「アソコがかゆい・・・」とか「アソコがただれている・・・」、「もしかしたら、性病かも・・・」などなど、下半身にまつわる悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか?
「病院へ行くのは、恥ずかしい・・・」と思われている方もいらっしゃるはず・・・。
でも、そんな症状が出ているのに放置していると、病状が悪化してしまう可能性もあります。
そんな方のために、ここではいろいろな性病についてお話ししたいと思います。
亀頭包皮炎とは
亀頭が炎症を起こしている亀頭炎と、包皮が炎症を発症している包皮炎の両方を合わせた総称が、亀頭包皮炎と呼ばれています。炎症の程度は、その症状によりさまざまです。単に、赤みがかった炎症のみの場合もあれば、潰瘍などができている場合もあります。
このように、陰部が炎症を起こしている場合、包皮部分で細菌やウィルスが増殖して症状を悪化させていることが多いのです。
つまり、包皮が細菌やウィルスを繁殖させてしまう温床となってしまっているんですね。
性感染症の原因となる包茎について
原因となる病原菌はさまざまなのですが、基本的に、性感染症などの病気は、性交渉などによって、包皮部分で感染する事が多いのです。
このような感染症を引き起こす可能性のある包皮は、基本的に、包茎と呼ばれています。その症状から、真性包茎、仮性包茎、カントン包茎と3種類に分類されています。
真性包茎は、皮を剥くことができないほど包皮に包まれており、仮性包茎は、包皮を剥くことができます。カントン包茎は、皮を剥くことができますが、陰茎を傷つけてしまう可能性もあります。
また、女性でも包皮が陰部を覆っている場合もあります。このような包皮部分に、感染症の原因となる細菌やウィルスが潜んでいることがあります。
これから、そのような代表例をこれからお話しします。
亀頭包皮炎の原因
亀頭包皮炎を発症する原因は、主として以下の4つが挙げられます。
他者との性行為による発症
他者との性行為によって、様々な病気に感染し、亀頭包皮炎の症状を発症することがあります。
原因となる性感染症は、カンジダ、淋菌、クラミジア、性器ヘルペス、梅毒、疥癬などさまざまです。ここで、すべてを説明することはできませんが、後ほど代表的な感染症についてお話しします。
マスターベーション
他者との性行為だけではなく、激しいマスターベーションが原因となって、カンジダや黄色ブドウ球菌による亀頭包皮炎を引き起こしてしまうことがあります。
その原因は、亀頭や包皮にある小さな傷口から雑菌が入ってしまうことによるもので、雑菌性亀頭包皮炎とも呼ばれています。
包茎
亀頭包皮炎は、包茎の方に多く発症します。その原因は、包皮を清潔な状態に維持することができないことによることが多いと言われています。
包皮の中にたまった恥垢と呼ばれる垢や細菌・雑菌が、炎症を引き起こす原因となっているのです。
糖尿病
糖尿病を患っている患者さんは、細菌が増殖しやすくなってしまうことが多く、そのために亀頭包皮炎になりやすいと言われています。
他者との性行為による原因や症状と治療
亀頭包皮炎を発症する主な要因は、他者との性交渉によるものが多いようです。
その原因はさまざまだと前述しましたが、細菌やウィルスが繁殖しやすい部位として包皮があげられることも合わせてお話ししました。そのような性感染症について、これからお話ししたいとおもいます。
カンジダの原因や症状と治療
カンジダ菌による亀頭包皮炎です。
カンジダの原因と症状
カンジダは、カビ(真菌)による感染症なのですが、通常は、人間が皮膚や口腔内など、誰でも持っている常在菌なので炎症を起こすことはないのです。
それが、性交渉の結果、亀頭や包皮が傷つき、その傷口から発症します。
人間は、動物細胞の集合体なので、植物細胞であるカビや真菌などに対して免疫を持っていません。人間の体内には、細菌やカビ、ウィルスなどが拮抗して存在しています。
つまり、人間のからだは細菌やカビ、ウィルスなどの微妙なバランスのもとに成り立っているのです。なんらかの原因によって、細菌が勢力を拡大したり、あるいはカビの勢力が強くなったりすると、体内の微妙なバランスが崩れ、炎症を起こすのです。
自覚症状がないことも少なくなく、自然治癒することもあるのですが、亀頭炎や包皮炎などカンジダ性亀頭包皮炎などの症状を発症して、亀頭や包皮のかゆみ・違和感を感じるようになるのです。
亀頭や冠状溝周辺が赤くなり、紅色丘疹や小水疱、びらん、皮膚が水分でふやける浸軟、あるいは、白い皮が剥けているような白苔などの症状がみられます。
カンジダの治療
陰部を石けんで洗いすぎると、細菌のみを滅菌してしまい、カビであるカンジダ菌が繁殖してしまうのを助けてしまうことになります。したがって、石けんで洗いすぎずに、お湯ですすぐ程度にします。
「ゲンタシン」や「リンデロンVG軟膏」もカンジダ菌には効かず、細菌を殺してしまうので、さらにカンジダ菌が繁殖してしまいます。
軟膏では、水虫の薬である「ラミシール軟膏」がカンジダ菌に効き目があり、医師の処方箋がなくても薬局で購入できます。場合によっては、約3ヶ月間程度の長期にわたって、患部に1日2回薄く塗って、根気よく治療を続けましょう。
淋病の原因や症状と治療
淋病の原因と症状
淋病は、尿道から黄色い分泌液が出て、排尿時に痛みを感じることがあります。性行為ののち、数日あるいは2〜3週間で発症するときもあります。また、口内で性交渉があった場合は、淋菌によって咽頭炎を発症することもあり、喉の痛みや違和感を感じるときは、淋菌性咽頭炎の可能性があります。
淋病の治療
基本的に、内服薬を1〜2週間服用して治療しますが、ときに抗生物質の服用が必要となることもあります。服用後に、再検査を実施して陰性であることを確認することが推奨されています。
クラミジアの原因や症状と治療
クラミジアの原因と症状
クラミジアは、尿道からさらっとした透明な分泌液が出て、排尿時に痛みを感じたり、尿道に不快感を感じたりします。また、無症状の場合もあり、淋病ほど強い症状はないようです。
クラミジアの治療
淋病ほど強い症状が出ないとはいえ、抗生物質の服用が必要となる場合もあります。淋病同様、咽頭炎を引き起こすときもあるので、咽頭部の痛みや違和感があるときは、クラミジア性咽頭炎の可能性もあります。
性器ヘルペスの原因や症状と治療
性器ヘルペスの原因や症状
性交渉時にヘルペスウィルスによる接触感染が原因となります。男性の場合だと、ペニスや周囲の陰部が赤くなり、水ぶくれのような水疱ができます。
水疱が破れると、ただれたような状態になり、痛みもあります。感染後、すぐに発症するときと、一定期間の時間経過後に発症する場合があります。
性器ヘルペスの治療
性器ヘルペスの治療は、初めての感染時、患部や排尿時に激しい痛みを感じたり、頭痛、高熱など全身的症状があるときには、基本的に抗ヘルペスウィルス剤を点滴する必要があります。したがって、入院して治療することになります。
症状がさほど重くない場合は、内服薬の服用による通院が主な治療法となります。
再発時でも、軽症の場合、早めに抗ヘルペスウィルス外用薬などの軟膏を1日3,4回塗布することで治療できます。症状がもう少し重い場合、内服薬であるヘルペスウィルス薬で治療します。
尖圭コンジローマの原因や症状と治療
尖圭コンジローマの原因と症状
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマ(HPV)ウィルスによる接触感染が原因となって発症します。
感染後、約3ヶ月程度で、ペニスやその周囲、肛門などに、1箇所あるいは複数箇所で「イボ状のできもの」ができます。初期症状では、小さく、痛みもかゆみも感じないので気づかないことが多いのですが、徐々に大きくなり、その数も増加していきます。
症状が悪化すると、カリフラワーのようなイボになるときもあり、治療しないと、イボの数も増加して、完治するまでに相当の時間を要します。
尖圭(せんけい)コンジローマの治療
尖圭コンジローマの治療には、早めの治療が望まれます。
「ペセルナクリーム塗布薬をぬる」あるいは「液体窒素による凍結療法」で週1回の頻度で冷却して「できもの」を小さくしていく治療法、イボの周囲に麻酔を施して電気メスで焼く「熱灼治療」でイボを取り除く治療法もあります。
ただ、イボを取り除いても、ウィルスが残存している可能性もあるため、再発を繰り返す場合もあり、根気よく通院して治療を継続することが肝要です。
梅毒(ばいどく)の原因や症状と治療
梅毒の原因と症状
梅毒は、性行為を通じて、トレポネーマパリドゥムが小さな傷口から侵入して感染します。
感染後、約3週間で、侵入部に「かたいしこり」のようなものができて、ただれてきますが、痛みはありません。
また、リンパ節が腫れることもありますが、痛みはなく、第1期梅毒とされています。
第2期梅毒では、全身にあわい発疹がでたり、手足に赤い発疹が現れてきますので、ペニシリンなどの抗生物質を服用して治療することになります。
梅毒の治療
第1期、第2期などの梅毒治療では、ペニシリンなどの抗生物質を注射して治療します。
たいていの場合、長期作用型ペニシリンを1度投与すると治癒するのですが、ときに、1週間後、ふたたび投与する必要がある患者さんもいるようです。
第3期梅毒などの患者さんには、1週間間隔で3度の抗生物質投与が必要と言われています。
また、症状が、目や内耳、脳にまで至っている場合には、ペニシリンを静脈に10日〜14日間4時間ごとに投与します。
ペニシリンにアレルギーを持っている患者さんには、セフトリアキゾンやトキシサイクリンなど、その他の抗生物質を投与する方法があります。
疥癬(かいせん)の原因や症状と治療
疥癬の原因や症状
疥癬は、ヒゼンダニが皮膚の角質層に寄生して、発症する皮膚感染症です。
肌と肌の直接接触によって感染することが多いのですが、まれに衣類や寝具などから間接的に感染することもあります。感染力が強く、感染者との接触により100%に近い確率で感染します。
また、間接的な接触では、同居している家族などにも感染することがあり、高齢者施設の入所者や介護者などに発症する例が蔵海している傾向にあります。
感染後、10日から2週間程度で、陰嚢やペニスに5〜8mm程度の紅斑性丘疹(こうはんせいきゅうしん)と呼ばれる赤みがかった小さな隆起が多発して、激しいかゆみがでます。
疥癬の治療
疥癬の治療には、外用療法と内服療法の2つの治療法があり、ときに療法の治療法を用いることがあります。
外用療法では、入浴後、頸から下半身に塗布薬を塗ります。とくに、手足や陰部など、ヒゼンダニが卵を産みつける部位には、塗り残しがないように入念に塗ります。
主に、フェノトリンや硫黄軟膏、クロタミトンなどが使用されています。
内服療法では、主としてイベルメクチンなどが1週間間隔で2度使用されているようです。
治療によって、ヒゼンダニを全滅することができたとしても、かゆみや丘疹、結節を繰り返す疥癬後遺症が残る場合があります。感染した可能性がある場合、病院で診察して症状に応じて治療を施します。
日常生活では、通常の疥癬の場合、掃除・洗濯は普通でよく、部屋に殺虫剤等を撒布する必要はありませんが、共用トイレなどは、都度きれいに拭き取る必要があります。
まとめ
陰部にかゆみや痛みなどを感じた場合、さまざまな病気があり、包皮がその温床となっているということがお分かりいただけましたでしょうか?
性感染症で病院に行くのは、恥ずかしいかもしれませんが、放置しておくと、自分の身体はもちろん、他人にまで感染症をうつしてしまう可能性もあります。
異常を自覚したら、早めに病院に行って医師に相談することをお勧めします。
早期発見、早期治療が医療の基本ですよ。
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