圧迫骨折って何?症状や原因、リハビリ方法について紹介!

高齢者がくしゃみをしただけで骨が折れた・・・なんて話を聞いたことはありませんか?笑い話ではありません。なにも高齢者に限ったことではないのです。あなた自身が骨折に思い当たることがなくても、腰が痛い、背骨が痛い、肋骨が痛い、そしてその痛みがなかなか治らない場合は、圧迫骨折しているかも知れません。

骨折といっても、骨がポキッと折れるのとは違い、押しつぶされて変形したりつぶれてしまう状態ですので、本人の気付かないうちに骨折していることもあるのです。痛み方も人によって、あるいは部位によって差がありますが、圧迫骨折は完治できるものです。そ

れには早く気づくことも大切です。症状や治療法、そして日頃気をつけたいことなどを、いろいろな方向から見てみましょう。

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圧迫骨折とは

脊椎

実は骨折には細かい分類があり、骨折した骨の状態と原因で分けられています。疲労骨折とか、複雑骨折という言葉を聞いたことはあるのではないでしょうか。このように、挙げるときりがないほど骨折には分類があるのですが、そのひとつが、圧迫骨折です。主に、背骨が何らかの原因で圧迫された状態になり、折れるというよりつぶれた状態になることを、圧迫骨折といいます。

骨圧迫骨折には大きくわけて2つあります。腰椎(ようつい)圧迫骨折と、胸椎(きょうつい)圧迫骨折です。それぞれ腰、背中と場所が違うのですが、症状と原因を見てゆく前に、脊椎について知っておきましょう。

背骨とは

圧迫骨折の場所を知るために、背骨について簡単に説明しておきます。背骨はおおよそ、脊椎のことを指していいます。脊椎は、首から腰までいくつもの骨が、骨と骨のクッションの役目をもつ椎間板を挟むようにして繋がっています。頸椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)から出来ています。

頭の下の、首の後ろの少しくぼんだところから、首の下の少し骨が出っ張ったようになっているところまでが、頸椎(けいつい)で、この頸椎のすぐ下からウェストのあたりまでの背骨が胸椎(きょうつい)です。胸とつくので、肋骨の方かと勘違いしそうですが、背中の骨です。そして腰椎の一番下からすぐ骨盤まで、腰椎(ようつい)があり、わたしたちの上半身を支える役目を担っています。

腰椎圧迫骨折(腰のうしろ)

腰椎圧迫骨折は、背骨の中でも腰の部分にある5つ骨のどれかに外部からの圧力がかかり、つぶされてしまう状態です。

わたしたちの上半身の重さを受け止めている骨ですから、そうそう簡単には潰れたり、折れたりしないものです。しかし、この骨が弱っていたらどうでしょうか。骨折の原因が、骨が弱っている状態なのだとしたら、要注意です。

腰椎圧迫骨折は初期症状がぎっくり腰とよく似ているために放置されてしまうこともあるのですが、原因によっては、他の治療も必要となってきます。

腰椎圧迫骨折の主な症状

ぎっくり腰(急性腰痛)とそっくりな症状が出ます。動いた瞬間に激痛が走り、動くことが困難になるなど、強い痛みが出る場合が多いのですが、横になると痛みが納まったりします。このため、ぎっくり腰と間違えて放置してしまう人も少なくありません。

ぎっくり腰は骨の異常ではありませんから、2~3日すると痛みもやわらぎ動けるようになりますが、圧迫骨折の場合はもっと痛みがつづきます。そのまま放置してしまうと、圧迫した部分から脊椎が変形し、神経にさわり手足が痺れるなどの症状にまで進展しかねませんので、痛みが続く場合には、整骨院、針きゅう院、形成外科などで早めに診てもらうほうがよいでしょう。

骨折には安静が第一なので、ぎっくり腰と間違えないようにしたいものです。細かくみてみましょう。

症状はぎっくり腰とほぼ同じ
  • 動いたときに腰に激痛が走り、動くことが困難になる
  • はじめは違和感を覚える程度だったのが、日が経つにつれ腰痛が悪化する
  • 上半身を起こす時に鋭い痛みがある
  • おじぎをする動作がつらい、または逆に体を反らす動作がしづらい
  • くしゃみや咳をしたときに痛みが強まる
  • 寝がえりを打てないほど痛い
ぎっくり腰とはあきらかに違う症状
  • 肢や腰のまわりに痺れを感じる(ぎっくり腰は痺れません)
  • 痛みが2~4日で治らずに続く
  • 一旦立ち上がれば痛みが治まり、歩行もなんとかできる
  • 酷い場合には足が完全に痺れ動きにくくなる
  • 尿が出にくくなるような麻痺がおきる
  • 酷い痛みではないが、慢性的に痛む
  • 腰に、痛みとともに汗がにじみでる

胸椎圧迫骨折(背中)

胸椎の12個ある骨のどれかあるいは腹痛が潰れてしまう圧迫骨折のことをいいます。腰椎圧迫骨折が骨のもろさに起因することが多いのに対し、胸椎圧迫骨折は骨の丈夫さや年齢などに関係なく、外からの衝撃や圧力が原因となるものが多いという特徴があります。外からの衝撃や圧力というのは、たとえば交通事故やスポーツ事故などによるものです。

また、腰椎圧迫骨折と同じように、ころんだり、咳やくしゃみなど軽い衝撃によって起こる場合もあります。骨がもろくなっている場合などです。

主な症状

胸椎を圧迫骨折すると、背中や腰の部分、体の背面に痛みを覚えます。骨折した骨の破片が神経に触ったりすると、足がしびれたり麻痺することが多いのですが、なかには痛みをまったく感じない場合もあります。下記の症状が出たら、胸椎圧迫骨折の可能性も考えられます。

  • 肋間神経痛がある(ろっこつのあたりがちくちく、びりびり痛む)
  • 大腿神経痛(太ももの神経が痺れる、痛む)がある
  • 坐骨神経痛がある
  • 高齢になって、身長が縮んだ
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圧迫骨折の主な原因

老人

胸椎圧迫骨折と腰椎圧迫骨折のおおまかな違いはわかっていただけたと思います。どちらにも共通する原因は、大きく2つにわかれます。骨そのものが脆くなってしまっている場合と、外部からの衝撃が原因の場合です。

骨が脆くなっていることが原因の場合

腰椎圧迫骨折の間接的原因でもっとも多いのが骨がもろくなる病気、骨粗鬆症なのです。骨粗鬆症を患っていると、日常の何気ない動作でも、圧迫骨折をしてしまうことがあるのです。

また、転移性の骨腫瘍などが原因の場合でも骨がもろくなります。骨そのものの痛みを覚えることもありますし、運動時だけでなく、安静時でも痛みがあるのが特徴です。この状態で強い外からの圧力で骨折を起こした場合には、脊髄損傷の原因ともなる、骨の軟骨部の損傷を伴うこともあります。こういった場合には脊髄が圧迫されることにより、筋力が低下する、麻痺が起きる、失禁してしまうなどということもあります。

骨粗鬆症(こつそ そうしょう)とは

骨粗鬆症は、骨がスカスカになってしまう状態をいいます。木の枝を骨に例えると、細い庭木でも若い枝は弾力がありよく撓(しな)り、手で折ろうとしてもなかなか折れないものです。

しかし、枯れ枝だったら簡単にポキっと折ることができます。なぜなら、若い枝は水分をはじめとする中身がたっぷりはいっていますが、枯れ枝の中身は空洞になってしまっています。そして、枝そのものも脆くなっています。骨が枯れ枝のような状態になってしまうのが、骨粗鬆症です。しかも、女性だけの問題ではありません。

若いうちは、骨も血や肉と同じように、古くなった骨の成分を分解し破壊し、その一方で新しく骨を作りだすという新陳代謝をおこなっています。古くなった骨を分解し破壊する働きを骨吸収(吸収といっても、吸収されてどこかに役立つわけではないようです)といい、骨が作られる働きを骨形成といいます。常に新しい骨と交換されることで、折れにくく丈夫な骨が作られています。

しかし、加齢により新陳代謝が悪くなる、栄養のバランスや病気や服薬の影響で骨の代謝のリズムやバランスがくずれてしまうことで、骨密度(骨の重量)や骨の質の低下が起きたときに、骨粗鬆症になりやすいと言われています。

骨粗鬆症の原因

原因としては加齢による重量の低下が主だとされています。突発性(若年性)の骨粗鬆症もあるのですが、ここでは省きます。女性だけでなく、男性にも起こります。

女性は閉経することで、骨の新陳代謝に役立つホルモン、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌量がいきなり低下します。骨が作られる(骨形成)スピードよりも骨の成分が分解され壊される(骨吸収)速度のほうが早くなってしまうため、骨形成が間に合わず、骨が弱くなってしまうのです。

男性の場合は女性ほどエストロゲンを持っていませんし、もともと女性より骨も大きく丈夫です。そのため、骨密度の減少も緩やかなのですが、やはりエストロゲンの減少により、高齢になるほど骨は弱くなってゆきます。男性が骨粗鬆症により骨折してしまう場合、大腿骨骨折などを伴うケースも多く、女性より男性高齢者のほうが重症な容体になることもあります。

骨密度を知らべるには

病院で、骨密度検査をしてもらいましょう。検査に痛みはありません。たいていは、同じ年齢の人と比べて何%、若い人を含めた平均と比べて何%と数値で表されます。

検査をして骨密度が薄いとわかったら、骨密度をあげるために食事療法や、女性の場合は骨吸収を抑える薬剤の投与など、現在では予防方法も沢山ありますので、心配しないでくださいね。

腰椎圧迫骨折を起こしやすい日常の動き

腰椎が骨粗鬆症などで弱っていると、日頃何でもない動きでも圧迫骨折してしまいます。以下のような時に起こりやすいことを覚えておきましょう。

  • しりもちをつく
  • くしゃみをする
  • 咳をする
  • 重い物をもつ
  • 物や人にぶつかる
  • 中腰になる

などの動作には気をつけましょう。

外的な衝撃が原因の場合

胸部圧迫骨折に多い原因です。外的衝撃には主に以下のようなものがあります。これらは年齢や骨の強度に関係なく、起こりうることです。

  • 交通事故
  • 転落事故
  • スポーツ事故

以外なスポーツ事故の例としては、40代前半の男性が、それまでしていなかったゴルフに夢中になり、必死で練習を続けたある日、背中の脇のあたりが痛くなり病院へいったところ、肋骨が折れていました。

これは圧迫骨折ではありませんが、骨が弱っていると、上記の事故でも、思わぬ圧迫骨折からさらなる症状を生みだすこともあります。

圧迫骨折の怖さ

通常、骨折は、患部をギプスなどで固定して動かさないようにし、安静にして骨がくっつくのを待ちますよね。骨がくっついてしまえば、痛みもなくなります。しかし、脊椎圧迫骨折の場合は、骨そのものが治っても、患部が変形して一生痛みに苦しんだりする後遺症を引き起こすケースもあります。

脅かすわけではありませんが、圧迫骨折は痛みを感じないものもありますし、ぎっくり腰と間違えやすいこともあり、放置されてしまうこともありますから、重病にしないためにも、ここでは圧迫骨折を放置するとどんな危険があるのかを知っておきましょう。

背骨が歪んだり曲がったりする

背骨が横に曲がる(脊椎側わん症)、後に曲がる(脊椎後わん症)、前に曲がってしまう(脊椎前わん症)など、脊椎のわん曲の病気を引き起こしてしまうことがあります。主に、骨粗鬆症が原因となった圧迫骨折を放置することで起こります。

逆流性食道炎にまで

上記のようなケースで脊椎のわん症になると、特に後わん症の人の場合、逆流性食道炎にかかってしまう人が多くいます。また、腹部の圧迫を招くことから、食道裂孔ヘルニアという症状を起こす危険性もあるようです。

神経が麻痺する

外からの衝撃での圧迫骨折の場合で、折れた骨が神経を傷つけたり、また固定して治療をしていても無理をしたりした場合などに折れた骨の一部が飛びだすなどして神経を圧迫したときなど、痺れや麻痺を起します。

歩けなくなることも

圧迫骨折の治療の経過で、まず骨を固定して痛みがなくなったころ、再発防止やリハビリのために歩く訓練、歩行訓練をすることがあります。このとき、かえって悪化してしまうこともないわけではありません。これは、折れた骨の一部分が歩行訓練をすることで神経を圧迫して、しびれや麻痺が出てしまう場合です。このような場合はすぐに整形外科に診てもらいましょう。

失禁してしまう

圧迫骨折が原因で神経の麻痺がおこることがあるといいましたが、これは内臓、呼吸器や消化器などをはじめ、自律神経などにも麻痺がおこることもあります。泌尿器の麻痺症状として、膀胱直腸障害といって膀胱と直腸が機能障害を起こしてしまい、失禁したり、頻尿や便秘といった症状が現れることがあります。

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処置・治療

手術

圧迫骨折は、早めに適切な治療を行うことで、治ります。治療の流れは個人差もありますが、おおまかには痛みのみの場合と、神経麻痺もある場合にわかれます。順を追って見てみましょう。

痛みのみの場合

  1. まずは、ベッドで安静をします。痛みがひどい場合は初期に痛み止めなどを使うこともあります。痛み止めがなくても痛くなってくるまで、2週間ほど安静です。
  2. 痛みがやわらいできたころに、コルセットを作ります。コルセットをつけて、2週間から1か月、安静に過ごします。
  3. こうして、普通の骨折と同じように、自然治癒を待ちます。

麻痺など他の症状がある場合

上記の安静にする治療を保存治療とよびますが、それは痛みのみの場合です。痺れなどがある場合には、手術を検討する場合もあります。

MRIなどで患部の状態を検査し、医師と相談して決めることになります。手術は、つぶれた骨に医療用の充填剤(骨セメントといい、人の骨となじみやすい人工骨です)を流し込み、もとに戻し神経に触らないようにする手術法が一般的です。

術後は、やはりコルセットをして安静にし、保存療法を受けます。

リハビリ

骨は、安静にして動かさないでいる時間が長ければ長いほど、周りの筋肉もよわり、骨も弱ります。そのため、治療後には、適切なリハビリが必要です。

骨そのものが弱っている場合などは、再発を防ぐために、食事療法、薬物療法などで骨の強化、リハビリで骨と筋肉の強化をすることが望ましいです。リハビリは、決して自己流ではなく、医師の指導のもと、焦らず行ってください。

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まとめ

MRI

事故は防げませんが、圧迫骨折の大きな原因である骨粗鬆症は未然に防ぐことができます。また、圧迫骨折にならないための一番の方法は、日頃から適切な運動をし、バランスのよい食事をとり、骨と筋肉を強くしておくことです。カルシウムをとっていても、ビタミンDがなければ、骨を形成する役にはたってくれません。サプリメントでいいものも出ていますが、それを飲んでも、喫煙量が多ければビタミンDは破壊されてしまいます。年齢とともに全身の代謝能力が落ちるのは、自然なことです。ですが、悲しいことに現代の食生活をはじめとする生活には、さまざまな病気を引き起こす不自然なものもあります。また、ストレスも関与してきます。

腰が痛いな、と思ったら、楽観視せず、検査を受けてみましょう。圧迫骨折はレントゲンでは写りにくいので、MRI検診がいいでしょう。40歳をすぎたら、特に女性は2年に1度は骨密度検査をすることをお勧めします。50歳をすぎたら、毎年検査しましょう。

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