言葉が出てこないのは病気?原因を知って予防しよう!

言葉がでてこないとき、体で起きていることは大きく分けて2つあります。脳の機能の低下によるものと、ストレスや緊張などが原因となる心因性のものです。またそのどちらにも関わるものもあります。

これらの問題によりふとした瞬間から突然言葉が出てこなくなってしまったり、徐々に言葉が出づらくなっていくなどの症状が発生してきてしまいます。脳の問題や精神的な問題ではどの様な問題で言葉が出なくなっていってしまうのでしょうか?様々な症状について紹介していきます。

ストレスや脳の障害によって引き起こる、日頃の物忘れや、人前が苦手で上手く言葉がでてこない、などの症状の詳しい内容と対策方法について見ていきましょう。

自分だけでなく、他人がこのような問題に直面してしまっている傾向が見られた場合は余計に相手を追い込んでしまわないようにしていきましょう。

脳と言葉

声

まずは人間の脳と言葉についての関係性を紐解いていきましょう。地球上に様々な生物が存在する中で鳴き声ではなく言葉によって意思疎通を行う生物は人間しか居ません。

そこには高度に発達した脳と声との関係が大きく関わっています。なぜ人間は言葉を話すことが出来ているのでしょうか。

脳と言葉の関係性

脳は、大脳(右脳・左脳)、小脳、脳幹からなっています。言葉を話す、理解するといった言語を司る場所を言語中枢といい、大脳の中でも左脳にあります。左脳が言葉を形成している事は有名な話でこの働きによって左脳は脳の中でも優位半球という風にも言われています。

大まかに言うと大脳は人間らしさ、脳幹は本能、小脳はバランスを制御しています。

言葉を発している部分と、言葉を理解している部分は別の部分で処理されているとされていて、言葉を発しているのは前頭葉、脳の前側の部分になります。逆に相手の言葉を理解している部分は側頭葉と呼ばれる脳の横側、耳の辺りで理解していると言われています。

また記憶を司っている海馬も側頭葉に接した場所に存在しています。これらは耳の近くに位置しているので声は耳から入りより記憶されやすくなっている関係性があるかもしれません。

男性脳と女性脳

脳の神経線維の脳梁という、左脳と右脳を繋いでいる神経が男性の場合と女性の場合では大きさや形状が異なり、この脳梁の体積が女性の方が20%大きいという研究結果が出ています。

この違いにより男性よりも女性の方が言語能力や言語での表現に長けている、優れているという結果が出ています。この脳の作りの違いはお腹に赤ちゃんが育っている時期から変化が見られ、赤ちゃんの中のホルモンバランスによって脳の形成が変化します。

脳の変化

また、赤ちゃんに積極的に話しかけることで脳が発達し、言語能力に大きな変化が加わることも明らかになっています。赤ちゃんの脳は非常に優秀で、様々な環境に適応するようになっています。なので、異国の言葉で話しかけ続けるとその国の言葉を母国語として僅かな音の違いを聞き分け話せるようになります。

瞬時に言葉の音の違いなどを聞き分けることは出来ませんが2ヶ月間の環境の変化で脳に変化が現れその言葉に順応しだすのです。

言葉が離せなくなってしまう問題を抱えている人にも脳にストレスや病気などの急激な異常時反応が発生してしまい、脳障害が起きている結果言葉が話せなくなる、言葉が出なくなってしまうなどの問題が引き起こってしまっている場合があります。

言葉が話せない状態になっている、もしくは言葉が出にくいなどの問題が発生している場合、その人の脳に何かしらの問題が発生していないか確認してみたほうがいいでしょう。

言葉がでてこない原因と症状

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言葉がでてこないときの原因はさまざまです。代表的なものを取りあげました。自分がどの問題に当てはまる可能性があるかを考えてみましょう。

ある特定の環境で言葉が出てこない場合や、頭のなかでマインドトークをしすぎているなど、関係すると考えられる問題を見つけていきましょう。

性格的、精神的なもの

・内気な性格

人前に出て話しをしたり、人から注目されるような時に、普通は緊張や不安を感じます。内気な性格の人をシャイ、人見知り、あがり症、などといったりします。

初対面で打ち解けるまでに時間がかかったり、自分から上手く話せない、なにを話せばいいかわからない、言葉がでてこない、他人との他愛もない会話が苦痛・苦手という人もいます。緊張やあがり症は場数をこなしたり、慣れてくると感じにくくなります。

この性格の人は頭で色々考えすぎている事が原因として考えられます。これを行ってしまうと相手はどう思うのか、自分はどう見られてしまうのかなど色々と頭のなかでマイナスなマインドが重なってしまってなかなか言葉が出てこなくなります。

言葉が出づらくなってしまっているマインドトークに客観的に気づくことが重要になります。

・社交恐怖症、社交不安障害

内気な性格から症状が進み、あまりの不安や緊張からその場にいることがあまりに苦痛で、体調を崩してしまうほどです。

仕事でのスピーチやプレゼンテーション、初対面の人との会話、面接、電話応対、人前で食事をするといった場面で、頭が真っ白になる、声が震える、言葉がでない、ふるえ、動悸、下痢・吐き気、発汗、赤面、抑うつ(気分が落ち込む)、パニックなどの症状が現れます。

人前で失敗したくない、変なことをいっていないか、この場に自分はふさわしくないのではないかといった不安から、余計に言葉がでなくなってしまうことがあります。

・対人恐怖症

人付き合いや人前に出るといった場面で、あがりや緊張、不安を感じ、自分の存在が嫌がられるのなら身を引こうと「ひきこもり」をしてしまう症状です。

重度が増して、社会生活をまともに送れなくなってしまった状態です。日本人に多く見られます。特定の人との会話は問題なく可能であったり、逆に横暴な態度になってしまう事もあります。言語での対話は苦手でも、ネットのチャットやメールなどの文字での対話は難なく行える傾向があります。

過去のトラウマや事故や親族を失うなどのショックが原因となり発症してしまうケースが多くあります。それらの事故当時に問題となっていなくても、知らない間に自分の心を大きく傷つけてしまっている場合もあります。

自律神経によるもの

・自律神経失調症

ストレスレベルの高い問題の蓄積や緊張などによって、自律神経を司る甲状腺ホルモンの分泌が低下したり、過剰に分泌されることがあります。

甲状腺は体のエネルギーを作り出しているので、エネルギーが不足するとなると体は活力を失います。老化が進み、知的・精神的活動。集中力も低下してくるため、さまざまな症状があらわれます。

イライラや不安、全身の倦怠感、うつ症状、物忘れ、ろれつが回らない、呼吸が浅いなどの症状が現れることがあります。

・吃音・どもり

吃音はとても多くの人が抱えている悩みの一つですが、わからないことがたくさんあります。

言葉がスムーズに出てこない、話しはじめに何度も同じ言葉を繰り返す(連発性)、言葉が出てくるまで時間がかかるなどの症状(難発性)があります。本人に自覚のない程度のものから、強く意識しすぎて話すことを避けたり、人付き合いが嫌になってしまうことまでさまざまです。

言葉を組み立てられない言語的な障害、舌や口の中の神経の痙攣、自分の声が聞こえない聴覚の障害、ストレス、脳の機能障害などが原因と考えられています。しかし薬などがないので、習慣の中や考え方、脳のトレーニングを行うことで吃音治療していくしかありません。

幼少期では、改善するケースもありますがひどい場合は成人になっても完治しない人も多く居ます。自分が吃音者である、どもりの症状があるという具体的な問題を理解していて、吃音症に関する詳しい症状などを理解すると気持ちも楽になるでしょう。

吃音症は脳の信号に異常が起こり「あ」という言葉を発したいのに違う言葉の信号が送られ言葉を発するための口の動きや喉の運動を行うことが出来ません。その為、言葉に詰まってしまったり言葉を繰り返してしまうという症状が出てしまうのです。脳の問題でもあります、治療が基本的に目指せないものになりますので正しく理解して周囲の人物からの理解を得る、認知力を高めることが重要でしょう。

脳の機能によるもの

・老化による物忘れ

人間の記憶力は50~60代ごろにピークを迎えます。判断力なども低下しはじめ、覚えたことを思い出せなくなってくる「物忘れ」が増えてきます。加齢にともなって誰にでも起こりうることで、認知症ではありません。「アレなんだっけ」と、忘れっぽくなったり言い間違えたり、脳の情報を取り出せない状態をいいます。

物忘れを遅らせるためには、常に脳の情報を取り出すトレーニング(脳活・脳トレ)をするといいといわれています。

・認知症、若年性健忘症

物忘れは、ごはんを食べたことは覚えているけど、何を食べたか思い出せない状態です。
認知症は認知機能が衰え、ごはんを食べたことすらも忘れてしまいます。比較的新しいことを記憶できないのが認知症です。日常生活にも影響が現れてしまう認知障害でもあります。

アルツハイマー型の認知症は脳になんらかの異常をきたし、脳の神経細胞が減って萎縮していく病気です。知能や記憶力が低下して、人格までもが変わってしまうことがあります。脳の血管が詰まってしまう脳卒中や脳梗塞が原因となる認知症を脳血管性認知症、両方をともなう場合は複合型認知症といいます。

・若年性の認知症(若年性アルツハイマー)

事故や転倒などで強い衝撃を受けるなど、脳に異常が起きることで認知症が進行していきます。40~50代で発症した場合は、高齢者と比べて病気の進行が早く、生活に大きな影響があります。

・失語症 

失語症になると、考えていることや気持ちをうまく言葉にできず会話が続かなくなってしまいます。読む、書く、理解するなども難しくなりますが、人と話がしたくないわけではありません。

脳梗塞や脳腫瘍、外傷などが原因となって、大脳の言語を司る領域に障害が起こります。心臓病や高血圧・糖尿病・脂質異常症などの持病がある人は、すぐに脳神経外科で検査を受ける必要があります。 精神疾患が原因になることもあります。

構音障害

ろれつが回らない、言葉の発音が正しくできない、いわゆる滑舌が悪いなどの症状です。

・機能性構音障害

口や舌、聴力などに問題がないにもかかわらず、上手に発音ができないことがあります。言葉を覚えたての幼児期にあらわれて、4~5歳ころまでには発音できるようになります。

・運動障害性構音障害

神経の麻痺や、脳の障害、筋肉の萎縮などによって、言葉を発することが難しくなります。声がかすれたり、鼻声、ろれつがおかしいなどの症状が現れます。食事が困難になることもあります。発声、発音だけが問題なら、筆談などで意思を伝えることができます。

・脳卒中、脳梗塞、進行性球麻痺、筋萎縮性側索硬化症など

ろれつが回らない、言葉が出てこない、手足に力が入らないなどの症状が現れます。のどや舌の筋肉が萎縮すると発音が難しく、滑らかに言葉が出てこなくなります。

・小脳の障害

言葉が不明瞭で、酔っぱらったときのような話し方になります。

・パーキンソン病、進行性筋ジストロフィ、多発性筋炎、重症筋無力症

パーキンソン病は筋肉の硬直、筋ジストロフィや多発性筋炎は筋肉そのものが壊死し、運動機能が低下してしまう全身性の疾患です。重症筋無力症は、全身の筋肉が脱力して力が入らなくなる疾患です。疲れやすく、筋力の低下がみられます。

認知症の予防法

認知症①

ここでは、言葉が出てこなくなる大きな問題の中で認知症に関する問題についての対処法を紹介します。認知症になりにくくするための予防方法をご紹介していきたいと思います。

認知症は主に老化により発生しやすくなる問題で誰にでも発生してしまう問題でもありますのでしっかり予防していきましょう。

脳トレ

・昨日やおとといの食事を思い出して書き出してみる。
・簡単な計算は暗算をする。
・新しいことに挑戦してみる。

このようなことを日々のトレーニングとして行い、日記をつけるなど頭や手を動かしましょう。

有酸素運動

ウォーキングやストレッチなど、汗ばむ程度の運動を定期的に行って、体を動かしましょう。体重を管理するためにも、筋力や体力の維持しておくことが大切です。家の中でもこまめに動くようにしましょう。

運動を行う事で右脳も動かして、左脳と右脳をバランスよく働かせることで脳の老化を防ぐことが出来るのでしっかり運動神経を働かせていきましょう。

人付き合い

人と会うために予定を立てたり身なりを整える、約束の時間に間に合うように外出する、人と会っておしゃべりをする、といった一連の行動は脳に刺激を与えます。趣味のサークルに入ったり、友達に会うなど、よく話す機会を作りましょう。

特に一緒に笑うなどの行為が脳内に幸せ物質のセロトニンなどを分泌させて脳の働きを向上させます。楽しくおしゃべりを出来る人と話をして1人になる機会を減らしていきましょう。

健康生活

味付けの濃い食事をさけ、栄養のバランスがいい食事を心がけましょう。よく噛んで、ゆっくりと味わって食べることも脳を刺激する大切な行動の一つです。暴飲暴食やおかし、アルコールを控えます。糖尿病や喫煙は認知症を発症するリスクを高くします。

質の良い睡眠も欠かせません。ストレスをためず、心も体も健康でいるようにしましょう。

定期検診を受ける

認知症かなと思ったら、早めに検診を受けたり、予防トレーニングなどを行いましょう。進行を遅らせるためには、早くから対策をして脳に刺激を与えることが大切です。

まとめ

言葉がでてこないときの原因と対策についてまとめます。

言葉が出てこないのは、脳の機能障害や心理的なもの、物忘れなどがあります。
脳の障害が原因の場合は、認知症に進行することがあるので注意が必要です。
病院できちんと診断をしてもらい、予防トレーニングや生活指導を受けましょう。
適度な運動や人と話すことも認知症の予防に役立ちます。
運動や食生活のを見直し、日頃から健康的な生活を送りましょう。

慣れていないことを人前で疲労するというのは、初めは誰でもドキドキしたり、緊張するものです。慣れるまでは大変かもしれませんが、話すコツや自分が使う言い回しがわかってくれば、スラスラと言えるようになってきます。
今まで話せていたのに、突然言葉が出てこなくなったり、ろれつが回らなくなった場合は注意してください。急性的な症状は、脳卒中などの脳の血管の異常が疑われます。一刻を争うので、夜間でもすぐに救急車を呼んで指示に従いましょう。

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