放されましょう。

あかぎれを知るには皮膚を知る

皮膚

まずおさえておきたいのが、「ひび」が悪化した状態が「あかぎれ」ということです。どちらも皮膚のトラブルです。同じ場所で、似たような症状が起きているのに、名称が変わるのは、おかしいと感じませんか? おかしくないのです。なぜなら「実は、同じ場所で起きていない」のです。

「ひび」と「あかぎれ」の違いを知るには、皮膚の構造を理解する必要があり、皮膚のことを知ると、あかぎれの予防法を知ったとき「なるほど!」と納得できます

皮膚の構造は難しくないので、ぜひご一読ください。でも、「とにかく原因だけ知りたい!」という方は、この「皮膚を知ろう」を飛ばして、すぐに「原因はこれかもベスト4」に移ってもOKですよ。

表皮と真皮

皮膚は2層になっているのです。

いかがですか、簡単でしょう。ただ、医師によっては「3層」という方もいます。それは「皮下組織」も「皮膚」とカウントするからです。皮下組織は主に脂肪でできているので、皮膚に含めない専門家もいます。

皮膚は、表皮と真皮に分かれます。表皮が外部と接触しています。真皮は表皮の下にあります。この2つは、「体の内側を守る防護壁」という「大きな仕事」は同じなのですが、「細かい仕事」が違います。

表皮とターンオーバー

表皮は、「生まれ変わり」をしています。古い表皮はどんどんはがれ落ちて、新しい表皮がどんどん生まれているのです。これをターンオーバーといいます。表皮は外部の刺激にさらされ続けるので、どんどん衰えます。衰えたら捨て去り、新しい表皮と交換するのです。うまい仕組みです。

真皮と3つの成分

3

真皮は、表皮をサポートする役目があります。肌の話でよく耳にするヒアルロン酸は、真皮の中にあります。ヒアルロン酸は多くの水分を含みます。「肌の潤い」は、真皮のおかげなのです。コラーゲンエラスチンといった成分も、真皮に含まれています。これらの成分は、肌に弾力とハリを与えています。

加齢とともに肌の潤いと弾力とハリが失われるのは、紫外線などで表皮が傷つき、ターンオーバーの機能が弱まり、表皮の下の真皮にまでの悪影響を及ぼすからなのです。

相互で助け合い

前線

まとめます。表皮は「最前線」に立ち、外部の攻撃に傷ついたら、自ら生まれ変わることにより、皮膚の美しさを保ちます。表皮が戦い続けることで、真皮は守られます。

真皮は裏方として、表皮を支えます。真皮が機能してこそ、表皮はターンオーバーを正常に行えるのです。

おまけの知識

表皮は実は、4層に分かれます。体の内側から外に向かって、

「基底層(きていそう)」→「有棘層(ゆうきょくそう)」→「顆粒層(かりゅうそう)」→「角質層(かくしつそう)」

という順番になっています。

ターンオーバーを詳しくみると、「基底層」で新しい皮膚ができて、それが「有棘層」に上がり、さらに「顆粒層」に上がり、そして古くなった「角質層」が体からはがれ落ち、新たな「角質層」になる、という仕組みです。

しかし、ここまで覚えようとすると、「皮膚って面倒」ってなってしまいます。なので、あかぎれのメカニズムを知るために、ここまでの知識は不要です。

あかぎれの理解は、「皮膚は2層」「表皮と真皮」でOKです。

あかぎれの症状

ひび

では、あかぎれとはどの様な症状が見られるのでしょうか。

「ひび」と「あかぎれ」の違い

表皮は「皮脂」という「脂(あぶら)」によっても守られています。表皮は「塗装」、皮脂は「コーティング剤」と考えると分かりやすいと思います。その皮脂や水分がなんらかの原因で失われると、表皮に亀裂が走ります。「表皮」の「亀裂」が「ひび」です。

その「亀裂」が、表皮だけにとどまらず、その下の「真皮」にまで到達した状態を「あかぎれ」といいます。

これで「あかぎれ」は、「ひび」が重症化した状態、ということが理解できたかと思います。また、「あかぎれ」の治療と予防は、より大変になるということも覚えておいてください。

出血

出血

「ひび」の症状は「かゆみ」、あかぎれの症状は「ピリピリした痛み」というのが、一般的です。ただ、「かゆみ」と「ピリピリした痛み」が同時に起きることが考えられます。

それは同じ場所でも、「ひび」でとどまっている部分と、「あかぎれ」にまで進行した部分にわかれることがあるからです。

ピリピリ痛みが悪化すると、亀裂から血がにじんできます。「にじみ」ははっきりした「出血」に進むことがあります。そうなると、「治ったかな?」と思って手を強く握ったり開いたりすると、パックリ、出血――こんなことの繰り返しになります。

あかぎれの原因

では、あかぎれが起きる原因を紹介します。

原因その1「乾燥と低温」

冬

あかぎれの原因はずばり冬です。冬の特性である、乾燥と低温なのです。なので、冬に悪化することが多いのです。表皮も真皮も乾燥と低温によって著しく傷つきます。乾燥させないことと低温を避けることが、あかぎれの予防になります。

冬に肌を乾燥させないために、あかぎれでお悩みの方は「暖房と加湿器はセット」と考えるようにしてください。暖房のスイッチを入れたら、反射的に加湿器の電源を入れる習性を身に付けてください。

低温で注意したいのは夜です。手袋と靴下を着用したまま寝ることを試してみてください。

ここでひとつ注意です。低温は肌に悪いのですが、だからといって高温のお湯もNGです。お湯は逆に刺激が強すぎるからです。手を洗うときはぬるま湯がおすすめです。

しかし、同じ環境で同じ水仕事をしていながら、あかぎれになる人となりにくい人がいます。なぜでしょうか。

原因その2「皮脂」

oil

先ほど説明しましたが、皮膚の表面である「表皮」は、「皮脂」という「脂(あぶら)」に覆われています。皮脂は、外部の攻撃と戦う表皮を守る役目があります。

ところが現代人は、いわゆる「過度な清潔観念」によって、この皮脂を必要以上に除去してしまっているのです。

しかし皮脂は、定期的に洗い流す必要があります。それは「脂」なので、酸素に触れると劣化して、逆に表皮を攻撃してしまうからです。体を清潔に保つことは、肌にとって決して悪いことではありません。

問題は皮脂を除去し過ぎてしまうことなのです。「過度」に洗剤を使ってしまうと、表皮上にまったく皮脂がなくなる状態になるのです。コーティング効果がゼロになってしまうのです。そうなると、表皮は孤軍奮闘するしかありません。

そこに乾燥と低温に襲われると、もう白旗を上げるしかありません。こうして表皮に亀裂が走り、さらに真皮に亀裂が生じるのです。

原因その3「洗剤」

ゴム手袋

ゴム製品のアレルギーの人は、食器洗いをするときなどにゴム手袋をしないことが多いでしょう。最近の食器用洗剤メーカーは肌荒れにとても気遣っていますが、それでも肌が弱い人が直接触れるには刺激が強すぎます。

そこで木綿の手袋をして、その上にゴム手袋をして、食器洗いをしてみてください。もしそれでアレルギーが生じなければ、この「2重手袋」を継続してみてください。2重手袋は「洗剤の刺激」「洗剤が皮脂を落とし過ぎる」という、あかぎれの2つの原因を解消できる予防策だからです。

原因その4「水」

水

こう覚えてください。「水の蒸発はさらなる蒸発を引き起こす」のです。

あかぎれの原因は、手を洗ったときの水です。ですので、手を洗ったら、すぐにタオルで水分を拭きとってください。肌についた水分を自然乾燥させようとすると、その水分が蒸発するときに、表皮に元からあった水分まで「つられて」蒸発してしまうのです。

原因が「水」ですから、実は職業も「原因」になり得ます。調理師、理美容師、看護師は、業務上、水を多く使い、1日に何度も手洗いします。なので、あかぎれが発生しやすい職業なのです。

「あかぎれ」は医者に診てもらおう

医者

「あかぎれぐらい我慢しなくちゃ」なんて思わないでください。最近の皮膚科は、患者が気軽に自宅で行えるスキンケアに力を入れているところが多いです。「あかぎれ」の治療もウエルカムですよ。

医師によっては、生活の中でのケアの方法や、「あなたに合う」食器洗剤やシャンプーなども教えてくれます。というのも、洗剤メーカーや化粧品メーカーは、皮膚科医が参加する学会にかなり多くの情報提供をしているのです。皮膚科医に洗剤と化粧品に超詳しい人が多いのは、そういった機会に知識を仕入れるからです。

あかぎれの治療は「お肌の手入れ」と考えましょう。

まとめ

今回は、あかぎれの症状や原因、ヒビ割れとの違いについて紹介しました。

あかぎれが起きる人は、何度も再発させてしまうことが多くあります。しっかり対策方法を考えて、綺麗な手を手に入れることができるようにしましょう。

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