金属アレルギーとは?症状・原因・治療法・予防法を紹介!

理由が分からないけれど、突然皮膚がかゆくなり全身に湿疹をおこしたという経験はありますか?もしかしたら金属アレルギーかもしれません。金属アレルギーは、金属が体に触れることでアレルギーを起こす病気です。

女性の方は特にピアスや指輪、ネックレスなど金属が使われているアクセサリーを身につける機会が多くあります。その為、金属アレルギーになったからといってアクセサリーを諦めなければいけないと思うと悲しいですよね。

しかし、どんな金属のものにアレルギーを起こしているのか原因を知ることで改善できる場合があります。ここでは、金属アレルギーの原因、症状、予防方法を詳しくご紹介します。

金属アレルギーについて

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金属アレルギーとは一体何か、金属アレルギーの概要、症状と原因についてご紹介します。

金属アレルギーとは?

金属アレルギーとは、金属に接触することでアレルギー反応を起こす皮膚の病気です。病状では接触皮膚炎と呼ばれています。アクセサリーや時計、化粧品、鍵、硬貨、食器や食べ物(お茶類、海藻類、豆・ナッツ類、チョコレートなど)など私たちの身の回りにある多くの物に金属が含まれており、金属に接触する機会は数え切れないほどあります。

金属アレルギーを起こしたことのある方は、金属品を日常から避けようと過敏になりがちですが、意外なことに食べ物や化粧品などにも含まれているので、知らず知らずのうちに使ってしまいそうです。

誰でも金属アレルギーになる可能性がありますが、男性と比較して、女性の方がなりやすいと言われています。女性の方が圧倒的にアクセサリーなどの金属品をつける機会や時間が多いので、患者の大半は女性で、若い女性の2割の方に見られます。

金属アレルギーの症状とは?

金属アレルギーを起こすと、一般的には金属に触れた皮膚の部分にかゆみを伴う湿疹が現れます。しかし、中では症状が悪化し、接触していない皮膚の部分にも湿疹ができ、全身に広がることもあります。重症化すると手の平や足の底などにも症状が現れ、硬貨や鍵も握れなくなる方もいます。

このアレルギー症状は金属を身につけてから数分で発症する敏感な方もいれば数年後に突然発症する場合があります。

金属アレルギーの原因とは?

金属アレルギーを起こす原因はアレルギーの原因となる金属に接触することです。アクセサリーなどの金属を着用すると、私たちが目では見えない程度に徐々に汗で金属が溶け出します。

この溶け出した金属がイオン化して体内に取り込まれ、体内にあるたんぱく質と結合して原因となるアレルゲンを作り出します。このアレルゲンを異物とみなして体が反応し、体の中で抗体を作り、アレルゲンを排除しようと働き出します。

この働きが過剰に働くことでアレルギーを引き起こし、かゆみや湿疹ができます。

金属アレルギーの予防方法は?

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金属アレルギーになると、残念ながら一生治ることはないといわれています。その為、金属アレルギーの1番の治療方法としては、金属アレルギーを起こさない為の予防が大事です。ここでは金属アレルギーの予防方法をご紹介します。

皮膚科でアレルギーテストを受ける

どの金属でもアレルギーを起こす可能性があります。しかし、私たちの生活の中ではたくさんの金属類に接触する機会があるので、全てを避けることは難しいです。その為、自分がどんな金属にアレルギーを起こすのか調べて、その原因となるものを避けることが、アレルギーを起こさない方法です。

自分がどんな金属に対してアレルギーを起こすのか、チェック出来る方法は、パッチテストです。パッチテストは皮膚科で受診することが可能です。初診料などは別として、保険を適用した場合1回の検査に1000円~2000円程度で受けることが出来ます。

背中などの見えにくい部分に原因として考えられる数種類の金属液を貼り付け、2日後に皮膚がどんな反応を示すのか見てアレルギー判断をします。

アレルギーを起こしやすい金属は避ける

金属の中でもアレルギーを起こしやすい物質と比較的に起こしにくい物質があります。その為、アレルギーを一度起こしたことがある人方や疑いのある方は下記のような金属類かもしれません。ここでは、アレルギーを起こしやすい代表的な金属をご紹介します。アレルギーの疑いがある方は下記の金属類は出来る限り避けましょう。

■ニッケル

ニッケルは金属アレルギーを一番起こしやすいといわれている物質です。

ニッケルが使用されているものは、ヘアピン、ピアス、ブラジャーの金具、メガネのフレーム、ネックレス、化粧品、ベルトのバックル、腕時計、指輪、調理器具、文具、硬貨などです。

ニッケルでアレルギーを起こしている方で、症状が重症化すると金属が含まれている食品(お茶類、海藻類、豆・ナッツ類、チョコレートなど)にもアレルギー反応を起こしやすくなるので、食品にも注意が必要です。

■コバルト

ニッケルアレルギーを起こす半数以上の方は、コバルトでもアレルギー反応を見せると言われています。コバルトが使用されているものは、ピアス、化粧品、ネックレス、指輪、食品、磁石、入れ歯などです。

コバルトは、「ビタミンB12」の主要成分でもあります。この成分は体に必要な栄養素の1つなので、摂取は避けられません。このアレルギーの疑いがある方は、一度専門科に相談されることをおススメします。

■クロム

クロムには「3価クロム」と「6価クロム」という2種類ありますが、アレルギーを起こすのは、「6価クロム」のみです。6価クロムが使用されているものは、メッキ、なめし皮を使用した皮靴や腕時計、手袋などです。

また、ステンレスと呼ばれるものは、鉄+クロムもしくはニッケル+クロムを合わせた物質のことなので、ニッケルやクロムにアレルギー反応を示している方は、ステンレスにも注意が必要になります。

アレルギーを起こしにくい金属類を装着する

金属が溶け出しにくい物質がアレルギーを起こしにくい物質として知られています。長時間使用するピアスやアクセサリー、時計などはアレルギーが起こりやすい金属類は避け、比較的に起こりにくい金属を選ぶことをおすすめします。ここでは、溶け出しにくい金属類をご紹介します。

■金

金は金属が溶け出しにくい物質として有名ですが、中には金とその他の金属が合わさっている場合があるので、注意が必要です。

耳にしたことがある方も多いと思いますが、金には金の純度を表す「14K」「18K」「24K」などの種類があります。24Kは純金とも呼ばれ、純度が99.9%です。18Kは金が75%が金、14Kは約58%が金でその他は別の金属が化合されています。

金属アレルギーを起こしやすい方は化合物の少ない、純度の高いものを選ばれることをおススメしますが、その分値段は高くなります。

■銀

銀のみでアレルギーを起こすケースはあまり報告がありません。純金製品というのは非常にめずらしく、化合されているものが多いので、銀と他の物質が混ぜられたものでアレルギーを起こす方がいます。

銀には銀の純度を表す「SV925」「SV950」「SV1000」などの種類があります。SV1000は純銀とも呼ばれ、純度99.8%です。SV950は、約95%が銀で、SV925は約92.5%が銀でその他は別の金属が化合されています。

■プラチナ

結婚指輪などでよく耳にするプラチナ金属。結婚指輪は長い間指につけるものなので、金属アレルギー予防から、プラチナを選ばれている方も多いと思います。

プラチナにはプラチナの純度を表す「Pt1000」「Pt 950」「Pt900」などの種類があります。Pt1000は純プラチナとも呼ばれ、純度99.9%です。Pt 950は約95%がプラチナで、Pt 900は約90パーセントがプラチナでその他は別の金属が化合されています。

■チタン

チタンは最もアレルギーを起こしにくい物質として知られています。金、銀、プラチナなどの金属類よりもアレルギーが起こりににくいです。その理由としてチタンは水に強く、水に溶けにくい特徴があるので、金属が汗に溶け出すのを極力避けられます。

チタンにはチタンの純度を表す「純チタン」「チタン合金」「酸化チタン」などの種類があり、純チタンの中でも「1種(純度99.585%)」「2種(純度99.485%)」「3種(純度99.415)」「4種(純度99.015)」とあります。

金属アレルギー対応としてアクセサリーなどで販売されている金属は、チタンの2種が使われていることが多いです。

■サージカルステンレス

鉄+クロムもしくはニッケル+クロムを合わせた合金ですが、金属が溶け出しにくいように加工されている為、金属アレルギーを起こしにくい物質として知られています。

ステンレスと名前が似ているので、混乱しやすいですが、金属アレルギー対応していない化合物質をステンレス、対応しているものをサージカルステンレスとして覚えておきましょう。

上記で紹介した金属類の他にも、ジルコニム、ハフニウム、ニオブ、タンタルなどの素材はアレルギーを起こさない金属として有名で、医療などに使われていることが多いです。

汗をかきやすい場所では金属類をはずす

スポーツをする際や夏場の汗のかきやすい時期は金属類は避けることをおススメします。金属アレルギーがまだ出ていない人でも、金属アレルギーがいつ発症するか分かりません。金属アレルギーは金属製品を長時間使用することや、汗をかきやすい体質の人、角質が比較的に薄い方など色んな条件が合わさって発症します。

その為、夏場は長時間使用するアクセサリーはプラスチック素材など金属が含まれてない素材で出来ているものを選ばれるといいと思います。

まとめ

女性に多く発症すると言われる金属アレルギー、発症すると残念ながら一生完治することは難しいと言われています。その為、アレルギーを起こさない為の予防が重要になります。

アレルギーの疑いがある方は、まずはパッチテストを受けてどんな物質にアレルギーを起こしているのか調べて対象のものを避けましょう。また、金属アレルギーが起こっていないという方もいつ発症するか分かりません。

長時間使用するアクセサリー類は、金属が溶け出しにくい金属類を選び、夏場や汗をかきやすい場所では金属類の使用を控えるなどの対策をすることが金属アレルギーの予防に効果的です。

  
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