拒食症の原因はストレス?治療法や症状も紹介!

拒食症と言うと、女子中高生がかかりやすい心の病気と言われています。この意見は半分正しく、半分間違っているともいえます。メンタル的な面で拒食症になってしまうケースは確かに当てはまるのですが過食と拒食を繰り返す場合や、好き嫌いが治らずそのまま摂食障害になってしまったというケースもあります。

このため一概に拒食症は若い女性だけがかかる病気とも決め付けることはできませんし、どのような原因で拒食症になってしまうかという観点で分類した場合、「自分は大丈夫かなぁ」と思ってしまうような原因もあるかもしれません。

ここでは、拒食症の主な原因とその症状、治療法などを順に見ていき、拒食症がどうして辛い病気なのか、どの症状が最も辛いのかなどを見ていきたいと思います。

拒食症は心に原因がある?

心

拒食症の原因について知っておきましょう。

過度なダイエットで拒食症になる

ダイエットのしすぎで拒食症になってしまうケースは、実は非常に多いです。パターンとしては以下のような分類ができます。

  1. ダイエット実行→食欲がコントロールできなくなる→過食症→嘔吐障害(食べては吐くの繰り返し)→食べ物を受け付けなくなってしまう→拒食症
  2. ダイエット実行→痩せた体型を維持したい(しなければならない)という強迫観念に捕われる→食べ物を食べてはいけないと思ってしまう→食べ物を受け付けなくなってしまう→拒食症

いずれの場合も深刻な病気であるといえますが、特に1の場合は美容面に深刻な影響が出てしまいます。というのも、食べては吐くの繰り返しの段階で、胃液が歯を溶かしてしまうため、拒食症になってしまう頃には歯が溶けてしまうことが多いからです。

きれいになりたい、スリムな体型を手に入れたいという悩みはつきものですが、痩せていても歯がガタガタになってしまっては魅力も半減してしまいます。このため嘔吐障害を伴う拒食症の場合、過食が始まってしまった段階で治療をしなければ、鏡で自分の歯を見てトラウマになってしまうということもありえます。

また、2の場合食べ物を食べてはいけないという強迫観念のせいで、心のバランスが崩れてしまい、鬱病などの合併症を発症してしまうことがありますので、過度なダイエットは避けた方がよろしいでしょう。

ストレスから拒食症になってしまう危険

ダイエットをしない場合でも、自分の体にコンプレックスを抱いている(足が太い、お腹が丸いなど)と、食べているからこんな体型になってしまうんではないか、と気に病んでしまい、ストレスに感じることがあります。

このストレスを強く、頻繁に感じるようになってしまうと食べているからいけないんだという思考に陥り、拒食症になってしまうことがあります。前提としてストレスを感じているため、拒食症になるまでの間にホルモンバランスを崩してしまったり、ひどい場合には自律神経失調症を合併症で発症してしまう危険があります。

トラウマ型拒食症も原因としては多い

幼い頃に家庭不和を感じる出来事があったり、親の愛情を感じられなかった場合などに、その頃の出来事や心理状態が深層心理に潜んでいて、何かのきっかけでものが食べられなくなってしまうこともあります。

結婚、離婚を経験した時に、子どもの頃に受けたストレスがフラッシュバックしてしまい、このストレスから拒食症を発症してしまう場合もあります。

このパターンの場合、ダイエットなどの目に見える原因がないことから原因の特定が難しく、また原因が特定できても治療に時間がかかってしまう傾向にあります。

10代女性の場合は、成長への恐怖も原因になる

この原因は10代女性に多く見られます。10代の女性は体の発育期で、胸が膨らんできたり、体全体が丸みを帯びてきたりします。これを太ってしまったというように感じてしまい、ダイエットをしなければならないと強く感じてしまうことも、拒食症の原因になりえます。

スポーツをやっている方の場合、体型変化によって記録が出せなくなるという恐怖心で、その他の場合は体が女になってしまうことへの恐怖心から、過度なダイエットにつながってしまう傾向が多いです。

また、他の同級生と比べて早熟であった場合、自分だけ胸が大きいなどの他の女性と違う体型になってしまうことへの恐怖心から、拒食症を発症してしまうことがあります。

拒食症の引き起こす問題 心身ともに危険

お菓子

拒食症が引き起こす問題を知ることが大切です。

精神的な問題は極めて危険

拒食症の場合、何らかのストレスが原因になっていることが多いため、ストレスを強く感じた場合、鬱状態になってしまう可能性があります。

鬱状態のままで過ごしていると、自殺念慮(死にたいという衝動)が出てきてしまうため、非常に危険です。専門医のケアを求めなければ取り返しのつかないことになりかねません。

身体的な問題も深刻

身体的には、食べ物を受け付けないため、無月経や骨粗しょう症といった症状が出ることがあります。また、ひどい場合にはホルモンバランスが崩れてしまい、更年期障害のような症状を呈したり、抜け毛が起きてしまったりというような深刻な身体症状が出てきてしまうため、体に強いダメージがあるといえます。

この状態も長期間持続した場合栄養失調に陥ってしまい、深刻な症状だといえます。

ダイエットだけでは終わらない拒食症の合併症

拒食症になるまでの過程か、なった後にはこのような身体的、精神的な症状が出てしまうため拒食症の場合、合わせて発症する合併症も含めた治療を考える必要があります。拒食症だけを治しても、根本原因であるストレスに関するケアを行わないと、再発の危険もあります。

再発しないために、拒食症は心身のケアが必要

ケア

拒食症の治し方について紹介します。

入院療法という選択肢

拒食症の治療の場合、心身両方をケアする必要があります。このため入院して、カウンセリングを受けながら、少ない量でもいいので少しづづ健康な食事を摂取するという治療法は効果的です。

この治療法は心身両面のケアができると言われていますが、一般病院の場合栄養指導は行えても精神科カウンセリングのサービスが必ずしも充実していない場合があります。

こうした場合には精神病院への入院を検討することになりますが、患者自身が精神病院への入院を拒む場合もあります。多少遠方でも、患者が納得して入院できる医療機関を探してから入院するようにした方が治療の効果は期待できます。

カウンセリングと栄養指導を通院で行う

この場合、精神科へのカウンセリング受診と、栄養士の栄養指導を受けた食事の提供で回復をしていくことになります。この場合、栄養療法は自宅で行うことになるため、どの程度食事の提供に時間をかけられるかをまずおおよそでいいので見積もる必要があります。

また、食事は残さず食べなさいというような指導法ですと、嘔吐障害を再発してしまう可能性があるため、食事を無理に食べさせない、代わりに間食も食べさせないといった細かいケアが必要になります。

近くに食事を配送してくれるような業者がいればいいのですが、いない場合栄養士から提供を受けたメニューをもとに、無理のない範囲での食事メニューを組んでいくことが必要になります。

集団療法も視野に入れてみる

入院設備を有する病院の場合、実際にアルコール中毒や薬物中毒、摂食障害を経験した方が運営するボランティア団体(自助グループ)があります。ここに参加して体験者の治療に向けての話を聞いてみるという治療法を、集団療法といいます。

運営者は医療機関ではないため専門的なアドバイスを求めても得られないことがありますが、実体験に基づいた話が聞けるため、自助グループには症状が安定するまでは通い続けるという方も多いです。

同じ環境の仲間と今負担に思っていることをさらけ出して話し合うという機会は、多くありませんので他の治療法と組み合わせて回復していくということになります。

心身のケアができないと完全回復は難しい

拒食症の原因はストレスですが、実際に発症してしまうと身体症状も出てしまうため、ストレスを緩和していくことも重要ですが、本来の体の機能を取り戻すための栄養療法も合わせて行う必要があります。

どちらかが欠けてしまっても本復とはなりにくく、何かのきっかけでフラッシュバックに襲われる可能性があるため、周囲の状況や症状の程度に応じて、適切な治療法を組み合わせていくことが大切です。

逆の目線で言えば、心身両方をしっかりとケアするプログラムが組まれるのであれば、回復の道筋はついたといえるでしょう。

まとめ

ネコ

拒食症の治療に関しては、焦りは禁物です。焦って無理して食べてしまえば嘔吐してしまいますし、気持ちに余裕がなくなってしまいます。病気の方に焦るなというのもなかなか難しいのですが、少なくとも周囲の方は、回復を信じている(時期は本人次第)という暖かい目線で治療をサポートしてあげることが必要です。

気持ちを楽にして、栄養がしっかり摂取できる食事を、まずは食べられる分だけ食べる、間食はしない、気負いすぎない、こういった点が重要です。

無理して食事を摂り過ぎたり、精神的にリラックスした状態に置かれていないと、体か心のどちらかがケアされていないため、再発の可能性が出てきてしまいます。重要なのはできることを少しづづ行うこと、できるようになったら褒めてあげること、無理をしているなと思ったら休ませること、こういったことに留意していくことで、拒食症の再発を防ぎながら治療を継続していくことが可能になります。

治療の途中で本人が焦り出して食べなければと無理をしてしまう時期が出てきた場合には、周囲がうまくブレーキを踏んであげて、無理をさせないようにしていく配慮も必要です。拒食症は心の病気であるため、いつ完治するというような質問はしてはいけません。

あくまで少しづづよくなってきて、気づいたら寛解していた(再発しない程度に症状が和らいだ)というように回復していくものであると考えましょう。

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