いくら寝ても「寝たりない」「眠い」「まだ寝たい」という感覚に陥った経験あると思います。大事な会議だったりテストがあると辛いんですよね~。
そもそも眠気の原因とは何なのか。睡眠時間はしっかり取っているはずなのに眠気が襲ってくる人は、もしかしたらあの症候群かも?!ここでは原因解明と対策方法をお教えいたします。
眠気のメカニズム
まずは眠気がどのように発生しているのか確認してみましょう。
眠気の仕組み
1つ目。ある程度生活リズムが定まっている人は体内で24時間のサイクルが決まっています。人間は必ず体内時計を持っています。概日リズム(サーカディアン・リズム)と言って、24時間周期で変動する生理現象の事です。
睡眠やホルモン分泌、血圧や体温調整など24時間に合わせて保っていく働きをします。この概日リズムは光を浴びる事によってリセットされるので、日光が上ってきた朝に「起きなきゃ」という信号を発し、光が沈むと「寝なきゃ」という信号が起きるのです。
2つ目。起きている時間に働働いている筋肉には疲労物質が溜まっていきます。また脳には、脳が動いている時間と使用した量に比例して睡眠促進物質が脳に溜まります。
睡眠促進物質は主に「プロスタグラディン」「サイトカイン」「神経ペプチド」があります。この物質が出ている事は分っているのですが、それがどうった働きをしているかというのはまだ解明されていません。これらの物質がたくさん溜まってくると眠気が起きるのです。
なぜ人は寝るのか
1.脳の活動を休める為
朝起きてそこから夜まで脳の活動が活発になります。目で物を確認したり耳で音を聞いたり運動したりと、人間は何をするにしても脳が関わってきます。脳をフル稼働していると徐々に脳の熱が高くなり、それを眠らず使い続けるとオーバーヒートしてしまいます。そうならない為に睡眠を取る事で脳を休めるのです。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。寝ている時でもほんの少しですが脳が活動する時間があります。それがレム睡眠です。皆さん夢を見る事がありますよね?それはこのレム睡眠時に脳が活動しているからなのです。逆にノンレム睡眠は脳の活動がなく、ぐっすり安眠出来ている状態です。
2.脳の整理をする為
眠りにつくまで、起きている時間に見た物や聞いた事を頭の中に詰め込みます。が、その際正しい場所に記憶されておらず、とりあえず脳に入れただけになっている状態です。これが寝る事によって脳の正しい場所へ保存され、いつまでも忘れないように整理されます。
よくテストの時期になると徹夜や一夜漬けで勉強する人がいるのですが、その日は良いのですが長期に渡って記憶する事が出来ないのであまり意味がありません。
3.ホメオスタシスを保つ為
ホメオスタシスと恒常性とも呼びます。人間のもつ重要な性質の1つで体内環境をいつも同じ状態にしようとする働きです。人間の体温はいつも同じ温度で保たれていますよね。これを維持しているのはホメオスタシスの影響があるからです。
4.体の疲労をとる為
長時間に渡り使用した筋肉には疲労物質が溜まります。そうすると体が重く感じたり動かしにくく感じますよね。それを筋肉を使用していない寝ている間に溜まった疲労物質を分解していくのです。
筋肉は働いていないので疲労物質は発生しませんし、溜まっている疲労物質は分解されるので、起きると体に感じる疲労が無くなりスッキリ出来るのです。
眠気が取れない原因は?
いくら寝てもすぐ眠くなる時ってありますよね。
睡眠不足症候群
睡眠時間は平均ぐらい寝ているのになぜか日中眠くなるという人いらっしゃいますよね。もしかしたら睡眠不足症候群かもれません。慢性的な睡眠不足が3か月以上続き、夜寝たはずなのに昼間に眠気が起き、イライラを感じたり集中力が格段に下がる状態の事を言います。ただこれは病気ではありません。
――症状――
- 昼間に強い眠気
- 体がだるい
- 集中力が下がる
- イライラする
- 便秘気味になる
- 胃や腸が不調になる
こういった症状の他に睡眠不足症候群の特徴があります。それは、本人が睡眠不足に気が付いていないという事。極端に睡眠する時間が短ければ寝不足だという事を認識しやすいのですが、平均時間をしっかり寝ているので自分で認識するのが難しいのです。
睡眠不足で疲労が完全に抜けていないのに、普段忙しいから疲れが溜まっているんだと錯覚を起こしてしまうのです。
ーー睡眠不足症候群になりやすい人ーー
1.仕事や学校が忙しく多忙な人がなりやすいようです。帰宅する時間が遅いと勿論寝る時間も遅くなりますよね。他にも真面目・几帳面・完璧主義・意識が高い人・いろんな趣味を持っている人がなりやすい傾向にあります。
2.よく夜更かしをする人。ベットに入ってからも携帯を弄ったりテレビを見たりする人いませんか?ついつい時間を忘れていつの間にか寝ていたという人は気を付けて下さい。
3.これは意外かもしれませんが、平均睡眠時間よりも長く睡眠している人。寝過ぎて体が逆に重くなったという経験ありますよね。
もしかしたら自分も・・・と思い当たる節があるようでしたら毎日睡眠時間と起床時間を記録してください。平日と休日でその時間差が2時間以上あるようでしたら、睡眠不足症候群になっているかもしれません。
過眠症
過眠症で有名なのがナルコレプシーです。これは皆さんも1度は聞いた事あるのではないでしょうか?別名居眠り病とも言われています。昼間にコントロール出来ないほどの眠気が襲い、自分の意思には関わらず寝てしまう病気です。睡眠時間は10分から20分程で目が覚めます。
- 1日に3、4回居眠りをしてしまう
- 寝たとしてもすぐ起きる
- よく金縛りにあう
- 眠り始めに幻覚が見える
といった特徴があります。
鉄分不足かもしれない
実は、鉄分不足が原因で眠気が起こっている可能性もあります。眠気の他に体のだるさがあったり、すぐ疲れてしまう場合鉄分不足を疑いましょう。鉄分が不足しているとよく起こる体調の変化は貧血ですね。
貧血になると全身に酸素がうまく行き渡らず酸欠状態になり、疲労感が増します。勿論脳にも酸素が送られているわけでるが、それがうまく送られなくなると脳の活動が低下してしまい、眠気を引き起こしてしまうそうなのです。鉄分不足、貧血などの可能性も頭に入れておきましょう。
1日に必要な鉄分は成人男性が12~15mgです。成人女性は15~20mgです。それをどうやって摂取するかというと、一番はやはり食事で摂るのが良いのです。今はサプリメントなどで簡単に摂取出来るようになりましたが、毎日食事に取り入れるのが1番ですよ。
―鉄分の多い食材―
- レバー
- ほうれん草
- ひじき
- マグロ
- 大豆製品
―――――――――
これらの食材を3度のご飯のどれかで良いので必ず摂るようにして下さい。鉄分不足を解消すると眠気が無くなる他にも、集中力が上がり仕事や学業などが捗る率が高いのです。
目を覚ます方法
眠気を取る方法をご紹介します。
ツボ
道具を使わずに簡単に出来るのでオススメです。
1、晴明(せいめい)
――目頭の少し上に位置し、少し窪んだ部分にあります。
押し方は親指と人差し指で両目のツボを押します。鼻を摘まむ感じではなく、押し込む感じで押してください。
2、中衝(ちゅうしょう)
――中指の爪の付け根辺り人差し指側に少しズレている部分にあります。
押し方はもう1つの手の親指と人差し指で爪を挟むように持ち、親指の方に力を入れて揉み解してください。
3、労宮(ろうきゅう)
――掌中心部にあります。
押し方はもう1つの手の親指で中心部を押してください。
すべて指の腹で垂直に押してあげるのがポイントです。適度な力加減で気持ち良いくらいが一番良いでしょう。痛いと感じるほどまで押してしまうと、逆に悪くなってしまう場合があるので気を付けてください。
息を止める
息を大きく吸い自分のギリギリまで息を止めて下さい。脳が酸欠状態になるので危機的状況と判断し、眠気がなくなる事があります。やりすぎや止めすぎてしまうと、眩暈が起こる事があるので加減してやってくださいね。
カフェインを摂取する
よく眠くなったらコーヒーを飲むと良いと言われますよね。それはコーヒーにはカフェインが含まれているからです。
ですが、普段からコーヒーを飲んでいる人やカフェインを摂取している人には効果がなく、普段コーヒーを飲まない人には有効のようです。毎日摂取している物ですと体が慣れてきますからね。普段飲まない人は試してみると良いでしょう。
体を冷やす
人間の体は体温が上がっていると眠気に襲われやすいので、体温を少し下げると良いです。冷たい飲み物を飲んだり、その飲み物を飲む前に冷たい部分を肌に当てるというのも効果があります。
特にペットボトルよりも缶であると、更に冷たくて効果がありますよ。氷袋を肌に当てたり、お風呂に入れる状態でしたら少しぬるめのお湯を全身に浴びせると眠気が解消されます。
まとめ
私は6時間寝れば大丈夫!体のだるさや疲れは仕事が忙しいから。と思い込んでいる人はもしかしたら睡眠不足症候群の可能性が高いですよ。そしてこの症候群は日本人の約半数は自覚していないままかかっているのです。
忙しい現代だからこそ起こる事なのです。実際問題、睡眠時間を増やすというのは難しい話だと思います。そんな時は少しでも睡眠の質を高めるのが重要になります。自分が一番寝やすい寝具を使ってみたり、リラックス出来る状態を作るのが一番大事です。
また、昼間の眠気を覚ます方法を載せておきましたので是非試してみて下さいね!
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