偏頭痛の時にコーヒーは飲んでもいいの?効果的な人とダメな人の差は?

偏頭痛をはじめとした慢性頭痛に悩んでいる人が増加している昨今。薬を飲んでもなかなか治らなかったり、薬に頼りたくないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。偏頭痛などの頭痛を軽減するのにコーヒーが良いと言われています。

しかし、コーヒーは偏頭痛を悪化するとも言われているので、本当はどちらなのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。今回は偏頭痛とコーヒーの関係についてご説明します。

頭痛の種類について

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慢性頭痛には、偏頭痛の他に「群発頭痛」や「緊張型頭痛」などがあります。

それぞれ対処法が異なるため、自分がどのタイプの頭痛なのかを見極めるのが大切です。

偏頭痛

週に2回から月1回程度起こり、痛みが4時間から72時間続くのが特徴です。頭の片側でズキンズキンと脈を打つように強い痛みがあります。ときには吐き気や嘔吐、音や光、臭いが気になるという症状を伴うことがあります。動くと痛みが悪化し、時々寝込むぐらい悪化することがあります。

前兆として視野の半分が見えにくくなったり、ギザギザとした光が見えることがあります。

慢性偏頭痛

偏頭痛には慢性偏頭痛という頭痛もあります。通常の偏頭痛では月に15日以上起こるのが特徴です。偏頭痛か緊張型頭痛どちらかの特徴を示し、月に8日以上は偏頭痛です。また、複合鎮痛薬などの医薬品を月に10日以上も飲んでいる人は慢性片頭痛の可能性が高いです。

慢性偏頭痛の半数以上は頭痛薬の飲みすぎが原因だと言われています。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は毎日のように続くのが特徴です。1ヶ月に15日未満の頭痛は反復性緊張型頭痛、毎日のように起こるのが慢性緊張型頭痛です。

痛みが30分から7日間続くのが特徴で、頭の両側か後頭部、頭全体が痛みます。ギューッと締め付けられるような痛みがあり、吐き気やめまい、肩こりを伴うことがあります。実際に吐くことはないのが片頭痛との違いです。

身体を動かして気分転換をすると少し楽になるのが特徴です。仕事ができないほどひどい痛みというわけというわけではないので、仕事を行うことができます。

群発頭痛

群発頭痛は1~2ヶ月間に集中して毎日のように起こるのが特徴です。15分から3時間ほど続くのが1~2ヶ月間毎日起こるというイメージです。

必ず頭の片側が痛み、まるで目の奥がえぐられるような激し痛みがあります。涙や目の充血、鼻水などを伴うこともあります。激痛でじっとしていることが出来ません。動くと痛みが楽になるのが特徴です。耐え難い痛みで仕事がストップしてしまうことがあります。

コーヒーは偏頭痛に効果があるの?

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コーヒーを飲むと頭痛が和らぐという人もいれば、コーヒーを飲むと頭痛が悪化する人もいます。ではどちらが本当なのでしょうか。

実はどちらも正しいです。頭痛の種類によって、コーヒーを飲んで症状が和らぐケースと症状が悪化するケースがあります。

また、コーヒーに含まれるカフェインには痛みを和らげる効果がある一方で、取りすぎるとカフェイン中毒になり、カフェインが原因で頭痛が起こることもあります。

コーヒーで頭痛が和らぐ人と悪化する人の違い

コーヒーを飲んで頭痛が和らぐ人と悪化する人がいますが、これはどちらもカフェインの作用によるものです。

カフェインには血管収縮作用があります。脳の血管が膨張したことで引き起こる片頭痛の場合はコーヒーを飲むと血管が収縮するので、痛みを和らげることができます。

しかし、筋肉が緊張したことで引き起こる緊張型頭痛の場合、コーヒーを飲むと、血流がさらに悪化して頭痛がひどくなる恐れがあります。

頭痛のときにコーヒーを飲んだ方が良いのかは頭痛の種類によって変わってくるため、自分の頭痛の種類がどれかを把握することが大切です。

ただし、カフェインを摂取することで片頭痛が起こってしまうタイプも10%ほどいると言われています。そのため、片頭痛が起きたからと言ってコーヒーを飲むとさらにひどくなる場合もあります。

コーヒーの頭痛編の作用がプラスに働くかマイナスに働くかは人によって違います。他人から頭痛の改善にコーヒーをすすめられても、コーヒーを飲んで頭痛が悪化してしまう場合は、飲まないようにしてください。

カフェインのその他の効果

鎮痛効果以外に挙げられる効果として以下のような作用が挙げられます。

●覚醒作用

一番馴染のあるのがこの覚醒作用です。つまり眠気を覚ますという効果です。脳の中には脳や心に色々な働きをもたらす受容体が存在しています。カフェインは数ある受容体のうちのアデノシン受容体に結び付きます。アデノシン受容体は通常はアデノシンと結びつき、脳をリラックスさせ、眠気を誘発します。

しかし、カフェインとアデノシン受容体で結びつくと、アデノシンが結びつけなくなってしまいます。カフェインがアデノシン受容体の働きを妨害し、脳がリラックスすることができなくなります。

そうなることで、脳の中枢神経が興奮状態になり、眠気が冷めるというわけです。

●強心作用

カフェインが中枢神経を刺激することで心臓の働きを活発にさせる強心作用が働きます。カフェインの効果で心臓の筋肉が収縮し、心拍数や血圧が上がっていきます。

●利尿作用

カフェインの利尿作用で身体の余分な水分を排出し、血圧を下げたり、身体のむくみを取る効果があります。

カフェインの血管収縮効果で一時的に血圧が上がりますが、それにより、腎臓を通る血液量が増加し、尿の量が増加します。血液の中から余分な水分が減って、血圧が下がるのです。

そのため、水分補給としてカフェインを含む飲み物はあまり向かないと言えるでしょう。

恐怖!カフェイン中毒の実態

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カフェインには様々な病気のリスクを軽減する効果があるというデータがあるため、悪いものではありません。ただし、取りすぎるとカフェイン中毒になるリスクがあります。

1日3倍以上のコーヒーを飲む人はカフェインの摂りすぎによる頭痛を引き起こす可能性があります。習慣的にカフェインを多く摂取しているとカフェイン中毒になります。カフェイン中毒になると、カフェインが切れたときに身体がカフェインを欲しがり、激しい頭痛を引き起こします。

このカフェインが切れたときに起きる頭痛をカフェイン離脱頭痛といいます。カフェイン離脱頭痛はカフェインを100㎎摂取することで、1時間以内に症状を緩和することができるのが特徴です。

コーヒーを1日に3杯以上飲んでいて、頭痛を引き起こした時にコーヒーを飲むと緩和するという人はカフェイン離脱頭痛の可能性が高いです。

カフェイン離脱頭痛はカフェインの摂取をやめることで、7日以内に自然に治ると言われています。カフェイン中毒による頭痛を緩和するためにコーヒーを飲むのは一時しのぎにすぎません。

カフェイン中毒による頭痛を解決するにはカフェイン摂取を止めるしかありません。頭痛はいわゆる禁断症状で、これを耐えるのは大変ですが、カフェイン中毒から抜け出すことが出来れば、頭痛のない生活が待っています。

その他のカフェインの副作用

カフェインの摂りすぎは頭痛以外にも副作用をもたらします。

3杯以下であれば、身体に良い効果をもたらしますが、超えてしまうと様々な副作用をもたらすので注意してください。

●集中力の低下

先ほどカフェインで脳が興奮状態にし、覚醒効果があるといいましたが、この効果は脳に無理をさせている状態です。そのため、眠気や集中力の低下を改善で来ているというわけではありません。

カフェインを取り続けてもいつかはカフェインの効果は切れるため、切れたときにその反動で集中力が一気に下がってしまうのです。

●疲労感

カフェインで興奮状態にある時は疲労感も感じ無くなります。ただし、それは疲労感が無くなったというわけではなく、疲労を感じていない状態になっているだけです。しかも感じていない間も疲労は蓄積します。

そのため、カフェインの効果が切れると疲労感が一気にきます。

●軽いうつ症状

カフェインを摂りすぎると、脳に無理をさせることになり、反動として軽いうつ症状を招きます。

カフェインによって脳が興奮状態になると、ドーパミンやセロトニンなどによって集中力がアップします。しかし、カフェインが切れると、集中力も途切れ軽いうつ症状が出てしまうのです。

カフェインは身体を元気にしてくれる効果があるわけではなく、無理に身体を働かせている状態なので、取りすぎることで、様々な害がもたらされるのです。

カフェインが意外と多い飲み物

カフェインが多い飲み元と言えば、誰もがコーヒーというと思います。しかしコーヒー以外にもカフェインが多く含まれている飲み物がたくさんあります。

コーヒーを飲んでいないのに、頻繁に頭痛が起きていて、カフェインが含まれた飲み物を飲むと治るという人はやはりカフェイン離脱頭痛の可能性が高いです。

●カフェインを多く含んだ飲み物(200ml当たり)

  • 玉露:460ml
  • ココア:300㎎
  • コーヒー:120㎎
  • 紅茶:60㎎
  • ウーロン茶:40㎎
  • 煎茶:40㎎
  • ほうじ茶:40㎎
  • コーラ:25㎎

カフェイン離脱頭痛は、1日のカフェイン摂取量が200㎎以上だと引き起こる危険性が高くなります。

コーヒーで小さめのカップ3杯分、紅茶で4杯分くらいということになります。

偏頭痛の治療方法

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偏頭痛をコーヒーで緩和するのは一時しのぎにしかならず、しかもコーヒーで悪化する可能性があります。

偏頭痛を治すには薬物療法で治療するしかありません。頭痛が出たときに服用する急性期治療薬と頭痛を起こりにくくする予防薬があり、それぞれの薬はとても効果が高いものが使われるようになっていきています。

急性期治療薬で用いられる薬は病院で処方されるエルゴタミン製剤やトリプタン系薬剤、薬局で購入することができる市販の鎮痛薬などが挙げられます。また、頭痛の程度に関わらず、吐き気の症状が出る場合は制吐剤を併用することができます。予防は薬だけでなく、日常生活で頭痛を誘引するような行動を避けるようにするのが大切です。

また、先述したように頭痛薬を月に10日以上飲んでいる場合は薬が原因による薬物乱用頭痛に陥っている可能性があります。この薬物乱用頭痛にならないように治療薬の違いを理解し、より効果のある薬を選択することが大切です。

市販薬で偏頭痛は治る?

頭痛が起きたときに服用することの多い市販薬。バファリンやロキソニン、イブなどさまざまな種類の市販薬が販売されています。市販薬はアセトアミノフェンや非ステロイド性鎮痛薬(NSAIDs)というものに当てはまることが多いです。

ちなみにバファリンはアスピリン製剤という鎮痛剤で、ロキソニンはNSAIDsのひとつです。バファリンは一時的な偏頭痛を改善することはできますが、偏頭痛を根絶することができません。特に慢性偏頭痛に悩んでいる人はロキソニンを選択したほうがいいでしょう。

ただし、元から痛みを取り除きたいという場合はトリプタン製剤という医師の処方が必要となってくる薬剤のため、お医者さんに相談して処方してもらうようにしましょう。

偏頭痛の予防と対処法

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偏頭痛を予防したり、引き起こしたときの対処法を知っておくだけで、急な偏頭痛のときに対処することができます。ここでは予防法や対処法をご紹介します。

偏頭痛の予防法

偏頭痛の予防法として、先述したような予防薬を使った予防療法の他、日常生活でセルフケアを行うことが大切です。

●偏頭痛の予防薬

偏頭痛の回数が2回以上のときなど日常生活に支障をきたす場合に予防薬はすすめられます。ただし、患者さんが偏頭痛以外の病気がある場合など医師の判断により、他の薬が使われる場合があります。

予防薬の効果を実感するには2ヶ月は最低でもかかります。頭痛が起きないからといって自己判断で勝手にやめてしまったりしないで、指示通りに飲みましょう。また、予防薬は偏頭痛の回数を減らしたり、頭痛が起きたときの痛みを軽くするためのものなので、頭痛が完治するというものではありません。

通常は3ヶ月から6ヶ月ほど治療を続けて、偏頭痛の回数や症状が軽くなるなどの効果が見られたら、医師と相談をし、飲む量や回数を減らしたり、中止します。

●その他の予防方法

薬以外の予防方法としてサプリメントやハーブ、漢方薬が挙げられます。

マグネシウムや用量の多いビタミンB2が偏頭痛に効果があると言われています。そのため、食品から摂るのが望ましいですが、一度にたくさんの量を摂取することができないため、サプリメントから摂取するのがおすすめです。

また、ハーブは「ナツシロギク」というハーブが偏頭痛に効果があると言われています。

漢方薬は「葛根湯」や「五苓散」、「釣藤散」「桂枝人参湯」「呉茱萸湯」などが片頭痛の効果があると言われています。漢方薬も処方箋と市販薬があるため、なるべくお医者さんが処方してもらったものを使用すると良いでしょう。

日常生活でも予防して

偏頭痛の原因として挙げられるのが過労やストレスです。週末だけ偏頭痛が起きるという人や大きな悩みを解決した後に偏頭痛になるという人は過労やストレスが原因です。仕事で緊張状態になっていると血管は収縮した状態になっています。それが休みになると、血管が拡張し、片頭痛が起こるようになります。

ストレスをうまく発散するように生活するのが大切です。また、空腹や寝すぎ、寝不足でも偏頭痛が誘発されます。つまり不規則な生活は偏頭痛の原因と言えます。また、騒音や眩しい場所も偏頭痛の原因となるため、日差しが強い日はサングラスをかけて、混雑時を避けて外出するなど対処していきましょう。

急に偏頭痛が起きたらどうする?

偏頭痛の治療法として薬物療法をあげましたが、急に偏頭痛になったときなど鎮痛薬が無いときもあるのでしょう。そんなときの対処法はいくつかあります。

まず、音や光の刺激が無い、暗く静かな場所で横になって休むのが効果的です。仕事中など横に慣れないときは椅子に座って休むだけでも効果があります。偏頭痛の症状が軽ければ、数時間休養を取ることで治ることがあります。

また、偏頭痛で痛い部分に冷却シートや保冷剤、冷たいタオルなどを当てて冷やすことで、痛みが改善されます。

このように急な偏頭痛にも対処することで、鎮痛剤を飲まなくても症状が改善できる可能性があります。薬にばかり頼りすぎると、薬物乱用頭痛になる可能性があるため気を付けましょう。

まとめ

偏頭痛を改善するのにコーヒーが良いと言われますが、それは個人の体質や頭痛の症状にもよります。頭痛でも偏頭痛以外にたくさんの種類があるため、偏頭痛だと思ったら実は違っていたという可能性があります。

しかも頭痛の原因がカフェインである可能性もあるのでコーヒーで頭痛を改善するのではなく、生活習慣を改善したり、病院を一度受診することをおすすめします。

もしカフェインによる頭痛の場合はカフェイン摂取を止めることで頭痛は改善することができるので一刻も早くカフェイン摂取をやめるようにしましょう。

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