頬骨あたりが痛い、といっても痛み方によって原因が違います。大きく分けて3つありますがジーンと痛い、奥に響くように痛い、ビリッと電流が走るように痛い、などの痛みの種類に分類できます。
自分の痛みの症状はどれに当てはまるでしょうか?
どう痛くても顔面の痛みは苦痛なだけでなく食欲にも影響してしまうものです。やがては全身の不調につながるので早めの対応を心がけましょう。
それぞれの痛みの場合での痛みの発生している原因やその他に発生してしまう可能性のある症状や治療法などについても紹介していきますので、それぞれ参考にして、自分の原因となる問題を特定して専門の科の病院やクリニックでの治療や診察を受けていきましょう。
頬骨に痛みが発生してしまった場合は原因によって耳鼻科や歯科、神経科、麻酔科など全く違う病院での治療が必要になります。
頬骨が痛いのは顎関節症?
よくある原因の一つです。生活環境から発症もしますが習慣を見直すことで改善できるものもあります。
加齢と共に増えて30代女性が多くなってくるのは女性ホルモンバランスの影響ともいわれています。
顎関節症とは
頬骨の高いところ、ちょうどこめかみや目の下あたりに指を置いてください。そしてグッと食いしばってみてください。指に関節の動きが伝わると思います。そこが顎関節です。
ここに先天性な要素や後天的な要因が加わると、動かなくなったり痛みが出たりします。原因もさまざまありますが、ここでは痛い頬骨の理由につながる顎関節症についてご説明いたしましょう。
咀嚼筋障害
この顎関節症にはカクンとかジャリなどの不快な音を伴いません。筋肉だけに痛みを感じるタイプです。筋力低下で顎の位置が維持できず開けたり閉じたりしにくくなって、強い痛みが出ます。咀嚼する筋肉の周辺に問題を起こすので咀嚼筋障害といわれています。
女性の患者が多いのは男性よりも筋肉が薄いからです。男性もならないわけではありません。細面の男性はなりやすい傾向にあります。食生活の変化で噛む力が低下すると発育時に筋肉がしっかり育たないために咀嚼力が低いまま成人します。また、噛む回数は血行に影響します。
同じ姿勢が続く、歩かないなども血行不良の原因になりますので時間を決めて屈伸運動、ストレッチ、顔面マッサージなどで血行を良くしていきましょう。関節の維持をするのは筋肉の役割、その筋肉をなめらかにするのが血行です。顎にとどまらず、全身の血行についても併せて改善すれば効果は大きいといえましょう。
顎周りの筋肉については、少しづつでいいから噛む回数を増やして血流を改善し咀嚼筋を育てましょう。冷やさないことも重要です。温めて筋肉の緊張をほぐしてから、ゆっくり顎を開けてください。痛みのない範囲で構いません。
ここで無理は禁物です。最初は指1本くらいから、ゆっくり開けて、そっと閉じる。立ったままより仰向けの方が脱力できます。寝る前に方がいいでしょう、起きてすぐは血行が滞って筋肉も固いのでトレーニングには不向きです。リラックスして寝る前の新しい習慣にしてみてください。
頬づえは止めましょう
習慣になっている姿勢を変えていくのも大きな対策です。頬づえなど、いつの間にかしてしまっている行動をチェックしてみましょう。頬づえは顎の発育を妨げるだけでなく背中・骨盤の位置もゆがめてしまいます。
成人してから、というより幼児期の癖が多いので保護者の方は見るたびに注意してあげてください。お子さんですから難しいことは分からなくても、説明は有効です。顔がゆがむよ、でもかまいません。そのうちしなくなるだろう、は禁物です。
仕事中、話しながらメモする時、聞こえにくかったり場所が狭いと電話機を肩と耳に挟んでメモしたりされていませんか?あれは強烈に顎周辺の筋肉を固めてしまいます。首、肩も一気に止血するので影響は広範囲に出ます。オフィスであれ外出中であれ、意識して気をつけて電話に対応したいものです。もし、仕方なく応じる場合は首、肩をゆっくり伸ばしてください。一気に伸ばすと、しつこい痛みになってしまうのでご注意ください。それから顎周りをなでておきます。これで悪化は食い止められると思います。
吹く楽器の演奏も症状が治まるまで控えてください。お口の周りの筋肉を緊張させる時間が長いので顎関節に大きな負担になるからです。まず、痛い時に吹けるのか?ということですが音楽には痛みを緩和させる脳内麻薬を出す仕組みがあります。演奏中は吹けたりできます。骨折したバレリーナが音が出ている間だけ踊れるようなシステムが脳にはあるのです。
それはそれで素晴らしいのですが痛みの原因は悪化しているので演奏後、更に日常生活に支障が出てしまします。演奏前に、吹かないと決断するのが一番の養生になります。
ストレスで食いしばり
最近よく聞く「食いしばり」については想像以上の悪影響があります。歯状だけでなく歯そのものを破壊する原因になっています。もちろん顎関節も無事ではありません。睡眠中の歯ぎしりもマウスピースの処方で改善できますが、起きていて無意識の食いしばりは時々気をつけることしか方法ありません。
ストレスの食いしばりで、セールスされてる方がクレーマー対応で奥歯が割れた報告がありました。長い時間、理不尽な物言いに耐えた結果です。それほどの圧力は顎関節にかかるわけですから痛いなんてものではありません。
精神的ストレスだけでなく重いものを持つ、一気に加圧するスポーツも同じです。野球でホームランをよく打つ選手の奥歯はほとんど割れていると手記にあるのを読んだことがあります。顎の開閉に苦しむほど痛い時、ご自分の職種やスポーツに原因がないかどうか振り返ってみてください。思い当たるようでしたら顎関節に加圧しないように治る間だけでも工夫できないでしょうか。
周りの方の理解、ご協力をいただきたいところです。
顎関節症に場合は何科に行けばいい?
顎関節症の疑いがある場合は歯科もしくは口腔外科での受診をしましょう。症状を詳しく検査し、原因を突き止め、マウスピースを作ったり、関節円板のズレなどを治療することが出来ます。
また運動療法や、生活習慣の改善や行動、癖の修正などの指導をしてもらうなどを主に行います。基本的には歯科を始めに受診して、そこから口腔外科などを紹介してもらうのがルートとしては早い流れでしょう。
症状が軽度の場合は歯科でも十分に治療が行なえますので十分治療が行なえます。また、頬骨の痛みが虫歯から来ている可能性もあります。同時に虫歯などが発生していないかを診察してもらい症状を治療していきましょう。
その他にも頬骨に痛みを発生させる問題としては歯性上顎洞炎などの問題もあります。歯性上顎洞炎は虫歯や歯周病などが進行して上顎洞に炎症が発生してしまう問題になります。
この問題も歯科、口腔外科で治療が行なえますので病院での診察を受けていきましょう。
頬骨が痛いのはの蓄膿症・鼻腔炎が原因かも
副鼻腔炎を指します。副鼻腔はいくつかありますが頬の裏にあるのが上顎洞です。副鼻腔の中で一番大きな空洞で炎症を起こしやすい場所です。ここでは上顎洞の蓄膿が痛い頬骨の原因としてご説明いたします。
急性副鼻腔炎
突然、頬骨が「痛い!」と感じて鼻の奥が臭くなり口臭も強くなって黄色や緑色の鼻汁がでます。上顎洞の炎症ですが原因はウイルスの感染です。放置しても1ヵ月くらいで自然治癒力で完治するケースがほとんどですが、長期化すると厄介な症状です。病院で除菌すれば2週間でなくなる症状ですから侮らず受診されることをお勧めします。
黄色や緑色の鼻汁の正体は膿です。上顎の穴が炎症を起こして鼻から出てくるのですが、まず膿がたまっている時から既に頬骨あたりを「痛い」と感じます。膿で呼吸機能が低下しますから頭がぼーっとするのもありますが、奥に鈍痛があり、頬骨を押してみると痛みがあります。
受診が早ければ膿汁を吸引して安静、軽い薬物で済みます。症状が悪化しそうであれば除菌もします。あくまでも感染して発症ではありますが疲れているときには免疫力が落ちて、いつもならすぐに治る風邪も長引くことになります。
そこで長引かせない対策として除菌以外に、安静を保つ、ということが重要になってきます。これは時間との勝負です。早く対策を立てれば早く復帰できて慢性副鼻腔炎に進行することはありません。
疲れだけでなく発症のきっかけとしては風邪をこじらせたり、極端な偏食で栄養のバランスを欠いたり、大気汚染など身体の内外に発症にいたる原因があります。予防としてはマスク、手洗い、うがいの慣行で感染しにくい工夫が重要です。急性副鼻腔炎の治療そのものが慢性副鼻腔炎の予防に直結するからです。
慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎が3ヵ月続けば、もはや慢性副鼻腔炎といえます。こうなると炎症が深くなっていて簡単な洗浄や除菌では結果は出にくくなっています。強い抗生物質の使用はもちろん手術も必要になります。
治療の長期化、悪化はそのまま社会生活の制約と経済的問題につながります。お子さんの場合、頬骨が痛いだけではすみません。記憶力減退、思考力低下につながるので学業機会を失いかねません。自信をなくしてしまう前にしっかり再発防止に取り組んであげてください。
蓄膿症の手術というと、昔は切開術しかありませんでした。頬の肉の外から切っていたため顔面に傷が残ってしまいましたが近年の切開とは、上歯茎から切るので術後の外見には影響しません。今では鼻から内視鏡を用いて切開を避ける方法が主流になっています。
蓄膿症、鼻腔炎の場合は耳鼻科へ
蓄膿症や鼻腔炎の症状が発生している場合は耳鼻科での治療を受けていきましょう。抗生物質の処方や鼻腔内を洗浄することで鼻の中の膿や菌を洗浄してくれます。
応急処置を行っただけでも大分楽になるので初診での治療でも症状は大きく和らぐ事が期待できます。もし難治性の鼻腔炎などが発生している場合でも、日帰りでの治療、手術などが行える病院もありますので近くで蓄膿症や鼻腔炎の治療に明るい病院を選択して受診してみましょう。
頬骨が痛いのは三叉神経痛?
これは痛いなどという生やさしいものではありません。頬骨に感じるので顎関節症と間違えられるケースもありますが原因となるのは主に脳であることが最近、分かってきました。
正確には特発性三叉神経痛といいます。
痛みの特徴
突発的に電流系の激痛が走り数秒から数十秒、息もできない苦痛です。噛んだ時にも痛みが走るので顎関節と勘違いされますが洗顔・化粧・ひげそり等でも痛みがでます。
11月や2月に発症する方が多く季節との関連も指摘されています。11月、2月というのは冷え込みの強い季節なので、急激な冷え込みに影響を受けると理解してさしつかえありません。
冷たい水を飲んでも発症するのも同じ理由です。診断は医師の問診とMRIの検査が有効です。特にこの症状に慣れた医師は的確な診断をし、MRI画像はあくまでも裏付けとして用います。それだけ問診が決めてにかるわけですから患者は、日ごろの容態についてできるだけ詳しく報告できるように用意したいものです。
毎日、頬骨がどう痛いのか、何時に痛みがあったのか、何をして痛みが出たのか、どれくらい痛みが続いたのかなど、初診時に日ごろの観察内容を聞いておいても良いでしょう。専門医師との良い関係作りにも役立ちます。
有効な治療法
内服薬が効果的です。社会生活も続けやすいので治療法としては主流になっています。それでも効果が薄い場合、手術を考えます。三叉神経を圧迫している血管を移動させる方法もありますが脳腫瘍が原因であれば腫瘍の切除をして根治を目指します。
手術が最期の手段なのか、緊急なのかは医師の判断に従うべきですが、早く解決することで、あなたの美貌は保たれます。痛みに耐える時、あなたはしかめっ面になっているはずです。シワ対策としても早期解決をお勧めします!
三叉神経痛の場合は何科?
三叉神経痛の症状の場合は神経科、麻酔科などでの治療が行なえます。手術などを希望する場合は脳外科などでの治療が行われるでしょう。
三叉神経痛の場合もまずは神経内科や麻酔科などの病院での検査を最初に行ってから原因が特定され、その後専門的な治療が可能な病院を紹介してもらったほうがいいでしょう。
神経内科や麻酔科(ペインクリニック)などではブロック注射や薬物療法などでの治療を受けることが出来ます。基本的に麻酔科や神経内科での治療は対処療法で根本の問題を解決する治療は難しい傾向があります。
どうしても若干の麻痺が残ってしまったり、長期間の通院が必要になりますので、三叉神経痛に繋がらないように原因となるヘルペスウイルスやストレスを溜め込まない様に対処していくことが重要でしょう。
帯状疱疹
帯状疱疹は背中や胸や顔、首などの皮膚に発生しやすい症状になります。主な原因や症状を見ていきましょう。
症状
帯状疱疹の症状は皮膚の表面付近に痛みや痒み、違和感、痺れ、麻痺などの症状が引き起こる皮膚症状になります。痛みの特徴としてはチクチクするような感覚が特徴的です。皮膚症状が無く、キレイな表面でも神経が痛むようなビリビリと感じる痛みや違和感が長期的に残ることがあります。
体の片側に左右非対称に引き起こりやすい特徴があり、皮膚表面に症状がでていて触ると違和感がある、ブツブツしている、乾燥している、片方だけに症状が出ているなどの場合にはこの病気の可能性があるでしょう。
原因
帯状疱疹の原因としては、ヘルペスウイルスに感染している場合に発生します。ヘルペスウイルスは小さい頃に多くの人がかかったことのある、水疱瘡などの原因ウイルスでもあります。
体の中に残っているこのウイルスが免疫力が低下してしまっている時にぶり返してきて、この様な皮膚症状を引き起こすことがあります。
ストレス、過労、怪我、環境の変化による身体的な負担、病気、高齢化によるホルモンの変化や老化などが原因になっていると考えられています。睡眠不足などで著しく短期的に体力の低下や免疫力が低下している時は特に注意が必要でしょう。
帯状疱疹にかかった場合は何科に行けばいいの?
基本的には皮膚病になりますから、皮膚科での治療が可能な病気になります。しかし、神経痛などが残ってしまったり、帯状疱疹神経痛などの問題に発展してしまった場合は神経内科などんでの治療も有効でしょう。
神経痛に繋げると、長期間痛みが継続してしまったり、苦痛の負担が大きくなりますので、なるべく早く皮膚科を受診して神経痛に繋がらにように早めの治療を開始することが重要になります。
基本的に治療は投薬での治療になりますので抗ウイルス薬などを飲む治療をなるべく早く行っていきましょう。
まとめ
◆顎関節症
- 顎関節症とは
- 咀嚼筋障害
- ストップ頬づえ
- ストレスで食いしばり
◆蓄膿症
- 急性副鼻腔炎
- 慢性副鼻腔炎
◆三叉神経痛
- 痛みの特徴
- 有効な治療法
◆帯状疱疹
- 痛みの症状
- 原因
以上が今回の記事のまとめになります。
頬骨の痛みも原因が様々です。間違った対処をすると、症状が改善されないまま悪化してしまうことがあります。
自分がなぜ頬骨が痛いのかを確認して、適切な処置を受けましょう。
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