ドライノーズ(乾燥性鼻炎)とは何なのか?鼻の中が乾燥するような感覚やムズムズする感覚がすることはありませんか?鼻水が出るわけではないのに鼻をかむことはありませんか?これらのような症状が出ている場合はドライノーズと言えます。
それでは、ドライノーズについて症状や原因、対処法などを述べていきます。
ドライノーズの原因
ドライノーズの主な原因は乾燥です。乾燥と言っても、その乾燥させるものも様々です。以下に、どういった乾燥でドライノーズが引き起こされるか述べます。
乾燥地帯と季節に注意
居住地によっては季節に関係なく乾燥が強い地域もあれば湿気が多く乾燥があまりしない地域があるかと思います。
特に、乾燥しやすい中部地方や、季節では乾燥しやすい夏場と冬場は要注意です。夏場はあまり乾燥するイメージがないと思われがちですが、実は四季の中で最も乾燥すると言われているのが夏場になります。太陽光に当たる方は特に乾燥しやすいため注意をしましょう。
機械に当たって乾燥
換気のされにくい密閉状態にあるオフィスやホテル、マンションは乾燥しやすいです。また、セントラルヒーティング・エアコン等の機械を使用している場所では湿度が非常に減ります。特に冬場のエアコンの使用中では室内の湿度が20%以下になると言われています。
そうすると、乾燥が著しくなり長時間その場にいるとドライノーズになる可能性が極めて高くなります。また、新幹線や電車、飛行機などの公共の乗り物も密閉された空間であり、そこに乗車している際にも発症しやすいです。
薬の使用でもドライノーズになる
乾燥が強い際に頻繁に過剰に点鼻薬を使用してしまうと、その副作用によってドライノーズを発症する可能性が高くなります。点鼻薬によって鼻水の発生を抑制されますが、この作用が強すぎて鼻腔内の湿潤性が低下してしまった場合にも起こり得ます。
鼻腔内の過剰な乾燥を感じた際には、点鼻薬の使用回数を減らしたり使用する薬の再検討をすると良いでしょう。医師に相談してみましょう。
ドライノーズの症状・合併症のリスク
乾燥した空気に長時間当たり鼻の粘膜が乾燥している状態です。乾燥性鼻炎とも言うので、その名の通りです。細かくは下記に記します。
ドライノーズの症状
ドライノーズの症状は最初に述べた様な、乾燥感やムズムズとした感じ、無性に鼻をかみたくなるといった症状です。乾燥する感覚と同時にピリピリとした痛みも生じます。症状が進行すると鼻汁が組織液によりカサブタとなります。これが、出血や炎症などの原因となります。
カサブタをはがすことで早く治るであろうと間違った判断をされる方も多いのですが、これはとても大きな間違いです。カサブタを無理矢理はがしてしまうと、そこから更に出血し、自然治癒力により組織液が作用して再度カサブタを生成します。
これが繰り返されると患部の皮膚粘膜が硬くなり治癒されにくくなり、逆効果となります。カサブタが生成されて気になったとしてもなるべくはがさないように気を付けましょう。
ドライノーズによる合併症の可能性
ドライノーズを発症するということは、顔の口や鼻、眼などに乾燥した空気が入っているということになります。
予防・対策をしていないと、ドライノーズになるほど体内が乾燥するということで、風邪を引き起こしやすくなるということです。鼻や喉が乾燥していると、免疫力も低下し、ウイルスが付着・侵入しやすくなってしまうからです。対策は十分にしておきましょう。
また、同時に鼻の粘膜が乾燥していることで、アレルギー抗原が鼻内の粘膜に付着しやすくなり、アレルギー性鼻炎や花粉症を引き起こしやすくなります。一度発症してしまうと完治が困難な疾患になるため、予防・対策はしっかりとしましょう。
その他、鼻内に吸い込んだ酸素は加湿して肺に送られます。その吸った空気が乾燥している場合、加湿が十分になされない為、鼻や肺に様々な弊害を与えることが予想されます。予想されるというだけで、必ずしも影響を与えるわけではないです。
自覚症状の認知度が低い問題
実はドライノーズを呈しているが、それに気づかずに風邪や花粉症、アレルギーなど他の疾患と間違えて認識している方も多いようです。ドライノーズの認知度は極めて低く、全体の4分の1前後とされています。
間違えた判断でドラッグストアで薬を購入するなどの対処をしてしまうと大変なことになりかねません。何か鼻がおかしいなと思った際は、自己判断で終わらずに耳鼻科の医師に相談しましょう。
ドライノーズの対処法
ドライノーズの対処法としては、薬の使用や日常の生活上で注意することに気を付けていくと予防や対策ができます。
体質改善が必要
ドライノーズは「病気を完治させるための治療」というのはありません。体質上、発症しうる疾患だからです。「完治をさせる」というよりも、症状を抑制させるための処置が施されます。また、その発症しやすい体質を食生活やライフサイクルを見直す等して変えていく必要があります。
気を付ける点は、しっかり睡眠をとるなどして生活のサイクルを調整すること、ストレス発散をすること、栄養バランスの整った食事を摂ること、アルコールの摂取量は控えめにすること、タバコを控えることです。全てを怠ると、免疫力が低下して症状を引き起こしやすい体質に変えてしまいます。
女性の場合は、生理や出産によってホルモンバランスが変化し、年齢を重ねる事にもホルモンバランスが変化します。これらに体質変化が左右されてしまうこともあります。
点鼻薬の利用
ドライノーズ用のスプレーがあります。鼻の中に洗浄液のスプレーを噴射する方法になります。鼻が乾燥することで、鼻の浄化機能が低下します。そこにこのスプレーで鼻の中を洗浄し、異物を取り除くことができます。スプレー後は軽く鼻をかみましょう。だいたい左右に1~2回噴射します。1日の使用可能回数は薬によります。
市販にドライノーズ用のスプレーが販売されていますが、他に病気を持つている方や他に薬を使用している方は、自己判断で購入したスプレーが身体に合うとは限らないため、医師に自身に合うものを処方してもらうようにしましょう。自身に合わない物を使用して致死的なリスクを高めると逆効果です。
ちなみに、鼻うがい等をしてしまう方もいらっしゃいますが、これは間違った対応になるため行わないでください。
生理食塩水を点鼻する
点鼻薬を利用するのではなく、生理食塩水を点鼻するという方法もあります。なぜ生理食塩水なのか?鼻腔内がこの食塩水に反応することで、鼻水を出そうとする作用が働くからです。
点鼻する食塩水の作り方は、1ℓの水に9gの食塩を混ぜて完成です。点鼻薬の様なスプレー缶に入れて使用します。100均にもボトルは売っています。これを使用すれば、コストパフォーマンスも良く経済的です。
また、薬とは異なり副作用の心配もありません。生理食塩水なので、1日に何度使用しても身体への害は無いと思われます。
自宅内を加湿する
自身がいる場の湿度はおおよそ50%保持できると良いとされています。但し、60%以上になるとダニやカビが発生する原因となるため、注意が必要です。心配な方は湿度計を置いて適時確認をするといった対応をすると良いでしょう。
家の中も乾燥しやすく、特に、新築の家は使用感がほとんどなく、人の出入りがほとんどない状態であるため、築何十年も使用されている家とは異なり非常に乾燥している状態になっています。新築の家に住む方は乾燥による様々な疾患にかかるリスクが比較的高いので気を付けましょう。
加湿する方法としては、加湿器の利用が最もポピュラーです。安くて小さな加湿器はあまり加湿されず意味が無いと言われています。また、水を入れたコップを置くことや、濡れタオルを置いておく方法もほとんど意味が無いとされています。少し値段は張りますが、大き目の機能性のある加湿器であれば、ある程度しっかり加湿されるため、そちらをオススメします。
また、お金がかからない方法は、浴室の浴槽にお湯をはっておくことです。浴室も加湿され、浴室のドアを開けておくことで他の場所にもお湯の蒸気が回り加湿されます。
しっかりと入浴する
上記でも述べた様に、浴室にお湯を張っていれば蒸気で湿気が高くなり、身体に潤いを与えられやすくなります。約10~15分間は入浴していると良いでしょう。暖かい空気を吸うと呼吸器にも良い影響があるため、深呼吸をしたり歌を歌って息をしっかり吸うこともオススメです。
しかし、長湯は低血圧の方には眩暈やふらつく原因となるため注意して下さい。また、浴室は高温多湿の環境であり、その後にしっかり換気されていない場合はカビが繁殖することもあります。カビが多い環境でこういった事をすると逆に身体に害を与えます。お風呂場の清潔を保ちつつこういった対応をしていきましょう。
マスクの着用
乾燥を防ぐにはマスクの着用がオススメです。喉の乾燥も防ぐことができるため、風邪予防にもなります。普通のマスクでも良いですが、濡れマスクの着用は乾燥予防と加湿も可能なのでオススメです。
濡れマスクも販売されていますし、自身でガーゼを濡らしてアスクに当てておく方法もあります。濡れマスクはコストが高いため、金銭的に制限したい方はガーゼを濡らす方法を選択すると良いでしょう。
水分はしっかり摂る
乾燥が原因で起こるため、身体が乾燥しないように適時、水分を摂取することをオススメします。身体が乾燥している事に気づかない方が多いです。
自分自身が「乾燥していない」、「別に喉が渇いていない」と思っていても、身体は乾燥していることが多いです。大丈夫だと思っていてもコンスタントに水分を摂るようにしましょう。
注意するべきこと
ドライノーズを自覚されていない方がたくさんいらっしゃというように上記に述べています。着目すべき点はどれぐらいの期間・時間にエアコンが効いている場所にいるかです。
1日5時間を週3日以上、上記にも挙げましたが湿度が20%以下の環境、これだけの期間と時間、乾燥している場所にいることで鼻アカが蓄積されたり出血や炎症が強くなります。
まとめ
ドライノーズは予防と対策次第で改善する可能性が高くなるので、面倒臭いという方も頑張ってチャレンジしてみて下さい。
極力、乾燥は避けてしっかりと潤いを保ち、ケアをしていけばドライノーズは改善されると思います。