日本人の6~7%は、お酒を全く受け付けません。この「お酒は全くダメ」という人も含めて、日本人の45%は、お酒に弱いのです。
でも、日本の社会では、お付き合いの上で「酒を飲む」ことが、とても重要です。「酒が飲めない」と、仕事も職場の人間関係もデートも、うまくいかないといいます。
「酒が飲めない」とは、どういうことか?「酒が飲めない人」は、どうすれば、仕事や人間関係がうまくいくのか?・・・について、お伝えしますね。
「酒が飲めない」とは?
一人でワインを2~3本空けても、けろりとしている人もいれば、ビールを一口飲んだだけでも真っ赤になる人もいます。酒が飲めない人・酒が嫌いな人を「下戸(げこ)」と言います。
酒に強い「呑兵衛(のんべ)」と下戸がいる理由は、アルコール分解酵素のタイプの違いです。
[酒を飲むと、どうなるか?]
酒などアルコール類を摂取すると、アルコール分解酵素により肝臓で分解され、体外に排出されます。
アルコールの摂取は肝臓で働く酵素を大量に消費します。肝臓の酵素の処理能力を超えて、過剰にアルコールを摂取すると、肝臓の負担が大きくなり、障害が生じます。
アルコールの分解過程
体内に入ったアルコールは、胃と小腸から吸収されて、肝臓へ運ばれます。
肝臓では、「アルコール脱水素酵素ADH」により、アルコールは「アセトアルデヒド」に分解されます。さらに、「アセトアルデヒド脱水素酵素ALDH」の働きにより、アセトアルデヒドは酢酸に分解されます。酢酸は、クエン酸回路によって、最終的に水と炭酸ガスに分解され、尿とともに体外に排出されます。
「アルコール脱水素酵素」と「アセトアルデヒド脱水素酵素」を、アルコール分解酵素といいます。
二日酔いの原因となるアセトアルデヒド
アセトアルデヒドは、有害物質です。
アセトアルデヒドが血液中に入ると、顔が赤くなり、吐き気や眠気が生じます。アセトアルデヒドが分解されず、血液中に留まっていると、二日酔いの症状、頭痛・吐き気・身体疲労(だるさ)が生じます。
また、アルコールには利尿作用があるので、摂取した水分以上の水分が失われて、脱水症が起こります。そのため、頭痛・吐き気・だるさ・食欲不振が生じます。
アセトアルデヒドの血中濃度が高いまま続くと、肝機能障害を引き起こす可能性があります。
[アセトアルデヒド脱水素酵素2の働き]
アセトアルデヒド脱水素酵素は、有害物質のアセトアルデヒドを分解して酢酸にします。
アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)には、2種類のタイプがあります。アセトアルデヒドの血中濃度が高くならないと働かない「ALDH1」と、アセトアルデヒドの血中濃度が低い時にも働く「ALDH2」です。お酒を飲んだ時に働くのは、アセトアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)です。
このアセトアルデヒド脱水素酵素2が、お酒の強い人・お酒に弱い人・お酒が飲めない人に、体質を分けます。アセトアルデヒド脱水素酵素2の働きが弱いと、有害なアセトアルデヒドを分解できず、悪酔いしやすくなります。
アセトアルデヒド脱水素酵素2の3つのタイプ
アセトアルデヒド脱水素酵素2は、①高活性型・②低活性型・③不活性型の3種類あります。日本人などモンゴロイド(黄色人種)は、遺伝的に、低活性型と不活性型のアセトアルデヒド脱水素酵素2を持っていますが、欧米人などコーカソイド(白人種)やアフリカ系などネグロイド(黒人種)は、高活性型ALDH2を備えています。
①高活性型(活性型)
アセトアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)の働きが強く、有害なアセトアルデヒドを速く分解できます。気持ち良く酔うことができます。高活性型ALDH2を持つ人は、「酒に強い」人です。
コーカソイドやネグロイドは、全て高活性型ALDH2を持っていますが、日本人の場合は、高活性型ALDH2を持つ人は56%です。
ただし、高活性型ALDH2を備えている人でも、一気飲みなどで急激に大量のアルコールを摂取すると、アセトアルデヒドの分解処理が追いつかず、急性アルコール中毒になる可能性はあります。
②低活性型
アセトアルデヒド脱水素酵素2の働きが弱く、アセトアルデヒドの代謝が遅くなります。低活性型ALDH2を持つ人は、いわゆる「お酒に弱い」人で、少量のアルコールを摂取しただけで、顔が赤くなったり、気持ちが悪くなったり、嘔吐したりします。
日本人の38%は、低活性型ALDH2を持っています。
③不活性型(非活性型・欠損型)
アセトアルデヒド脱水素酵素2が全く働かず、有害なアセトアルデヒドを分解できません。日本人の6~7%は、不活性型ALDH2の持ち主で、「酒が飲めない」人です。少量のアルコールを飲んだだけで、気持ちが悪くなったり、頭痛が起きたりします。
[ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)]
アルコールを無害化する代謝活動は、酒類を飲み始めた時から始まり、飲み終わった後も、酔いが覚めるまで続きます。アルコール脱水素酵素とアセトアルデヒド脱水素酵素は長時間働き続けます。この2つの酵素の処理能力が限界に近づくと、第3の酵素ミクロゾームエタノール酵素(MEOS)が、働き始めます。
ミクロゾームエタノール酸化酵素とは?
ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)は、複数の酵素集団による代謝システムです。
MEOSは薬物の代謝を行い、カフェインで頭をスッキリさせたり(覚醒作用)、鎮痛剤で痛みを緩和したり、睡眠薬で眠気を生じさせたりします。
アルコールの長時間・大量摂取でMEOSが活性化
アルコールを長時間・大量に摂取すると、アルコール脱水素酵素やアセトアルデヒド脱水素酵素が代謝しきれなくなるので、MEOSが活性化して、代謝を行います。MEOSは、代謝が終われば元の状態に戻ります。
しかし、連日、大量にアルコールを摂取し続けると、MEOSは増加して代謝活動を行います。そのため、「お酒が強くなった」ように見えます。
MEOSの活性化は、薬を危険にする
MEOSが増加して活性化すると、薬物の代謝速度が速くなります。薬物が効果を発揮する前に、代謝されてしまい、薬が効きにくい体質になります。
また、アルコールの代謝が終了しないうちに薬物を飲むと、MEOSはアルコールと薬物の両方の代謝を行います。アルコール代謝が優先されるので、薬物が体内に長く留まるようになります。そのため、薬の効き目が過剰になることがあります。お酒と一緒に睡眠薬を飲むと、睡眠薬が効きすぎて、なかなか目が覚めない可能性があります。
MEOSの活性が続くと、肝臓の負担が大きくなり、肝障害を起こしやすくなります。
[アルコールアレルギー]
「アルコールアレルギー」とは、アルコールを飲んだり、肌に触れたりすると、アレルギー反応を引き起こすアレルギー疾患です。
アルコール分解酵素が働かない「お酒が飲めない人」も、アルコールアレルギーの中に入るようです。
アセトアルデヒドがアレルギー反応を引き起こす
アルコールは体内で代謝されて、アセトアルデヒドになります。アセトアルデヒドは、肥満細胞を刺激してヒスタミンを放出させ、アレルギー反応を引き起こします。
アルコールアレルギーの症状
アルコールアレルギーの人は、アルコールを飲むと、顔や体が赤くなり、かゆくなります。気持ちが悪くなり、頭痛や吐き気、下痢を起こすこともあります。
消毒用のアルコール綿やアルコール配合の化粧品が肌に触れると、赤くなって腫れたり、かぶれたりします。
[アルコール分解酵素の働きは、男女差・年齢差がある]
アルコール分解酵素の働きは、人種によって差がありますが、それだけでは、ありません。
女性は男性よりお酒に弱い
アルコール分解酵素の働きは、女性よりも男性の方が強いようです。女性は男性よりもお酒に弱く、お酒が飲めない人も多くなります。
体格の良い人の方が酒に強い
小柄で痩せている人よりも、大柄で体重の重い人の方が、酒量が多くなります。身体が大きいと、血中のアルコール濃度が低くなります。
加齢とともに酒に弱くなる
アルコール分解酵素の働きは加齢とともに低下します。若い頃は、お酒に強かった人が、年齢とともに酔いやすくなり、二日酔いになることが多くなります。年を取ると、お酒に弱くなるのです。
中年以降も若い時と同じように、連日大量飲酒していると、肝障害が起きやすくなります。
「酒を飲めない人」が無理に酒を飲んだら?
アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドは猛毒です。「酒を飲めない人」は、アセトアルデヒド脱水素酵素2が不活性型なので、アセトアルデヒドを分解することができません。有害物質のまま、肝臓や血液中に溜まっていきます。
「酒に弱い」低活性型ALDH2の人も、無理に大量のアルコールを摂取すると、アセトアルデヒドの代謝が追いつかず、肝臓や血液中に溜まります。
アセトアルデヒドは猛毒ですから、身体に深刻なダメージを与えます。
[無理に酒を飲む危険性]
「酒が飲めない」「酒に弱い」のは、遺伝的な体質です。アルコール分解酵素が働かないのに、無理してアルコール飲料を飲むと、生命に関わる危険性があります。
急性アルコール中毒死の可能性
不活性型ALDHの人が無理に酒類を飲むと、急性アルコール中毒を起こし、最悪の場合は死亡する可能性があります。「酒は飲めない」と言う人に、飲酒を強制した人は、傷害罪・傷害致死罪に問われます。
低活性型ALDH2の人(お酒に弱い人)も、急性アルコール中毒を起こしやすく、アルコール代謝速度が遅いので、症状が重篤化する可能性が高くなります。
重篤な肝臓障害を起こす
「訓練すれば、酒を飲めるようになる」とか「飲み続ければ、酒に強くなる」などと、言う人がいます。しかし、遺伝的なものですから、不活性型が低活性型や高活性型のALDH2に変わったり、高活性型ALDH2が増えたりすることはありません。
無理してアルコールを摂取し続けると、有毒なアセトアルデヒドが肝臓の負担となり、重篤な肝障害を発症します。脂肪肝・脂肪性肝炎・肝硬変を引き起こす危険性が高くなります。もちろん、肝機能が低下します。
発ガン率が高くなる
有害なアセトアルデヒドが血液中に留まるため、発癌率が高くなります。
食道ガンの発生のリスクは、高活性型ALDH2の人の3~16倍になります。
肝硬変が進行すると、肝臓ガンを併発するリスクが高くなります。
[酒が飲めるようになる方法は?]
学生時代はともかく、社会人になると、「酒が飲めないと、困ることが多い」と言います。会社員は、同僚との飲み会、上司とのお付き合い、取引先の接待など、お酒を飲む機会も多くなります。そこで、何とかしてお酒を飲めるようになろうとします。
無理して酒を飲み続けると、酒に強くなる?
お酒に弱く、ビールを一口飲んだだけでも酔ってしまう人でも、無理して飲み続けるうちに、だんだん酒量が増えていきます。お酒に強くなります。
しかし、アセトアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)が低活性型から高活性型に変わったのでも、ALDH2が増えたのでもありません。第3の酵素MEOSがALDH2を助けて、アセトアルデヒドを代謝しているのです。MEOSは増加して、代謝機能を高めます。それで、最初は酒が少ししか飲めなかったのに、沢山飲めるようになります。
しかし、前述したように、MEOSが増加して働き続けることは、肝臓の負担が大きくなり、肝障害が起きやすくなります。他の薬物の代謝にも関わり、極めて危険な体質に変わる可能性があります。
酵素ドリンクで酒が飲めるようになる?
「断食をして、胃腸や肝臓を休め、酵素ドリンクを飲んで、肝機能を上げると、酒が飲めるようになる」という記事があります。断食は、「1~2日間、水やお茶など飲み物以外は口にしない」というプチ断食です。
プチ断食と酵素ドリンクで、肝機能は向上するかもしれません。しかし、アルコール分解酵素のタイプが変わることはありません。不活性型・低活性型アセトアルデヒド脱水素酵素が高活性型に変わることはないのです。
「プチ断食と酵素ドリンクを行った後、水で薄めたアルコールドリンクを少しずつ飲めば、ある程度酒が飲めるようになる」とも言います。花粉症などアレルギー疾患には「減感作療法」といって、少量ずつアレルゲンを注射して、アレルゲンに対する抵抗性をつくる治療法があります。しかし、少量ずつアルコールを摂取しても、アルコール分解酵素の働きが変わることはありません。MEOSが活性化して、アセトアルデヒドを代謝するだけです。
(酵素を摂取しても、酒が飲めるようにはならない)
アルコール飲料を摂取すると、肝臓の酵素が大量に消費されるので、酵素ドリンクなど酵素を摂り入れることをススメる記事が多いようです。オススメ酵素のランキングも紹介されていますが、酵素アルコールを摂取しても、酒が飲めない体質や酒に弱い体質は変わりません。
酒に強くなる方法はない
「酒に強い・弱い」のは、遺伝的な体質です。「練習すれば、アルコールを代謝する能力が向上する」ということはありません。アセトアルデヒド脱水素酵素2が不活性型は、「欠損型」とも言います。先天的に働きが欠損している酵素を、働かせる方法はありません。ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)が活性化して、アセトアルデヒドを代謝するだけです。
「酒が飲めない人」「酒に弱い人」が無理してお酒を飲むと、肝障害が起きやすくなったり、発癌リスクが高くなったり、生命に関わる危険を招く可能性があります。
「酒が飲めない」と、社会人として困る?
「酒が飲めないと、社会人として困ることが多い」と、よく言います。確かに、会社の忘年会や新年会、社員の歓送迎会など、いろいろな会がありますが、どの会もアルコールが付きものです。プライベートでも、合コンや女子会、婚活パーティーなど、アルコールドリンクが必ず出ます。お酒が飲めないと、周囲に笑われたり、呆れられたりします。
投稿された記事の中には、「お酒を全く飲めないのに、アルコールを強制されて、本当に辛い思いをした」というのが少なくありません。恋愛がうまくいかないという投稿者もいます。
しかし、「酒が飲めない」ことは体質であって、人間の能力・実力・社会的適応力とは全く関係ありません。酒が飲めなくても、力のある人はいくらでもいます。
[酒が飲めない男は仕事ができない?]
日本の社会では、「酒を飲んでこそ、本音で話せる」と言います。取引先との交渉も、接待の席が重要な役割を果たすとも考えられています。そこから、「酒が飲めない男は、仕事ができない」などということになりますが、大きな間違いです。
酒を飲むのは、当り前?
英語の「drink」という言葉は、英和辞典には「飲む・酒を飲む・酒を飲んで過ごす・乾杯する」と出ています。名詞としても「飲み物・飲料」の他に「大酒・深酒」の意味があります。
英語圏の人たちは「drink=酒を飲む」と使っています。英語表現辞典では、コーヒーや紅茶を飲む時は「have」または「get」を使います。「I drank.」は「俺は酒を飲んでいたよ」なのです。
英米人だけでなく、コーカソイドはアルコール分解酵素の働きが強いので、酒類を飲むことが普通になっています。ランチにワインやビールを飲んでも、午後からの仕事に支障が出ることはありません。もちろん、パブなどで本格的に飲むのは、午後5時以降です。
ビジネスが国際化すれば、海外の人たちとの付き合いが多くなりますから、酒を飲めないと、「ビジネスに支障が出るのでは・・・」と心配になります。
(「酒が飲めない」ことが有利になることもある)
しかし、世界にはいろいろな宗教・風習に従って生活する国々があります。また、最近では、健康を重視する人たちが多くなり、喫煙とともに飲酒の習慣が見直されています。
イスラム教徒は、飲酒を禁じられています。酒を飲むことは罪なのです。また、アメリカのエリートビジネスマンや高級官僚には、「タバコを吸わない・アルコールを飲まない」人が多いといいます。
むしろ、「酒が飲めない」ことが、アラブ関係のビジネスでは有利に働く可能性があります。アメリカのエリートビジネスマンは、「酒を飲めない」人を歓迎します。
仕事の能力と飲酒は、関係がない
三国志などの小説には、「斗酒なお辞せず」タイプの酒豪の英雄や、酒をこよなく愛する政財界の成功者が登場します。漫画にも酒に強い男がよく登場します。しかし、現実の成功者には「酒が一滴も飲めない」人が少なくありません。
織田信長は酒が弱かったようです。桶狭間の戦いで信長に敗れた今川義元は、大の酒好きでした。徳川家康も酒豪には程遠く、むしろ健康維持に努めていました。
仕事ができる人間は、「酒が飲める」のではなく「酒量をコントロールできる」力があるのです。
酒席の失敗は許されても、忘れられない
「酒を飲んで、本音で語り合う」と言います。酒のエタノールは脳を麻痺させますから、理性や判断、抑制などの力が低下します。ついつい本音が出てしまいます。
接待の席、会社の宴会などでは「今日は無礼講」と言い、失言しても笑うだけで、咎めません。しかし、得意先の人たちや上司は、酒の上の失言・失敗をしっかり覚えています。「あいつは、酒にだらしがない」とレッテルを貼り、失敗が続けば「あいつはダメ」と考えます。
「酒に弱い人」「酒が飲めない人」が、接待や宴会の席で無理に酒を飲めば、必然的に醜態をさらすことになります。上手に酒を飲まないようにして、徹底して気配りすれば、むしろ評価が上がります。
(海外では酔っぱらいは軽蔑される)
欧米の社会では、酒に酔って失言したり、失態したりすると、大いに軽蔑されます。「日本人はアルコール分解酵素の働きが弱いから」と、大目には見てくれません。国際ビジネスの場では、「酒を飲まない」ことがメリットになります。
(成功した経営者は酒席で酔わない)
本当に成功した経営者は、決して酒席で酔って本音をもらしたり、失言したりしません。自分の酒量を心得て、酔わないようにコントロールしています。自分をコントロールできる経営者は、酔っぱらって失態を見せる部下を快く思いません。
「酒に弱い」「酒が飲めない」自分の体質を自覚して行動する方が、無理して酒を飲むよりも、ずっと好印象を与えます。
[下戸が飲み会を上手に乗り切る方法]
「酒が飲めない人(下戸)」は、酒を飲む席(接待や飲み会)が苦手です。「私はお酒が飲めません」と一々言い訳するのも面倒ですし、その場の空気がしらけてしまうこともあります。
男性が「酒は一滴も飲めない」と言うと、「草食系男子」とか「柔弱男子」とか、全く根拠もなく馬鹿にされることがあります。女性の場合は、女子会を断ってばかりいると、友人関係や職場の同僚との関係に支障が生じます。
接待も飲み会も女子会も、積極的に参加して、しかも好感を持たれる方法があります。
①「酒が飲めない」ことを笑いのタネにする
普段から「酒が飲めない」ことを、少し大げさに話しておきます。「体調の悪い時なんか、奈良漬け一切れ食べただけで、顔が真っ赤になる」「酒の匂いをかいだだけで、フラフラする」など、「酒が飲めない」ことを笑いのタネにしてしまいます。
ついでに「お酒を飲んで楽しそうにしている人たちと、わいわい騒ぐのは好き」と付け加えます。すると、周囲の人たちも飲み会に誘いやすくなります。仲間外れにされません。
②「気配りの人」に徹する
常にテーブルの上に気を配り、先に立って料理やドリンク類の追加を注文します。接待の席では、水割りを作ったり、お酌をしたり、同席する人たちのグラスや盃が空にならないように注意します。
③熱心な聞き手になる
取引先の人や上司の話を熱心に聞き、上手に相槌を打って、話を盛り上げます。
同僚や友人ばかりの飲み会では、特に話したがっている人を見つけて隣に座り、相手が満足するまで話を聞きます。
酒を飲むと、脳が麻痺しておしゃべりになりますから、真剣に熱心に聞いてあげると、相手はとても喜びます。
④ハイテンションになる
飲み会では、たいていの人がハイテンションになります。酒席の雰囲気を壊さないために、酒を飲めない人もテンションを上げます。大声で笑ったり、手を叩いたり、陽気に振る舞います。
飲めない人同士が固まるのは、NGです。その場の雰囲気を悪くします。
⑤ソフトドリンクをアルコールドリンクと言い張る
ウーロン茶を「ウーロンハイ」、レモンスカッシュを「レモンサワー」と言い張って飲みます。ノンアルコールビールを飲むのもいいですね。ハイテンションで、ウーロン茶やレモンスカッシュを飲んでいれば、違和感がなくなります。
(酒に弱い人は、水を飲む)
ある経営者は酒に弱いので、接待や宴会など酒席では、常に氷水の大きなグラスを置いておき、水割りを飲むような顔をして、氷水ばかり飲んでいます。脱水症状の予防にもなるので、オススメの方法です。
⑥下戸を馬鹿にしても、気にしない
「酒豪」「酒好き」と言われる人たちの中には、下戸を馬鹿にする思いやりの無い人間がいます。「酒が飲めないと、人生で損をする」「なぜ飲み会に出て来るのか?」「酒の飲めない人間は付き合いにくい」「ストレスが溜まる生き方だ」などと、下戸を傷つけるような言葉をぶつけてきます。酒のエタノールで脳が麻痺しているから、相手を傷つけても平気なのです。
そういう時は、この事実を思い出してください。コーカソイドはモンゴロイドよりアルコール分解酵素の働きが活発なので、お酒に強いのですが、それだけに、アルコール中毒患者が多いのです。「酒が飲める」ことは、メリットばかりではありません。
まとめ 「酒が飲めない」人は、無理して酒を飲まない
「酒が飲めない」のは、アルコール分解酵素の働きがないためです。アセトアルデヒド脱水素酵素2が欠損しているために、アルコールが分解してできるアセトアルデヒドという有害物質を代謝できません。そのため、わずかでも酒類を摂取すると、顔や身体が赤くなったり、吐き気や頭痛が生じるのです。アセトアルデヒドでアレルギー反応を起こす人もいます。
「酒が飲めない」のは先天的な体質です。無理して酒を飲み続けると、ミクロゾームエタノール酸化酵素が活性化してアセトアルデヒドを代謝するので、ある程度飲めるようになります。しかし、無理して酒を飲むと、肝障害が起きやすくなったり、ガンの発生率が高くなったり、生命に関わる危険を招く可能性があります。
「酒が飲めない人」「酒が弱い人」は、無理して酒を飲む必要は全くありません。会社員など組織の中で生きるのに、酒は必要ないのです。酒の力など借りないでも、実力を発揮することも、能力を認められることもできます。
しかし、接待や飲み会など酒席では、雰囲気がしらけないように、上手に振る舞うことが大事です。その場が盛り上がるように気を配り、自分も一緒に飲んでいるような顔をすれば、好感度アップは間違いなしです。
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