産後すぐの赤ちゃんも、ママのおっぱいも、まだ慣れていないのでいろいろなトラブルがおきやすくなります。産後のママのおっぱいは、全部の乳腺が開通しているわけではありません。
赤ちゃんも、まだ授乳に慣れていないので、吸い方や咥え方も上手くいかないこともあります。産後数か月すると赤ちゃんもママも慣れてくることが多いものですが、慣れるまでに起きやすい授乳による痛みの原因や痛みの対策や予防方法を紹介します。
授乳の痛みの原因は?
授乳の際におこる痛みの原因として考えられるのは、飲ませ方が原因となって起こる場合とママのおっぱいの状態による場合など、様々な要因が考えられます。
授乳する時に痛みがでる
赤ちゃんのおっぱいを吸う力は、かなりの強さがあります。母乳の出方が悪いと赤ちゃんは、母乳を出そうともっと力強く吸ってきます。おっぱいが固く張っている状態だと赤ちゃんも飲みにくく、なかなか母乳が出ないので、より力強く吸うことになります。
その結果、乳首に傷がついたり、切れてしまうことがあります。授乳を始める前に軽くマッサージをしたり、最初の母乳を少し絞って、通りを良くしてあげると赤ちゃんも飲みやすくなります。
授乳の時間が長すぎる
授乳にかける時間が長いと、その分、乳首にかかる負担も大きくなります。
また、片方のおっぱいでお腹がふくれたり、疲れてしまうと、もう片方のおっぱいを飲んでくれないので、母乳が残ったままになってしまい、母乳が溜まって痛みがでることがあります。
片方にかける時間を5分程にして、左右交互に繰り返しながら授乳するようにしましょう。
おっぱいが張って痛む
産後すぐの赤ちゃんは、まだ上手に飲めなかったり飲む量が少なかったり、おっぱいの分泌と合わずに、母乳が残った状態で痛みが出ることがあります。残った母乳は、詰まらない程度の搾乳をしましょう。
この時に搾乳し過ぎると、かえって母乳の分泌を促進してしまうので、搾り過ぎないように注意しましょう。
乳首に傷がある
毎日頻繁に繰り返す授乳で、赤ちゃんが吸うときの摩擦が原因となり、乳首が切れてしまったり、傷ができることがあります。傷が悪化しないように傷口を清潔に保つようにしましょう。
下着がすれて痛みが出る時は、授乳パッドやガーゼをあてて、摩擦を防ぐようにすると楽になります。授乳パッドやガーゼは、清潔を保つために、細目に変えるようにしましょう。
痛みが酷いときは無理に飲ませようとせずに、傷が治るまで乳頭保護器や搾乳器を使って対処し、悪化させないようにしましょう。
授乳後に痛みが出る
赤ちゃんの唾液が付いたままにしておくと、乳頭の表面がふやけて腫れあがってしまったり、切れやすくなったりします。
乳首は蒸れるのも乾燥するのも良くないので、授乳後は清潔な状態と保湿に気をつけましょう。
乳首に白いカスが詰まっている
母乳や母乳のカスが詰まって乳頭に白い点やニキビのようなものが出来る状態を、白斑といいます。
少しの痛みなら、飲ませているうちにつまりもとれてきて治ります。痛みが酷いようなら、乳腺も詰まっている可能性もあるので、産院や母乳外来などの医療機関を受診しましょう。
おっぱいにしこりがあって痛む
おっぱいの一部が硬くなったり、しこりが出来たりすると、その部分の乳腺が詰まって乳腺炎を起こしている可能性があります。酷くなると高熱がでておっぱいも赤く腫れあがり、カチカチに固くなってしまい激痛と高熱がでます。
まずは、痛みのあるおっぱいを冷やすことが重要です。痛みが軽いときなら、冷やして分泌を抑えながら、マッサージで詰まった乳腺を開通させて、古い母乳を出すことで楽になる場合もあります。
しかし、悪化しているときは触れるのも痛く、抗生剤の服用が必要な時もあります。無理をして自分でマッサージをして、逆に分泌だけを促進させてしまい悪化させることもあるので、早急に、産院や母乳外来を受診したうえで、処置をしてもらった方がいいでしょう。
痛みの対策や予防方法は?
痛くても赤ちゃんの授乳は続けていきたいと思い無理をしがちになります。痛みに耐えながら授乳を繰り返すのは、大変な苦痛になってしまいます。出来るだけ、早く痛みをとりたいものです。そんな授乳中の様々な痛みの対策方法をまとめてみました。
授乳中にしこりをとる飲ませ方をする
しこりを放置しておくと乳腺炎の原因にもつながります。
授乳中に赤ちゃんがいろんな乳腺から吸ってくれるように、しこりになっているところを指で軽く押しほぐすよにしながら飲ませると、しこりがとれてきます。
おっぱいの張りを押さえる
搾乳しても張りと痛みが治まらないときは、冷却シートなどで、おっぱいを冷やして、過剰に分泌するのを抑えます。冷やし過ぎると、母乳の出を悪くし過ぎることもあるので、急激な冷やし方はしないように注意しましょう。
赤ちゃんの飲み方に注意する
赤ちゃんが乳首だけを咥えた浅い飲み方になってしまうと、上手く母乳が出てきません。赤ちゃんが母乳を上手に飲むためには、赤ちゃんが口をあけたときに、乳輪から咥えるように深くまで入れ、咥えられるようにしましょう。
授乳前にマッサージをする
乳管が詰まっていたりおっぱいが張った状態では、赤ちゃんも飲みにくく上手に吸う事が出来ません。
授乳前にマッサージをして、乳管や乳腺の詰まりを開通して、少し古い母乳をだしてから授乳すると、母乳の通りも良く、赤ちゃんも飲みやすくなります。母乳の通りをよくすることで、赤ちゃんが吸う乳腺に偏りが出る事も防げます。
食生活に気をつける
母乳は血液からできているので、脂肪の多い食事や高カロリーの食事を摂り過ぎると、母乳もドロドロになって流れが悪くなってしまいます。
サラサラの母乳になるように、根菜を中心とした野菜や、大豆製品などを多く摂るように心がけましょう。
乳頭を傷めないようにする
清潔を心がけて乾燥を避け、保湿に気をつけます。赤ちゃんが飲まないときに、乳頭保護用クリームで、保湿を十分にしましょう。
授乳中のママ専用の物や、赤ちゃんの口に入っても大丈夫な成分の物もあるので、自分にあったものを選んで使ってみましょう。
遊び飲みをやめさせる
赤ちゃんがただ吸い付いているだけだったり、おしゃぶり代わりにおっぱいを吸わせていると、その分乳首の負担も大きくなり、傷や亀裂ができやすくなるので、遊び飲みはさせないようにしましょう。
痛みを我慢しすぎない
乳腺炎は、乳頭の傷から細菌が入り、炎症をおこす場合と、乳腺が詰まって炎症が起こる場合があります。対策として、乳頭の傷やおっぱいの張りの痛みも、軽く考えずに注意をすることが、乳腺炎の予防にもつながります。
日ごろから清潔を保つこと、張り過ぎて痛いときは軽く冷やしながら乳管や乳腺が詰まらない程度に、溜まった母乳を外に出すことです。しかし、すでに、高熱が出たり、触れるのも痛い症状が出ているときは自己判断せずに、早急に医療機関での診察を受け、処置をしてもらいましょう。
まとめ
毎日、数回と繰り返す授乳の時間は、赤ちゃんとママのコミュニケーションの一つで、とても大切な時間です。しかし、毎回痛みが伴ったり乳腺炎になって授乳ができなくなると、赤ちゃんへの思いと痛みに挟まれて、ストレスになってしまします。
赤ちゃんには、ママの笑顔が一番必要です。ストレスを出来るだけためないで過ごすためには、何事も無理や我慢をし過ぎないことです。乳頭保護器や搾乳器などのグッズや、助産師さんのマッサージを受けるなど、自分に必要なことを取り入れて、授乳中のトラブルを少しでも減らし、赤ちゃんとのふれあいの時間を大切にしたいですね。
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