胃液が逆流?胃食道逆流症の症状、原因、治療法を知ろう!

現代はストレス社会だと言われます。毎日のお仕事に胃をキリキリさせながら望まれている方も少なくないのではないでしょうか。

今回はそんなストレスまみれの現代人が抱えがちな、消化管のトラブルについての記事です。

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胃食道逆流症って?

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胃食道逆流症について紹介します。

胃の中身を吐く=嘔吐?

いきなりぶしつけな質問で大変恐縮ですが、皆さんは胃の中身を口から「もどして」しまったことがありますか?筆者自身の思い出では、小学校のときに遠足で乗ったバス内で、隣に座っていた子がゲロしたのを見て、もらいゲロをしてしまったことがあります。お腹から喉のほうへ胃液がせりあがってくる感覚はそれだけで気分が悪くなってしまいますよね。

それに、ゲロの前後では胸のあたりがムカムカします。このような胸のむかつきと胃の中身を吐き出してしまうことをそれぞれ、悪心・嘔吐と言います。

嘔吐のメカニズム

もう少し詳しく説明すると、悪心とは心窩部という胸の中心部や、前胸部から咽頭(喉の奥の方の部分。鼻の穴の中と口の中から続く消化管の管が食道と気管に分かれるちょうど境界の部分。気管と重なるように付いていて、食べ物が肺に入らないようにしている)にかけて感じられる不快なむかつきのことです。

一般的には、グロテスクなものを見たときや、食べ物に対する非常に不快な感情、あるいは、嘔吐前の気分を指します。嘔吐というのは、胃の内容物(胃の中身)が急激に口の外へ吐き出される現象のことを言います。

嘔吐は食道・胃・横隔膜(この膜が痙攣することがしゃっくりが出る原因の一つだと言われている部分です)などによる一連の反射運動として行われます。吐物、いわゆるゲロがみられない、ようは吐きそうになったけどゲロが出なかった場合は、空嘔吐とよばれます。

また、吐きそうになっても、少量の胃の内容物が口の中(口腔)に逆流するだけの場合、特に悪心や横隔膜・腹筋の収縮がみられない場合は逆流という言い方をされ、嘔吐とは区別されます。嘔吐の場合はただ吐くだけでなく、横隔膜や腹筋も関係しているのですね。

嘔吐には中枢がある!

実は、嘔吐をコントロールする嘔吐中枢なるものが存在します。嘔吐は延髄の背外側網様体に嘔吐中枢があり、そこが刺激されることで発生しています。嘔吐中枢が刺激されるための回路は5つあり、それぞれ、

①腹部・胸部の内臓神経末端からの刺激が迷走神経と交感神経という通路を通って嘔吐中枢まで伝わる回路(このような中枢へ向けて走る神経の通路を求心路と言います)

②口腔・咽頭の粘膜(消化管の表面、食物などが触れる部分)からの刺激が舌咽頭神経と三叉神経という求心路を通る回路

③前庭神経(身体の平衡、バランスを感じ取る神経です。たとえば、走っているときに、意識しなくてもバランスを保ってまっすぐ走れるのは前庭神経が身体の傾きの変化を敏感にキャッチして、それを無意識のうちに私たちの身体が修正しているから)からの刺激が前庭神経求心路を通って伝わる回路

④第四脳室(延髄のちょうど上のあたりの部分です)の底部に存在する最後野(area postrema)にある、化学受容体誘発体という部位(化学受容器引金帯とも言います)が血液中に含まれるホルモンや薬物、細菌の毒素などを感知し、発した刺激が直接延髄の中にある嘔吐中枢に伝わるもの

⑤大脳皮質情動的あるいは精神的原因(ストレス)による刺激が嘔吐中枢に伝わる回路(実はどのような回路を通って嘔吐中枢まで刺激が伝わっているのかは未だ謎です。)

となっています。いわゆる、精神的なストレスや感情的な要因による嘔吐は主に⑤の回路から伝わります。嘔吐中枢の近くには呼吸中枢や血管運動の中枢など生命活動に直接かかわるようなさまざまな中枢が存在しています。

そのため、嘔吐するときには呼吸の抑制が起きたり、血圧が変動したり、徐脈(不整脈の一種で、心臓のリズムが速くなる症状タイプのもの)が生じたり、顔面が蒼白になったり、冷や汗をかいたり、めまいがしたり、唾液分泌の亢進(機能が通常の状態よりも高まること)することがあります。嘔吐中枢が刺激されると、幽門という胃から十二指腸につながる部分が閉ざされ、食道括約筋がゆるみ、胃に逆流運動が起こります。

それとともに、横隔膜や腹筋が収縮して胃を圧迫し、胃の内容物が排出されるのです。

胃食道逆流症とは?

もらいゲロのような、一回性の嘔吐ならどうということはありません。しかし、嘔吐が慢性的、継続的に続くようならば、注意が必要です。食中毒や急性肝炎、脳腫瘍、その他神経症の可能性があります。女性であれば、場合によっては妊娠の可能性もありますね。特に、ストレス性の嘔吐が続いている場合、それによる胃食道逆流症が心配されます。

胃食道逆流症は胃内容物が食道へ逆流することにより生じる一連の症状や組織障害を指します。逆流性食道炎という言い方をされることもあるようです。ただし、胃食道逆流症の場合、逆流性食道炎よりも広範囲の病態を含んでいます。なぜなら、胃酸の逆流は食道にさまざまな障害をきたすからであり、逆流が広範囲な場合には咽頭や気管にも障害が及ぶこともあるからです。

胃食道逆流症の症状と病因

胃食道逆流症の症状としては、腹部の上の方が焼けるような感じ(胸やけ症状)があり、酸っぱいものがこみ上げてくるような感じ(逆流症状)がします。悪心・嘔吐の説明と合致しますね。

胃食道逆流症において、逆流する胃内容物のなかでも胃酸が最も危険です。なぜなら、食道の粘膜や気管の粘膜に強酸性障害を生じさせるからです。食道の下部では、通常、横隔膜などの働きによって胃内容物の逆流を防止するための仕組みが作用しています。しかし、加齢などによる逆流防止機能の低下や逆流量の増加、もしくは食道の運動機能が低下することによって胃食道逆流症が発症します。

病因について、少し詳しくみていきましょう。胃では胃酸を含む胃液が作られています。胃液は強い酸性の液体であるため、胃の表面には胃酸から胃を守るための粘液が分泌されています。しかし、その他の消化管にはこの防御機能がないため、例えば胃酸が口の方へ逆流を起こすと、のどから続く食道がダメージを受け、炎症を起こす場合があります。

さらに、胃液に含まれる消化酵素は胃酸のような強酸性(Ph 2程度)の条件でよく働きます。酵素には最適温度と最適phというものが存在しており、phはアルカリ性、もしくは酸性の度合いを表します。Ph2は塩酸とほぼ同程度の酸性度です。人間の消化酵素の最適温度は一般的に人間の体温と同じ36度程度です。胃液に存在するペプシンはph2が最適phでありますから、ちょうど胃の中で一番活性化するようにできています。このペプシンは主にタンパク質を分解する酵素です。そのため、胃液が逆流した場合、胃液が付着した食道の粘膜に含まれるタンパク質がこのペプシンという酵素の働きで分解されてしまうのです。

激しい運動をしたときや、乗り物に酔ったときなどは胃の中のものをついもどしてしまうことがありますよね。そのときにも胃液が逆流しているわけです。一度の逆流では喉の奥がいがいがする程度で、症状としては大したことはありません。しかし、胃液の逆流が繰り返し起こると、食道の粘膜がただれたり、潰瘍ができたりする可能性があります。そのときは胸やけや呑酸などといった外的な症状として私たちは体の異変を感じることになります。それら一連の症状を逆流性食道炎、もしくは胃食道逆流症というわけです。

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胃食道逆流症への対策

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次に対策方法について紹介します。

まずは予防

胃食道逆流症で特に問題となるのは、胃液が食道を傷つけてしまうということです。そこで、予防方法としてはまず、嘔吐しようとしてもそれを胃から出さないようにすることです。

胃の入り口には下部食道括約筋という部分があり、そこで食道と胃がつながっています。そして、その周りに横隔膜が付いています。そのため、横隔膜を鍛えることで、胃液が逆流しそうになったときに胃の入り口を閉めることができるようになるというものです。

嘔吐のメカニズムの説明に、「横隔膜・腹筋の収縮」と書きましたが、日頃から横隔膜を鍛えておくことで、かなり胃酸が食道にダメージを与えるのを防ぐことができます。

横隔膜を鍛える方法

横隔膜を鍛える方法として、腹式呼吸があります。合唱をされている方などは普段から意識されていることも多いかと思います。私たちが自然な状態で行っている呼吸法は通常、胸式呼吸法です。つまり、息を吸ったときに肩が上がる、胸が膨らむような呼吸法です。

腹式呼吸の場合、読んで字のごとく、吸った息をお腹のほうで溜めます。ボイストレーニングなどで最近よく話題に上がる呼吸法ですが、横隔膜を鍛えるのにも役に立つのですね。歌手の方は皆さんこの呼吸法をマスターされているそうで、SMAPの中居くんも番組内の調査で、腹式呼吸を完璧にできることが実証されていました。

また、下部食道括約筋は、鼻呼吸を心掛けることで、ある程度まで鍛えることができるそうです。

横隔膜を鍛える方法については、横隔膜を鍛える方法とは?効果やメリットを知ろう!を参考にしてください。

もし胃食道逆流症になってしまったら?

もしも予防が間に合わなかった場合、症状を和らげつつ、投薬や上記の予防方法を併せて実施することで症状を改善することが期待できます。

簡単にできる、症状軽減の方法としては、枕を高くして寝たり、コーラやお酒、オレンジジュースやドレッシングその他胃酸の産生を促すような飲食物を避けたりすることが挙げられます。投薬されるお薬の種類としては、胃酸分泌抑制薬がメインのお薬です。胃炎や消化性潰瘍の治療に使われる制酸薬は即効性がありますが持続時間が短いため、急な症状の改善が必要な場合にだけ用いられるようです。

また、食道に逆流した胃酸の排出を促進するために消化管運動機能改善薬が用いられることがあります。

ストレスフリーな生活を送る

もし、精神的なストレスが原因で胃食道逆流症になってしまった場合、症状がある程度改善されたとしても、根本的なストレスの原因が改善されない限り再発の可能性が高いです。

ストレスの多い現代では、心に負荷をかけがちです。日頃から意識してストレスを溜めこまない・溜まったストレスはすぐに解消するようにしましょう。

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まとめ

ストレスフリー

今回のまとめは以下の通りです。

  • 嘔吐は嘔吐中枢が刺激されることで起きる。
  • 精神的なストレスが原因で嘔吐中枢が刺激されることがある。
  • 嘔吐が慢性的に続くようであれば、胃食道逆流症の可能性がある。
  • 胃食道逆流症になると、食道がダメージを受け、場合によっては潰瘍ができてしまう。・胃食道逆流症には日頃からの予防が大切。
  • もし胃食道逆流症になってしまった場合は、胃酸を産生するような食べ物に気をつけ、制酸薬や胃酸産生抑制剤を飲む。症状が重い場合は咳をしないよう運動や日頃の呼吸にも気をつける。

特にストレス性の胃食道逆流症には気を付けたいものですね。また、胃食道逆流症がひどくなったときは激しい運動をするとかえって食道の状態を悪化させてしまうので、お医者さんと相談しながらじっくり治療を進めていかないといけませんね。

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