突発性発疹の下痢はいつまで発症するの?治療方法は?

突発性発疹という病気についてご存知でしょうか。これは別名を「三日熱発疹症」とも呼び、基本的には2歳以下の赤ちゃんだけがかかる病気です。

またこの病気を発症しますと、「突発性」という名がつくだけのことはあり、それまで元気だった赤ちゃんが急に発熱します。そして38度を超える程の高熱が3-5間日続いた後、発疹(赤いブツブツや斑点のこと)が全身に現れてしまいます。さらに、この時に同時に下痢になることが多いと言われています。

またその別の特徴として、高熱の割には元気があることが挙げられますが、とはいえ安心できるお母さんやお父さんは少ないでしょう。高熱と下痢が、どれだけ人の体力を奪うかよく知っているのですから。今回は、そんな突発性発疹、そしてそれに伴う下痢の基本知識や対処法を紹介したいと思います。

突発性発疹の基本知識

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繰り返しになりますが、突発性発疹とは基本的には赤ちゃんに特有の病でして、38度以上の高熱が数日間続く病気です。基本的には放っておいても自然治癒するような病気です。

しかし、非常に運が悪いか他の要素が絡むと、脳炎や劇症肝炎、血小板の減少など他の病気を併発してしまうこともあります。そのため油断はせず、出来れば医師の診察を受けるべきでしょう。

ちなみに自然治癒する場合は、

  1. 4日間前後、高熱を発する。この最中のどこかで下痢も併発しやすい。
  2. 高熱が治まり始めると、今度は発疹が出てくる。下痢の症状は継続して起きている。
  3. さらに2-3日後に発疹が治まり始め、同時に下痢の症状も止まり始める。

という流れが一般的です。もちろん人によりけりですので厳密にこのスケジュール通りに進むとは限りません。ですが余りにもこのスケジュールを逸脱した症状を発している場合は、病院に連れていくべきかもしれません

突発性発疹の下痢症状

突発性発疹の最大の特徴の1つとして、下痢の症状も発することが挙げられます。下痢の症状は基本的には高熱を発している最中に併発して起きます。

その後、下痢の症状が治まるまで、一般的に5日前後が必要だと言われています。突然性発疹の症状は大きく分けて、高熱・下痢・発疹の3つですが、その中では下痢の症状が最も長いこと続くと言えます。

また下痢を発症すると、思いの外早いスピードで赤ちゃんの水分が失われてしまいます。また同時に、消化能力も大幅に減じてしまいます。特に乳製品は脂っこい食べ物は基本的にNGとなりますし、水にしてもあんまり冷たいものはさらに胃腸を弱めるので避けなければなりません。つまり、食事などに気を使う必要が出てきます。

詳しくは、後述する「対処法」のところにまとめておきますので、そちらをご参照ください。とはいえ、基本的には所謂「普通の下痢」と同じ症状です。突然性発疹の伴って起きるとはいえ、何かこのケースに限って特有な、特別に重い症状や後遺症などがあるわけではありませんので、そこまで重く考える必要はないと思います。少なくとも下痢症状に対しては、普通の下痢と同じものだとお考えください。

誰が、どうしてかかるの?

冒頭でも少々触れさせて頂きましたが、基本的には2歳未満の赤ちゃんだけがかかる病気です。特に発症者のおよそ90%が1歳未満の赤ちゃんであり、さらに生後6ヵ月以降、1歳未満の赤ん坊が最も発症しやすいと考えられています。より正確には、この時期にウイルスに感染することで突然性発疹を発症します。

というのも、出生前に母親の胎内にいた時にへその緒から補充された免疫力が一旦尽きるのが大体生後6ヵ月くらいなのです。正確には、生後3か月までは免疫機能はへその緒の名残によって担保されますが、それ以降はジワジワと下降していきます。そして生後6ヵ月も過ぎると、かなり免疫の力も弱ってしまっています。

しかしその一方で、1歳にもなると自身の抵抗力と免疫が発達し、病気に再び強くなります。そのため、抵抗力が最も落ち込んでしまう生後6ヵ月から1歳までの時期がウイルスに最も感染されやすく、発症率が高いようです。 

他人に感染するの?もしくは他人からうつされるの?

また何度か指摘したように、発症の直接的な原因はウイルスです。具体的には「ヒトヘルペスウイルス6型」というウイルスに感染することをきっかけに発症します。ちなみに、一度かかってしまえばこのウイルスに対する免疫が出来るので、基本的には2度は発症しません。

しかし似たようなウイルスで、「ヒトヘルペスウイルス7型」というものがあります。このウイルスに感染するとやはり突発性発疹を発症してしまいます。よって運が悪いと6型と7型の両方で1回ずつ、計2回この突発性発疹を発症してしまいます。

またこのウイルスの感染経路は合計で3つです。咳やくしゃみ等による飛沫感染、感染者の唾液が出たウイルスを取り込んでしまう経口感染、直接的もしくは間接的な接触による感染の3つがあります。ただ感染が可能とは言え、一般的にこのウイルスの感染力が弱いため、伝染病のように広まる可能性はほぼ皆無です。よって保育園内などで流行することはほぼありません。

ただし注意するべきことがあります。このウイルスは、病気の完治後も体内に残り続けることがあります。つまり完治後も、その人の唾液やくしゃみにはウイルスが含まれ、微弱ながらも感染力があります。よって、過去にこの病気にかかった人が1歳未満の赤ちゃんと暮らし、継続的にウイルスを感染させ続けてしまうことで、本格的に病気にかかってしまうことがあります(家庭内感染)。

よって警戒すべきは、赤ちゃんのご両親や兄弟が過去にこの病気にかかったことがある場合です。この状態が、最も赤ちゃんに感染しやすいとも言えます。

対処法

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突発性発疹の症状や発症のメカニズムについての解説は以上となります。ここからは、いざ赤ちゃんがかかってしまった際の対処法などについて記述させて頂きます。

ちなみに、これといった特別な予防法はありません。突発性発疹への予防注射は行われておりません。ですが、自分を含め、赤ちゃんと同居する人間の中に、過去にこの病気にかかって者がいる場合、感染に気を付ける必要があります。

具体的には、その経験者の方の「唾液などの体液が赤ちゃんに触れないようにする」、「くしゃみや咳をする際には赤ちゃんから離れて、手で口と鼻を覆う」の2点です。赤ちゃんが1歳になるまでこの対策を続ければ、十分な予防になるでしょう。

下痢症状への対処

それではここからは、いざ発症してしまった際に各症状に対してどのように対応すればいいのか記述させて頂きます。ます下痢の症状への対処法ですが、根も葉もないことを言ってしまえば通常の下痢に対応する場合と同じです。つまり、食事内容に気を付けながら、脱水症状にならないようにすることに尽きると言えます。下痢が非常に悪化すると、脱水症状を引き起こしてしまうためです。

脱水症状を防ぐためには、水分と塩分の両方を補給し続けてあげることが大事です。単純な水などよりも、赤ちゃん用のイオン飲料が最適だと言えるでしょう。水分と塩分の両方を一度に効率的に摂取するには、これがベストだと言えます。

また前述したと思いますが、基本的に冷たい飲み物はNGです。ただでさえ胃腸が弱っている状態で、それ以上の負担をかけるわけにはいかないからです。よって、ベビー用の飲料を常温か、あるいは少し温めた状態で与えてあげるのが、脱水症状を防ぐうえで最善だと言えます。下痢の時、もしかしたら赤ちゃんが飲み物すら口にしたがらないかもしれません。食べ物なら無理に与えなくてもいいかもしれませんが、飲み物だけは多少の無理をしてでも与え続けるべきだと言えます。

また余談になりますが、下痢止めの薬を使うという手段もあります。むしろ、治療の上ではこれが最も手っ取り早い方法かもしれません。といっても、下痢止めにも種類がありますし、赤ちゃんの体は繊細です。薬を与える際にはまず病院に行き、診察を受けた上で最適な薬を選んでもらうべきです。

高熱症状と発疹症状への対処法

これまた、非常に身も蓋もないことを言ってしまいますと、「これといった治療法はない」となってしまいます。といいますのも、これも前述しましたように、基本的にこの病気は放っておいても勝手に治るのです。

高熱や発疹などの症状のために焦ってしまうお母さんも多いかと思われますが、本当に、悪化しないように面倒だけ見てあげれば、後は勝手に治ります。強いて言うなら、赤ちゃんが一般的な熱を出したときと同じ処置を施すことがベストです。その対処法は、大体以下の通りです。

  • 高熱がある間はお風呂を避け、温かいタオルで拭いてあげる
  • 水分補給は気を使う
  • 衣類が汗で濡れたら変えてあげる
  • 3点クーリング(首の前側、脇下、足の付け根を冷やすこと)を熱さましシートやアイスパックで実施する
  • 体温調整に気を使う

これさえ気を付ければ、後は時と共に回復します。ただし以下のケースに当てはまる時は速やかに病院に連れていくべきです。 

  • 熱が39度を超す時
  • 余りに顔色が悪く、辛そうな時
  • けいれんや嘔吐を繰り返す時
  • いくらなんでも治りが遅い時
  • 呼吸が激しく乱れている時
  • 発症した赤ちゃんが3ヵ月未満の時

まとめ

今回の記事は以上となります。繰り返しになりますが、基本的には発症しても大きな危険性はありません。余りにも苦しそうな時や異常だと判断された時だけ病院に行くべきで、それ以外は家である程度の面倒をみて安静にしてあげるのがベストです。

下痢の症状にしましても、通常の下痢と大してレベルは変わりませんし、特別酷い症状があるわけではありません。

むしろお母さんが落ち着いて、適切な対応を正確に行うことが何よりも大事だと言えます。

  
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