私達は呼吸を無意識でやっています。何故意識しなくてもできるのでしょうか?腹式呼吸とはどのような呼吸方法なのでしょうか?
腹式呼吸を自然に取り入れる事で、どの様なメリットとデメリットがあるのでしょうか?腹式呼吸をすることで、身体にどの様な影響を及ぼすのでしょうか?
腹式呼吸をすることで身体がリラックスできるのは、本当の事でしょうか?また腹式呼吸をすることで、発声が良くなりカラオケが上手に、歌えるようになると言われますが、本当でしょうか?
色々腹式呼吸について調べて見ましたので、一緒にみてみませんか?
呼吸とは
◆私達は無意識に呼吸をしながら、日常生活を送っています。何故私達が無意識に呼吸ができるのかと言う事は、私達の身体の自律神経によるものです。
自律神経は私達の身体の内分泌を司っていて、呼吸だけでなく、内臓の運動や、瞳孔の収縮、血液の流れ、発汗、栄養の吸収、老廃物を体外に出す等無意識に行われています。
◆自律神経が異常を起こすと自律神経失調症となり、身体の異常が起こり生命活動が健康に維持されなくなり、体調を崩す事になります。
◆自律神経には交感神経と、副交感神経があります。交感神経は体を緊張させ、副交感神経は身体をリラックスさせます。
◆交感神経が優位に立つと呼吸は浅く成ります。現代ではこの交感神経が優位に立つ人たちが多くなってきています。
交感神経が優位に立つ事は、活動モードにはいっているので、何時も緊張した身体になっていて、体調を崩したりします。
◆副交感神経が優位に立つと心身ともにゆとりができて、身体もリラックスするので、健康な身体を保つことができます。
ですから腹式呼吸をすることで、意識的に身体を副交感神経を優位に立たせる事ができて、胃腸や内臓の働きを良くし、安眠、リラックスと身体に良い影響をあたえます。
腹式呼吸とは
◆呼吸の仕方には鼻からする鼻呼吸と、口からする口呼吸があります。その中で鼻を使ってやる呼吸と、口を使ってやる呼吸が腹式呼吸です。
腹式呼吸を正確にやるには、口から二酸化炭素を存分に出して、鼻から酸素を十分に肺に取り入れる方法です。
◆腹式呼吸とはお腹を使って、横隔膜(呼吸をする為に必要な筋肉)を腹腔(お腹の内腔)に筋肉を下げる様にして、肺活量を拡大しておこなうやり方です。ですからお腹が膨れたり、縮んだりします。
肺は単純に分けると、横隔膜と肋骨でできています。腹式呼吸は横隔膜の上下運動の呼吸法で、胸式呼吸は肋骨を膨らませたり、閉じたりする呼吸方法です。
◆胸式呼吸とは胸を膨らませたり、閉じたりしてやる呼吸のやりかたです。スポーツなどおこなった後に肩で「ハーハー」している人を見かけますが、あれが胸式呼吸です。
◆腹式呼吸をやる時は、胸を膨らませたり閉じたりする胸式呼吸もとりいれて、混合してする事が良いです。
◆一般に腹式呼吸は男性に多くて、胸式呼吸は女性に多いようですが、腹式呼吸は身体においてとても良い効果をもたらします。
◆腹式呼吸をすることで、横隔膜を上げたり下げたりするので、内臓のそばの筋肉インナーマッスルが鍛えられ、腹筋が鍛えられる事に成ります。その反対の腹筋を鍛える事が、腹式呼吸をする事にも繋がります。
鼻呼吸
◆鼻呼吸はまず酸素を鼻から取り入れます。取り入れられた酸素は肺を通って心臓に行きます。心臓から動脈を通って、身体の末端まで酸素は運ばれます。
◆鼻呼吸が大事なのは鼻は外部からの細菌やウイルスをチェックする器官が備わっています。
鼻の中にはリゾチームやラクトフェリンと言う成分の粘液が、細菌やウイルスを捕まえて殺菌したり、IgAという免疫グロブリンが、細菌やウイルス等の微生物をまとめて鼻垢にして、身体の奥深くに侵入させない様にしています。IgA免疫グロブリンとは血中の中の抗体です。
◆鼻呼吸をすると大量の酸素を取り入れる事もできて、頭の中もすっきりとしてきます。
口呼吸
◆口呼吸には細菌やウイルスを除去する機能が備わっていないので、口で取り入れた酸素はそのまま肺の中に取り込まれます。それによって肺に細菌やウイルスが取り込まれる事もあるのです。
その為風邪を引きやすかったり、細菌やウイルスの病気を発症したりする事があるのです。口呼吸は人相にも影響があります。口で呼吸する事で、唇にしまりが無くなり、口が緩んできてその為顔全体もそれに引っ張られて、ほうれい線などができやすく成り、老けて見られる人相になってきます。
腹式呼吸のやり方
◆腹式呼吸のやり方は、ゆっくりと吐く事がポイントとなります。吐く事は二酸化炭素を出す事ですが、身体の不必要な物をすべて出し切るイメージで行うと良いでしょう。
吐くときはお腹を引っ込めて、吸う時はお腹を膨らませます。吸う時は新しい酸素を身体に取り入れる感じで行うと良いでしょう。
吐くときは思いっきり大きな口を開けて、身体の全ての悪い物を出し切るイメージで息を吐くと、自然とお腹が収縮しお腹に圧力がかかります。これを腹圧と言います。
そしてすべて悪い物を出し切ったら、今度はお腹をリラックスして口を閉じて、鼻から自然に酸素を存分に取り込むと、お腹が膨らんできます。この感覚で腹式呼吸をやるのが良いです。
◆腹式呼吸をやる時に始めは、息を吐く事からやる方が良いそうです。身体の全ての悪い物を吐き出す気持ちでお腹に力が入るぐらい吐いて、それから新鮮な酸素を取り入れる方が、腹式呼吸をやる上で効果があるそうです。
◆ゆっくりと腹式呼吸をやるのがポイントです。そして吐くのと吸うのとでは吐く時間の方をゆっくりとして吸う時間を短くします。吐く時間が2に対し、吸う時間は1にするのが良いでしょう。大体2:1の割合で、腹式呼吸をすると良いです。
◆最初は6秒ぐらいかけて吐いて、3秒ぐらいかけて吸う練習をすると良いでしょう。それが出来るようになると、だんだんと長さを伸ばしてやると良いです。
腹式呼吸のメリット
腹式呼吸のメリットにはどの様なものがある?
◆腹式呼吸のメリットは横隔膜が動く事で、内臓に刺激を与え内臓を指圧している様な感じに成ります。内臓がマッサージされる事で、副交感神経が活発に成り、リラックス効果が出て、身体全体がリラックスした状態になります。
◆腹式呼吸は新鮮な酸素を吸う事で、脳に十分な酸素が行きわたり、脳を活性化させてリラックスさせる事ができます。
◆脳をリラックスさせると、精神的にも安定させる事ができて、身体全体がリラックスできます。また血圧上昇を抑える事ができて、腹式呼吸をすることで、身体に与える影響はとても大きいです。
◆身体を良い状態に保つため、腹式呼吸をすることで、リラックス効果が生まれ、大きな声が出る様になります。血液の流れも良くなり、身体の代謝もスムーズになって、内臓も正常な位置にもどります。歌手が腹式呼吸を練習するのは、この様に大きな声、安定した声が出る事によるものです。
◆腹式呼吸を意識する事で胸郭が拡げられ自然と姿勢が良くなります。
◆腹式呼吸をすることで横隔膜が下がるので、肺に取り込んだ酸素の調節を微妙にできるようになり、少しずつ息を吐いたり、長く息を吐いたりと、歌を歌ううえで大変必要となってきます。
胸式呼吸のメリット
◆胸式呼吸のメリットは肋骨、背骨、胸骨の強化が胸式呼吸をするだけで、自然に養われます。硬くなりがちな胸郭の柔軟性が促されます。
腹式呼吸のデメリット
腹式呼吸のデメリットにはどの様な物がある?
◆腹式呼吸のデメリットは腹式呼吸が良いとされる、呼吸のしかたにあります。腹式呼吸は吐くときにお腹をしぼませ腹圧を起こさせます。そして吸う時にお腹をできるだけ大きく膨らませます。
このお腹の筋肉の収縮率が大きい為、お腹の筋肉が力んで、筋肉にコリが生じます。ですからスポーツの世界では腹式呼吸でなくて、お腹周りを膨らませる呼吸をするそうです。
胸式呼吸のデメリット
◆胸式呼吸のデメリットは胸式呼吸は交感神経を活発化させるので、筋肉の緊張がみられます。筋肉の緊張により首や肩の痛み等が起こり、体全体の筋肉が緊張してしまいます。
腹式呼吸の利用法
◆腹式呼吸の利用法は色々あります。歌を歌う時、出産、ダイエット
歌を歌う
◆歌を歌う時に何故腹式呼吸が必要なのでしょう?腹式呼吸をすることで、腹筋と背筋と脇の筋肉をつかって、横隔膜の収縮を補助する為、余分な筋肉を使わないで、沢山の酸素を肺に送り込めるので、発声が安定して行えます。
◆腹式呼吸を使って歌を歌う事は、声帯もリラックス状態になるので、必然的に良い声がでるようになります。
出産
◆腹式呼吸をすることで、精神を安定させ血圧上昇を抑える事ができて、たっぷりとした酸素を取り込めるので、気分が落ち着きます。
リラックスした状態で子供を出産させる事は、痛みがあっても落ち着いて出産できます。腹式呼吸を取り入れた出産方法に、ラマーズ法とソフロロジー法があります。
腹式呼吸でダイエット
◆腹式呼吸をやる事で、吐くときにお腹に力を入れて縮ませます。これを腹圧と言います。この腹圧をすることで、ウエストを引き締める効果があるそうです。
深層筋(インナーマッスル)が衰えている人は、重力が下がる様に内臓が下がっているので、お腹がポッコリと出てしまいます。腹式呼吸をすることで深層筋を鍛えて、ポッコリお腹の解消が出来るそうです。
まとめ
如何でしたでしょうか?腹式呼吸が私達の身体の健康にとって、大切な物であることがお解り頂けたと思います。
腹式呼吸をやることで、横隔膜を鍛えて、内臓を正常化します。また腹式呼吸をすることで、脳がリラックスする事で、脳の活性化も見られ、身体全体がリラックスする事ができます。
腹式呼吸と胸式呼吸を上手に取り入れて、交感神経と副交感神経を適度に使い分けて呼吸する事が、私達の身体を健康で長持ちさせる事ができる、方法ではないでしょうか?