食の欧米化が普及する中で、大腸がん、直腸がんの患者が日本では増え続けています。男性に発生しやすいと言われている直腸がんですが女性にも増えています。死亡率は男性4位、女性1位となっています。又転移や再発の多いのも特徴です。
直腸がんの症状を早くみつけ、早く治療すれば生存率は高くなります。小さな症状を見逃さず早期発見につなげるかが鍵となるでしょう。
又大腸がんの予防法は食べ物が大きく関わっています。がんに成りにくい身体を作り、直腸がんの早期発見するためのヒントをみつけて、毎日の生活に取り入れてみませんか?
腸についてのお話
腸の働きとは
直腸がんの症状を知る前に、腸の働きについてざっと見てみたいと思います。何故なら腸は私達の健康に大きく関わってくるからです。腸が健康であれば身体も健康が維持できる、とも言われて私達の健康にとって腸は深く結び付いています。
腸の働きは発酵と腐敗を起こさせます。腸が発酵している時は、腸内環境もよく健康が保たれているでしょう。腸が腐敗を起こした時、直腸がんなどの病気になります。
腸には免疫細胞の60%が集まっています。身体の中の半分以上の免疫細胞が腸に集まり、身体にとって害に成る物が侵入すると、脳に伝達し敵と戦います。腸内環境がよくなれば、免疫力も強くなり病気に打ち勝つ力がつく事でしょう。
腸の中はどの様な菌が居るのでしょうか?
腸の中には善玉菌、悪玉菌、日和三菌が存在しています。健康な身体を維持するには、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7が理想です。腸内の細菌は600兆個~1000兆個あると言われています。その中は日和見菌が70%占めていますので、日和見菌のゆくえで健康が決まると言っても良いのではないでしょうか?
日和見菌は善玉菌が優勢な時は善玉菌に、悪玉菌が優勢な時は悪玉菌に手を貸す厄介な菌です。それだけに腸内の善玉菌をふやす事で、直腸がんを予防する事もできるのです。
直腸がんの症状
直腸がんの症状について紹介します。
直腸がんの初期症状
さて直腸がんの初期症状は、どの様なものがあるでしょうか?直腸がんは大腸がんの一つです。大腸がんには結腸と直腸にわかれ、この部位の直腸にできたがんをいいます。
直腸がんの一番多い初期症状として、下血があります。肛門近くにある直腸はがんができると、がんが直腸に傷をつけて、肛門から出血する事があり血便がでます。便に血が混ざっているので、毎日の便を観察しているとチェックできます。
しかし痔と間違えやすく放置している方が多いので、少しでも血が混ざっていたら病院に行って調べてもらうほうが早期発見につながります。
血便が分からないでいると、貧血の症状がでる事もあります。直腸がんの出血は胃潰瘍などと違って、じわじわと出血する為、貧血になって調べてみると直腸がんだったという事が良くあります。
また、排便した時に便が細くなる事もあります。直腸にがんができる為、便の通り道が塞がれ便が細くなったり、排便がないのに便意を度々感じたりして、トイレに長く座り込む事もあります。
さらにお腹が張ったり、違和感を感じたり腹痛を伴う事もあり、貧血が進むと疲れやすくなります。大腸がんになると、腐敗した臭いの、おならが沢山出る様になります。
食べ物の改善や、生活環境の改善をおこなっても、下痢や便秘がつづいたり、便が細く出るのが続いたり、腐敗したおならが沢山でる場合は、大腸がんや直腸がんを疑った方が間違いないです。
直腸がんの進行症状
直腸がんが進行してくると、排便に伴う障害が色々でてきます。まず便が細く成る、下痢や便秘が繰り返される等の症状が出てきます。
健康な便はある程度硬さや太さがある、バナナ状の便が健康な便です。便が細く成る事は直腸にがんができているので排便するときに、がんが邪魔して便が細く成ってでてきます。
進行すると体重減少が起こり痩せてきます。食欲が無くなったり、腸が狭くなる狭窄等が起こってきます。又吐き気や嘔吐なども増えてきます。
直腸がんの原因は一体何が原因なの?
直腸がんの原因について紹介します。
直腸がんの原因
直腸がんの原因は今の所、はっきりした原因は解っていません。ただ食の欧米化に伴い、大腸がんが増えていますので、動物性脂肪の摂りすぎによるものではないか?と考えられている様です。断定的なものは解っていません。
がんの原因に運動不足、野菜不足、動物性脂肪の摂りすぎ、たばこアルコールの飲みすぎ等が大きく関係あると言われています。その中でも食生活と、たばこが大きく関わっています。何故そのように言われているのかと言いますと、食の欧米化にともなって、がんが増えてきているからです。
またたばこはあらゆる病気の原因になっています。病気にならない様にするためには、禁煙が一番良いです。
直腸がんを予防する為には?
直腸がんの予防方法について紹介します。
直腸がんの食事の予防
直腸がんにならない為にはどのような、食べ物を食べたら良いのでしょうか?まず大切なことは毎日の食事はバランスよく3食、食べる事が基本となります。直腸がんに良いからといって、偏った食事をしていると、がんになりやすい身体に成ります。
その上で青魚に含まれる、DHA・EPAのオメガ3不飽和脂肪酸をとると、がん予防に成ると言われています。しかし国立がんセンターの予防研究グループが調べたところによると、魚を多く食べたからといって、直腸がんのリスクは変わりませんでした。
野菜や果物に含まれる食物繊維は、発がん物質を吸収すると言われています。又緑黄色野菜のβーカロティンは、活性酸素を除去する働きがあるので、発がんが抑えられると言われています。果物や野菜から作られるフィトケミカル(ファイトケミカル)には、がんを抑える効果があります。
フィトケミカルには有名なポリフェノールがありますが、カロテノイドやβーグルカン、イソフラボン、ペクチン、リコピン等もあります。これらは抗酸化作用が強く、がんが細胞を傷つけるのを修復したり防いだりする働きがあります。
又カルシウムとビタミンDを摂る事で、大腸がんを低下させる働きがあります。カルシウムもビタミンDも骨を作るのに必要な栄養素です。このカルシウムとビタミンDが不足する事で、大腸がんのリスクが高く成ると言う研究結果が出ています。
どの様な食べ物を食べたら良いのでしょうか?
◆発がん物質を吸収する食物繊維を多く含む食材
わかめ、ごぼう、にんにく、納豆、エンドウ豆、パセリ、アドガボ、さくらんぼ、しそ等
◆カルシウムを多く含む食材
モロヘイヤ、しらす干し、いわし、シシャモ、サクラエビ、油揚げ、がんもどき、チーズ、
大根の葉等
◆ビタミンDを多く含む食材
干ししいたけ、きくらげ、うなぎ、さんま、さけ、まぐろ、しらす、いわし、ヒラメ
かれい等
◆抗酸化作用の強い食材
すいか、とまと、さくらんぼ、赤ワイン、りんご、みかん、とまと、バナナ、キウイフルーツ
ブルーベリー、大豆、豆腐、豆乳、かぼちゃ、ニンジン、いちご、レモン、ブロッコリー等
直腸がんのその他の予防
運動不足、たばこ・アルコールの飲みすぎが、がん体質を作りやすくしています。ですから直腸がんの予防として、適度な運動、禁煙、アルコールの量を減らす、食べ過ぎをなくすなどが、直腸がんを予防するうえで大切です。
直腸がんを予防するには生活環境の見直しと、食生活の見直しは非常に大切です。加工食品や動物性脂肪の摂りすぎはがん体質になりやすい身体に成ります。
食物繊維や緑黄色野菜等の野菜や、魚中心の食べ物に変え、毎日ウオーキングや適度な運動をすることで、がんに成りにくい体質に改善されるでしょう。たばこは非常に身体に悪いので、出来れば禁煙が一番よいです。
食べる量も大切です。余り食べ過ぎるとこれまたがん体質の身体になってしまいます。腹八分目が体質改善には必要です。
症状がでたらどうしたらよい?
初期症状がでたら
初期症状かな?と疑う時は、早めに大腸肛門科にいかれる事をお勧めします。直腸がんは早期であれば難しい手術ではありますが、生存率は高くなります。
直腸検査は現在では直腸鏡検査等があり、検査をする段階で簡単なポリープ等でしたら、取り除く事もできます。直腸がんに移行する前にみつければ、簡単な手術ですみます。
直腸がんの初期は症状が全くでないことが多いです。その為にも40代くらいからは、検査をされると早期発見につながる事でしょう。若い人でも現在では直腸がんになる人がいますのでちょっとした症状も見逃さない事です。
第Ⅰ期で91%の生存率、第Ⅱで85%、第Ⅲaで78%、第Ⅲbで60%、第Ⅳ期で10%となっていますので、いかに早く気が付いて治療するかが大切です。
しかし転移、再発もしやすいです。全部切りとっても17%が再発します。再発を防ぐためには生活環境、食生活を変える事が必要です。
直腸がんの治療方法
直腸がんの治療方法は外科手術が第一番です。しかしとても難しい手術です。何故かと言いますと直腸が骨盤の中にあるからです。
男性の場合は直腸の前方に膀胱、前立腺、精嚢があります。女性の場合は膣、子宮、卵巣、膀胱といった大切な臓器があるから、先生とよく相談されると良いでしょう。
その他に放射線治療、化学療法、標的療法等の治療方法があります。治療方法は先生と良く相談されて、納得したうえで受けられる方が良いと思います。
まとめ
如何でしたでしょうか?直腸がんの症状について少しはお分かりいただけましたでしょうか?腸は私達の身体にとって健康を維持するうえでとても大切なものです。腸の腸内環境を整える事が直腸がんを防ぐことにもなります。いまからでも遅くありません。腸に優しい食事を心がけて、腸内環境を整えて見ては如何でしょうか
直腸がんかな?と疑う時は早めに専門医を訪れて、先生と良くご相談されることが良いと思います。早期発見早期治療を行えば、完治する事も夢ではありません。又生活習慣の見直しや食生活の見直しをされる事で、これからの人生を考え直しては如何でしょうか?