生後3~4か月くらいまでの赤ちゃんは、お母さんからもらった免疫力があるので、あまり熱を出すことはありません。しかし、その免疫力がなくなってくる5、6か月頃から熱を出す事も増えてきます。熱が出るだけでもお母さんは心配になるものです。
それが高熱で、しかも何日も続いてしまったら・・・不安でいっぱいになるでしょう。ここでは、子どもが高熱を出したときの対処法と、高熱が下がらない原因となる病気について紹介します。
発熱の原因は?
熱を出すこと事態は、体がウィルスや細菌と戦っている証拠なので、心配することはありません。子供の体温は、大人よりも高めで、36~37.5度くらいまでが平熱の範囲であることが多いです。しかし、個人差があるので、普段からお子様の平熱を把握しておくことが大切です。平熱については、赤ちゃんの平熱って何度くらいなの?測り方などを紹介!の記事を読んでおきましょう。
熱を出す原因として考えられるのは、普通の風邪による場合、風邪をこじらせて他の合併症を併発している場合、そして、風邪以外の病気の場合が考えられます。
風邪のウィルス感染による発熱
風邪が原因となる発熱の場合は、風邪のウィルスと体の免疫力が戦っているために起こる防御反応なので、ウィルスの力が弱くなってくるのと同時に熱は下がってきます。
他に症状がなく、発熱だけの時は、熱が下がってくれば心配はいりませんが、咳、鼻水などの他の症状も伴うようであれば、症状の経過が悪化する前に病院を受診することをおすすめします。
風邪以外の原因が考えられる場合
3日以上の高熱が続くようであれば、風邪以外の他の病気の可能性も考えられます。また、熱以外の風邪の症状が伴っている場合は、肺炎や気管支炎などの合併症を併発している可能性もあります。
また微熱であっても、だらだらと続いているようなときや、熱は下がっても咳がひどくなっている時など、お子様の様子を見て心配なときは病院を受診するようにしましょう。
高熱が出た時の対処法は?
熱の高さだけでなく、お子様の様子や状態に合わせて対処するようにしましょう。
安静にして、様子をみる
熱が高くても、元気があって、食欲もあれば、まずは、安静にして体を休めさせてください。お子様によっては、熱が出ると興奮した状態になって、寝付きが悪くなったり、安静にできない場合もあります。
そんな時は、お母さんも一緒に布団に入って横になってあげたり、本を読んであげたりして、出来るだけ体を休ませるようにしましょう。
病院を受診する
お子様の症状をみて、つらそうにしていたり、食欲もなくぐったりしているようなら、高熱ではなくても病院を受診するようにしましょう。咳や鼻水などの症状で睡眠が上手にとれていなかったり、体力が低下していたりすると、悪化させる原因にもなり、高熱が続く原因につながることもあります。
市販薬で、子ども用の物もありますが、熱の原因が風邪以外の他の病気である可能性もあるので、自己判断せずに、病院を受診したうえで処方された薬を飲ませるようにしましょう。受診しておくと、後から高熱が続いたとしても、再診の時に医師の診断もつきやすくなるので、風邪以外の病気の場合の発見も早くなります。
解熱剤を使う場合
一般的には38.5度以上の高熱で、ぐったりとしていて元気がないときや、食欲や水分がとれないような場合は、解熱剤を使いましょう。逆に高熱であっても、ぐっすりと寝ていたり、元気もあり、飲食もできている場合は解熱剤を使わなくても大丈夫です。
解熱剤は病気を治す薬ではありませんが、少しでも熱が下がることで、お子様の高熱によるつらい症状を和らげることが出来ます。少し楽になったら、眠りやすくなったり、水分や軽いものなら摂りやすくなります。水分補給は重要なので、この時に、イオン飲料などを少しずつ飲ませてあげましょう。
解熱剤を使っても一気に熱が下がるわけではありません。0.5度以上下がっていれば、解熱剤の効果は出ているので、お子様も少しは楽に感じているはずです。解熱剤の使用は、8時間以上あけて1日3回までとなっています。下がらないからと、何度も追加することは、絶対に避けてください。
リンパを冷やす
脇の舌や首回り、太ももの付け根などのリンパが集まっているところを冷やすと、熱が下がりやすくなります。
また、直接熱を下げる効果はありませんが、頭を冷却シートなどで冷やしてあげると症状が和らぎ寝付きやすくなります。
高熱が下がらない病気
高熱が3~4日以上続くときは、他の病気が原因となっている可能性もあるので、病院を受診しましょう。お子様の、熱の上がり下がりの状態や症状、飲食がどのくらい摂れているかなどを記録しておいて、受診の際に持っていくようにしましょう。
風邪の症状で隠れている病気も発見しやすくなります。
突発性発疹
1歳くらいまでにかかることが多い病気です。元気だった状態で急に高熱をだし、高熱のわりに元気があるのが特徴です。
熱は3~4日位で下がり、その後にお腹や背中などを中心として体に赤い発疹がでます。かゆみは、でる場合とでない場合があります。
水疱瘡
37~38度くらいの発熱とかゆみを伴う発疹が出ます。
最初に発疹が出る場所は、いろいろ個人差がありますが、赤くて盛り上がった発疹が背中、お腹、顔、足などに、最初は数個の発疹がでます。時間とともに、発疹、全身に広がっていくので広がる前に早めの治療が重要です。
発疹は、水泡からかさぶたに変化します。水泡の段階で、掻いてつぶしてしまうと他の場所に移ったり、治りにくくなったりするので、体に出来ている発疹を出来るだけ早く見つけて、病院で処方された塗薬を細目に塗ることが重要です。
発疹が出始めて治療を始める時間が早ければ早いほど、症状も軽く治りも早いので、気になる発疹を見つけたら、出来るだけ早く受診するようにしましょう。
溶連菌感染症
38~39度の高熱と、喉の痛みがあり、体や手足に小さくて赤い発疹が出たり、口の中や舌に「いちご舌」といわれる小さな赤いブツブツとした出来物が出ます。
病院では、検査キットを使って簡単に検査ができます。溶連菌の場合は、熱が下がっても、菌が体内に残っていると、急性腎炎などの合併症を起こすことがあるので、予防のために10日間程抗生剤の服用が必要になります。
アデノウィルス
プール熱ともいわれる病気で、夏に流行することが多い病気ですが、夏以外の季節に流行することもあります。38~40度の高熱が5日~1週間程続くこともあります。喉の痛みが強く、食べるのも痛くて嫌がったり、食欲もおちます。目が結膜炎をおこし、真っ赤になったり、目やに、かゆみを伴うこともあります。
高熱が続くうえに、喉の痛みが強いので飲食に苦労することが多く、脱水症状を起こさないよう、細目に少しずつ水分補給をすることが重要になります。
肺炎
38度以上の高熱が3~4日以上長く続きます。風邪の症状と似ているので、発見が遅れやすく注意が必要です。痰の混じった咳がひどくなったり、息づかいが浅くなったり、呼吸がしにくい状態になります。
高熱や咳が長引くようなときは肺炎の疑いもあるので、病院で症状を伝えてより詳しく診察してもらうようにしましょう。
まとめ
お子様によっては、高熱でも昼間は元気があって安心していると、夜になると急にぐったりしたり、症状が急変することもあります。そんな時は、状態によっては、救急病院へ急いで行った方がいいときもあります。救急病院は、混雑していることもあり、夜間に体調が悪い状態で待っているのは、お子様にとってもつらい時間でしょう。慌てなくてもいいように、不安要素があるときは、出来るだけ診療時間内に、かかりつけの病院を受診しておくことをおすすめします。
早めの発見が出来れば、治りも早くなります。症状の出方は、個人差があります。日ごろのお子様と様子が違うかどうかは、お母さんが一番よくわかる事だと思います。高熱でなくても、いつもと様子が違うと感じたら、早めに病院を受診するようにしましょう。
関連記事として、
これらの記事も合わせてお読みください!