脳卒中の症状とは?原因や対処法、治療法を紹介!

「脳卒中になると頭に激痛が走って突然死する」というイメージがある方、TIAをご存知でしょうか?予兆になる発作、TIAの症状を知っていれば予防が可能です。

脳卒中と一言にいっても原因も症状もさまざまです。同じ脳卒中でも脳梗塞か脳出血かで対処も回復の可能性も違います。原因も加齢や高血圧だけではなく血管の奇形や事故、極度の過労の場合もあります。若い人でも誰でも脳卒中になる危険があります。

認知症の原因の中ではアルツハイマー型認知症が有名ですが、脳卒中は認知症の原因の一つです。脳卒中の症状を確認して予防や対策をしましょう。

そもそも脳卒中とは?

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症状によっては死亡、もしくは障害が残ってしまう脳卒中の基本的な情報を確認しましょう。

脳卒中になるとどうなるの?

外傷や血管の病により、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳の一部の組織が壊死(細胞が死ぬこと)する、あるいは圧迫されて機能が低下します。脳卒中を放置すると死亡したり重い障害が残ったりします。

どんな障害がでるかは個人差があり、体の麻痺、失調、言語障害、嚥下障害、失行、失認、意識障害などが見られます。認知症の原因にもなります。

いずれも介護や介助が必要になるケースが多い障害で、脳卒中は寝たきりになる要因としては2番目に多い病気です。

しかし症状をよく知っていれば、寝たきりなど深刻な障害を避けられるかもしれません。

脳卒中と脳梗塞と脳出血の違いは?

脳梗塞と脳出血とは脳卒中の種類の一つです。

血管が詰まることを脳梗塞と呼び、血管が破れる場合は、脳出血、くも膜下出血と呼びます。

これらの総称が脳卒中と呼ばれます。脳卒中は本来は医学用語ではなく一般的な俗称です。医学的には「脳血管障害」が正式な名称です。

脳梗塞にはさらに細かい分類があり、脳血栓症、脳塞栓症、TIA(一過性脳虚血発作)など原因や症状の程度によって区分があります。それぞれ症状が異なります。

突発的に脳卒中を引き起こすこともあれば前兆があることもあります。病名によって症状も後遺症の回復見込みも異なります。

脳卒中の具体的な症状について

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脳卒中には激しい頭痛があってすぐに倒れてしまうというイメージがありますが、意識障害が起こらない場合もあるので自分一人でも対処できる場合もあります。

症状は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血によってそれぞれ異なりますので紹介いたします。

脳梗塞とは

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脳梗塞は血管が詰まって起こり、高血圧、高脂血症、糖尿病、心疾患、生活習慣病、極度の過労、喫煙、女性用経口避妊薬の服用など、血管が詰まりやすい状態の人が発症しやすい病気です。脳梗塞に限らず、脳卒中は血流に関係します。

急な脳梗塞の場合3時間で壊死が進み、一命をとりとめても後遺症が残ります。壊死した脳細胞が元に戻る可能性は非常に低いので、症状がでたらすぐに対処しましょう。

脳梗塞の症状

脳梗塞の場合、意識障害が起こる前に以下のような症状がみられることがあります。

・片麻痺

体の片方、右半身、左半身だけが脱力して動かなくなることを指します。

脳のどこに血栓や破裂が起こるかによって麻痺が起こる箇所には個人差がありますが、外傷による内出血でもない限りその8割は大脳の内包で起こっています。

脳が左右でコントロールする部分が身体の左右半身で分割されているため、脳卒中は右半身、左半身だけに麻痺がみられるケースが多いのです。

・感覚障害

感覚障害とは「熱い」「痛い」などの温度感覚や痛覚が鈍くなったり、怪我をしたわけでもないのに激痛が走るなど感覚に異常が見られる症状です。

しびれる場合、持続的に同じ調子でしびれます。時々しびれる、徐々にしびれる、という場合は脳卒中のしびれではありません。

・失調

失調とは、麻痺はないものの体の一部がうまく動かせなくなってしまうことです。

力はあるのに歩いたりすると足がもつれたり、立つことができなかったり、物をうまく持てなくなる症状です。

動くことが全くできない麻痺に対して、失調は普段考えずに行っている「動かし方」を失うことを指します。意識もあり、目的を理解しているのに動かすことができない状態です。軽い場合は「手ボケかな?」と勘違いしそうですが、脳卒中の症状かも知れません。

・視覚障害

片麻痺と同じく、片目だけに起こりやすい症状です。片目が麻痺して何かの物で覆われたように見えなくなったり、視覚のコントロールを失調して物が二重に見えることがあります。

・言語障害

言葉を理解できなくなったり、自分で言葉を話せなくなったりします。

口が麻痺して動かせないわけではなく、脳の言語野が損傷されて言語的な失調を起こしている状態です。はた目からは怒っていたりふざけているように見えそうな症状ですが、脳卒中の可能性を疑ってもいいかも知れません。

・意識障害

失神したり、意識や判断力の有無を確認できない状態です。

脳梗塞の予防

基本的には高血圧、高脂血症、糖尿病、心疾患、生活習慣病、極度の過労、喫煙、女性用経口避妊薬の服用による血管の詰まりが原因で起こるので、規則正しい生活と魚中心の食生活などよくある高血圧の予防法と同様です。加齢によるものは仕方ない面もあります。

後述するTIAの症状に気付いて治療すれば、深刻な脳梗塞を予防できます。

脳梗塞の症状がでてしまったら

以上の症状が出たときには、脳梗塞を引き起こしている可能性があります。脳の異常のため認知症の症状に近いものもあり、実際に脳卒中は認知症の原因にもなります。

TIA(一過性脳虚血発作)に関しては、これらの症状が起こったのち30分未満で治まってしまうので見逃されがちです。

深刻な脳梗塞が起こると時間ごとに壊死が進んでいきますので、治療は早ければ早いほど障害を抑えることができます。3時間ほど経つと脳細胞の壊死がはじまり、その後障害が残るリスクが上がり、脳死することもあります。

後遺症が残った後も軽度の場合リハビリで改善することもあります。今までできることができなくなってしまうため、精神的な苦痛もあるのでケアが必要です。

TIA(一過性脳虚血発作)について

脳梗塞の症状が起こりますが、30分未満で治まる短い脳梗塞です。一度症状が治まってもTIAが起きた場合、その後も深刻な脳梗塞を起こす確率が上がります。

脳梗塞は血管が詰まることで起こります。

TIAが収まったときは、一瞬血管が詰まったけれど、何らかの理由で再び血流が通った状態です。再び血管が詰まりやすい状態なので、症状が治まってもすぐに治療が必要です。

脳出血とは

出血

脳内で出血し、血腫ができることで脳組織が圧迫されることが原因で起こる病気です。即壊死を起こすわけではなく、脳機能が低下するだけで済む場合もあります。

血腫が膨らみ過ぎなければ見逃されたり、自然に回復する可能性もありますが、血腫(脳浮腫)が膨らみすぎた場合、脳ヘルニアを起こし、死に至る場合もあります。

糖尿病や高血圧、生活習慣の悪い人やお年寄りだけではなく、脳動静脈奇形(AVM)や薬物によって若くて健康な人でも引きおこることもあります。いざというときに対処できるようにしましょう。

脳梗塞とはなにが違うの?

脳梗塞と違う症状も起こる場合があり、血腫を適切に処理すれば回復の可能性もあります。血腫による圧死で壊死してしまった脳細胞はやはり脳梗塞同様、回復する見込みは非常に低いです。悪化する前に治療する必要があります。

出血箇所による違い

出血箇所によって症状はさまざまです。出血箇所による症状の違いをご紹介します。

・被殻出血が起こった場合

発症する可能性が高い部分で、脳梗塞でも障害が起こりやすい内包での出血です。

そのため片麻痺、感覚障害、視覚障害、言語障害、意識障害、など、上記、脳梗塞で起こる症状と似ています。症状が軽い場合が多く場合によっては回復が見込まれ、リハビリが可能です。

・視床出血が起こった場合

内包が近いため被殻出血の症状と同様ですが、感覚障害が強く起こります。感覚が鈍くなったりあるいは過敏になります。また視床痛という右半身、左半身にひどい痛みが伴います。後遺症として残る場合もあります。

締めつけられるような痛みやびりびりした痛み、燃えるような痛みといわれており、激しい痛みを伴います。脳室まで侵された場合、意識障害をおこしたり眼球の向きが下に向いたりする場合があります。

後遺症の治療法はまだ確立されていないといわれています。薬物投与で様子を見たあと、痛みが軽減されない場合、脳外科手術を行うことが現状の対処法です。

視床は脳の深い部分にあります。外科手術はリスクが大きいためあまり行いません。

・小脳出血が起こった場合

頭痛、嘔吐、めまいが突発的に起こります。めまいは持続的で歩けないほどふらふらします。

意識障害が起こり最終的には呼吸困難に陥ります。対処が早ければ手術で改善し、社会復帰が見込まれることが多いです。

・橋出血が起こった場合

強い意識障害がある場合は重症になる出血箇所です。意識障害、呼吸障害、四肢麻痺、瞳孔収縮が起こり、死亡する可能性が高いです。瞳孔収縮の場合、瞳が右左上下に互い違いの方向を向くこともあります。

投薬や、血圧を下げるなどの治療法がとられます。軽傷の場合社会復帰も可能です。

・皮質下出血(脳葉出血)が起こった場合

普通、頭痛が起こることが特徴です。被殻出血の症状と似ていますが症状が軽度な場合が多いです。脳の外側のほうにあるため外科手術が可能です。

・尾状核頭部出血が起こった場合

突然頭痛と嘔吐、意識障害の症状がでるのでくも膜下出血と症状が似ていますが、手足の麻痺はないか、あるとしても軽度で済みます。

大出血でなければ回復しやすい症状です。

脳出血の予防

やはり血管の異常によっておこるので、規則正しい生活と魚中心の食生活などよくある高血圧の予防法と同様です。加齢によるものは仕方ない面もあります。

しかし脳動静脈奇形(AVM)や薬物、極度の過労によって若い人も発症する場合があります。油断は禁物です。

脳出血の症状がでてしまったら

多くは頭痛、嘔吐が起こるので、嘔吐によって窒息が起こらないような体制にする必要があります。救急車が来る前には、横を向き、気道を確保します。意識を失って舌がのどに詰まる可能性があるので注意しましょう。

昔は脳卒中の場合動かしてはならないという通説がありましたが、病院に運ぶことを優先したほうがよいです。病院では症状によりますが血腫を抑える薬を投与したり外科手術を行います。

脳梗塞と違って頭痛や嘔吐の症状が出た後でも適切な処置を行えば回復の見込みが期待できることが特徴です。後遺症も軽度の場合、リハビリで改善されることもあります。症状がでたらすぐに病院へ行って医師の診断を受けましょう。脳出血の後遺症については、脳出血の後遺症について!リハビリで回復できる?を参考にしてください。

くも膜下出血とは

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脳内で出血する脳出血とは異なり、脳と頭蓋骨の間にある「くも膜」に血液が流れ込むことをくも膜下出血といいます。原因は脳動脈瘤の破裂や外傷や脳動静脈奇形(AVM)です。

脳卒中に「激しい頭痛とともに突然死する」というイメージがついている方もいると思いますが、くも膜下出血のイメージではないでしょうか。

実は突然死するとは限りません。突然死はショックによる呼吸停止や、再出血が原因で起こります。最初の出血で3割ほどの人が亡くなってしまいますが、出血箇所によっては3割の人は社会復帰しています。軽症では頭痛が続くだけで歩いて会話できる人もいます。

ただし、くも膜下出血自体が軽度で済んでも血液が脳に触れることでさまざまな合併症を引き起こし、最低2週間は経過の観察が必要な状態が続きます。

くも膜下出血の症状

症状は合併症によって異なりますが、くも膜下出血自体の症状は、今まで感じたことがないすさまじい頭痛と嘔吐、意識障害です。意識障害が強く出た場合、重度の昏睡(植物状態といわれる状態)になることがあります。また呼吸ができなくなり、放置すると亡くなります。

前述した尾状核頭部出血などの脳出血との違いは片麻痺等の症状が起こることは少ないことです。(合併症によっては起こります。)軽症では歩いて会話できるほど動ける人もいます。その場合も頭痛の症状があります。

また一度くも膜下出血を引き起こすと、とても再出血を起こしやすくなります。軽度のくも膜下出血を放置して、再出血で亡くなるケースもあります。

しかし軽度でも、くも膜下の血液による汚染は危険な状態です。さまざまな合併症を引き起こし、脳梗塞による片麻痺や失語症、水頭症を併発します。

くも膜下出血については、くも膜下出血の前兆をチェック!頭痛に要注意?を読んでおきましょう。

くも膜下出血の予防

くも膜下出血は突然起こってしまうことが多く、未然に防ぐことが難しい病気です。原因となる脳動脈瘤は大きくならない限り痛みがなく発見が難しいためです。

脳動脈瘤はMRAで脳血管を写す方法で発見できます。脳ドックの脳動脈瘤検査で診察してもらえます。

脳卒中は高血圧など動脈硬化を起こしやすい人に起こりやすく、くも膜下出血も同様です。しかし脳動静脈奇形(AVM)や薬物によって若い人でも引き起こす場合があります。

くも膜下出血は誰でも起こす可能性があります。

くも膜下出血の症状がでてしまったら

突然死する原因は意識障害による呼吸障害です。くも膜下出血が起こって倒れた後でも口移し型の人工呼吸を行うと生存する可能性があります。

軽度の場合でも再出血や合併症を引き起こしやすい状態で非常に危険です。突然起こった強い頭痛はくも膜下出血の症状を疑って即刻、病院に行きましょう。

まとめ

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脳卒中には大まかに脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の症状があります。殆どは血流の健康状態が原因の病ですが、外傷や脳動静脈奇形(AVM)によっては誰でも起こりうる病です。

自分や周りの人に気になる症状がでたらすぐに気が付いてどんな対処が必要になるのか判断できたら頼もしいですね。脳卒中は時間との戦いといわれます。大切な人を助けられるようになれるとよいですね。

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