微熱って何度から何度まで?考えられる病気は?

確実にいつもより調子が悪いけれど、明らかな体調不良でもないから休みづらい…微熱とはそういう少々厄介な存在ではないかと思われます。皆さんも体調がすぐれない時に熱を測ったら微熱があったということは何度も経験していらっしゃるでしょう。

さて、その微熱と言うのは何度から何度までか、医学的な決まりに則って判断をしていらっしゃるのでしょうか。今回は曖昧な基準にされがちな微熱と、微熱を伴う病気について紹介します。

医学的な微熱の基準とは?

微熱

医学的な微熱の基準と、病気を疑う前に思い出して欲しいことをまとめました。

医学的な平熱、微熱、熱の基準は何度か

医学的には、37.0度までが平熱とされています。そして微熱は37.0~37.4度で、37.5度からは中程度の発熱となり、多くの人がこのくらいの体温から明らかな体の不調を感じ始めるでしょう。38.5度からは高熱とされます。

ただし、もともとの平熱により感じ方には個人差がありますので、何度から病院に行くかはやはり自分で決めるべきなのかもしれません。乳幼児の発熱の基準は成人と同じですが、発熱した時点で病気の可能性がありますし、乳幼児は体が強くないので、微熱程度でも受診をするべきかと思われます。

体温が変動する行為をしていないか確認

医学的な平熱、微熱、高熱の基準はわかりましたが、微熱が確認される前に体温が変動する行動をしていないかも確認するようにして下さい。

実は、普通に生活しているだけでも体温は6分の上下があります。早朝が最も低く、夕方4時ごろが最も高くなる時間帯です。なので、少しの体温変動がある行動をするだけでも、時間帯によっては結構な振れ幅になってしまうことも考えられるのです。

例えば気温の変化、空腹感や食事、入浴や運動、喫煙でも体温は変動しますし、女性は月経や排卵に応じて体温の変化があります。熱を測る時は必ず過ごしやすい気温の室内で、食後や喫煙後、入浴後や運動後を避けて測るようにしましょう。また、乳幼児についても室温や服の重ね着のし過ぎなどで体温が変動することがあります。

微熱を伴う病気とその対処法

肺結核

微熱を伴う病気も存在します。

肺結核

肺結核とは、結核菌による感染症です。戦前は肺結核の患者数がとても多かったのですが、戦後に激減して今や過去の病気のように思われています。

しかし、決して感染者が少ないというわけではないので油断してはいけません。症状は発熱、咳、たんなどで、特に体温の面で微熱が続き夕方には高熱になっているという特徴があります。普通の風と違い微熱が長く続くので、あまりに熱が下がらないようであればお医者さんに相談してみましょう。

初期症状が薄いために感染に気付き難く、知らないうちに集団感染していたという例もあるので、バランスの良い食事や適度な運動などで健康的な生活を送ることにより、感染の確率を極力下げるようにしましょう。

感染した場合は隔離病棟での長期に渡る治療が必要になりますが、適切な処理で完全治癒する病気でもありますので、感染してしまった場合はしっかりと担当のお医者さんの指示を仰ぐようにしましょう。

慢性胆嚢炎

胆嚢炎とは、主に胆石による胆嚢管の詰まりが原因で発生する胆嚢の炎症です。

主な症状としては右上の腹部の痛みがあり、38度近い微熱が続き、悪心や嘔吐などの症状も伴うことがあります。暴飲暴食などにより発症することもあるので食生活に気を付けることも予防になりますが、胆嚢炎患者の多くが胆石症の患者であるため、胆石の予防が胆嚢炎の予防になるとも言えます。

胆石の多くがコレステロール系の結晶のため、コレステロールの代謝を下げないように肥満を解消し、規則正しくバランスの良い食生活を送ることが重要といえるでしょう。

虫垂炎

一般的に「盲腸」として知られている病気です。

遺物などによる閉塞から起こる、盲腸の下部にある虫垂の炎症のことで、処置が遅れると腹膜炎を引き起こす可能性があります。へそ周辺もしくはお腹の上部に強い痛みが現れ、37~37.5度くらいの微熱が続きます。嘔吐や悪心を伴うこともあります。

虫垂炎になると外科的治療が必要になることが多いのですが、虫垂は切除しても問題の無い臓器です。また、予防方法ははっきりとしていませんが、腸内環境を整え便秘を避けることが予防に繋がると考えられています。

盲腸については、盲腸の原因とは?ストレスなの?痛みが強い場合は要注意!の記事を参考にしてください。

慢性膀胱炎

何らかの理由で細菌が膀胱内に侵入することで炎症を起こす病気です。急性のものもあるのですが、慢性のものに比べて症状が重いかわりに1~2週間程度と短期間で完治するようです。

慢性膀胱炎は症状が軽いために、発見が遅くなりがちで治療に時間を要すことになるので注意が必要です。微熱の症状は必ず現れるものではなく、排尿時の痛みや残尿感が頻繁にみられます。

特に、女性は膣の湿りや尿道が短いこと、肛門が近いことから尿道に細菌が侵入しやすいようです。膀胱炎については、膀胱炎の治し方を紹介!自力で治すことは可能なの?の記事を参考にしてください。

慢性腎盂腎炎

尿道の細菌が何らかの理由で腎盂に達することで起こります。急性の場合は高熱が出ますが、慢性の場合は微熱が続き、他には尿の濁りや血尿、倦怠感や腰痛などがみられます。

抗生物質で治療できますが、病気の進行により高血圧、腎不全などを引き起こす可能性があるので、疑わしい症状を確認したらすぐにお医者さんに相談しましょう。

病気以外の原因

妊娠

病気ではなくても微熱が生じることはあります。

自律神経の乱れ

交感神経と副交感神経のバランスが崩れることを「自律神経の乱れ」といいます。

簡単に説明すると、交感神経は主に日中、人の行動を活発化させるために働く神経で、副交感神経は主による、体を休ませるために働く神経です。この2つの神経は普通、日中と夜で切り替わるものなのですが、この切り替えがうまくいかないと体におかしな反応が出てきます。

例えば、昼間に副交感神経が働くことによりぼーっとしてしまったり、夜に交感神経が働くことにより眠れなくなるといった症状が当てはまり、微熱が続くという症状も頻繁にみられます。

放っておくと自律神経失調症に発展してしまう可能性があるので、ストレスにより体がおかしくなっていると感じたら、極力ストレスを解消できるように心がけましょう。夜に湯船につかることや、ウォーキングをして呼吸を整えることはとても効果的です。

妊娠

女性の方の多くが知っていることかと思われますが、妊娠した時にも微熱が続くことがあります。

女性の体温は生理周期により低温期と高温期に分かれ、月経から排卵までは低温期、排卵から月経までは高温期になります。卵子が受精しなかった場合は体温が下がり次の月経が訪れるのですが、受精した場合は妊娠の維持のために高温期が続きます。こういった作用が微熱が続いているように感じさせるのです。

ただし38度を越える発熱であれば別な病気の可能性の方が高いですし、妊娠を望んでいない場合に生理の遅れと微熱が同時に起こることによるストレスで、来るはずのものも来なくなるということも起こり得ます。

まとめ

微熱が私たちの体に及ぼす影響はとても小さいと思われがちですが、それは微熱の原因の多くが軽い風邪であるためであり、うっかり病気や大切なことを見逃す危険性を持っていることを知っていただけたかと思います。

重い病気はもちろんのこと、微熱を伴うものには自律神経の乱れや妊娠などの生きていくにあたって重要になることが多いです。微熱を軽く考えずに、多少警戒するようにしていきたいですね。

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