「ジリ貧」という言葉を知っていますか?SNSでよくジリ貧という言葉を目にすることもありますが、なんとなく使っているだけで、意味についてはあまりピンときていない人も多いのではないでしょうか。
今回は知っていそうで知らない「ジリ貧」と言う言葉についてご紹介します。
この記事の目次
知っていそうで知らない単語ってありませんか?
人とコミュニケーションを取る方法としたさまざまな方法がありますが、言葉でするコミュニケーションをメインに行っているのではないでしょうか。
言葉と言っても口で会話をしたり、SNSで文字としてコミュニケーションを取ったり、言葉でのコミュニケーションも昔と比べて多様化しています。
そのなかで使われる言葉は、日本人なので、日本語を使い機会がほとんどですが、数えきれないほどある日本語があるなかで、時には使っているけど理解していない単語があることもあります。様々な言葉のそれぞれの意味を正しく理解していないと、話しについて行けなかったり、かみ合わないという状況が生まれます。
正しい意味を理解しないで、勝手に解釈したり、間違った解釈をしてしまうと、様々なシチュエーションで支障をきたす可能性もあります。
その1つとして挙げられる「ジリ貧」。正しく意味を理解していれば、あまり難しい単語だとは思いませんが、意味を知らない人にとっては「何それ?」と思ってしまう言葉であると言えます。
これを機会に「ジリ貧」の意味を正しく理解しましょう。
ジリ貧ってどんな意味?
「ジリ貧」という言葉を見たり聞いたりしてどのようなイメージを持ちますか?
- 貧しい
- じりじりと貧しくなる
- お金が無さそう
- 経済悪化していきそう
「貧」という漢字が入っていることから良いイメージを持つ人はいないのではないしょうか。
インターネットのSNSや掲示板などでジリ貧という言葉が使われることはあるものの、実際に現実で使われているところを見たり聞いたりしたことがあるという人は少ないのではないでしょうか。
SNSで見る機会はあっても、耳に触れる機会が少ないと、意味を正しく理解できません。そのため、「ジリ貧」という言葉を理解していない人は多いと言えます。
特に、若年層の方で正しい意味を理解している人は少ないのではないかと思います。ただ、知らないで意味を間違えて使ってしまうと、恥ずかしい状況になりかねませんし、間違った解釈のまま使ってしまうと、意味がすれ違ってしまい、思ってもみないようなトラブルを引き起こしてしまう場面があるかもしれません。
そのため、ジリ貧と言う言葉の意味や似ている単語などをご紹介します。
「ジリジリと貧しくなる」、略して「ジリ貧」
ジリ貧と言う言葉を理解するにはまずは正しい意味を理解することが大切です。
ジリ貧は「ジリジリと貧しくなる」を略した言葉になります。このように書けば意味を正しく理解できると思いますが、略してしまうと少し意味がわかりづらいかもしれません。
ジリジリと貧しくなる状況ということで、だんだんと切羽詰まっていく状況をあらわしており、最初は勢いがあったあものもだんだん勢いがなくなっていってしまったり、悪い状況へと悪化してしまうということをあらわす言葉なので、間違った解釈をしないように言葉の意味を正しく理解しましょう。
単なる「貧しい」との違いは?
ジリ貧と貧しいは同じ意味だと思っている人も多いと思いますが、実は全く異なる意味の言葉です。
●貧しい…すでに今貧しい状況をあらわしている様
●ジリ貧…今は貧しくないがこれからジリジリと貧しくなっていく様。未来をあらわしている言葉
このように「今」貧しいか、「これから」貧しくなるかということが大きな違いです。そのため、ジリ貧という言葉を使うときには、間違った解釈で使わずに正しく使っていきましょう。
間違った使い方をしてしまうと、恥をかいてしまうことになりますし、こちらが伝えたいことを正しく伝えることができなく、お互いに混乱してしまうことになるため、注意しましょう。
ジリ貧と似た言葉
ジリ貧と言う言葉を正しく理解したら、ジリ貧に似た言葉についても知っておくと良いでしょう。
言葉は不思議なもので、1つの意味を持ったものは1つだけでなく、とてもよく似た意味を持っている単語も多数存在しています。
例えば、母親のことを呼ぶ言葉として「ママ」「お母さん」「おふくろ」など多数存在します。
このようにジリ貧と似た言葉も多数あるのです。最初は混同してしまうかもしれませんが、言葉の意味自体が似ているため、同じように言い表すことができるため、安心して使用することが出来るでしょう。
似ている言葉の存在を知っていると、的確にその状況について伝えることができるようになります。
相手に対して正確に、なおかつ素早くその状況を伝えることが出来るようになるため、時間を節約することが出来、話も早く済むため、似ている言葉を理解して、適切な場面で使うことが出来るように工夫していきましょう。
悪くなる一方
ジリ貧によく似た言葉として「悪くなる一方」という言葉で表現することができます。
ジリ貧と言う言葉はこれからジリジリ貧しくなっていくという意味だと先述しましたが、悪くなる一方はこれからどんどん悪くなっていくという様を意味しているため、意味合いとしてほぼ同じ意味だと言えます。
少し違う部分は、ジリ貧はジリジリと少しずつ貧しくなっていくという表現ですが、悪くなる一方は悪くなるペースまで表現をしていないため、その部分で差が生まれてくると言えるでしょう。
いずれにしてもどちらの言葉もとても似通った意味があるため、基本的にどちらの言葉を使っても、同じ意味としてスムーズに相手に伝えることができるでしょう。
右肩下がり
右肩下がりもジリ貧によく似た類義語と言えます。
右肩下がりと言う言葉は、例えば、グラフの線が右に向かって下降の一途をたどっていく様から、後になるほどどんどんと状態が悪くなっていくことを指し示した言葉です。
例えば、「業績が右肩下がりになっている」というと業績がどんどん下がっていることをあらわしています。
このようにジリ貧と言う言葉と比べるととてもよく似た言葉と言えます。
例えば、先述した「業績が右肩下がりになっている」を「業績がジリ貧になっている」というように置き換えても意味が通じるでしょう。
どちらの言葉を使っても文字数的にあまり変わらないため、自分が使いたい方を使うといいと思います。
悪循環に陥る
悪循環に陥るという言葉も類義語と言えます。
悪循環に陥るという言葉はすで怒っている問題が、だんだんとさらに悪化し複雑化していく様をあらわします。そのため、ジリ貧と言う言葉の意味によく似ていますし、置き換えて使用することもできます。
悪循環に陥り仕事が上手く遂行できない状況はある程度起こりうることだと言えるため、そのようなときに、ジリ貧と言う言葉で表現することが出来るでしょう。
ジリ貧の対義語
ここまでジリ貧とよく似た類義語について詳しく説明していきましたが、反対の言葉とその意味を知っておくと、より理解を深めることが出来るでしょう。
ジリ貧の対義語を考えるとどのような言葉を思い浮かべるでしょうか。
ジリ貧と言う言葉はだんだんと貧しくなっていくという意味なので、当然その対義語はだんだんと裕福になっていくという意味や、さらにひどい意味合いとして一気に貧乏になってくるというのがわかるでしょう。
この意味を踏まえた上で、ジリ貧の対義語について考えてみましょう。
ドカ貧
ジリ貧の対義語としてドカ貧という言葉があります。名前がとてもよく似ていますが、意味としては対義語と言えます。
ジリジリと貧しくなるジリ貧とは違い、ドカ貧は一気に貧乏になっていく様をあらわしています。ドカ貧は「ドカンと貧乏になる」という言葉の略だと言えます。
そのため、ジリジリと少しずつ貧乏になっていくジリ貧とは対照的な言葉だと言えるでしょう。
ジリ高
ジリ高もジリ貧の対義語と言えます。
ジリ高の言葉は金融やビジネスの業界ではよく使われる言葉です。
普段耳にしない人も多いと思いますが、金融関係に勤めている方はメジャーな言葉で、具体的な意味はマーケット全体を対象にした言葉で、株などのグラフを表現した言葉だと言えます。
どのような状況を表現しているかと言うと、相場の調子をあらわしてり、相場が一気に上がらないでジリジリと高くなってく様をあらわしています。
そのため、先ほどのジリ貧と比較してみると、真逆の意味だと言えるでしょう。
高くなると言う事は悪かった状況が良い方向に動いていったり、裕福になるといった状態をあらわした言葉として捉えられるため、ジリ貧という言葉の対義語だと言えます。
ジリ貧とジリ高の両方を覚えておくと、その時の状況をうまく表現することが出来るようになるでしょう。
ジリ貧と言う言葉が出来たのは第一次世界大戦後
ジリ貧と言う言葉を理解するために、そもそもジリ貧と言う言葉が生まれたのかその由来について勉強をすることが大事なポイントと言えます。
ジリ貧という言葉が生まれたのは第一次世界大戦後になります。1920年代に不況に陥り、そのときに存在していた企業が不況により業績の悪化を実感していました。
だんだんと業績が悪化していく様に対して、そのような状況を言い表した言葉が、ジリ貧という言葉なのです。
そのため、ジリ貧と言う言葉は不況がきっかけで生まれた言葉だと言えます。
このように言葉のルーツをたどってみると、状況が非常にわかりやすく、理解を深めることができると思います。
経済の状況をあらわしている
経済の状況をあらわすうえで、とても便利な言葉がこのジリ貧です。
急に経済状況が悪化してしまう場合もあれば、だんだんと悪くなっていく場合も大いに考えられます。
特に経済において、このような状況はよくあることなので、的確に状況を伝えるときにとても優れた言葉だと言えます。
中でも先述した株価に対して使われることもあれば、最近はやりのFXなど為替相場などのグラフで表現できる言葉なので、経済の状況をあらわす言葉としては最も最適な言葉だと言えます。
ジリ貧の使い方
ジリ貧の言葉の正しい意味や類義語、対義語をご紹介していきました。
ジリ貧について正しく理解したところで、具体的にジリ貧という言葉をどのように使っていくか学んでいきましょう。
意味を理解したところで、正しく使うことができていなければ、相手に伝えることができませんし、理解した意味が無くなってしまうため、注意しましょう。
使われる状況や例文を踏まえてご紹介していきます。
現在はさまざまなシーンで使われる
ジリ貧という言葉は状況をあらわすのにぴったりな言葉なため、現在ではさまざまな分野で使われています。金融業界で使われることが多いですが、それ以外にもさまざまなシチュエーションで使われています。
ジリ貧と言う言葉がそれだけ使い勝手のいい言葉であると言えます。便利な言葉ではありますが、間違った使い方をするとトラブルのもとになりますので注意をしましょう。
正しい使い方を学ぶことで日常的にあった場面で使用してみましょう。
金銭的なものに対して使う
金融業界で多く使われていることから、金融的な状況をあらわすのにぴったりです。
ジリジリと貧しくなっていくという意味から、お金を連想させやすく、多くの方が金銭的な状況を言い表すときに使うことが多いでしょう。
特に金融や経済などの業界においては、さまざまなことをグラフに置き換えて確認することも多いですし、価値や価格が相場で変動することも多いため、ジリ貧という言葉で表現しやすいという背景もあります。
価格や価値が変動するものは急に上がったり、ジリジリ上がる、もしくは変化しないか、ジリジリ下がる、急に下がるという風にパターンがあります。そのうち、5つのパターンであるジリジリ下がるをジリ貧として表現できると言えます。
実際に金銭的にジリ貧と言う言葉を使った例文をご紹介します。
「経済的な不況が長引き、このままだと売り上げがジリ貧状態になってしまう」
不況が長引いたことで、だんだんと売り上げが下がっていってしまう様をあらわしています。
経済的な影響で、商品が売れなくなってしまい、長い目で見ると、少しずつ売り上げが下がっていってしまい、このままだと全く売り上げが上がらなくなってしまうという意味になります。
金銭的な面で、よく使う代表例として挙げられるでしょう。
この言葉を使うことで、企業の業績や状況を的確に表現することが出来ますし、様々な面で使うことが出来る社会人としてはポピュラーな使い方と言えます。
学校やスポーツの成績に対して使う
最近ではジリ貧と言う言葉は金銭的な場面だけでなく、さまざまなシチュエーションで使われています。
そもそもジリ貧の言葉自体は、だんだん悪くなる状況をあらわす言葉なので、学校やスポーツであれば、成績や内容がだんだん悪くなっていく様をあらわすことができます。
特に学校の場合はテストの成績やスポーツの試合結果、そして試合状況で使うことができます。
例文として紹介するなら以下の通りになります。
「このまま練習をサボってしまうと、試合の成績はジリ貧になってしまう」
部活などで練習をサボってしまうと当然上達しませんし、下手になってしまいます。部活の場合、興味があったり、経験があるため入部しているのかもしれませんが、中にはやる気がないような生徒もいます。
そんな生徒が練習をサボると、試合の成績は当然落ちます。
そのような状況をあらわした例文です。
自分自身の能力や成績がだんだんと下がっていってしまうことを言い表した例文で、成績をあらわすのに的確だと言えます。
人間関係に対して使う
ジリ貧は人間関係でも表現することが出来ます。
ジリジリと貧しくなっていく様子は目に見えること以外にも目にい見えない感情などにも言い表すことが出来ます。
目に見えないものについて使う場合は表現方法が難しいですが、ジリ貧と言う言葉を使うことで、問題のみを表現することができるので、とても便利な言葉だと言えます。
もちろん、人間関係以外にも使用することが出来ますが、ここでは人間関係を言い表したジリ貧の例文をご紹介します。
「人間関係はめんどくさいが、コミュニケーションを取らないと人付き合いがジリ貧になる」
人間関係というものはさまざまなしがらみもあり、めんどくさいですが、あまりにもコミュニケーションを取らないと、だんだん人付き合いが悪くなっていくというような状況を言い表しています。
人脈や友達がだんだんと減っていく状況を表現した言葉です。学生時代であれば築きやすかった人間関係も社会人になると忙しさもあり、今まで築き上げてきたものがおろそかになってしまいます。
そうすると、だんだん人付き合いが無くなってしまうため、そういった状況をあらわす言葉としてぴったりです。
人脈があればあるほど、さまざまなシチュエーションにおいてメリット生み出すため、人間関係がジリ貧にならないように注意しましょう。
国家間関係に対して使う
ジリ貧と言う言葉は国家間の関係でも表現することが出来ます。
例えば、世界全体を見てみると、独立した国家も存在していますが、ほとんどは国家間で友好関係を築き、助け合っていっています。
そのような国家間の関係でもジリ貧という言葉を用いることができます。
国家間は国がかかわっているため、とても大きい存在に見えますが、結局は人間の集合体です。
そのため、先述した人間関係と言う部分で使うことができるジリ貧は国家間でも使うことが出来るのです。
それを踏まえて例文を見てみましょう。
「アメリカの言うことばかり聞いていると、日本はジリ貧になってしまう」
大国アメリカの言うことばかり聞いていると、日本はだんだん貧しくなっていくという意味があります。アメリカと友好関係を築くことは大切ですが、ただアメリカの言うことばかり聞いていると、搾取されてしまい、少しずつ悪い状況になったり、貧乏になってしまうという言葉です。
あくまでも一例ですが、このように国家間の状況をあらわすことが出来るのです。
株用語として使われる
ジリ貧は金銭的な状況をあらわす言葉ということを先述しました。そのため、お金と同様の価値があるような株や為替、土地や不動産などでもジリ貧という言葉を使うことができます。
特に株用語として多く用いられ、株や為替を取引している方は使う機会も多いでしょう。
なお、株用語としては少しずつ安くなるの意味の「ジリ安」や少しずつ高くなる「ジリ高」が使われることも多いため、合わせて覚えておくといいでしょう。
例文としては以下になります。
「株式市場はジリ貧になり、日経平均株価が最終的に前日終値を下回った。」
株式市場で相場がジリジリと悪くなり、日経平均株価が前日終値を下回ったことをとらえられます。
このように株価の動きを「ジリ〇〇」であらわすことが出来ます。
特に株価については常に変動し続けているため、このように表現することで、状況を正確に説明することが出来ます。
なぜジリ貧になるのか?ジリ貧から抜け出す方法は?
なぜジリ貧になってしまうのでしょうか?ジリ貧になってしまう理由として挙げられることは、多様性がないということが挙げられます。
例えば、日本企業の稼ぐ力は近年衰退の一途をたどってきています。誰もが知っている大手企業であっても業績がジリ貧状態になっていることなどが挙げられます。
ここ数年、下げ止まりになりつつありますが、本格的に回復するにはまだまだ程遠いです。日本企業の稼ぐ力が無くなったのは1998年頃からと言われています。つまり、デフレが始まったことが大きく影響していると言えます。
デフレが始まった頃、IT分野などにおいて進化がとてつもない勢いで進んでいます。インターネットの普及により、さまざまな人と関わりを容易に持てる時代になったと考えられます。実際インターネットを使うことで、海外にいる人と気軽にやり取りをすることができ、SNSで全く顔を見たことが無い人と関わりを持つことが出来ます。
そのため、海外の新しい情報を手に入れる手段を容易に得られるようになったのです。このように過去の経験やすでに持っている知識で答えが導ける時代から、過去の経験やすでに持っている知識だけでは解決することができない答えがない時代に突入したということが出来ます。
本来ならば、この新しい時代に対応するために策を練らないといけませんが、まだまだ対応できていないという現状であり、それにより稼ぐ力が衰退していっているのです。
つまり、すでに持っている考え方や答えでは対抗することが出来ない世の中になっているため、新しい考えが必要なのです。今までと違う全く新しい答えを導き出すことは、ジリ貧から抜け出す策ともいえ、多様性を身に付けることがジリ貧から抜けだす答えといえるでしょう。
まとめ
ジリ貧という1つの言葉でも様々な場面で使うことができ、正しい使い方を理解することで、相手に正確に伝えることが出来ます。
ジリ貧と言う言葉を通して、現代社会についても考えることができ、掘り下げて考えることで、さまざまな知識が得られます。
もし、これから日常生活で気になったことがあれば、どんどん掘り下げて考えることで、新たな発見をすることが出来るでしょう。
新たな発見をし、多様性を身に付けることで、ジリ貧から抜け出すことができるでしょう。