手足の爪は、健康のバロメーターともいわれることもあります。手の指の爪は、白い部分が見えないと何か病気があるとか、表面にでこぼこや、筋が入っているとこれも何か内臓に異変があるとか…。
ただこれはあくまでも目安なので、必ずしも病気にかかっているという訳ではありません。ただ爪に関しては重傷になるまで、案外と放っておかれるケースが多いのではないでしょうか?
今回はその爪が変形しているということについてお伝えしましょう。
変形爪の種類
では、爪が変な形になっている場合に考えられるものを紹介します。
爪甲厚硬症
爪の厚みがどんどん増していく症状です。
主に外的な要因がほとんどで、キツイ靴を履くとその爪の成長が妨げられたり、怪我をした際の妨げにより発症します。当然その妨げがなくなればよくなっていきますが、重症になると、歩く際にも痛みを生じるケースがあります。
これは人間の皮膚も同様に、常に擦られていたり圧迫されていると、その耐久のために皮膚が厚くなることがありますが、これと同じ理由です。そういう意味では、靴の選び方やはき方が重要になってきます。
無理に小さい靴を履くとか、痛みを我慢してはき続けることは、止めたほうがいいでしょう。強いていえば、それが対処法となります。
匙状爪(スプーン爪)
中央部がへこみ、ちょうど匙のような形になってしまう状態です。原因としては、甲状腺の異常や鉄分が不足している貧血症の人がなりやすいといわれています。
爪が伸びる部分に栄養がいかず、発育不足となっていることも原因に一つです。鉄分を補充していれば、徐々によくなっていきます。
陥入爪
手足両方になることが多いもので、爪に両サイドの角部分が伸びて肉に食い込み、痛みを伴うものです。これが丸く内側に巻いてくるのが巻爪です。陥入爪は真っ直ぐに伸びて、肉に食い込むものです。
痛みが伴いますが、痛いからと深爪すると悪化する傾向にありますので、角は切らずにヤスリ等で食い込んでも痛くない程度の丸みをつけるように処理するといいかと思います。主に、手や足の指がふくよかな方に見られる症状です。
巻爪
主に足の爪の問題で、一番症例が多いものです。爪の切り方と靴の選び方が巻き爪を引き起こすといわれています。とにかく肉に食い込んでしまうので、痛いというのが特徴です。初めは歩く際に痛い程度で治まるかもしれませんが、食い込みがひどくなってくると、普通にしていても痛くなります。
原因としては、サイドの角を深く切りすぎると、やがて切った部分の爪が内側に伸び始め、肉に刺さるようになってしまいます。対処法としては、サイドの部分はなるべく残し、切らないようにしたほうがいいでしょう。
ですが、なってしまった場合は痛みを感じる時点で対処をするのが無難です。放っておくと、どんどん巻いてきてひどくなります。この時点で、医師の診断を仰ぎましょう。
決して痛いからと、さらにその巻き込まれている爪を切ることは絶対に止めたほうがいいでしょう。こうなると、悪化してしまいます。
二枚爪
爪の構造は三層になっていて、そのうち上部の爪が剥がれてくる症状です。めったにならない症状ではありますが、非常に厄介な症状です。注意しないと、衣類に引っ掛けて爪が剥がれるなどして、怪我を伴うような状況にもなりかねません。
原因は栄養失調や貧血なので、食事の偏り、無理なダイエットなどに気をつけるようにしてください。
時計皿爪
別名、ばち指ともいいますが、爪が丸く盛り上がるようになり、指の先の方も丸く太くなり、ちょうど太鼓のバチのように指先が丸く太く不恰好な状態になる症状です。
主な原因は酸素不足によるもので、肺がんや肺気腫の病気や甲状腺の異常、肝硬変にかかっている時に一緒に出る症状です。他にも内臓の疾患によるものが多いようです。爪や指自体に問題があるわけではありません。
また、この場合の痛みはなく、対処法としては指に直接治療を行うことはありません。内臓疾患系の治療で対処することになります。他の病気も結局のところそうなりますが、内臓に絡んでいるだけに、手遅れになるケースもかなりあります。
ただこの場合、爪や指にその反応が出ているので、すみやかに医師の診断を受けることで、早期発見、回復につなげることができます。そういう意味では、そのシグナルを見逃さないようにしたほうが賢明です。
爪白癬
変形とはちょっとニュアンスが違うかもしれませんが、変形している爪には往々にして、白癬が見られることが多いようです。
これは爪水虫とも呼ばれ、爪と皮膚の間に白癬菌が移る病気です。放っておくと爪の表面がどんどん白くなり、脆く割れやすくなります。また、水虫という名称がついていますが、まったくかゆみなどがないため、気付かずそのまま放置しがちです。早々に医師の診断を受けたほうがいいでしょう。
爪の変形の原因と予防法
では、どうして爪の形が変形することがあるのでしょうか。
老化
ある程度の年になると、何らかの影響は否めません。乾燥や血行の悪さから、当然爪ももろくなったり、習慣で圧迫されると変形もします。
爪に入る縦の線は、老化によるシワのようなものなので、特に問題はありません。そういう意味では、老化に対する予防法はないかと思われます。
化学洗剤などの影響
マニュキュアをはがす時の除光液などが元で、爪が割れやすくなります。また、手洗いなどの洗剤でも、爪に若干の影響が出ることがあります。
手荒れやささくれが目立って爪も同様に荒れてくるようでしたら、洗剤の影響の可能性もあります。別のものに変えて、様子をみてもいいかと思います。
食生活によるもの
偏った食生活をしていると、やはり変形することも多いようです。爪はたんぱく質からできます。このたんぱく質は食事からきちんと取らないと、爪がもろくなったり、その影響で変形します。
極端なダイエットやベジタリアンと称する人には、その影響が出やすいと言われています。特にたんぱく質は、一日に体重1キロにつき1グラム必要です。50キロの人なら、50グラムは最低必要になります。通常の人なら問題なく取れる量ですので、意識して取るようにいたしましょう。
靴などの影響
外反母趾などもそうですが、キツイ靴を履いたり、足の指が無理な形になるような靴を履いていると爪も変形しますし、また、割れやすくもなります。たまにそのような靴を履くならいいのですが、どうしてもという場合は、若干余裕のある靴を履くのが望ましいと思います。
爪から他の病気の可能性
爪の色や形から、他の病気の可能性があることが、多少わかります。
- 爪に筋や変形がある場合 → 老化、慢性の内装疾患、皮膚の疾患など
- 爪の色が白い場合 → 白癬、糖尿病、肝炎
- 爪の色が紫の場合 → 心臓疾患
- 爪の色が青白い場合 → 貧血
爪の手入れについて
爪は、切るときに角を切らないで残しておく方が良いとされています。角は、やすりで引っかからない程度にした方がいいでしょう。
切りっぱなしですと、切った面はかなりぎざぎざとなっており、何かと引っかかります。
まとめ
いかがでしたか?さて、爪の病気だとわかったら、何処の診療項目の病院に行くのがいいと思いますか?これは、皮膚科になります。これは、意外に知られていません。
それはともかく、爪の色からも何か他の病気が予想されるのは、意外かと思います。そして、割とないがしろにされがちな爪ですが、きちんとメンテナンスをしないと、厄介な症状を引き起こすことを認識しておいた方がいいと思います。そうすれば、万が一にでもその状態になったら、すぐに対応できるのではないでしょうか?
また、爪は意外と人から見られていますし、ネイルなどで負担がかかる環境が多くなってきています。指先をきれいに見せることは、女性にとっても大事な要素の一つですが、いろいろな注意点を踏まえた方がいいでしょう。
また、それに伴う除光液も使用頻度をおさえるなどの意識をすれば、健康的な爪を維持できるのではないでしょうか?
- 深爪をしない
- 痛みなど、気になったら皮膚科へ
- 食事からも、影響があることを知る
- 他の病気の影響を考える
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