辛いものを食べて下痢が起きる時の対処法は?原因や症状を紹介!

辛口の方って、どうしても止められないようです。決まって半日くらい後で下痢してしまうのに、しばらくすると辛いものが欲しくなる。

食べたい、下痢する、後悔する・・・の繰り返しで悩む方、下痢しないで辛いものを楽しめる方法があります。そして、辛いものを楽しむ上でしてはいけないこともあります。

健康を守るために、したいことをしながら、してはいけないことをしっかり把握しておきましょう。強い刺激物を体内に取り入れるわけですから、安全な楽しみ方をご説明します。

辛いものと下痢の関係

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辛いものを食べて下痢した時、肛門が焼けるように熱いと聞いたことがあります。それでもバッグの中にマイ・タバスコを持ち歩いて、かけてしまう方、そろそろ考えてみませんか・・・

下痢の原因・カプサイシン

ここでいう辛いものとは、唐辛子を指します。唐辛子の成分、カプサイシンについて説明いたしましょう。

正確には、カプサイシンは辛いというより、痛いに近いものがあります。それほど強烈な刺激で「痛覚刺激」に分類されます。役割としては脂肪燃焼作用や発汗作用が挙げられます。

一時、カプサイシン ダイエットが流行りました。韓流ブームを背景に、韓国の美しい女優に憧れてキムチを食べて痩せよう!という話をよく聞きました。実際には焼き肉とビールのアテになってしまい、ダイエット効果は見込めなかったと記憶しています。

このカプサイシンに塩分は含まれていません。それが高血圧の方々に喜ばれて減塩の救世主としてもてはやされた時期もありました。これも刺激物の過剰な摂取は血圧を上げてしまうという最もな理由ですたれてしまい、短命な流行でした。

このカプサイシンは交感神経を緊張させます。腸の蠕動活動を活発にさせてしまい、大腸で水分の吸収をする時間を失ってしまいます。それで多量の水と便が排泄されて下痢便になると世間では説明されています。それに加えて、カプサイシンが胃の粘膜を傷つけて消化不良なまま腸を経過して排泄にいたるので、どうしても下痢便になるというわけです。

下痢、どうすればいい?

下痢の時にありがちなこととして、多量の水分が失われたから水分補給に努めるでしょう。水分補給も大事ですが、飲んでほしいのは乳性飲料です。カプサイシンは水に溶けにくい性質を持っています。しかし、牛乳や乳製品には溶けやすいのです。身体に入ったカプサイシンを薄めたいとお考えでしたら、牛乳やヨーグルトドリンクなどを飲んでください。

タンニンを含む緑茶やコーヒーには整腸作用があるので、水分として補給しても回復が早くなります。

ここで気をつけていただきたいのは乳製品アレルギーを持っていないかどうかです。かえってアレルギー性の下痢になってしまっては逆効果です。コーヒーも、もともとお腹に合わない方は避けてください。

肛門の粘膜までヒリヒリするくらいの刺激物です。下痢をしたあと、肛門をティッシュで拭くのは控えてくだださい。ウオシュレットの温水で優しく洗い流し、空気を当てて乾燥させて様子をみてください。もともと切れ痔の方は慎重に排便後の処理をしてください。

丸一日たって、まだ排便時、痛みが残るようなら肛門科に受診をお勧めします。肛門の奥のほうに裂傷が潜んでいるかもしれません。また激辛にはまってしまって、肛門がひりつくような下痢を繰り返してしまっている方は要注意です。肛門の粘膜に強い刺激があるということは、それ以前の消化器全てのより強い刺激があったということになるからです。肛門科だけでなく消化器系の受診も視野に入れましょう。

してはいけないこと

下痢をしても辛いものをやめられない方に、どうしても守ってほしいことがあります。

まず、脂っこいものと辛いものを一緒に食べない事です。カプサイシンは水には溶けにくいのですが脂にはよくなじみます。脂溶性といって、溶けて脂と一体化するのです。

刺激の強い脂が口から肛門までの消化器官をことごとく損傷させていきます。塩酸の消化液を出せる消化器官は胃の上半分だけです。他の粘膜は馴染ませたり、吸収したりという機能で強い刺激から身を守る術を持っていません。ただれて炎症を起こし、潰瘍になるのも時間の問題です。

辛いものがやめられないのなら、せめて少しでもリスクの低い食べ方をしましょう。最悪なのはトンカツに唐辛子を山盛りかけて、お酒を飲みながら食べることでしょうか。これは一種の消化器テロです。

今は世界中からたくさんの香辛料が手に入ります。和食に合った国産の唐辛子だけでなく、ハバネロ、タバスコ、もうこれは香辛料ではなく劇薬ではないかというものまで売られています。辛い度数で自分のステータスを競う飲食店も、たくさんできました。

知っておくこと、自覚すること、これしか世間の流行から身を守ることはできないかもしれません。

それでも辛いものがやめられない!

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口内炎ができようが胃腸炎になろうが下痢しようが、とにかく辛いものがやめられない激辛ファンは存在します。もはや流行が過ぎても根強い残党がいるのです。一体、何がそうさせるのでしょう?

辛いものがやめられない原因は?

辛いものが味覚というより、もしろ痛覚にあたるという説明をしました。この刺激によってアドレナリンとエンドルフィンが出てきます。これは脳内麻薬の物質です。

特にエンドルフィンはモルヒネの6.5倍の鎮痛作用があります。脳を活性化して精神性のストレスを解消し、免疫細胞の防御反応を強化するという素晴らしい物質です。

辛いものを食べることで脳内麻薬を出せると、知って食べる人はいないでしょう。身体が知ってしまえば要求するのです。マラソンランナーのランナーズハイがこれにあたります。マラソンより、はるかに手っ取り早い方法でエンドルフィンが手に入るのなら最高だと、脳が認識するのです。

このエンドルフィン、実は高カロリーの食事をとることでも多く分泌します。高カロリーの油脂食品、決してカプサイシンと組み合わせてはいけないものを脳が要求してくるのです。麻薬ですから常習性があります。満たされて開放されるわけではありません。エンドルフィンが放出されると、ネガティブなアドレナリンがやってきます。そしてまた、エンドルフィンがほしくて脂っこいカプサイシンが欲しくなる・・・こうして粘膜破壊の負のループが完成してしまうのです。

五感や本能によって得られるエンドルフィンは有限です。放出され、尽きればアドレナリンの襲来を受けます。しかし精神的な刺激で得られるエンドルフィンは無限です。芸術、技術、愛情などによって得られるエンドルフィンの対象を見いだせた人生こそ幸せといえましょう。

辛いものを食べた時の下痢予防とは

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無限エンドルフィンの対象に出会うまで、脳はカプサイシンを要求するかもしれません。しかし、粘膜の悲鳴にも耳を傾けましょう。消化器官が全滅しては生命維持ができません。

辛いものを食べる前に乳製品をとって粘膜を保護しましょう。牛乳、チーズ、などをしっかりとって、しばらくしてから野菜や炭水化物、脂っこくないたんぱく質と一緒に辛いものを食べましょう。

冷たいものや熱すぎる状態で辛いものを食べると、粘膜は更に刺激を強く受けて下痢の激しくなります。腸の蠕動活動が活発になってしまう、もう一つの理由は消化器官が「早く排泄させるべき異物」とカプサイシンを認識するからです。常温のカプサイシンでさえ腸の中でスクランブルが発生するのに、これで温度刺激まで加われば粘膜破壊リスクが一気に増加します。

慣れて馴染む?

一気にガツンとくる激辛刺激、これによってエンドルフィンを手軽に分泌させることを知ってしまった脳と、できるだけ早く排泄した消化器官とのせめぎあい、これが辛いものを食べて下痢を繰り返す理由です。

しかし、世界にはそんなスパイスばっかりの食事で育つ民族もいます。たしかにスパイシーな食事をする民族は食前から乳製品を出しますが、それだけが継続可能な理由とは思えません。

刺激というのはいきなり大きいと反応しますが、小さな刺激には反応しません。10の刺激にしぎに反応するとしても、1の刺激を10日くらい続けて、2の刺激をま10日くらい続けて。3の刺激を・・・と継続すると、100日後の10の刺激感は、なんと1です。

これを「慣れる」といいます。刺激に対して抵抗感がなくなるのです。良くも悪くも人間にはこのシステムがあります。脳は一気に大きな刺激を求めますが、消化器官の粘膜に対して少しづつ慣らして損傷レベルを下げていくことは可能です。

幼少期から少しづつスパイスに慣らされた子の消化器官に問題はありません。このシステムの導入で粘膜を守りましょう。

辛いものを食べるリスクも紹介!

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それでも辛いものを食べることが安全無害になるわけではありません。下痢をしてまで食べるからには覚悟しておいてほしいこともあります。

激辛のリスク

強い刺激に味覚の器官が損なわれてしまいます。甘い、辛い、酸っぱい、などの通常感じる味がよく分からなくなります。味覚異常になります。調理関係者はよく自覚しておかなくてはなりません。タバコ以上に害が大きいのです。

度重なる粘膜損傷から潰瘍ができ、癌遺伝子を持っていれば癌化する可能性は極めて高くなるでしょう。

脳が要求するくせに、脳細胞もダメージを受けます。それは精神異常をきたしやすという形で現れます。麻薬患者が精神を破壊するまでの猛毒性はありませんが、落ち着きがない、落ち込みやすい、などが人格に加わります。

激辛依存症

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これは自分のコントロールを失った刺激依存です。別に食べたいわけでも、美味しいわけでもありません。ただ、辛いものを食べないと、何か不安になりのです。

傷みに近い激辛刺激が口の中に走った瞬間だけ、ほっとして、後はすぐに不安がやってきます。楽しくてしているわけではなく、何が不安かもはっきりしないまま、ただ辛いものを求めます。下痢が苦痛というより、精神的な苦痛が大きいのです。

こうなると、身体にどう悪いとか納得してもらえる次元ではありません。

まとめ

人間は味覚を進化させて美食文化を築き上げてきたというのに、脳の原始的な要求に負けて下痢をするという弱さも持ち合わせています。辛い、という味覚は本来は危険察知に近いものです。甘い、旨い、に比べると警戒させるはずです。

しかし、一定の辛さを越えると脳に禁断のスイッチが入って支配されてしまうのです。この意味では辛いのに甘美な毒といえましょう。きちんと向き合い、トイレに駆け込む回数を減らしましょう。

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