胸がかゆい原因を紹介!女性は成長段階で発生するもの?

バスト周りは本来、女性の聖域のように扱われてきました。女性美の象徴、母性の証、夏のビーチでは世界中の女性がバストを強調して競います。

それだけに胸のトラブルは女性の尊厳を傷つけ、誰にも相談できずに受診が遅れて重症化する傾向があります。これは若い女性に限りません。数年前アメリカの男性ロックシンガーが乳がんになってニュースになりました。彼自身、男の中の男を自認していて衝撃を受けたと告白しています。乳腺は男女共に持っています。

この事実をもとに胸がかゆいことは何を訴えている症状か一緒に考えましょう。

胸の皮膚トラブル

考える

ここでは皮膚科で受診できるトラブルをご紹介します。男女ともに疾患としてあります特徴は男女それぞれに違いがあります。

肌ニキビ

主に女性に多い症状です。ホルモンバランスが成長過程で変化するために発症する顔面ニキビと違って肌ニキビは成人してから多く発症します。

肌ニキビ自体は顔、背中に次いで多い症状です。毛穴の汚れからアクネ菌の温床となってかゆみを出します。清潔に気を遣う女性がなぜ毛穴に汚れをためてしまうのか?原因は汗をかいたからといって頻繁に胸を露出して拭けないからです。特に胸の谷間やアンダーバストに汗と皮脂がたまりやすく、あせもができるくらいです。

ラメ入りボディローションで夏のおしゃれを楽しむ女性も増えました。そのローションはなかなか簡単には落ちません。洗い残しが新陳代謝を悪くしてニキビ化します。

見せるための胸元おしゃれの場合、肌は紫外線にさらされますが、この紫外線もニキビを悪化させます。洗い残しの話では、シャンプーやリンスもしっかり流さないと胸のあたりで付着したまま拭いてしまうということもあります。入浴後しっかりとバスト周りは再度洗い流しましょう。

胸がかゆいとどうしても引っかいてしまいますが、これが要注意です。炎症部が広がったり傷口に炎症後の色素沈着を起こして美観を損ないます。美しいバストを維持するために日々清潔にして直射日光を避けましょう。

下着の素材も問題です。汗を吸い取りにくい化繊などになると肌はこすれてトラブルを起こします。できるだけ吸収性に優れた圧迫しない軟らかい素材の下着をお勧めします。またサイズもしっかり店員さんに見てもらいましょう。バストを安易に寄せて持ち上げて強調するのは危険です。

タムシ

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20代~30代の男性に多く発症します。タムシとは白癬菌という糸状のカビです。胸がかゆい(体温が上がるとますますきつくなります)赤い湿疹や水ぶくれが化膿したものが現れ、少しづつ円形に広がりを見せます。

相当なかゆみですから我慢できないと思いますが、掻くと色素沈着を起こして治りません。最近の男性は美意識が高いので望まない結果だと思います。

感染して繁殖するタイプの菌ですが潜伏期間は5年から10年と長く、発症した時は感染源を特定できません。感染経路は直接あるいは間接です。白線菌の付着したタオルなどの共有でも感染します。感染した白癬菌が繁殖する条件は長時間の高湿度と不潔な状況です。

例えば汗をかいたままのシャツをずっと着ている、などは白癬菌にとって好条件といえるでしょう。こまめに着替えてシャワーなどで洗い流して繁殖を防ぎましょう。

この白癬菌は素人目には分かりません。一見ただの炎症やかぶれに見えるので要注意です。ステロイド系の薬を塗ってしまうと一気に悪化します。ステロイドは白癬菌の好物だからです。皮膚科できちんと診断されることをお勧めします。

粉瘤(ふんりゅう)

これはニキビや吹き出物とは全く違う性質のトラブルです。胸の谷間にできたりします。かゆいので辛いのですが初期はあまり目立ちません。押すと違和感がある程度です。しかし自然になくなることはまずありません。だんだん大きくなるので気になって受診する頃はかなり進行した状態だと思います。

粉瘤というのは始め、毛穴程度の小さなものです。皮膚の良性腫瘍も一種で、皮膚の下に袋のようなものができてしまって、その中に老廃物がたまって大きくなります。本来は流れ落とすべき皮脂や垢がたまって古くなるので外科処置で取り除くしかありません。かゆいからとかきむしると粉瘤がつぶれて強い悪臭を放ちます。大きくなればなるほど後の処置も苦しいので粉瘤と診断されたら早く処置を受けましょう。

袋ごと取り除けば再発を防ぐことができます。

女性特有の胸のかゆみの原因

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ここでは女性ならではの原因についてまとめました。男性にも女性ホルモンがあるのでホルモン系統では男女共有の問題になりますが、出産につながる機能からくるトラブルは女性特有です。

成長期

初潮が始まる約1年前から成人に至るまでの間、個人差はありますが成長期です。乳腺が発達して乳房が形成されるので胸の皮膚にかゆい違和感を覚えます。ブラジャーを着用するようになるとサイズがぴったり合わなかったり、左右差があって大きい方が締め付けられてこすれ、かぶれてしまって別のかゆみを生じたりもします。

成長期の問題は治療が遅れがちになることです。思春期特有の羞恥心や、自分だけ変な病気ではないかという恐れから保護者への相談が遅れ、受診する時期を逸することが多いのです。また、成長が早くブラジャーがすぐに小さくなっても言えなくて、きついのを我慢してかぶれるケースもあります。予防するには学校の教育でバストの発育で生じるトラブルと対処法を教える必要があります。思春期特有の心理に配慮して事前に教えることが有効といえます。

生理前・妊娠初期

どちらも女性ホルモンを大量に使う現象です。女性ホルモンは主に2つあり、エストロゲンとプロゲステロンです。

エストロゲンは肌のはりや潤いを保つ作用があり、プロゲステロンは皮脂の分泌を促しメラニンを活性させる働きをします。生理前や妊娠初期はエストロゲンが減少してプロゲステロンが増加するのです。

結果、肌は潤いをなくしメラニンの活性化でシミが増えたりします。女性ホルモンの影響で乳腺が大きくなったりする上に、このダメージを受けた皮膚が過敏になってかゆみや痛みを出します。

ホルモンバランスが崩れやすい時期なので自律神経のバランスを整えるよう工夫しましょう。睡眠をしっかり取って身体を冷やさない、適度な運動で血行を良くする、などは有効です。ストレスを感じるようなことは避けてリラックスできる環境を選びましょう。何がストレスで何がリラックスなのかは個人差がありますので一概には言えません。日ごろから自分のストレス傾向を把握することが大切です。

生理前はとにかくとして、妊娠初期に使うかゆみ止めは医師の処方に従ってください。特に妊娠初期は薬の影響を胎児が受けやすいので自己判断は禁物です。あまりにかゆいと睡眠が十分取れなくなって体力を失い、免疫力が低下して何かと感染しやすくなるので妊婦にとって侮れません。早めに医師に相談しましょう。

更年期

真面目な人

これは高齢化で女性ホルモンが低下して出てくる自然現象なので治療の対象ではありません。しかし、あまりのかゆさや肌のパサつきで別の病気に移行するほど症状が重いようであれば受診して更年期の進み具合を緩めてもらうことも検討してもらいましょう。

更年期は、思春期以上に個人差が大きく日常生活に支障をきたすケースも珍しくありません。ホルモンバランスの変化があまりに急激だと乳腺の退化や肌の劣化で胸がかゆいと訴えるようになります。

失われていく機能を補うために必要な栄養はビタミンAとCです。肌の代謝を促進して潤いを保ち、コラーゲンの生成を促し抗酸化作用もあります。セラミド成分配合の保湿クリームも併せて使用しましょう。更年期はいつか必ず終わります、それまで工夫して乗り切りましょう。

危ない乳腺の話

コルセット

乳腺は男女ともにあり、授乳機能はなくても男性にも乳腺があるかぎり乳腺の病気にかかります。

女性に比べて発症率は少ないのですが、男性ゆえにどこに相談すればいいのか分からず手遅れになるケースもあります。かゆい胸は男女共に要注意といえます。

乳腺症

女性ホルモン(エストロゲン)が過剰に分泌することで胸が膨らみます。この膨らみが皮膚を引き延ばしてかゆみをもたらします。この乳腺の変化は大きく分けて2つあります。

思春期乳腺肥大症は、女性の場合初潮の1年前後で急に乳房が出現して巨大化する症状です。悪化すると片方の乳房で10キロになります。徐々に成長しても乳房は皮膚との違和感からかゆいのに、この症状は大きさが一気に増大するので感じるかゆさや痛みは大きいものです。年齢が低いので学校生活で苦労するようになります。できるだけ目立たないように強く締めがちなので皮膚のトラブルは更に増えてしまいます。小さくするためには手術で対応します。

成人女性の場合30歳代から閉経前まで発症する乳腺症は乳房のかゆみや痛み、しこり、乳頭分泌物の増加が月経前に現れて月経開始後に改善します。治療の対象ではありませんが乳がんと紛らわしく将来がん化する恐れもあるので定期的な乳がん検診が重要です。

男性の女性化乳房

心臓

思春期男子にも乳腺が膨らむことがあります。60%の思春期男子がかかりますが、これは一時的なもので何も資料しなくても数か月から1年で消えてなくなります。

50歳~70歳の初老男性の場合、男性ホルモンが減って女性ホルモンが多くなり女性化乳房が発現します。1~2年で自然に治る場合が多く、男性ホルモンを注入して改善をはかります。しかし中には病的なものも含まれるので、正常かどうか医師の診断が欠かせません。

乳がん

乳房内の乳腺にできるがんです。自覚症状がないと言われがちですが初期には胸のかゆみや違和感を訴えます。自分で見つけられるタイプのがんですが正確には医師の触診と超音波検査、マンモグラフィー、ファイバースコープで検査します。男性も発症します。

男性の場合、外科での受診となります。60歳代以降の男性乳がん患者は乳がん全体の1%と多くはありませんが乳房がないために切除するのが難しく、予後の悪いものです。

まとめ

女性が人生を通じてさまざまに乳房の変化と付き合う中でかゆい思い、痛い思いをしてきます。

日常的な感覚で慣れてしまうと異常として認識できなくて手遅れになる場合もありますので正常かどうかは医師の診断をあおいでほしいものです。生理的なものでも、ちょっとした工夫で別のトラブルを招かなくてすみます。

一番患者数が少ない男性ですが、少ないだけに経験者からの注意を得られなくて悶々としているうちに重篤に至るケースが多く要注意です。知ることが大きな予防といえるでしょう。

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