頭がしびれるのは病気なの?めまいなどの症状に要注意!

頭は人間にとって生きるために最も大切な部分の一つです。大脳をはじめとして、感覚器官や中枢神経が密集しており、常に生命を維持するための情報や命令を送受信しています。

そんな頭に頭痛のずきずきとした痛みとは少し違う痺れを感じた場合は、命にかかわる重大な病気の前兆かもしれません。単なる頭痛と軽く見ては後悔するかもしれない、頭のしびれが引き起こす病気の紹介をします。当てはまる症状がある場合はすぐにお近くの医療機関で検査をしてもらいましょう。

頭の中はどのような作りになっているのか

頭人間の頭部には消化器官と感覚器官、神経系、骨、筋肉、更にそれらの間を縫うように血管が詰まっています。

その中でも、頭痛を引き起こす原因は感覚器官と神経系、骨、筋肉、血管にあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

感覚器官

感覚器官とは、物理的刺激や科学的刺激を受ける受容器官の事です。刺激とは痛みや温度、光、音、味、触覚などです。感覚器官はそれらの情報を受け取り、末梢神経へと伝達します。

神経系

神経系とは、中枢神経である脳と脊髄、それ以外の神経である末梢神経の総称です。

中枢神経は頭部の最も深い部分にあり、人間が生きるために必要な体の動きを常に命令しています。呼吸などの無自覚な動作から、運動など意識的に体を動かす動作などは全て中枢神経から発せられています。

末梢神経は脳からの命令を各臓器や器官に伝達する役割を持っています。また、外部からの刺激を中枢神経に伝える役割も担っています。末梢神経が感覚器官から受け取った周囲の情報を中枢神経である脳に伝えることで、脳は次のアクションを決定します。

また、一定の基準によって危険を察知した場合は、脳に指令を求めることなく、脊髄などにおいて反射行動を行い危険を回避しようとします。

骨、筋肉、血管

骨、筋肉、血管は感覚器官や神経系を動かしたり、保護したりする役割を担っています。

頭部の骨は頭がい骨と呼ばれ、中枢神経である脳を覆って保護しています。頭部の筋肉は頭がい骨の周辺に張り付いており、感覚器官や表情を動かします。

血管は奥に行くほど太くなり、脳を動かすのに必要な大量の酸素や栄養を供給する大切な役割を担っています。

頭部が痺れる頭痛

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頭部に痛みを感じる場合は、上記に紹介した重要な器官がダメージを受けている場合が高いです。ここでは頭の痺れを引き起こす頭痛を紹介します。

緊張性頭痛

緊張性頭痛とは、頭部を覆う筋肉が柔軟性を失って縮み、縮んだ筋肉を元に戻すために引っ張る力が加わることで起こる頭痛です。頭痛と言っても刺すような痛みや慢性的な鈍痛ではなく、締め付けられるような圧迫感を感じます。痛みが筋肉の動きに合わせて移動することが特徴です。

緊張性頭痛の原因はストレスや睡眠不足、慢性的な疲労です。頭痛以外にも、これらの原因による別の病気が併発する可能性があります。

頚性頭痛

頚性頭痛とは、首の骨の一部である頚椎と呼ばれる部分の、関節機能障害によって引き起こされる頭痛です。首には頭部から延びた中枢神経が通っていますが、その神経が頚椎の関節部分で強く圧迫されることで頭痛や痺れを引き起こします。頚椎を通る神経は顔面にもつながっているため、目や額に痛みを感じる場合もあります。

頚椎に関節機能障害が起こる原因は、事故による損傷のほか、姿勢の悪さや寝違えが原因の場合もあります。神経が圧迫された状態が続くと、神経の先に通じる器官の機能に問題が生じる場合があります。

群発頭痛

群発頭痛とは、毎日決まった時間になると連日起こる(群発する)頭痛の事です。側頭部や目の奥に激しい痺れや引き攣るような痛みを感じます。特に深夜から朝方にかけての睡眠時間中に症状が現れることが多く、不眠に悩まされることもあります。

群発頭痛が発症した場合、痛みのほかに目の充血や鼻水や涙が出るといった症状が現れます。まれに鼻血が出てくる場合もありますが、驚かずに対処しましょう。頭痛は始まってから1~2時間で収まることがほとんどです。20~30代の男性に見られる病気ですが、発症率はそれほど高くはありません。

群発頭痛は、脳にほかの疾患がないことが確認されてはじめて診断が下されます。原因の特定がされていない病気ですが、投薬治療で痛みの緩和が可能です。

頭のしびれを感じる病気

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続いて、頭がしびれる症状のある病気を紹介します。

睡眠時無呼吸症候群

寝ている間に10秒以上呼吸が止まることを無呼吸と言いますが、それが1時間に5回以上、もしくは7時間に30回以上起こると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。40代以上の男性に多く発症し、飲酒量の多い人や肥満の人はそうでない人に比べて発症率が高くなります。無呼吸のほかに、いびきも症状の一つに含まれます。

睡眠時無呼吸症候群の原因は、睡眠時に喉の筋肉が弛緩し、気道が塞がってしまう事です。気道が塞がれほとんど呼吸が出来なくなるので、寝息も聞こえなくなります。取り込む空気が減って体内の酸素が薄くなったところで筋肉に覚醒反応が起こり、気道が開こうとします。その際にいびきが発せられます。

症状が現れると、息苦しさから寝汗がひどくなります。また、呼吸が苦しく心拍数が上がるため、起きた時にひどい倦怠感や疲労感を感じます。無呼吸を頻繁に繰り返すと筋肉の覚醒が何度も起こり、眠りが浅くなるため、慢性的な睡眠不足や、不眠、日中の居眠りなどを引き起こします。

無呼吸状態による酸素不足やストレスは、頭痛を引き起こす原因です。また、高血圧を併発したり、居眠りによる事故を誘発する危険性があります。

睡眠時無呼吸症候群はアルコールによる筋肉の弛緩や、肥満が原因の上位を占めているため、生活習慣をよくすることが予防につながります。また、扁桃腺が大きいと気道が塞がれる原因になるため、注意が必要です。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、背骨中央部分に5つある椎骨と呼ばれる骨の椎間板に亀裂が入り、内部から髄核が漏れる事によって周辺の中枢神経を圧迫する病気です。激しい腰痛と体の片側に痺れを感じます。圧迫される神経のつながる先によって痺れを感じる部分は様々ですが、足が上がらなくなる場合やひどい耳鳴りや頭痛を感じる場合など、様々な症状が起こります。

椎間板ヘルニアの原因はさまざまで、重い荷物を持ち上げるなどの、背骨に負担のかかる動作を繰り返すことや、運動、事故による損傷などがあげられます。また、高齢になり骨がもろくなった場合にも起こりえます。

痺れを放置しておくと運動障害を起こしたり、重度の場合は体に麻痺が残ることもありますので、疑わしい症状が出た場合は早期に医療機関で受診することが大切です。

治療は痛み止めの投薬と、コルセットなどで患部を固定しての保存療法となります。治療中は椎骨に負担を掛けず、安静にしていることが求められます。重度の場合は手術によって漏れ出した髄核を切除しますが、激しい麻痺を起こしている場合のみとなります。手術を行った場合も、10%ほどの割合で再発する可能性があるため、注意が必要です。

治療を受ける前に日常生活に支障をきたすほどの麻痺が発生した場合は、治療後も後遺症が残る可能性が高いため、早期の発見が大切になります。

脳血管障害

脳血管障害は、脳にかかわる血管の病気です。脳血管障害には以下の3種類がありますが、いずれも手足や頭の痺れ、酷い頭痛などが前触れや後遺症として現れます。

発症した時点で命にかかわる病気であり、快復後も麻痺や言語障害などの後遺症が残ることがあります。処置が早かった場合は、リハビリテーションにより回復することもあります。

脳梗塞

脳内に流れる血管の一部に血栓がつまったり、動脈硬化で血管が塞がってしまい、血液が止まってしまう病気です。脳内の血管は一本が止まってしまうだけで脳に重大な影響を与えます。血液の届かなくなった先の脳には酸素やブドウ糖が運ばれなくなるため、脳細胞が死滅してしまいます。

脳梗塞を起こしやすいのは高齢者です。加齢や高血圧、糖尿病、喫煙などが原因で脳内で動脈硬化を起こした場合や、そこでできた血栓がはがれて血管内を流れ、更に奥の部分で詰まってしまいます。

脳梗塞は生活習慣と深いかかわりがあるため、健康的な生活を心がけ、血液の粘度が高くならないよう、しっかりと水分を補給することで予防が出来ます。

脳出血

脳出血とは、脳内に張り巡らされた血管が何らかの原因により破れ、血液が流出する病気です。漏れた血液が脳の内側から圧力をかけるため、圧迫された神経が以上をきたし、麻痺や意識障害が起こります。出血が脳幹部を圧迫した際は死亡することもあります。

原因は高血圧による血管の破裂が多数を占めます。また、血管が破裂せずとも、腫瘍が出来て脳を圧迫している場合は激しい頭痛や記憶障害、手足の麻痺がおこります。

高血圧の人の発症率が高いため、血圧を下げる治療や生活の改善を行うことである程度リスクを回避することが可能です。詳しくは、脳出血の前兆とは?頭痛やしびれなどの症状に注意!を参考にしてください。

くも膜下出血

脳血管障害の中で最も死亡率が高く危険な病気が、くも膜下出血です。脳出血と似通っていますが、漏れ出た血液がくも膜の内側にある脳脊髄液の中に流れ込んだ状態をくも膜下出血と言います。

くも膜下出血の特徴は、突然激しい頭痛が起こる事です。重症の場合は歩行が困難なほどの頭痛に見舞われ、嘔吐したり、意識が混濁することもあります。直ちに救急車を呼んで病院に向かう必要があります。

くも膜下出血は脳内に出来た脳動脈瘤という腫瘍が破裂することで起きます。脳動脈瘤はCT検査で確認することが出来るため、早期に発見された場合は手術で取り除くことも可能です。ただし、場所や患者の年齢によっては難しい手術になることもあり、医師との相談が必要です。

詳しくは、くも膜下出血の前兆をチェック!頭痛に要注意?を読んでおきましょう。

まとめ

頭の痺れには上記のような重大な病気が潜んでいる可能性があります。たとえ軽度のものでも放置せず、医療機関に相談したり、診断や精密検査を受けることが大切です。

  
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