手のひらにしびれを感じたことのある方は、沢山いらっしゃるのではないでしょうか。書くいう私も、朝起きたら手のひらがジンジンとしびれる、といったような症状が出たことがあります。
今日は、手のひらにしびれが生じる原因と、その対策についてお話しできればと思います。危険性のほとんどないものから、病気の兆候によるもの等、様々な原因が考えられますので、手のひらにしびれを感じたことのある方、現在しびれにお悩みの方の参考となればと思います。
この記事の目次
手のひらに繋がっている神経の圧迫によるもの
妊娠中に生ずる場合
また、手のひらのしびれは、妊娠中の女性に生じてしまう恐れがあります。
妊娠中の女性は、胎児が成長するよう、多くの栄養を供給します。そのため、妊娠中の女性の体はむくみやすくなります。そうすると、血管が圧迫されてしまうため、血行不良が生じます。この血行不良によって、手のひらまで血液が十分供給されなくなる結果、手のしびれが生じてしまうのです。
妊娠中の手のしびれは、出産を契機に改善される方がほとんどです。しかし、むくみやすい体になってしまう恐れがあるので、産後も手のしびれを訴える方も少数ですがいらっしゃいます。ですから、出産前も出産後も、むくんでしまった腕をマッサージすることで、血液を手のひらまで効率よく循環させることができますので、手のしびれの改善に役立ちます。
また、妊娠中は、胎児に栄養を供給するため、女性の方の栄養状態が悪くなってしまい、それが原因で手のしびれが生じてしまいます。特に、カルシウムや鉄に代表されるミネラルについては、妊娠中は特に不足しがちですので、しっかり食事から摂取することを心がけてください。カルシウムは、牛乳や小魚、鉄はレバー等に豊富に含まれています。これらの食品は、妊娠中の女性の手のしびれの改善だけでなく、胎児の成長にも効果的ですので、ぜひとも食事に取り入れるようにしてください。
お酒を多量に摂取したことで生じる場合
お酒に含まれるアルコールは、体内に入ってきた場合に分解されるのですが、分解の際、体内にアセトアルデヒドが発生します。アセトアルデヒドは、二日酔いの原因物質の一つといわれ、発がん性を有するとの意見もあるといった、恐ろしい成分です。
アセトアルデヒドが体内に生じると、血液循環が正常になされなくなります。そうすると、手のひらの表面にある神経である、末梢神経が血行不良によって異常を察知し、それがしびれとして生じてしまいます。
単純に、二日酔いにならなければ手のしびれも怒らないといえますので、手のしびれが生じる場合は、お酒の量が多すぎるといえます。ですから、飲酒の量をほどほどに控えることが大切です。
ストレスによる手のしびれ
また、手のしびれは日々のストレスの様な心理的要因によっても生じます。適度なストレスは、体にとって有益ですが、過度なストレスは体にとって無益、それどころか有害なものとなってしまいます。
過度なストレスにさらされると、体内のホルモンバランスが崩れます。体内のホルモンバランスが崩れると、体を正常に機能させることができなくなってしまい、あらゆる症状を引き起こします。年齢を重ねた女性の更年期障害の場合も女性ホルモンの乱れによって、異常な発汗を生じさせたりしますが、更年期障害でなくとも、過度なストレスで手のしびれが生じてしまうこともあるのです。
ストレスによるホルモンバランスの乱れで生じる手のひらのしびれは、過度なストレスにさらされていることを示すサインです。ですから、ストレスに関し、心当たりがない場合であっても、体が悲鳴を上げるほどのストレスにさらされていることが考えられますので、手のしびれが続く方は、病院での診察、とくに精神科での受診をお勧めします。
神経に病気がある場合
また、手のしびれは、体内を走る無数の神経に何らかの病気が生じていることを知らせるサインでもあります。代表的な神経に関する病気としては以下のものがあります。
頸椎椎間板ヘルニア
変形性頚椎症
胸郭出口症候群
脳の病気を原因とする手のしびれ
手のしびれは神経の圧迫を意味します。そして、全ての神経は脳と繋がっているので、脳になんらかな障害があると、手のしびれが発生する恐れがあります。
脳梗塞による手のしびれ
脳の障害として代表的なのは脳梗塞です。脳梗塞は、脳に繋がる血管に血栓という、血液の流れを遮断してしまう物質ができてしまい、脳の血管が正常に血液を脳に供給できなくなってしまい、結果として脳に障害が生じてしまいます。
脳梗塞の最大の原因は生活習慣にあります。血液中の成分がドロドロになってしまうと、血栓が出来やすくなってしまいますので、対策が必要です。肥満体質の方、脂っこい食事を頻繁に食べてしまう方、運動をあまりしない方は、ドロドロの血になりやすく、血栓がつくられる恐れが増大します。また、不規則な生活によるストレス、タバコ等の血管を硬くして、収縮を困難にしてしまうような場合も、脳梗塞のリスクを高めます。
そして、脳梗塞による手のしびれは、脳梗塞の症状が軽いことを示すサインです。そのため、この段階で病院で診察を受ければ、後遺症などの発症を抑えることができます。しかし、手のしびれだからという理由で放置していると、血管の詰まりが進行して、歩行障害や言語障害を生じさせてしまいます。ですから、手のしびれが生じたら、すぐにでも病院で診察を受けましょう。
対策としては、生活習慣を改善して、健康的な生活を心がけることです。これは他の病気にも共通しますが、生活習慣が改善されることで、あらゆる病気に対処できるようになりますから、ぜひ心がけてみてください。
まとめ
手のひらのしびれの原因としては、神経の圧迫によるものがまず挙げられ、これを対処するには、寝具を変えて、正しい姿勢による睡眠を心がけることが挙げられます。また、お酒による手のしびれや、ストレスによる手のしびれもあり、これらの対策としては、飲酒量を控える、ストレスをため込まないようにすることが挙げられます。また、頸椎に何らかの変形、ヘルニアによっても生じる場合があり、これらの対策としては、骨を丈夫にすること、骨に負担のかかる姿勢を極力しないようにすることです。
さらに、脳梗塞による手のしびれもあり、生活習慣の改善が対策となります。
手のしびれだからと侮っていると、大きな病気に繋がり、障害が残ってしまう恐れがあります。自分の体に真摯に向き合うことが大切になります。