レット症候群はどんな病気?寿命や症状を知ろう。原因や予後についても紹介!

皆さんレット症候群という名前を、聞いたことありますか?あまり聞きなれない、言葉ですがそれもそのはず、厚生労働省の2010年の調査では、1万人に0.9人の女児が推定されていて、余り多くの患者さんが現在のところ、おられないからだと思います。

日本では20歳までの有病率調査では、推定1020人ですので、日本の人口から見れば少ないことが分かります。しかしこのような病気が、静かに多くなってきている事は確かです。

このレット症候群というのは遺伝とは関係なく、突然おこる孤発遺伝なのです。たんぱく質遺伝子による突然変異で起こるわけです。

また女児だけに起こる進行性の神経疾患で、症状として約8割は6か月ごろまでは正常に成長するのです。ところが6か月から数年のうちに発達障害がでてきます。防ぐことが出来ないのでしょうか?皆さんと一緒に見てみたいと思います。

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レット症候群とは

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レット症候群についての詳細とは、どのような事でしょうか?

レット症候群の名前の由来

1966年ウィーンの小児神経科医師のアンドレアス・レット博士によって、最初の症例が発表されたことから、この病気は博士の名前をつけてレット症候群と名付けられました。

レット症候群とDNA

1999年に遺伝子(MECP2)がレット症候群の、主な原因遺伝子であることが解りました。90%以上でMECP2遺伝子が同一であるということが解ったのです。

遺伝子の活動をコントロールしているのが、DNAの巻き具合なのです。遺伝子の活動がOFFになる、眠った状態になるときは、DNAの遺伝子はきつく巻かれているのです。

このレット症候群は、遺伝子が眠った状態になる、DNAの巻き具合がきつくなっている、遺伝子であることが解ります。病気の原因はこのDNAの巻き具合の、たんぱく質の異常によって、発生することが解ってきたのです。

レット症候群のあらまし

この病気のほとんどが女児に発生しています。また日本では小児慢性特定疾患(難病)に指定されています。人種などには関係なくどの国でも、発症すると考えられています。殆どの症例で人間の成長の、停止や後退がみられますが、6ヶ月頃までは正常な人間としての、成長を遂げています。

しかし6ヶ月以降になると、身体が柔らかくなって四つん這いのはいはいや、よちよち歩きができない、運動の遅れなどが目立つようになってきます。また周りへの反応が乏しくなり、肉親と目が合っても視線などが合いにくい、自閉症の症状が出てきます。

6ヶ月頃まで普通の赤ちゃんとして、成長していた赤ちゃんが、突然その成長が止まるばかりでなく、成長が後退していくなんて、家族にとっては痛みに、耐えられない心境でしょうね?

多くの子供は1歳6ヶ月から3歳ころまで、今まで動いていたスプーンを持ったり、おもちゃを持ったりしていた手の運動が出来なくなり、手を合わせる手もみや手絞り、一方の手で胸を叩く動作など、意味を持たない特有な常同運動しかできなくなります。

この時期から四つん這いや、歩くことなどの機能も後退し、四つん這いのハイハイやヨチヨチ歩きが出来なくなります。またそれまで発していた言葉なども、言葉が出なくなる退行現象が出てきます。

このほかにも色々な症状を伴います。てんかんが70~80%の割合で見られ、30%に抗けいれん薬に抵抗性のある、難治てんかんが見られます。また50%に歩行困難の症状が出ています。

その他にも呼吸の異常や頭囲の発育の伸びが鈍くなって、後天的な小頭症となり、重度の知的障害の症状が出ることもあります。またけいれんや便秘、冷たい小さな足などの自律神経の異常、歯ぎしりおよび過呼吸・無呼吸のなどの特異な呼吸をするようになります。

★退行(たいこう)とは以前できていた動作や言葉などが出なくなることです。

★常同運動(じょうどううんどう)とは同じパターンで繰り返される、意味を持たない運動でリズミカルな動作です。

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レット症候群の原因

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レット症候群の病気の大体のあらましは解りましたが、原因は何処にあるのでしょうか?

MECP2遺伝子が原因?

原因は先にも書きましたが、たんぱく質の異常により、起こることが解ってきました。遺伝子連鎖解析で、X染色体長腕Xq28との連鎖があることが解りました。MECP2遺伝子がレット症候群の原因の遺伝子であることが解ったのです。

MECP2遺伝子が正常に機能しないと、中枢神経の正常な発達になくてはならない、綿密な遺伝子の制御が、ほかの遺伝子が不適切な行動を起こすことになり、いつもスイッチの入った状態になるからです。

MECP2遺伝子の活動をコントロールしているのが、DNAの巻き具合なので遺伝子の活動がOFFになる眠った状態のときは、DNAの巻き具合は強くなっています。レット症候群のは巻き具合が強くなって起こっているのです。

MECP2遺伝子はメチルCqG結合たんぱく2と言われるたんぱく質をコードしています。レット症候群はこのメチルCqGたんぱく2と言われる、遺伝子の異常からおこっています。メチルCqG結合たんぱく2は、脳の発達と機能の維持に大切なたんぱく質です。

90%が遺伝子MECP2が主な原因遺伝子です。リン酸化酵素(CDKL5)をコードしている遺伝子変異で、DNAに特異的に結合する、たんぱく質の一群の遺伝子の、異常が見つかっています。しかしなぜたんぱく質が異常を、起こすのかの原因は解っていません。

レット症候群はX連鎖性優性遺伝の、遺伝による形式になっていますが、遺伝の傾向はなく突発的に現れる孤発例の発症です。

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レット症候群の症状

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さてレット症候群のあらましと、原因は解りましたが症状はどの様なものがあるのでしょうか?

後にレット症候群の症状の経過をお話しします。ここでは大体の症状を書きたいと思います。先にも述べましたがレット症候群は、大体生後6か月ぐらいまでは、普通の成長を遂げますので、あまり症状に気が付くことはないと思います。

幼年時期早期から筋緊張低下などの、四つん這いのはいはいや、よちよち歩きが出来なくなり自閉症の症状が見られるようになります。

また今まで話していた言葉が出なくなり、言葉の遅れを感じるようになります。また先にも書きましたが、早期小児期にはスプーンや、おもちゃをもって遊んでいた、手の運動の機能が後退して運動が出来なくなり、縦に手を振ったり、胸を叩いたりする特有な、常同運動をするようになります。ジストニーや筋緊張亢進が起こるようになるのです。またロコモーションの異常などが見られるようなります。

色々症状が進んでくると、重度の知的障害となり、後天的な小頭症などが見られるようになります。またてんかん発作やふらつき、歩行時の異常、念じるような動作、身体が硬くなる症状が出て、脊柱の側弯なども起こってきます。

また夜間に覚醒して騒いだり、睡眠障害や歯ぎしりをするようになります。また小さい冷たい手足や、頑固な便秘の自律神経症状が出てきます。また過呼吸と無呼吸を繰り返す呼吸障害が起こります。

★ロコモーションとは運動力や移動力です。

★ジストニーとは中枢神経による障害で、筋収縮に掛かる運動障害の事です。

合併症

レット症候群が進行して重症児になると、日常の合併症は感染症や誤嚥性肺炎等が起こることが多いので注意がとても必要となります。

食べ物が上手に食べられなくなり痩せてきますので、胃瘻(いろう)増設をしなければ栄養が体の中に入らなくなってきます。吐き気症などを起こしたり、稀に消化管の破裂などが起こることがあります。

また稀にですが小児期で胆石などの、合併症が起こることがあります。自分で症状や痛みなど訴えることが出来ないので、周囲が注意をしないと大変なことになります。また骨の発達も悪くなり骨折などにも注意が必要となります。

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レット症候群の治療

治療方法

レット症候群のあらましや、原因、症状は解ってきましたが、治療方法はあるのでしょうか?

根本的な治療はまだ確立されていなくて、開発されていません。動物をモデルにして骨髄移植や遺伝子治療がされていますが、一定の効果は報告されています。しかしまだまだ人への応用は難しいようです。

このレッと症候群は遺伝子異常によって起こされる症候群なので、症状を食い止めることもできていません。マウスの段階では、MECP2遺伝子を破壊すると、レット症候群がみられ、マウスにもう一度MECP2の、正規の遺伝子を取り入れると、改善が見られたそうですが、まだ人への応用は研究段階で、まだまだ長い時間が必要なようです。

このマウスからの実験では、遺伝子治療によって改善されるようなので、将来はレッと症候群も、正規に戻る時が来るのかもしれません。

症状に対する治療方法

インシュリン様成長因子(IGF-1)の皮下注射や、新規の治療薬が世界では開発されています。現在行われているのは、一つ一つの症状に対する、対処療法がおこなわれています。

運動機能に対しては理学療法や作業療法で、治療が行われています。また言語に対しては言語療法がおこなわれ、てんかんや痙攣にたいしては、抗痙攣薬の調整などの療法が用いられています。

また側弯などは整形外科の外科的治療が行われ、手術が行われたり、コルセットなどを使用しています。その他に水泳療法や音楽療法なども取り入れられ、歯科治療も行われています。

レット症候群の日常の注意

日常気を付けないといけない事は、とても沢山あります。まず嚥下に時間が掛かるようになりますので、慌てずゆっくり食べさせることが大切になってきます。また食事はむせない様にとろみをつけて、誤嚥性肺炎にならない様予防が必要となってきます。また便秘が多くなってきますので薬を使うことがあります。

また骨折が多くなるので、骨密度の測定を定期的に行い、活性型ビタミンDやカルシウムを注意して摂ることが必要となってきます。またてんかんや痙攣が長くならない様に、薬で調節していきます。

突然脈が乱れて立ちくらみや意識を失う、発作のあるQT延長症候群等の、不整脈が出ることがあります。ですから1年に1回は必ず心電図の検査が必要となります。

また側弯の姿勢が進行しない様に、コルセットを整形外科の先生と相談して作ってもらったり、歯科医師に相談して、歯ぎしりのため歯がすり減るのでその予防と、歯肉炎や虫歯などの予防をすることが大切になってきます。

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レット症候群の経過

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さてここまでレット症候群の事について書いてきましたが、まとめてレット症候群の経過を書くと次のようになります。

第Ⅰ期:発達停滞期

生後6ヶ月~18ヶ月通常数ヶ月続きます。

四つん這いでハイハイしたり、ヨチヨチ歩きの歩くことの遅れに気が付くと同時に、乳児が発する意味のない言葉の喃語や、意味のあるパパ、ママの言葉が言えるようになった後に、言葉の発達が見られなくなります。

家族としては何が起こったのだろうと、驚くでしょうね?やっとパパ、ママと言ってもらえるようになった途端、ウー、アーとか、発するようになると、吃驚しますよね。

第Ⅱ期

退行期1~4歳から数ヶ月続きます。

今まで歩くことが出来ていた子供は、歩くことが出来なくなる歩行障害が起こり、コミュニケーションが取れていたのに、家族とコミュニケーションが取れなくなります。

またおもちゃやスプーンなどを持つ、目的のある運動が出来なくなり、おもちゃやスプーンが持てなくなります。そして手もみや、手絞り、手を口に持って行って、片手で胸を叩くなどの、意味のない行動の常同行動が出てきます。このように運動や言語の急激な、退行が見られるようになってくるのです。

家族としては一番可愛いしぐさの時期に、その行動が限られたものになってしまって、悲しみのどん底に突き落とされた気持ちでしょうね?

第Ⅲ期:仮性安定期

2~10歳に始まり数年から数十年続きます。

急激な行動退行の後に症状は、徐々に安定して落ち着きを取り戻すように、視線もよく合うようになります。手の意味のない同じパターンの繰り返される常同運動や、無呼吸や過呼吸が繰り返される呼吸異常や、歯ぎしりなどが誰の目にも、明らかに映るようになってきます。

てんかんはこの時期に多く40~80%に認められ、筋緊張の症状は次第に進んできます。また脊柱側弯や運動機能が一層低下して、骨折のリスクが増えることになります。

家族としては一生この子を守らなければ、という気持ちに変化していくのでしょう。最初は驚きの連続でも、現実に起こっている事に対して、防衛反応が働きますから、どのようにしてこの子を、一日でも長く生きさせる事ができるか?と考えが変わっていくのでしょうね。

第Ⅳ期:晩期機能低下

10歳~

10歳ころから動きの運動が減り、足や手を使わなくなるため細くなって、歩行には車いすが必要となってきます。筋緊張の症状がさらに進んで、ジフトニアと言われる、不随運動が誰の目にも明らかとなってきます。

痙攣やてんかんが少なくなり、過呼吸・無呼吸の今まで異常を起こしていた、呼吸異常が目立ちにくくなります。しかし食べ物がうまく食べられなくなり、嚥下に時間が掛かり痩せてくるので栄養的に胃瘻増設をしないと、身体の栄養が保てなくなります。誤嚥性肺炎に注意が必要となってきます。

胃瘻により生命の維持が保たれるようになるのです。てんかんや痙攣が少なくなって、過呼吸・無呼吸の異常な呼吸異常が、どうして消えるのでしょうね?

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レット症候群の予後

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ではレット症候群の予後はどの様になっているのでしょうか?

オーストラリアの調査ではレッと症候群で、25歳まで生存した女性が77.8%の生存率でした。一般女性の生存率99.9%と比べると明らかに低いです。死因は肺炎が44%、呼吸障害が16%、誤嚥低酸素12%、不明28%でした。

またアメリカのテキサス州では、レット症候群の女性が70%35歳まで生存していたそうです。一般の35歳の生存率98%と比べると明らかに低くなっています。生存の長さは胃瘻による栄養の取り入れが、重要なカギとなっているようです。

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まとめ

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如何でしたでしょうか?このような病気が存在する、ことすら知りませんでした。たんぱく質遺伝子の異常によって、突然おこるこの病気は、患者さんご家族にとって、とても深い悲しみがあると思いますが、色々な医療技術が発達する中で、生命も伸びているのかもしれません。

医療技術の発展はとても大切に思いますが、まずこのような遺伝子が破壊されるような、また異常が起こるようなことを断ち切る元を、見つけてほしいものです。昔はこのような遺伝子の異常が、起こることはまずなかったように思われます。

この様な遺伝子が異常を起こしたり、免疫力が自分の臓器を傷をつけたりする、病気があまりにも多くなっています。

私たちはもう一度原点に立ち戻って、人間の生きることについて、考え直さなければならない時が来ているのではないでしょうか?

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