「タバコは百害あって一利なし」です。ちょっと病気をしても、お医者さんは「タバコはやめてください」と言います。自分ではタバコを吸わない人にも受動喫煙の害があります。
でも、タバコをやめるのは難しいですね。禁煙する方法はいろいろありますが、挫折する人も多いようです。禁煙する方法の1つに電子タバコがあります。電子タバコで禁煙できる人もいますが、途中で失敗する人も少なくありません。
電子タバコで禁煙するメリットとデメリット、その他の禁煙方法についてお伝えしますね。
なぜ禁煙しなければいけないの?
タバコを吸う人の中には「他の人より沢山税金を払って、タバコを吸っているんだ。文句を言われる筋合いはない」とか「タバコの害よりも禁煙するストレスの方が健康に悪い」などと言う人もいます。
でも、喫煙習慣は本人だけでなく周囲の人たちにも健康被害を及ぼします。
[タバコの毒性物質]
喫煙習慣が健康被害を及ぼす理由は、タバコにいろいろな毒性物質が含まれるためです。タバコに火がついている間、約4000種類の化学物質(化合物)が産生されています。
タバコの煙には4000種類以上の化合物が含まれ、そのうちの約200種類がニコチン・ベンツピレン・ヒ素・ダイオキシンなどの有害物質です。有害物質のうちの約70種類が発ガン性物質です。
①ニコチン
ニコチンは神経毒です。有毒性が極めて高く、即効性です。ニコチンの致死量は30~60mgです。タバコの水溶液はキバチやスズメバチ退治に使用されることもあります。
タバコ1本に含まれるニコチンの量は10~20mgです。タバコを1本吸うと、3~4mgのニコチンを体内に摂取することになります。1日に何本もタバコを吸うヘビースモーカーは、いつの間にか多量の毒性物質を摂取しているのです。
②タール
喫煙歴の長い人の歯や手の指は、黄色あるいは茶色に染まっています。これは「タバコやに」つまりタールのことです。タールには多種類の発ガン性物質が含まれています。
タールは肺の内部の細胞に付着して溜まっていきます。肺ガンを発症するリスクが高くなります。タールは肺気腫や気管支疾患の原因にもなります。
③一酸化炭素
タバコの煙には一酸化炭素が含まれています。呼吸によって摂り入れられた酸素は、血液中のヘモグロビンと結びついて全身に送られます。しかし、一酸化炭素は酸素よりもヘモグロビンと結合する力が強いので、タバコを吸うと酸素がヘモグロビンと結合しにくくなります。吸い込んだ酸素が全身に行き届かず、酸欠状態・息切れを引き起こします。
タバコを吸うと気持ちが悪くなったり吐き気がしたりするのは、一酸化炭素が原因です。頭痛・めまい・しびれ・動悸が起きる可能性もあります。
④放射性物質など
タバコには、ニコチン・タール・一酸化炭素の3大有害物質の他に、ポロニウムという放射性物質やPM2.5、自動車のバッテリーに使用されるカドミウム、ペンキ除去剤のアセトン、殺虫剤に使われるヒ素など、多くの毒性物質が含まれています。
放射性物質のポロニウムは肺の奥に入ると排出されず、被曝を繰り返します。発ガンリスクが高くなります。
[受動喫煙の健康被害]
自分ではタバコを1本も吸わないのに、タバコを吸う人の傍にいると有害性の煙を吸い込んでしまう可能性があります。これを「受動喫煙」といいます。喫煙者の傍にいると、喫煙者のタバコから流れる煙「副流煙」と喫煙者が吐き出す煙「呼出煙」の両方に曝されます。
主流煙より副流煙の方が毒性が高い
タバコを吸っている本人が吸い込む煙「主流煙」よりも、火のついたタバコから発生する煙「副流煙」の方が含まれる有害物質の量が多いのです。副流煙のニコチンは主流煙の2.8倍、タールは3.4倍、一酸化炭素は4.7倍です。他の有害物質も同じです。
つまり、喫煙者の周囲にいるタバコを吸わない人の方が、タバコによる健康被害が大きいと言えます。世界保健機構(WHO)は、受動喫煙による非喫煙者の死亡者数が多いために「受動喫煙からの解放」を提言しました。
喫煙者の家族の健康被害は大きい
家族の中に喫煙者がいると、家族全員が健康被害を受けます。特に妊娠中・授乳中の女性や乳幼児・小児の受ける害は大きくなります。
母親に喫煙習慣があると、子供の健康被害はさらに大きくなります。妊娠中・授乳中の喫煙は飲酒よりも深刻な影響を子供に与えます。
分煙・禁煙が進む
飲食店などでは、分煙や禁煙が進んでいます。喫煙所以外では禁煙にしたり、喫煙席を隔離したりして受動喫煙が起こらないようにしています。ただし、仕切りのないスペースで、禁煙席と喫煙席に分けるのは全く分煙の効果はありません。
[タバコによる病気のリスク]
タバコの流煙(主流煙・副流煙・呼出煙)を吸い込むことにより、いろいろな病気のリスクが高くなります。タバコ関連の3大疾患には、肺ガン・慢性閉塞性肺疾患・虚血性心疾患があります。喫煙歴が長いほど、受動喫煙の機会が多いほど、病気のリスクは高くなります。
タバコ関連3大疾患
タバコには多種類の発ガン物質が含まれているので、肺ガンの他にもガンを発症するリスクは高くなります。
「慢性閉塞性肺疾患」とは、タバコの毒性物質が原因で気管支に炎症が起き、気管支が細くなる病気です。酸素と二酸化炭素の交換が行われにくくなり、息切れを起こします。咳や痰が多く出るようになります。
「虚血性心疾患」とは、タバコの毒性物質による動脈硬化が原因で心筋梗塞や狭心症が起こることです。
老け顔になる・歯周病になる
若い時からタバコを吸い始めた喫煙歴の長い女性は、老化が早いようです。喫煙により女性ホルモンの働きが低下して、活性酸素が多量に増えるためです。活性酸素は細胞を攻撃して老化を促進します。「スモーカーズフェイス」という老け顔になるだけでなく、全身の肌がたるんでシワができます。これは、受動喫煙でも起きる可能性があります。
タバコを吸っている人は歯周病になりやすいといいます。ニコチンのために血流が悪くなり、一酸化炭素のために酸素不足が起きるからです。
[なぜ禁煙は難しいの?]
「タバコは健康に悪い」とよく知っているのに、なかなか禁煙できない人が多いようです。禁煙が難しい理由は、ニコチンに高い依存性があるからです。紙巻タバコは手軽にニコチンを摂取できるので、依存性も高くなります。
ニコチンは麻薬より依存性が高い
依存性の高い物質はいろいろあります。カフェインやアルコールにも依存性があります。依存性の高い順番に並べると、次のようになります。ニコチンは麻薬のヘロインやコカインよりも依存性が高いのです。
- ニコチン
- ヘロイン
- コカイン
- アルコール
- カフェイン
ニコチン依存の禁断症状として、イライラや不安感が増大します。ニコチンが途絶えると、神経伝達が低下するためです。「ニコチン依存症」になると、自分の意志では禁煙が困難です。医師に相談することをオススメします。
電子タバコで禁煙する
タバコは依存性が極めて高いので、自分の意志だけではなかなか禁煙できません。そこで、何かの助けを借りて禁煙する方法が考え出されました。
「禁煙したくても手持ち無沙汰でタバコが止められない」という人には、電子タバコは効果の期待できる禁煙方法です。
[電子タバコとは?]
電子タバコは、日本では「禁煙補助器具」の1つです。海外ではVAPE・E-CIGと呼ばれる嗜好品の1つです。イギリスでは「煙草(たばこ)の喫煙よりも95%安全」と発表されました。
メーカーが研究・開発を重ねた結果、第一世代と呼ばれる電子タバコが改良されて、現在では第三世代のタイプが流通しています。
電子タバコの仕組み
電子タバコとは、タバコ・ミント・フルーツなどの味や香りをつけた液体(フレーバーリキッド)を電熱線で加熱して気化させ、水蒸気をタバコ型の吸引器によって吸引するアイテムです。アトマイザー(噴霧器)を本体として、バッテリーとリキッドという液体を入れるカートリッジで構成されています。他にリチウム電池や専用充電器などの付属品があります。
カートリッジタイプ
電子タバコには、バッテリー・カートリッジ・アトマイザーの3つからできている3ピース式と、カートリッジとアトマイザーが一体化している2ピース式があります。最近では、3ピース式より2ピース式の方が人気があるようです。
リキッド補充式タイプ
カートリッジにリキッドを注入して使用するタイプ、リキッド補充式タイプもあります。
リキッド加熱タイプ
かートリッジタイプでもリキッド補充式タイプ(注入タイプ)でも、リキッド加熱タイプに変わりはありません。リキッドを加熱して蒸気を吸引するのです。
初心者向けのスターターキットも各種販売されています。通販でも入手できます。スターターキットを購入すれば、後は消耗品のリキッドを買うだけで喫煙感覚を楽しめます。
電子タバコのフレーバーリキッドの成分
電子タバコ専用のフレーバーリキッド(カートリッジ液体)の成分は、プロピレングリコール・グリセロール・水・香料です。いろいろなメーカーが独自の研究を重ねて商品を開発しています。日本製のフレーバーリキッドは、薬事法によりニコチン入りが禁止されています。ニコチンやタールなどの発ガン性物質は含まれていません。
海外の電子タバコにはニコチン入りリキッドが使われる
日本では、ニコチン入り電子タバコの販売は薬事法により禁止されています。しかし、海外の電子タバコにはニコチンが含まれていることが多いようです。
カートリッジにニコチン溶液(ニコチン入りリキッド)が入っていて、蒸気にして吸うのです。ニコチンだけの摂取なので、安全性が高いと言えます。本物のタバコを吸うよりニコチンを摂取する量も少なくなります。タールや一酸化炭素は含まれていません。
海外のブランド商品
イギリスの「リバティフライツ」は電子タバコのブランドとして知られています。ニコチン入りリキッドの他にもニコチンなしリキッドもあります。「安全性を重視したオススメ商品」の1つと言われます。
[電子タバコのメリット]
ニコチン零(ゼロ)の日本製電子タバコは、禁煙補助器具になります。受動喫煙を防止するなどのメリットがあります。
①ガン・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・虚血性心疾患のリスクが低くなる
電子タバコには本物のタバコに含まれるニコチンやタールなどの有害成分が含まれていないので、タバコの3大疾患を発症するリスクは低くなります。
②受動喫煙による健康被害がなくなる
電子タバコは煙が広がりません。副流煙もありません。家族や周囲の人たちにタバコの害を及ぼす心配がありません。
③タバコ臭がない
電子タバコはタバコ独特の臭いがありません。喫煙者本人より家族や周りの人たちが喜びます。タバコの臭いがカーテンや衣服について困ることがありません。もちろん、タールで壁やカーテンが汚れることもありません。
④タバコによる火災の心配がない
電子タバコには、タバコのポイ捨てや残り火による火災の心配がありません。ライターを使用することもないので、子供がライターをいたずらして火事になる可能性も減少します。
⑤子供が誤って食べる心配がない
幼児が誤ってタバコを食べ、重症になる事故は少なくありません。電子タバコにすれば、その心配はなくなります。
⑥金銭の節約になる
電子タバコは最初にスターターキットを購入すれば、後はリキッドの入っているカートリッジを買うだけです。アトマイザーによってカートリッジのリキッドの容量は異なりますが、タバコ300本分に相当するものもあります。ヘビースモーカーはかなりお金が節約できます。しかも、電子タバコに税金はかかりません。
通販のプライム対象商品
フレーバーリキッドは通販でも購入できます。アマゾンではプライム対象商品なので、配送料が無料になったり安価になったり特典があります。
[電子タバコのデメリット]
電子タバコは「禁煙したいけれど、タバコがやめられない」人にはオススメの禁煙補助器具ですが、「全く無害で安全である」とは言えません。
①タバコの心理的依存性はなくならない
電子タバコでニコチン・タール・一酸化炭素などの有害物質を摂取することはなくなります。しかし、ニコチンに対する依存性はなくなりますが、心理的依存性は解消できない可能性があります。電子タバコを口にしていないと、落ち着けなくなるのです。心理的に電子タバコに依存するようになります。
しかし、本物のタバコの有害物質を吸うことがないので、禁煙の効果は上げられます。
②電子タバコはまずい
電子タバコの味は煙草(たばこ)と異なります。かなり煙草に近い香りや味の商品もありますが、似ているだけです。
喫煙習慣の長い人は、電子タバコを「まずい」「不快だ」と感じることが多いようです。そのため、電子タバコの使用をやめてしまう人が少なくありません。
③バッテリーやスターターキットが爆発する可能性がある
日本では電子タバコの製造や製造販売は規制されています。しかし、海外では多くの企業が電子タバコの市場に参入しています。日本でも海外製品を個人輸入することができます。
海外製品の中には、電子タバコを使用中や充電している時に爆発する可能性のある粗悪な商品があります。海外から電子タバコを購入する時は、口コミや投稿記事などで情報を集めて安全性を確認する必要があります。
④電子タバコの成分の安全性は確認されていない
電子タバコは製造・販売されてから日が浅い商品です。リキッドの成分であるプロピレングリコールやグリセロールなどが、長期に渡って健康に及ぼす影響はまだ確認されていません。後述するように、海外では電子タバコの健康被害が報告されています。
[電子タバコによる健康被害]
海外製の電子タバコには、たいていニコチンが含まれています。ニコチンとプロピレングリコールが一緒になると、本物の煙草(たばこ)よりも大きな健康被害を与える可能性もあります。世界でも電子タバコの健康被害や危険性が問題視され始めています。
電子タバコには危険な有毒化学物質が存在する
アメリカでは、火傷(やけど)や肺の炎症など呼吸器系疾患や血管障害が報告されています。
電子タバコの成分から、発ガン性物質など人体に深刻な影響を与える有害物質が検出されたという報告もあります。世界保健機関は「電子タバコの安全性は証明されていない」といいます。
電子タバコでニコチン以外の有害物質を摂取する
電子タバコで脱法ハーブのような効果のある合成カンナビノイドや大麻を摂取する人もいます。若者が救急搬送されたと、アメリカやイギリスで報告されています。
[電子タバコのマナー]
電子タバコも他の人から見ると、タバコと同じです。むしろ紙巻煙草より目立ちます。禁煙席など禁煙とされている場所で使用するのはマナー違反です。電子タバコも喫煙席や喫煙所で吸うようにします。
未成年者は電子タバコを吸わない方が良い
ニコチン入りの電子タバコでなければ、未成年者が電子タバコを購入したり吸ったりしても違法ではありません。
しかし、電子タバコに対する心理的な依存の可能性を考えると、20歳になるまで使用しないことをオススメします。未成年者は電子タバコから本物のタバコに移行する可能性もあります。
[加熱式タバコとは?]
加熱式タバコは電子式タバコと同様に火を使用しません。煙も臭いも出ないので、受動式喫煙の害や臭いが衣服や家具につく心配がありません。
加熱式タバコは、煙草(たばこ)の葉を電気で加熱して蒸気を発生させるタバコです。
電子タバコとの比較
日本製の電子タバコは、ニコチン入りリキッドを使用できません。しかし、加熱式タバコは煙草の葉を加熱するので、ニコチンを摂取することになります。
アイコスとプルームテック
加熱式タバコで人気があるのは、フィリップモリス社(米国)のアイコスとJT(日本)のプルームテックです。
アイコスは、煙草の葉を直接加熱してニコチンと水蒸気を吸います。プルームテックはバッテリーとカートリッジとたばこカプセルの3つからできています。カートリッジ内のリキッドを加熱して霧状化し、霧状化した液体をタバコの葉に通して吸引します。
加熱式タバコは禁煙補助器具にはならない
加熱式タバコは副流煙や臭いの心配はありませんが、タバコ成分を摂取することに変わりはありません。紙タバコ(紙巻煙草)よりも有害物質の摂取量は抑えられると言いますが、ゼロではありません。タバコの代替品であって、禁煙補助器具にはなりません。
加熱式タバコを未成年者は吸えない
日本では未成年者のニコチン摂取は禁止されています。加熱式タバコを未成年者は吸えません。
効果的な禁煙方法は?
自分の意志で禁煙するのは困難です。根性や意志力で禁煙しようとするとイライラして、家族や周囲の人たちに八つ当たりすることもあります。
病院で医師やカウンセラーなど専門家の助けを借りると、思ったよりも確実に効果的に禁煙できますよ。
[禁煙外来]
総合病院では「禁煙外来」を設けているところもありますが、内科・循環器科・心療内科などで禁煙の相談をすることができます。婦人科や耳鼻咽喉科でも相談できます。内科や循環器科の医院・クリニックなど、かかりつけのお医者さんに相談することをオススメします。
禁煙治療は健康保険が適用できます。タバコに使うお金を考えたら安いものです。
電子タバコの使用方法も専門家に相談
電子タバコを使用する時も、禁煙外来で専門家に相談することをオススメします。効果的な使用方法や注意事項をアドバイスしてくれますよ。
[ニコチン置換法]
ニコチン置換法は、タバコ以外のものからニコチンを摂取する方法です。ニコチン置換法ならば、ニコチンの禁断症状を緩和して禁煙を成功させる可能性が高くなります。
ニコチン置換法により、「タバコを吸う」という行為を我慢しやすくなります。ニコチン置換法を続けるうちに、喫煙行為をしなくなります。
ニコチンだけの摂取なら有害性は低くなる
ニコチン置換法はニコチンガムやニコチンパッチなどからニコチンを摂取しますが、タバコで摂取するニコチンよりも少ない量です。しかもタールなどの発ガン性物質や一酸化炭素などの有害物質を摂取しませんから、人体に与える害はずっと低下して安全と言えます。「たばこでニコチンを求めると、タールに殺される」というほどですから、ニコチン以外の毒性物質の方が危険なのです。
イギリスなど海外で人気のあるニコチン入りの電子タバコも、ニコチンだけの摂取なので安全性が高いと言われます。
妊娠中・授乳中の女性にはNG
安全性が高い方法ですが毒性物質のニコチンを摂取するのですから、妊娠中や授乳中の女性にニコチン置換法はNGです。禁煙外来でお医者さんとよく相談して、他の禁煙方法を考える必要があります。
ニコチン置換法の種類
タバコ以外からニコチンを摂取する方法は、ニコチンパッチ・ニコチンガム・パイプ・舌下錠・トローチ・鼻腔スプレーなどがあります。ニコチン入り電子タバコも仲間と言えます。
日本では、ニコチンパッチとニコチンガムが主流です。医師が認める「禁煙補助剤」です。日本で認可されないニコチン置換法は、個人責任において個人輸入するようになります。
ニコチンパッチ
ニコチンパッチは皮膚からニコチンを吸収させて、血液中のニコチン濃度を一定に保ちます。ニコチンの禁断症状のイライラ・不安・集中力欠如・眠気を解消します。一日中安定した効果があります。
ニコチンガムは中毒してやめられなく可能性がありますが、ニコチンパッチは依存性が低く、安心して使用できます。
ニコチンパッチは処方箋なしでも買える
ニコチンパッチは処方箋がなくても、ドラッグストアや通販でも購入できます。でも、お医者さんとよく相談してから処方してもらう方が安心ですね。
[タバコを減らして禁煙する方法]
どの方法で禁煙するにしても、意志の力が必要です。禁煙グッズや禁煙補助剤を使用するとともに、自分でも喫煙する量を減らすと効果が上がります。
喫煙量を減らす禁煙には、①断煙法と②減煙法があります。
①断煙法
一気にタバコを吸わなくなる方法です。禁煙初日に、タバコ・灰皿などタバコ関連グッズを全て捨てます。買い置きのタバコは1本も残さないで捨てます。タバコ関連グッズを目にするとタバコが吸いたくなりますから、思いきって捨ててしまいます。
捨てる時には「今日からタバコとお別れだ」と自分に強く言い聞かせます。その後は「禁煙している」ことを意識しないようにします。「禁煙している」と考えると、タバコが吸いたくなります。
タバコを吸いたくなったらガムかお茶
タバコが吸いたくなったら、お茶を飲んだりガムを噛んだりして対応します。飴をなめる人もいます。ストレッチ体操などで気を紛らすことも良い方法です。
飴も糖分が多いのですが、タバコの代わりにスナック菓子などを食べるのはNGです。禁煙できても、太ってしまいます。
②減煙法
「減煙法」は、タバコを吸う本数を減らしていき、最終的にはタバコの量をゼロにする方法です。長い期間をかけると、いつまでもタバコ量がゼロになりません。短期間でゼロにします。一気にタバコを断つ断煙法よりも楽にできるようです。
禁煙初日は減煙を始めた日ではなく、吸うタバコがゼロになった日です。タバコの量がゼロになったら、買い置きタバコもタバコ関連グッズも全部捨てます。「もう二度とタバコに手を出さない」と、自分に言い聞かせます。
減煙する方法
- タバコを吸うのは、どうしても必要な時だけにする。
- タバコを吸うことを意識して、しっかり吸う。
- 好みのブランドのタバコを、あまり好きでないブランドに変える。
- タバコ・ライター・灰皿を簡単に取り出せない場所に置く。
- いつも居る場所ではタバコを吸わない。タバコを吸う場所を変える。
- タバコを吸いたくなるコーヒーや酒を飲むのを控える
まとめ 電子タバコは効果的な禁煙補助器具
「タバコは百害あって一利なし」と言われます。タバコを吸う本人よりも、家族や周囲の人々の受動喫煙による健康被害の方が大きくなります。タバコの煙に含まれる有害物質は、ガン・呼吸器系疾患・心疾患などを発症するリスクを高めます。
「タバコは健康に悪い」とわかっていても、なかなか禁煙できません。それは、ニコチンの依存性が麻薬のコカインやヘロインよりも強いからです。ニコチンを摂取しないと禁断症状が起きて、イライラしたり不安になったり集中力が欠如したりします。そこで、禁煙には「禁煙補助器具」や「禁煙補助剤」が必要になります。
電子タバコは禁煙補助器具の1つです。タバコ・ミント・フルーツなどの味や香りをつけた液体(リキッド)を電熱線で加熱して気化させ、その蒸気を吸います。日本ではニコチン入りの電子タバコは薬事法で禁止されています。タバコの代わりに電子タバコを吸うと、ガンや呼吸器疾患などの発症リスクも低下します。受動喫煙の危険もタバコの臭いが衣服や家具につく心配もなくなります。
しかし、電子タバコにもデメリットがあります。電子タバコの健康被害やリキッド成分の有毒性は無視できません。
電子タバコによって安全に禁煙の効果を上げるには、禁煙外来で医師に相談することをオススメします。ニコチンパッチと併用するなど、より効果的な禁煙方法が見つかりますよ。
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