蕁麻疹という症状については皆さんよく知っていると思います。皮膚にぶつぶつが現れる症状のある皮膚の炎症です。
実際に蕁麻疹が発症した経験のある人は多くいると思います。では寒冷蕁麻疹という蕁麻疹はご存知でしょうか?
文字通り寒い季節に多く発生する蕁麻疹なのですが、特に原因がわからないまま蕁麻疹が現れてしまうので、何かアレルギーではないのかと疑ってしまうこともあります。
今回は寒冷蕁麻疹についての記事を書いています。寒冷蕁麻疹で悩んでいる人や改善したいと考えている人はぜひ読んでみてください!
寒冷蕁麻疹とは?
寒冷蕁麻疹とは具体的にはどの様な症状のことを指すのか。その詳しい情報についてまず説明していきます。
寒冷蕁麻疹の症状や発生させやすい人の特徴について紹介していきます。
◆寒冷蕁麻疹とは
寒冷蕁麻疹は寒冷アレルギーとも呼ばれる症状になります。
アレルギーの蕁麻疹には2種類のタイプがあります。一つはアレルゲン(アレルギー物質)となるものを吸い込んだり、食べることにより発生するアレルギー性蕁麻疹。もう一つは外部からの刺激や触れることで発生する物理性蕁麻疹(接触性アレルギーにあたる症状)になります。
寒冷蕁麻疹は物理性蕁麻疹に該当する症状で、外部からの寒さという皮膚を刺すような刺激や、寒いところから体が温められて血行が良くなることがきっかけになって発生する蕁麻疹の事です。
急激に皮膚が冷やされると発生しやすく、皮膚の温度の低下がきっかけになって発生していると言われています。
局部型や全身型の症状に分けられて、症状の範囲が異なる場合があることが特徴的な症状になります。
◆寒冷蕁麻疹の症状について
では、さっそく寒冷蕁麻疹がどういった症状を発するものなのかを知っておきましょう。最も特徴的な症状としては
- 赤くなる
- 痒くなる
- 腫れることがある
といった症状が挙げられます。
症状に関していえば、通常の蕁麻疹とほとんど同じだと言えます。きっかけが「寒さ」に関係しているかどうかが見極めるポイントです。
もしかしたら外食先での飲食が原因かもしれないので、その判断が難しい症状でもあります。
◆寒冷蕁麻疹が起きやすい人
では、どういった人が寒冷蕁麻疹になりやすいのかを紹介します。心当たりのある方は改善するようにしてください。
寒がりな人
鳥肌がでやすい人
汗をかきやすい人
冬場に厚着をして汗をかく
肌が敏感な人
といった人が挙げられます。寒い環境に弱い人は寒冷蕁麻疹が起きやすいようです。年齢を重ねるとだんだん症状がひどくなる事のありますので、軽視できない問題になります。
寒冷蕁麻疹が起きる原因
寒冷蕁麻疹が起きる原因は、二種類あります。
自分の体温よりも低い気温や冷たい水に触れた時に起きる場合と、体温が下がってしまったのを温めて体温が上昇した時に発生する場合の2種類です。急激な温度差を感じた時に発生するのが寒冷蕁麻疹なのです。
◆ヒスタミンの放出
では、どうして温度差を感じた時に蕁麻疹が発生するのかを紹介します。
急激な温度差が生じると、体内にある肥満細胞から「ヒスタミン」という物質が放出されます。このヒスタミンが放出されると、血管内にある血漿を排出するので皮膚に赤みや腫れが発生してしまうのです。
さらに、一番強く感じやすいのが皮膚のかゆみです。ヒスタミンが神経を刺激してしまうことが原因でかゆみを感じてしまう原因になります。
◆寒冷蕁麻疹が発生しやすい環境は?
どういった時に寒冷蕁麻疹が発生しやすいかを紹介します。
- 冬場に温かい部屋から、外に出た時
- 冬場にお風呂から脱衣所に移動した時
- 冬場に運動をした後
- 夏のプールの後
- クーラーが効いた部屋から暑い外へ出る
- 冷たい飲み物を持ったり、飲んだりする
といったことが挙げられます。個人差があるので、かなりの温度差を感じた時にしか症状が現れない人もいれば、低い温度差でも症状が現れる人もいます。
寒い場合には個人差が大きく開きますが、高い温度の場合は自分の体温よりも高い温度の環境であれば、症状が発生する場合があります。
◆蕁麻疹の8割は原因不明
寒冷蕁麻疹が発症する原因については本当のところよくわかっていません。年齢とともに自然に治癒する例も報告されていますし、逆にひどくなるケースも存在します。
遺伝の可能性もささやかれていますが、生活習慣や食生活などの生活環境が似てしまうことでたまたま同じ症状を発生させている可能性が高いです。実際に遺伝のデータが報告されている訳では無いのです。
寒冷蕁麻疹と診断されても、実際には寒冷蕁麻疹ではない可能性もあります。
寒冷蕁麻疹の対処方法
寒冷蕁麻疹が発生した場合は、どのようにして対処すれば良いか紹介します。間違った対処をしてしまうと症状が悪化してしまう恐れがあるので気をつけましょう。
◆冷さずに温める
ただの蕁麻疹であれば、冷やすことで症状を緩和できる場合がありますが、寒冷蕁麻疹の場合は冷やしてしまうと症状が悪化してしまうことがあります。
寒冷蕁麻疹が発生した場合は、冷やさずに温める対応をしましょう。体温に近い温度にすることで肌への刺激が和らぐので症状が緩和されます。ただし、温めすぎてしまうと症状が強くなったり、汗をかいてしまうことで体が冷えてしまってそれが原因で症状が治まらない事もあります。
出来るだけ風や冷気の刺激を皮膚に当てないようにして、体温を一定に保ちましょう。
◆温度差を減らすようにする
温度差が発生することで症状が現れるので、なるべく温度差を減らすことで寒冷蕁麻疹が発生するのを防ぐことが出来ます。
お風呂に入る際は、脱衣所と風呂場で大きな温度差が発生しやすいので、なるべく早く着替えるようにしましょう。また、あらかじめ脱衣所を暖かくしておくのも良いでしょう。
冬場に運動を行う際は、急に止めるは避けましょう。運動をして体温が上がっている時に、止めてしまうと一気に冷えてしまい寒冷蕁麻疹が発生してしまうことがあります。クールダウンを行って少しづつ体温を下げましょう。
冬場だけでなく夏も温度差には注意してください。あまりクーラーが効きすぎた部屋でいると温度差が発生しやすくなるので、部屋を冷たくし過ぎないようにしましょう。さらに、冷たい飲み物を一気に飲んだ時に寒冷蕁麻疹が発生してしまうこともあるので、ゆっくり飲むことを意識してください。
◆乾燥肌を改善する
乾燥肌の人は、皮膚が刺激に弱いために寒冷蕁麻疹を発生しやすくなるので、改善するようにしましょう。乾燥肌の原因としては、
- 偏食
- ストレス
- 紫外線
などが挙げられます。冬場になると、周りの空気も乾燥してしまい乾燥肌が悪化してしまうことが多くあります。改善方法としては、
- 運動をする
- 乾燥肌に良い食事を行う
- 保湿をしっかりと行う
などが挙げられます。詳しい原因と改善方法については、カサカサ肌とおさらば!乾燥肌の5つの原因と4つの対策とは!の記事に書いてあるので読んでみてください!
◆薬を使う
温めたり、時間が経っても症状が改善されないという場合は、薬を使用して症状を抑えるという方法があります。
ヒスタミンの放出を抑制する効果のある抗ヒスタミン薬を使用することで、かゆみや赤みなどの症状を防ぐことができます。しかし、症状が治まったからといって急に使用を止めてしまうと、再び症状が現れだすこともあるので自己判断で使用を止めるのは控えてください。
また、抗ヒスタミン薬には副作用があるので注意が必要です。ヒスタミンは、日中の睡魔を防いだり記憶する力を効果的にするのに必要な物質です。そのため、抗ヒスタミン薬でヒスタミンの分泌を抑制してしまうと、集中力が低下したり、仕事や勉強の効果が落ちてしまうことがあります。
そういった状態が続くようであれば、処方してもらった病院へ相談に行きましょう。抗ヒスタミン薬は何種類か存在するので、違うタイプの抗ヒスタミン薬を処方してもらいましょう。
寒冷蕁麻疹の予防方法
寒冷蕁麻疹が発生してしまった場合に、以後症状を再発させないように予防するためにはどうすべきかについて対策法を紹介します。
症状を甘く見すぎると、どんどん悪化してしまう可能性があります。咳や呼吸器官の粘膜に問題を発生させることもありますので、しっかり予防して対策していきましょう。
環境を変える
特に寒い東北や北海道などの地域に住んでいる場合は引っ越すことを視野に入れても良いかもしれません。
実際にアレルギーが原因で移住を決断した人は少数ですが存在します。最も関わりの深い原因である、寒さが常に身近に存在している症状では、どうしても症状はつきまとうことになります。
出来るだけ、寒暖差の少ない地域に移住して体を守っていきましょう。
仕事や学校なども大事ですが、アレルギー反応は最悪の場合命に関わる可能性のある症状に発展することもあります。
もし、症状がどんどん悪化していっている場合は、移住も視野に入れたほうが良いでしょう。
しっかり防寒対策を行う
最も蕁麻疹が発生しやすい皮膚は薄い場所で、顔、内もも、首、脇、腕の内側、二の腕、お腹などの部分になります。
例え温かい日でも夜に冷え込む可能性があったり、天候の悪化が懸念される場合は、何かしら1枚着込める洋服を持っておいたほうが良いでしょう。
寒い日には、出来るだけ肌を露出しないようにして、寒さ対策をして出かけることを忘れないようにしましょう。
腸内細菌を整える
アレルギー反応などで現れる蕁麻疹の症状は自己免疫疾患という症状になります。
本来害でないものに対して免疫細胞が暴走して症状が発生する症状です。これらの自己免疫疾患は、免疫力をしっかり高めて正常な状態を保つことで症状が改善することがわかっています。
腸内では細菌バランスを整えることによって、6割以上の免疫力を担っています。免疫力を高めてアレルギー反応である蕁麻疹などの症状を引き起こさないためには、腸内細菌のバランスを整えることが重要なのです。
発酵食品や乳酸菌などの含んだ食材を適量摂取して、腸の状態を良くしていきましょう。
逆にアルコールを飲んだときや肉類を大量に食べるなどの偏った食生活では逆に腸内細菌のバランスが悪くなって蕁麻疹が出やすくなってしまう事があります。
ですので、アルコールなどを摂取する場合はいつも以上に症状に対して敏感に注意しましょう。
寒冷蕁麻疹としもやけの違いについて
寒冷蕁麻疹は気温の低い時期に起こりやすいことから、しもやけと勘違いしてしまう場合があります。かゆみを感じるなどの症状も似ているために、間違った対処をしてしまうことがあるので注意しましょう。
・原因が違う
寒冷蕁麻疹は激しい温度差による皮膚への刺激が原因ですが、しもやけは低気温による血行不良が原因となります。
・症状の違い
寒冷蕁麻疹の場合は、ぶつぶつの小さな発疹が現れて肌が赤くなり、かゆみが発生します。一方、しもやえけの場合は、赤く腫れ上がるのが特徴で痛みを感じることもあります。
また、寒冷蕁麻疹は体温が一定に戻ると症状が治まりますが、しもやけは血行不良が改善しないと症状が治らないので時間がかかってしまうのが特徴です。
・発生する場所
寒冷蕁麻疹は、皮膚がある部分だとどこでも発生する可能性があります。しかし、しもやけは手足の指や耳たぶ、鼻などの血行不良が発生しやすい場所で起きます。
このように、しもやけと寒冷蕁麻疹はどことなく似ていますが、別物になるので間違った対処をしないように注意しましょう。
何科に行けばいいの?
寒冷蕁麻疹らしき症状が発生した時に何科に行けば良いのか困りますよね。
アレルギー科などはそうそう沢山設立されているものでもありませんし、まだ発生している症状がアレルギーなどによる蕁麻疹かどうかわからないのでヘタに病院に行くと治療費が無駄になってしまう可能性もあります。
どこの病院に行けば良いのかを知っておきましょう。
蕁麻疹が発生したら
急に発生した突発性の蕁麻疹は早ければ2時間程の時間で消失してしまいます。
蕁麻疹を引き起こす可能性のあるアレルギー反応は、アレルギー物質に触れたり食してから数時間〜48時間までの広い範囲の時間で発生する可能性があります。
その日の体調の影響でたまたま発生している場合もあります。
蕁麻疹の症状は基本的には皮膚科、もしくは内科で検査することが出来ます。出来れば皮膚科の方がより専門分野に近いので、お近くの皮膚科でアレルギーなどについて専門的に取り扱っている病院があればそこを受診すると良いでしょう。
状況を詳しくまとめておく
蕁麻疹は多くの原因が考えられる症状ですので、思いもよらない原因がきっかけで発生している可能性もあります。病院では
- 1日以内に食べたもの
- 蕁麻疹が発生した状況
- どの様な症状だったか
- 何時間で症状が消失したか
- どんな環境で症状が回復したか
- 過去に発症した病気
などの情報について聞かれると思います。問診での原因の推察から意外な症状が浮き彫りになる可能性もあります。蕁麻疹は正確な原因の特定が難しい問題でもありますので、しっかり内容をまとめて病院にいくようにしましょう。
まとめ
寒冷蕁麻疹の症状
- かゆみ
- 赤み
- 腫れ上がる
寒冷蕁麻疹が起きやすい人
- 寒がりな人
- 汗かきな人
- 乾燥している人
- 鳥肌が出来やすい人
寒冷蕁麻疹の原因
- ヒスタミンが放出されることでかゆみや赤みが発生する
寒冷蕁麻疹が発生しやすい環境
- 激しい温度差が発生するとき
寒冷蕁麻疹の対処方法
- 冷やさずに温める
- 温度差を減らす
- 乾燥肌を改善する
- 薬を使う
蕁麻疹の予防法
- 環境を変える
- 防寒対策を怠らない
- 腸内細菌を整える
寒冷蕁麻疹としもやけの違い
- 原因と症状、発生しやすい場所に違いがある
蕁麻疹が発生した場合には何科にかかるの?
- 皮膚科もしくは内科(アレルギー科)
- 症状についての情報をまとめておく
以上が今回の記事のまとめになります。
自分が寒冷蕁麻疹だと気づいてないまま生活している人も多くいます。
症状が出てもすぐ治まる場合はあまり心配する必要はありませんが、長引いたり頻繁に症状が現れるようであれば一度病院へ行って適切な処置を受けましょう!
特に冬場や寒い地域で生活している人は、頻繁に症状が発生しやすいですので、しっかり対策していきましょう。
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